前半はタイトルにした<ニューヨークの水道水は危険?安全?ペットボトルはコレラ入り>の他、<大量消費なイメージ…とは逆にニューヨークはエコな都市>など、ニューヨークの話をいろいろ。この後半に水道水関連の<アメリカの水道水はやはり不安全?50%以上の人が汚染水を使用>をまとめています。
●ステーキや炭酸飲料を大量消費するニューヨークが変わる?
2013/8/16:内容はまとまりないんですが、ところどころおもしろかった
ニューヨークから「どか食い」が消える?:日経ビジネスオンライン(2013年7月23日)という記事。巨大都市が進めている様々な分野の「壮大な環境実験」を近著『サスティナブルシティ ニューヨーク 持続可能な社会へ』で描いたFBCサステイナブルソリューションズの田中めぐみ代表に聞いたという内容の記事です。
記事では、田中めぐみ代表の住んでいるニューヨークについて聞いていたものですね。前述の通り、内容はまとまりなく、全体タイトルになっていた<ニューヨークから「どか食い」が消える?>に関する部分なんかは、本文だと短くて極めてあっさりでした。この部分について、最初に説明しておきましょう。
アメリカ人は、ステーキやフライドポテト、炭酸飲料を大量に摂取しています。そこで、行政が「規制」をかけるといった事態になっているという話。例えば、一定量を摂ると悪玉コレステロールを増加させる「トランス脂肪酸」は、2006年から市内のレストランで使用が禁止に。さらに、糖分入り飲料の「サイズ規制」を検討し、日本でも話題になりました。
糖分入り飲料の「サイズ規制」は、450グラム以上の特大サイズの販売を禁止する条例。しかし、記事時点では、裁判で負けて、再審にかかっている状態に。飲料業界を中心に反対もされているようです。ただ、サイズを規制しても、何杯も飲む輩が出てくるだけで、「効果はそんなにないかもしれません」とも言っていました。
●大量消費なイメージ…とは逆にニューヨークはエコな都市
聞き手の金田 信一郎さんは、ニューヨークに「エコ」な都市というイメージを持っていません。むしろ高層ビルが建ち並ぶ金融都市で、「金満」な人々が大量消費を続けている、といった感じで、ニューヨークは「環境」や「エコ」と対極にあるイメージがあるとしていました。
ただ、田中めぐみさんによると、ニューヨーク市は、環境関連の政策をどんどんと打ち出してくるんだとのこと。冒頭の話がそういった例の一つですね。「アンチ・エコ」なイメージな都市なのに、「ニューヨークがエコ?」とインパクトがあるともしていました。
私はアメリカ人自体に、環境破壊の第一人者というイメージがあります。ただ、一方で宗教的とも言えるほど過激にエコな活動を進めている人もいるイメージ。主流は気にしない派だけど、両極端というのが私の印象。そもそも似たような考え方の人が多い日本が異端で、海外では多様性があるとも言いますけどね。
●ニューヨークの水道水は危険?安全?ペットボトルはコレラ入り
おもしろいなと思ったのが
水道水の飲める国は世界で13カ国のみ 南北アメリカは全滅でもやった水道水の話。当時の分類だとニューヨークは「水道水をそのまま飲めない町」という分類になっていました。しかし、今回の記事には、実際には違うとのこと。
下痢や病気になる危険があるので、日本人は「海外に行ったら水道水は飲んではいけない」と思っていると、インタビューアーは指摘。ところが、ニューヨークは異常なくらい安全な水道水を供給しているんだそうです。
田中さんによると、塩素消毒だけでなく、水道管からの鉛の混入を防ぐためにリン酸や苛性ソーダを投入。さらに、虫歯予防のためにフッ化物(フッ素化合物)も添加されているといいます。
塩素は嫌われ者ですが、コレラを一掃するなど、その安全面での効果は計り知れないほど大きいです。しかし、アメリカのミネラルウォーターでは、そのコレラが入っているという話があってびっくり。水道水が安全である一方で、ペットボトルでは、コレラやサルモネラ菌、赤痢菌などの感染が起きている、と指摘されているとのこと。
濃度の話がわからないので、全然問題ないレベルなのかもしれませんけど、めちゃくちゃですね。なお、アメリカでは、<アメリカの水道水はやはり不安全?50%以上の人が汚染水を使用>という話もやっていて、後半にまとめました。
●アメリカよりも日本の水道水の方が危険?原発事故起こしたくせに…
あと、田中さんも変なこと言っているところがありました。「それにしても、ニューヨークの水道水は危険だとばかり思っていました」というインタビューアーの話に、以下のように返していました。
<日本だって、同じような状態だと思うんです。それなのに、日本の人からは「アメリカは大変だね」と言われる。でも日本の水道水だって、3・11で影響があったと思うんです。それを、どこまで調査して飲んでいるのか。気にしてないだけじゃないか、と。分かっていないから、行動しない>
