Appendix

広告

Entries

サービス業と流通業はブラックな業界 給料の安い仕事である理由は?


 タイトル見ておもしろそうだなと。
流通業とサービス業の給料が安い経済学的理由:日経ビジネスオンライン
木暮 太一 2013年5月23日(木)

 もちろん同じ業界の中でも、給料が高い会社、低い会社があります。しかし、全体としてみると、業種別に年収の差が歴然としています。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130520/248252/?mlt&rt=nocnt

 平成23年分民間給与実態統計では、14種類の業種に分類しています。

 この中で一番安さが目立っているのは、以下の4つです。

■業種別の平均給与(おそらく年収)
平均 409万円

宿泊業、飲食サービス業 230万円
農林水産・鉱業 284万円
サービス業 322万円
卸売業、小売業 358万円

 農林水産・鉱業はちょっと特殊ですが、タイトルにあるサービス業と流通業が下位に揃っています。


 作者の木暮太一さんは、まず小売業については以下のように理由を説明しています。
 それは「利幅の天井」が決められているからです。マルクスの『資本論』の理論では、商品の値段は、「商品の価値」で決まります。そして商品の価値はその商品にどれだけ手がかかっているか、どれだけコストがかかっているかで決まっていました。

 そしてこの商品の価値には、一般的に必要な流通の手間も考慮されています。工場で製品ができたからといって、すぐにお客さんに買ってもらえるはずはありません。お客さんがいるところまで持っていかなければならず、また売る努力も必要です。それにかかる労力も商品の価値に含まれています。

 ということは、出来上がった商品をどのように流通して、どのように店舗で陳列しても、その商品の価値は変わらず、「妥当な値段」も変わらないということなのです。

 これが意味しているのは「卸業者や小売業者がいくらがんばっても、商品の価値を引き上げることはできず、その商品の『妥当な値段』を引き上げることはできない」ということです。

 『資本論』では、卸や小売りは「流通資本」と呼ばれています。そして、卸・小売りは、本来メーカーが自分で行うべき流通プロセスを代行している、とされています。

 商品は生産してその辺に置いておけば売れるわけではなく、当然「流通」と「販売」が必要で、それらの仕事は不可欠です。しかし、この活動は付加価値を生みません。いくら頑張って売ったとしても、商品(モノ自体)の価値が増えるわけではありません。よって、生産者(メーカー)は、できるだけこのプロセスを効率化しようとします。

 経費を削ることでしか利益を出せないってことなんでしょうね。
 メーカーが自分で行うと、流通するのに本来300円以上のコストがかかるとします。これを流通のプロがやれば150円でできるとしましょう。この場合、流通業者はメーカーから流通の仕事を300円で受ければ、150円の差額を手にすることができます。これが、卸・小売りの利益になるのです。メーカー側にとっても、自分たちでやれば300円以上かかるところが300円で収まるのですから、流通業者を利用するメリットはあります。

 作者は以下のようにこれには良い面もあるとしています。自らが価値を作り出す必要がないという点です。
 これは、卸、小売り業者は、自分で商品を製造しなくても、利益を生み出せるという「おいしい側面」があると同時に、卸や小売り業者の利幅には、もともと天井があり、その範囲内でしか利益を上げることができないということを意味しています。

 ただ、この天井はやっぱりキツイのです。
 流通・販売業務ではいくらがんばっても、手数料以上の利益は受け取れないのです。流通業者の「天井」は他人に決められています。それ以上はいくら頑張っても稼げないのです。卸や小売業者が自分たちの利益を増やしたければ、よりがんばって、より効率的に仕事をするしかありません。つまり、コスト削減です。

 話の流れからすると価値のある仕事をしていないから当然という感じもしてきますが、小売業がこの天井から逃れる方法は以下だそうです。
 こう考えると、流通各社がプライベートブランドを次々立ち上げているのも自然な流れです。流通業務では「天井」が決められています。しかし、自分自身がメーカーになれば、天井を自ら決めることができ、理論上はいくらの商品でも作ることができます。

 また、同じ小売でも、メーカー機能を持っている企業とそうでない企業では、平均年収に大きな差が出ます。例えば、アパレルです。ファーストリテイリング、ライトオン、ジーンズメイトの3社を比べてみましょう。細かいデザインなどを別にして考えると、3社ともカジュアル衣料を提供しています。

 しかし、2012年度の有価証券報告書によると、積極的に製造まで手がけている「ユニクロ」のファーストリテイリングは、平均年収が675万円なのに対し、ライトオンは378万円、ジーンズメイトは413万円です。販売している商品の価格帯で考えると、むしろファーストリテイリングが一番安いかもしれません。しかし、給料は「一番高い」のです。

