●ポカリスエット=POCARIの汗という意味で、海外だと汗臭いと嫌われる国も
2023/09/04:
一部見直し
2013/8/8:
企業の海外進出戦略の成功例. ~ヤマハ、大塚製薬、ソニー~では、東南アジアでのポカリスエットの成功について書きました。
Wikipediaでも<現在は日本や東南アジアをはじめ、多くの国で発売されている。大塚製薬によれば「食品分野の日本製品で、これだけ国際的な知名度を持つ製品は少ない」とのこと。>と書かれていました。しかし、ウィキペディアではこの後にはこう続きます。
<ただ、アメリカ合衆国(米国)など英語圏の国々では商品名が「スウェット=汗」(=臭い)を連想させる、と指摘されることもある。米国内でスポーツドリンクといえば、老舗のゲータレードの方が強い。>
この手の話は
日本視覚文化研究会さんが強いだろうなと検索したら、<海外ネタつれずれ:ポカリスエットに対する海外の反応「ポカリの汗って・・・ポカリって誰だよ・・・」>(March 04, 2011)というリンクが出てきました。案の定、「スエット」をツッコまれています。
<『ポカリ』って一体何者なんだ?でもなぜかコイツの汗(sweat)を飲みたくなってしまう自分がいる・・・。>
<これは俺の親父の大好物じゃないか!俺の母親は日本人で、親父にこれを勧めたんだ。
で、親父はそれを「キャメル・スウェット」(ラクダの汗)って呼んでたから俺も兄弟も誰も飲もうとしなかったよ。>
<香港に行ったときに見かけたけど飲まなかった。この訳は奇妙だし、ひどいな。
>日本では、一般に(商品の)名前を付ける際、伝わるような英語訳を用いないし、意味の含蓄を気にかけない。これの名前も消費者に対して、栄養素とイオンの含まれた飲み物で発汗した水分を補給する役目があることを伝えるために名付けられただけだ。>
http://blog.livedoor.jp/meaningless88/archives/2679684.html 普通はまず国内受け狙いですからね。欧米圏と日本とで感覚が違うというのはよくあります。ただ、日本人はそもそも「スウェット」の意味は気にしていなかったんじゃないかと思いますけどね。とりあえず、大塚製薬としては、前向きな意味で「汗」を入れたかったようです。
「ポカリスエット」“汗の飲料”をつくれ!-それは2人のアイデアから始まった|飲食品でヒット商品をつくる|J-Net21[中小企業ビジネス支援サイト]
<ポカリスエットは1980年に発売された。当時の日本には米国からジョギングブームが上陸し、走って汗をかく快感が人々に広がり始めていた。
ポカリスエットが世に誕生するきっかっけは73年、2人の男の頭に浮かんだ発想からだった。そのうちの1人が当時の技術部長・播磨六郎氏。播磨氏は同じ年に「飲む点滴」を思い浮かべた。そしてもう1人が当時の徳島工場長・大塚明彦氏(76年に社長就任、現在は大塚ホールディングス会長)。大塚氏は「汗の飲料」ができないかと考えた。
特に播磨氏の発想は壮絶な体験に基づいている。73年に清涼飲料の原料を視察するためにメキシコへ出張、そこで水事情の悪さから腹をこわしてしまった。外国人がしばしばかかる感染症だ。スペインに滅ぼされたアステカ王朝最後の王・モクテスマ二世の恨みと言い継がれ、現地で「モクテスマの復讐」と呼ばれる感染症だった。
その復讐に七転八倒して入院。診察した現地の医師は播磨氏に抗生剤と炭酸飲料を与えてこう言った。
「体内の水分と栄養分が失われているから、とにかく水分を飲んで、後で栄養を摂るように」
その言葉にヒントを得て播磨氏は「水分・電解質の経口補給飲料」、つまり「飲む点滴液」をイメージしたという。そして帰国後に大塚氏にその思いを報告した。が、それを聞いた大塚氏は「まだ機が熟していない」と判断した。商品化にはまだ早すぎる、と。
そして時を経て77年、社長に就任していた大塚氏からポカリスエット開発の本格的な検討が播磨氏たちに指示された。ポカリスエットの発想の原点は両氏の「汗の飲料」であり「飲む点滴液」。どちらのアイデアも"水分と電解質を補給する飲料"を目指したものだったが、そのコンセプトを商品化するためにはいくつもの越えるべきハードルが待ち構えていた。>
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/foods/entry/2010111503.html ただ、こちらを読むと、当時は日本でも「汗」という名前が嫌われたとありました。
<発売直後のポカリスエットは、大なり小なり河野さんと同じような印象を消費者に与えていたようだ。清涼飲料なのに甘くない、おいしくない、と。
そんな印象をもって発売されたポカリスエットだが、ある意味では清涼飲料の常識を打ち破った新商品と言えよう。なぜなら、「言葉にできないおいしさ」「いまだ体験したことのないおいしさ」など、巷にありがちな清涼飲料のキャッチコピーとはま逆の“おいしくない味”だったのだから。そのうえ容器には「スエット=汗」の文字。商品名も少し、いやだいぶ奇妙だった。(中略)
摩訶不思議な味に加え、ブランドネームの「ポカリスエット」も消費者を驚かせた。なんといっても「スエット」=汗がネーミングに使われている。
さらに缶のパッケージデザインも市場の虚をついた。それまでの飲料のパッケージは赤やオレンジなど暖色系が主流。そこに青を基調とした寒色系の色調を投じた。当時の飲料業界では売れないとされた色。そのデザインにも流通チェーンは否定的だった。>
色の話は以前も聞きました。しかし、逆に今は青がスポーツドリンクの色として定着しています。
<これだけマイナスイメージを抱えた新商品を市場に浸透させるにはどうすればいいか。そこで着手したのが大量のサンプリングだった。商品コンセプトを浸透させる。「汗をかいて失った水分と電解質を補給する」-このコンセプトがわかってもらえれば必ず売れる。そのためにはそのシーンで飲んでもらうことが大切だ。スポーツを楽しんでいる人、暑い中で買い物をする主婦、サウナでひと汗流したばかりの人。ありとあらゆる発汗シーンに向けて惜しまずサンプルを配り、説明を重ねた。サンプルの数量は無制限。なんと3000万本をサンプルとして初年度に配布した。>
これは東南アジアで売った手法と同様ですね。大塚製薬の十八番なんでしょうか?
後半は真面目な話がだいぶ混ざりました。こっちを読んでいて思いましたが、結局日本でも「ポカリスエット」というのはあまり良い商品名じゃなかったような感じですね……。
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