熊本県立大の話をまとめ。<学生の論文を一部代筆で珍しい処分、熊本県立大准教授に>、<できの悪い学生の面倒見てあげたのに!准教授への擁護が続出>、<熊本県立大、放射性物質が入った分析装置を勝手に廃棄>、<管理体制あいまいで勝手に廃棄、おまけに1年半報告せず…>などをまとめています。
2023/06/24追記:
●できの悪い学生の面倒見てあげたのに!准教授への擁護が続出
2023/07/01追記:
●熊本県立大、放射性物質が入った分析装置を勝手に廃棄 【NEW】
●管理体制あいまいで勝手に廃棄、おまけに1年半報告せず… 【NEW】
●学生の論文を一部代筆で珍しい処分、熊本県立大准教授に
2023/06/10:大学教員の問題は珍しくないのですけど、珍しい!と思ったのが、学生の論文を一部代筆したことに対する処分があったこと。過去に聞いた覚えがありません。
熊本県立大の准教授、学生の論文を一部代筆 減給の懲戒処分に|熊本日日新聞社(2023年6月9日)などの記事が出ていました。
処分されたのは、総合管理学部の男性准教授(44)。ただし、平均賃金1日分の半額の減給ですので、極めて軽い処分。たった1日の半額ですので、やってもやらなくても良い…というか、むしろこれくらいならしない方が良かったんじゃないか?という軽い処分ですね。意図して軽い処分にしたのだと思われます。
レベルの低い大学ほど、ついつい学生の論文に手を加えたくなる…というのはわかるところ。とはいえ、学生が論文を書く意味からすると、やはり代筆は普通に不適切。このように考えると、軽すぎる処分は問題な気がします。しかも、記事を読み進めていたら「盗用」もあったとのこと。こうなると、余計軽すぎる処分だと感じますね。
<同大によると、准教授は2021年度に自身が担当する専門科目の履修学生2人が作成途中の論文を一部代筆した上、代筆した部分に他論文からの盗用があった。大学関係者から指摘があり、学内の懲戒審査委員会が事実確認した。准教授は代筆と盗用を否定しているという。>
上記は「自身が担当する専門科目の履修学生」という書き方。どうも卒業のための論文じゃないみたいですね。別記事<熊本県立大学は学生が提出する論文の一部を代筆した准教授を懲戒処分>[TKUニュース 23.06.09 18:30 ] では、「専攻科目履修において2人の学生が授業のまとめとして提出する論文の一部を代筆」と説明されていました。
https://www.tku.co.jp/news/?news_id=20230609-00000013
●特定の学生に対する優遇の可能性も?別の教員はきちんと指導
2023/06/18追記:別記事も…ということで、<“学生の論文を一部代筆”熊本県立大学准教授を減給の懲戒処分>(NHK 06月09日 17時12分)も読んでみます。目新しい話はなかったものの、読み直していてこの問題は「特定の学生に対する優遇」という観点で見るべきかも…とは思いました。
<代筆の内容には盗用した部分が含まれていたということですが、大学は「個人の特定につながる」として詳しい内容を明らかにしていません。
大学は「不適切な指導がある」と通報が寄せられたことから調査を進め、事実が特定できたとして9日、この准教授を平均賃金の1日分の半額とする減給の懲戒処分にしました。>
さらに別記事の<盗用した文章を用いて学生の論文を一部代筆 熊本県立大学の准教授が懲戒処分に
>(6/9(金) 17:29配信 RKK熊本放送)で、他にない記述を発見。<代筆と盗用については2人の学生の論文が完成する前に発覚したため、別の教員が指導にあたり論文を完成させた>とのこと。これが本来すべきことでしたね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/85c5c23011331581bdda6921fd72937cc3238c35
●できの悪い学生の面倒見てあげたのに!准教授への擁護が続出
2023/06/24追記:最初のときには「気持ちはわかるが不適切」と書きました。さらに、「盗用」があったのなら、問題であることは明白でもあります。また、2つ目の記事を見ると、本来准教授がすべきだった学生への指導を別の教員が行ったことが判明。指導せず代筆したのは、「特定の学生に対する優遇」という可能性も感じました。