原発事故によって水道水が危険になるようなことはありませんでした。放射線基準値を超えるって値になるほどのことはそうそうありません。そして、健康への影響するレベルとなるとさらに可能性は低くなります。先程のコレラと同じで、大事なのは濃度なんです。
ということで、「日本の水道水だって、3・11で影響があったと思うんです。みたいな発言も、ちゃんと「調査」してからしてほしいですね。
(関連:
WHOの水道水の基準値に対する見解 ~1ベクレル/リットルは間違い~)
水の安全性に関して言えば、放射線よりは圧倒的に病原菌の方が確率が高くヤバいです。過去に実際にあった被害の大きさは全く比較になりません。何かこれで一気に話が胡散臭くなってきちゃったなぁ…。まあ、エコがどうこう言う人って、残念ながらたいていこういう人ですよね。
●子どもの歯が溶け、ヒ素、鉛までも含まれていたアメリカの水道水
2013/8/16:うちで初めてやった水道の話は、
水道水の飲める国は世界で13カ国のみ 南北アメリカは全滅というもの。その後やった<ニューヨークの水道水は危険?安全? ペットボトルはコレラ入り>(前半の話)では、ニューヨーク在住の日本人が「ニューヨークの水道水は異常なほど安全」と言っていました。ところが、やっぱりそうでもなかったのかもしれない…という記事が出ていたんですよ。
<データジャーナリズム英米最新レポート(1) ニュースを読者の「自分事」に変えたニューヨーク・タイムズの水質汚染報道>(ダイヤモンド・オンライン)
<水道水が汚染され、子どもの歯が溶け、ヒ素、鉛までも含まれていた……。 ニューヨーク・タイムズが明らかにした全米に広がる「汚染水域(Toxic Waters)」。自分の飲む水は安全か?当然起きる読者の疑問にニューヨーク・タイムズはデータジャーナリズムで解決策を提示した。「あなたの近くで水汚染者を見つけます(Find Water Polluters Near You)」というウェブサイトを公開。自分の住むエリアに汚染源があるか、検索できるようにした。(中略)
このサイトは、2009年9月の記事「罰則なく、汚染拡大(Pollution Grows With Little Fear of Punishment)」に組み込まれている。
ヒ素や鉛といった重金属や化学物質で汚染された水道水で、発疹ができたり、歯が破損したりした子どもが実際にいることや、全国的に50万回を越えて水質汚染防止法が破られ、1972年制定の同法が機能していないことなどを浮き彫りにした>
http://diamond.jp/articles/-/44138 法令はあっても順守されていなければ意味がありません。どうも野放しになっているようで、法令違反が多数あるみたいですね。野放しのリスクは日本でもあるんじゃないかと思いますが、例として載っていたニューヨーク、「異常なほど安全」と言っていたニューヨークでも、違反歴のある施設を示すオレンジ色のマークがたくさん見えていました。
●アメリカの水道水はやはり不安全?50%以上の人が汚染水を使用
元記事の<データジャーナリズム英米最新レポート(1)>というタイトルを見てわかるように、この記事自体は、「データジャーナリズム」に注目したもの。センセーショナルな映像、テキストや汚染を世に知らせるだけではなく、自分の住むエリアに汚染源があるようにしたことが画期的であり、ここが注目されました。
このように「データジャーナリズム」がメインの記事であり、アメリカの汚染水に関する情報はメインではないのですが、他にも水道水の汚染に関する意識の低さがわかる部分はありました。記事では、前述した以外ににも、以下のような話が載っていたのです。
<全米のすべての違反を調査し、
多くの州で施設の50%以上が水質汚染防止法に違反していた一方で、それらの
違反施設に対して罰則が与えられたケースは少ないことを告発している>
<Toxic Watersプロジェクトは、(中略)政府に対し、情報開示請求を500回以上繰り返した一方、水質調査をする機関から、調査データを取得。
政府が把握している水質に関する情報と、水質調査機関から得たデータにずれがあることを発見した。>
<
5割以上もの米国人が、国が定めた基準を超えて汚染された水を利用していること、そして、5万人以上の米国人が有害物質「アトラジン」が含まれている水を利用していることなどを次々と明らかにした>
ただ、これにより2010年、環境保護局が、飲料水に関する規制を見直し、化学製品使用に関するルールを強化した…とありますので、一応、今は大丈夫ってことみたいですね。正直言うと、個人的には、本当に信頼できるんだろうか?という風に、ちょっと疑ってしまうのですけど…。
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