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横浜市待機児童ゼロは喜べない 自治体で違う基準、数字はまやかし


 待機児童問題は国と自治体の怠慢か? 全国最悪だった横浜市がほぼゼロとなる見込みの最後に書きましたが、横浜市の待機児童ゼロは見かけの数字だけで、潜在的待機児童を考えると解決には至っていないという可能性があります。

 今日はそういう話なのかな?と思った記事を二つ。
正直、実感が湧きません。「横浜・待機児童ゼロ」:日経ビジネスオンライン
森岡 大地 2013年6月17日(月)

 記者は横浜市在住である。

 その記者にとって、5月に発表された「横浜市の待機児童ゼロ」のニュースは喜ばしい半面、にわかには信じられないものだった。

(中略)林文子市長は待機児童削減を掲げて2009年に初当選。待機児童対策予算を2009年度の約72億円から2010年度には約84億円に、2012年度には約157億円まで大幅に増額した。

 認可保育所はこの3年間で144カ所増えた。待機児童が多い地域に新設する際の補助金の上限を増額するなどし、企業参入を促す環境作りも進めた。それによりこの3年間で株式会社や有限会社など企業による認可保育所の新設は79カ所にも上り、市内の認可保育所580カ所のうち、約3割に当たる152カ所が企業設立の保育所になった。

 全国では株式会社が運営する認可保育所が全体の1.5%程度(2012年4月時点)にとどまることを考えると、民間開放が大きく進んでいることが分かる。

 さらに、市が独自の基準で認定する認可外施設「横浜保育室」を3年間で28カ所増やしたのに加え、幼稚園での預かり保育の定員拡充なども進めることで、約1万4000人もの受け入れ枠拡大を実現した。

 ソフト面でも、独自サービスを展開。2011年度からは、保育の相談に乗る「保育コンシェルジュ」を各区に配置。保育所の空き状況を加味しながら、保護者の個々のニーズに合った保育サービスの紹介に取り組んでいる。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130611/249479/?mlp&rt=nocnt

 政策は先進的なように見えます。

 しかし、"保育所仲間や同じく横浜市内に住むパパ友・ママ友から、入れる保育所を探す「保活」に関して、大きく改善したという話が聞かれ"ず、聞こえてくるのは苦労話ばかりだそうです。

 それは一部の保育所に人気が偏っているせいじゃないの?とも思う方がいそうですが、作者は数字のマジックを理由に挙げていました。
 待機児童ゼロとはいうものの、実は「待機児童数」の定義が従来と変わっている。預かり先がなく育休を延長した場合について、市は2011年に待機児童数から除外した。育休中は親が保育できるという認識からだ。2012年からは、自宅で求職活動をしているケースも除外。2013年4月の両者の合計は303人にもなる。

 また、認可保育所へ入れずに「横浜保育室」などに入所している877人も除外。特定の保育所のみ希望する場合(566人)も統計には含まれない。

 これらをすべて含めると、1746人に達する。この1746人は「入所保留児童」と呼ばれ、定義の上では待機児童ではないが、希望通りの保育所に入れなかったという点では“潜在的待機児童”とも言えるだろう。待機児童の定義については厚生労働省が指針を示してはいるが、詳細は自治体ごとにばらつきがあるため、横浜市だけが“悪条件”とは言い切れない。ただ、除外項目が増えたのは事実だ。

 私は「認可保育所」にこだわることにむしろ疑問を感じていますので、「横浜保育室」は"市が独自の基準で認定する認可外施設"に入っている子どもを待機児童に換算しないのは、わからないでもないです。ただ、他は詐欺くさいですね。

 特に"預かり先がなく育休を延長した場合"は最低です。私は親がなるべく多く働けるようにという意味で待機児童対策を重視しています。これを除外してしまうと、待機児童対策のそもそもの目的がわからなくなります。


 ただ、以下は難しいところ。
 市では定員増を図るため、既存保育所の園庭やプールの一部を撤去して園舎を増築したり、ホールを保育室に変えたりしている。実際、記者の娘が通う市立の認可保育所でも、ホールや園庭を縮小することで定員を増やした。

 保育所に入れない人がいる以上、ある程度弾力的な運用が必要なことは理解できる。苦労をシェアし、みんなで何とか乗り切ろうとするのは当然と言えば当然だ。ただ、保育の質に関して疑問を持つ親がいても不思議ではない。

 これは過渡期ではやむを得ないと考える人も多いと思います。

 横浜市が独自に規定している横浜保育室だが、基本的には3歳未満を対象としているという点には注意が必要だ。

 横浜市のホームページには、「横浜保育室の卒園予定者が、認可保育所に入所申込みされた場合は、入所の選考の際に優先順位を高くしています」という説明書きがあり、卒園後に認可保育所へ入りやすくなることは歓迎できる。ただ、3歳を境に再び保活をするのかと思うと、親としては手放しに喜べない。子供にとっても、せっかくできた友達や先生との信頼関係が途切れることになる。どこにも預けられないという状況に追い込まれている親からすると贅沢な話かもしれないが、できることなら避けたいのが事実だろう。