といった感じだったのですけど、ヤフーニュースのコメント欄を見ると、結構、准教授に擁護的なコメントが多くてびっくり。1つ目の記事での反応だったら、これはまだ理解できたんですよ。私がえっ!?と驚いたのは、より悪質さのわかる2つ目の記事でこういった反応だったためです。
<添削指導と代筆の境目なんてあるんだろうか。無能な学生の論文を書いてやっても懲戒処分。無能な学生を留年させても懲戒処分or裁判ではやってられないよね。>
<出来の悪い学生の面倒見てあげたのに学生はお咎めなしかい!って感じの話かな?>
2つ目の記事であった<別の教員が指導にあたり論文を完成させた>が、できの悪い学生への指導としては望ましいもの。この記述がある方の記事で、上記のようなコメントが出ているのには首を傾げてしまいました。なお、上記より人気上位だったのは以下のコメント。全体に明快な批判は少なめな感じですね。
<准教授なのですから、学生の論文を代筆するより自身の論文を書いた方が良いでしょうに、代筆せざるを得なかった何らかの要因があるのでしょうか。
代筆と言われている部分がどんなものかは分かりませんが、そもそも指導をしていたのですから、添削もするでしょうし、こんな論文もあるよ、こうすればよいのじゃないかなどもあるでしょう。大学関係者からの情報提供のようですが、色々ありそうですね。>
<卒業論文(引用者注:今回の論文は卒業論文ではなかった模様)の評価基準がかなり甘く基本的に全員合格することが前提で大学の先生に落とす権限自体が実質無い。いい加減な学生も無理矢理卒業させるために頑張っている先生は数多くいる。>
<正しく引用されてないから盗用なのだよ。>
●熊本県立大、放射性物質が入った分析装置を勝手に廃棄
2023/07/01追記:まだちょっと短いのでもう少し熊本県立大の話題を何か…ということで検索。目についたのは、<熊本県立大“ 放射性物質が入った分析装置を誤って廃棄”発表>(NHK 05月16日 16時43分)という記事でした。勘弁してよ!という話ですが、意識せずにやりがちな話だと思われます。
<熊本県立大学によりますと誤って廃棄されたのは、放射性物質の「ニッケル63」が入った「ガスクロマトグラフ」と呼ばれる環境中の有害物質を測定する分析装置です。
先月12日、環境共生学部の実験室にあった分析装置がなくなっていることに教員が気づき、関係者に聞き取りを行ったところおととし12月、誤って廃棄していたことが分かりました。放射性物質が入った機器を廃棄する際はメーカーに依頼しなければならないことになっています。
廃棄された理由について大学は、分析装置は10年以上使用されず放置され、管理体制があいまいになっていたなどと説明しました。>
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kumamoto/20230516/5000019038.html
●管理体制あいまいで勝手に廃棄、おまけに1年半報告せず…
やりがちな話だと書いてから本文を読むと、ガスクロマトグラフでびっくり。私も大学時代使っていましたが、全然放射性物質が入っているという知識はありませんでした。ものによって使用しているかどうか違うかもしれませんけどね。また、放射性物質入りか意識せずに捨てた以前に、管理がずさんというのも想定外な話でした。
これが判明したのは、2021年の12月。ところが、大学は発見や回収が見込まれないと判断して原子力規制委員会や警察に報告したのが、なんと2023年の5月。これもひどすぎじゃないか?という話。私は問題が起きたときの事後対応が大事という話をよく書いていて、その意味でいうとめちゃくちゃひどいです。
気になる安全性ですが、大学によれば、「ニッケル63」は頑丈なステンレス容器に入っているため、処理の過程で被災する危険性はなく、健康や環境への影響はないとのこと。また、再発防止に取り組むと言っていました。ただ、ここまで見てきたように、いろいろひどすぎるために、信用していいのか?とも思ってしまいます。
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