別に私は小売業とは何の関係もないんですが、ついスーパー関連の記事は読んでしまいます。
店の特徴はまず「惣菜」のようです。
業界の内外でさいちが注目を集めているのは、様々な点で、大手チェーンなどとは全く異なる経営スタイルを持っているからだ。
その1つが商品構成。通常の食品スーパーは生鮮食品を主力にしているが、さいちの商品構成は総菜の売り上げが全体の55%を占めている。店舗の面積を比べても、通常の食品スーパーが平均で500~600坪もあるのに対し、さいちはその7分の1ほどの大きさしかない。
今、スーパーを取り巻く環境は激変している。各地で高齢化が進んだことで、近隣で手軽に買い物ができる店舗のニーズが高まっている。都市部でも小型のスーパーが増えたり、コンビニエンスストアが生鮮食品の扱いを強化して「スーパー化」したりしているのも、消費者のニーズの変化に対応してのものである。
さらに少子化などによる世帯人数の減少や共働き世帯の増加により、自宅で調理する機会が減っている。こうした背景もあって、近年、各スーパーは総菜の売り場を強化してきた。
つまり、小さな店舗で総菜を中心に地道に販売を続けてきたさいちは、結果的に時代を先取りしてきたのだ。
惣菜の歴史は古いようです。
秋保温泉でさいちは100年近くも地元の住民や旅館を相手に日用品や雑貨を売る「佐市商店」として細々と営業してきた。
転機が訪れたのは1979年のことだ。小さな商店から食品スーパー「主婦の店さいち」に業態転換したのである。翌80年には現在の主力商品である手作り総菜の製造と販売を始めた。当時の食品スーパーとしては珍しい試みである。さらに81年には同社オリジナルの看板商品である「秋保おはぎ」の製造も始め、現在のさいちの経営スタイルの骨格ができた。
当時は珍しかったんですね。
また、この路線はその後増えるショッピングセンターの対抗策にもなりました。
さいちのような小さな店が巨大な流通チェーンと正面からぶつかっても勝ち目はほとんどない。店舗は小さく、最新の設備があるわけでもない。大量の商品を仕入れることもできない。同じような売り方をしていれば、さいちのような小さなスーパーはあっという間に低価格競争に巻き込まれてしまう。
そのため、さいちでは当初から意識して価格競争を避けた。佐藤社長は「安売りは売り上げ向上に一時的な効果しかない」と考え、新聞の折り込みチラシなどの広告宣伝は20年以上前にやめた。周辺の競合店の価格動向を気にするようになるので、ほかの店のチラシも見ないようにしている。
チラシも見ないという徹底ぶり。
さいちの思想は主力商品である総菜によく表れている。先ほども書いたように、さいちの主力商品は弁当やおはぎを含めた総菜である。多くの食品スーパーでは、総菜などが店舗全体の売り上げに占める割合は10%程度にすぎない。しかし、さいちでは5割を超えている。どこの食品スーパーでも、総菜コーナーは店舗の端にあるが、さいちでは一番目立つ店舗の中心に総菜のコーナーがある。売り場面積もほかの一般的なスーパーに比べて圧倒的に広く、総菜コーナーだけで売り場全体の約2割を占める。特に全国的に有名になった看板商品のおはぎは総菜コーナーの約3割を占めている。
ただ、価格は高いわけではなく、むしろ安くしています。
総菜は日常生活の中で食べるものである。あまり意識されることはないが、外出時などに食べるハレの日の豪華な料理とは違う。そのため、スーパーの総菜は単においしいだけではだめで、飽きがこないことが重要だ。豪華な料理は一度は買ってくれても、結局、味付けに飽きてしまうことも多い。毎日買ってもらうには、価格も安くなければならない。このことを実現するのは簡単そうに見えるが、それほど簡単なことではない。豪華な料理を作る調理師は世の中にたくさんいるが、日常の家庭料理をおいしく、飽きがこないように作る調理師はあまりいないからだ。
さいちの総菜の大きな特徴はこの「日常性」にある。だから販売されている商品は普段多くの家で食べられているような料理ばかりだ。きんぴらごぼう、野菜や魚の煮物、肉じゃが、ポテトサラダ、卵焼き、漬物…。珍しい商品まったくはない。料理の内容や味付けは地元で長く食べ続けられていて、多くの人がおいしいと感じることにこだわっている。
販売価格は原価の積み上げでは決めない。地域に住む人の所得水準から値ごろと思える価格をつける。だから、食材などの価格が高騰したとしても、販売価格は変えない。原価の積み上げではないので、仕入れ業者や生産者と原材料の仕入れ価格の交渉をすることもないという。
"原価の積み上げでは決めない"となると不都合もありそうですが、それでうまく回っているようです。
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