 これはちょっと記事がおかしいような? 保育所から幼稚園に移る人はもともと多いそうで、大きな問題となっているのは3歳未満の待機児童だと聞きましたから、私は「3歳未満を対象」というのはむしろ現実に即した良いやり方だと思います。

 3歳以上でも同じように問題だとすれば作者の言うとおりなのですが、ちょっと虫が良すぎる要望のような……。


 一応、作者もこう書いてはいます。
 ここまで疑問をつらつらと書いてきたが、決して横浜方式を評価していないわけではない。実際、多くの予算を配分し、認可保育所を増やし、コンシェルジュ制度を導入するなど、先進的なことに取り組んでいる。制約がある中で努力をし、現時点での「現実解」を提示したとも言える。実際、林市長も「待機児童ゼロの目標達成はスタート地点。さらなる努力を続けたい」と述べている。

 ただ、多くのマスコミはこのニュースを褒めたたえ、さらに国までもが手放しで喜び、横浜方式の全国展開を語っていることに疑問があるのだ。

 左派的な主張は行き過ぎたものが多いですから、ちょっと警戒します。


 さて、もうひとつの記事。こっちはめちゃくちゃ長いです。流し読みで。……ああ、こちらは国全体として見ているんですね。

 私の言った潜在的待機児童に関しては、横浜市と国、両方で出ています。また、以下も私の主張に合う話。
横浜市「ゼロ達成」の裏で激増する潜在的待機児童 夫不在、子どもを抱えて路頭に迷う母親たちの悲鳴|News&Analysis|ダイヤモンド・オンライン
2013年6月7日 小川 たまか [編集・ライター/プレスラボ取締役]

 国が保育所を増やせないのであれば民間の参入が必要であることは、以前から言われてきた。しかし、「保育の質」という言葉を盾に民間企業は参入しづらく、認可保育所の2%程度に止まる。

 無認可の保育所の場合は、行政から補助金が降りないために保育料が認可保育所よりも割高となることが多く、また、信頼の面で保護者に選ばれにくい。実際は充実した保育を行う無認可保育所もあるが、認可が満たす設置基準(施設の広さ、保育士の人数など)を「満たしていない」ことで、保護者からのイメージが悪いのだ(これは後述するように、保育所についての情報を保護者が手に入れづらいことも一因と考えられる)。
http://diamond.jp/articles/-/37062

 横浜市もあれでしたが、杉並区はもっと詐欺です。
「杉並区は数字の面では待機児童数が少なく、十数人しかいないと発表されてきたが、実感から言って『そんなはずはない』と感じていた」と話すのは、「保育園ふやし隊@杉並」主宰の曽山恵理子氏。

 杉並区ではこれまで、「親類や知人などに預ける」「会社に子どもを同伴する」「自宅勤務に変更する」「企業内などの保育施設を利用する」という条件に当てはまる家庭の子どものみを、待機児童としてカウントしていた。「保育所に入れなかったためにベビーホテルや一時保育、ベビーシッターを利用した人」「預け先が見つからないために仕事を退職したり、再就職先を辞退した人」「育休を延長した人」などは、待機児童にカウントしていなかった。

 ふざけてるなぁ。

 ここは待機児童問題解決に民間を活かせ 株式会社参入のメリットで出てきた、"母親は「お願いです。私達の子育てをどうか手伝って下さい」という姿勢であるべきと"主張した田中裕太郎・自民党区議のところです。さすがにそういう区だけあります。


 記事で触れられていたのはこういった自治体によるシステムの違い、それに関係してシステムのわかりづらさ・親への情報の伝わりづらさ、この二点に文量の大半を割いていました。

 あと、「親への情報の伝わりづらさ」と書きましたけど、これは「母親への情報の伝わりづらさ」というのが実情のようです。

 と言うのも、安倍政権の女性支援政策や田中裕太郎・自民党区議でもありありと見えた「子育ては母親のもの」という思考や、やむを得ない事情により夫の協力が得られていないという状況のため、父親は頼りにならないようなのです。
夫の長時間労働が原因の1つだろう。本来であれば、待機児童問題は家庭の中で夫にも共有されるべき問題だ。「母親だけが情報収集に頭を悩ませることがないように」というのはもちろんだが、待機児童問題が男性にも理解されなければ、それは大きな声にはならない。結局行政は動かず、社会は変わらない。

「国の制度で育休や時短勤務を定めても、勤めている会社に子育て中の親を認める文化がないと制度を使えない」(曽山氏)という現状があり、「会社の文化」を変えるためには男性に育児についてもっと知ってもらう必要がある。

 根深い問題ですので一朝一夕には変わらない問題だと言えますし、前述の通りそもそも政治家が一番変える気がなさそうです。


 関連
  ■待機児童問題は国と自治体の怠慢か? 全国最悪だった横浜市がほぼゼロとなる見込み
  ■待機児童問題解決に民間を活かせ 株式会社参入のメリット
  ■待機児童数が減少しても、問題解決とは程遠い理由
  ■幼稚園と保育園と待機児童 「預かり保育」という選択肢はアリ?
  ■共働きの待機児童放置、実は市町村の違法行為 児童福祉法違反
  ■その他の人生・生活について書いた記事

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