 それ以上の高さではありますが、ユニクロは残業時間の長さが多少関係しているのかも。


 一方、サービス業の方はどうなのでしょう? 上記の説明であれば価値を創造できるサービス業は、利益も理論上青天井な気がします。
「日本人は、モノに対してはお金を払うが、サービスに対してはあまり払わない」と言われます。私はこれも『資本論』の価値基準が日本人に刷りこまれていることの現れだと思います。モノには明らかに原材料がかかっています。そして何らかの加工が必要なので、そこに「労力」がかかっていることが分かりやすいと言えるでしょう。つまり、マルクスが言う「価値」が明らかなのです。

 一方、サービスは違います。レストランのウェイター/ウェイトレスが料理を運んできてくれても、それに対して「価値」があるとはあまり感じません。スタッフがいなければ料理が運ばれて来ないので、ウェイター/ウェイトレスの労働に対して「使用価値」は明確に感じています。でも「価値」を感じていないのです。すごく乱暴な言い方をすると、「かけた労力は、料理を運んできた数十秒だけでしょ?」と思ってしまうのです。

 文化的な側面もありますが、海外ではレストランのウェイター/ウェイトレスに感謝の印としてチップを支払うことも多いです。日本ではそうしたことはほとんどありません(スタッフの給料にサービス料が含まれているというのもありますが……)。また食事に対する対価も、原材料を基準にしていませんか。A5ランクの牛肉だからいくら、有機野菜だったら高くてもいいけど、そうじゃなければ安くするべき、と。

 「おいしい店なら何度も通う。シェフの腕を考慮している」

 「店員さんの対応や内装の雰囲気が好きで、常連になった。これはスタッフの雰囲気を評価している証拠だ」

 そういった反論もあるでしょう。しかしそれは、料理やレストランの「価値」ではなく、あくまで「使用価値」を評価しているのです。

 化粧品に何万円もかける人も、美容院にはあまりお金を使わなかったりします。日本人はアドバイスにお金を払わないとも言われます。せっかくアドバイスしてくれる人がいても、「アドバイス料」を払いたくないために、我流で試みて失敗する人が大勢います。

 日本人は、形が見えないサービスに対して「価値」を感じにくいため、高いお金を払わないのです。その結果、サービス産業の給料が安くなっているのです。

 "スタッフの給料にサービス料が含まれているというのもありますが……"とありますけど、海外でのウェイター/ウェイトレスの給料は日本より安いはずです。

 チップ込みでトントンとなるかはわかりませんけど、おそらく日本人と同じく、他業種と比較して価値を感じている給与とはならないでしょう。

 たとえば、以前書いた海外の反応 日本はチップがなくても大丈夫なの?と信じられないや、欧米発の資本主義が世界中に広まることを非難した以下の話からもその様子がわかります。
いま中東では 人民新聞オンライン
ギリシャからレバノンまで、労働者階級よ、立ち上がれ!

政府の経済政策は、生産増や生産性上昇を、1975年のレバノン内戦前に対GDP比55%であった賃金を改善するために利用しなかった。もし改善していたら、レバノン国民の生活水準や雇用市場の改善も見られ、今のように優秀な労働者を外国へ逃がすことを防げたであろう。

しかし、「財政安定」や「インフレ」を口実に、1997年から2008年に賃金凍結が強行された。法律では、「国民の賃金水準調整のために物価指数委員会を毎年開かねばならない」と規定されているにもかかわらず、政府は無視したのである。こんなことは、12年間なかったことである。

この政策は、銀行や高額所得者による高利率の短期国債購入を促進した。一方、逆累性税制のために、底辺世帯は大打撃を受けた。納税者から債権者への富の移転が激しくなり、利子の対GDP比率が5%から10%に上昇。さらにこの政策は、経済を刺激するために外国資本の流入と海外で働くレバノン人の送金にますます依存するようになり、その結果、貿易財と非貿易財の価格格差が拡大した。サービス業や小売業など、給料が安くて生産性が低い部門に人やモノの経済資源が集中するようになった。
http://www.jimmin.com/htmldoc/148404.htm

 サービス業と流通業は、日本だけでなく世界的にあまり給与の良い仕事ではなさそうです。


 関連
  ■海外の反応 日本はチップがなくても大丈夫なの?と信じられない
  ■会社の見分け方・成長企業と倒産企業 ブラック企業の判別法も
  ■ブラック企業向きな体育会系は就活有利 人事「会社は部活だ」
  ■トラック業界では残業代の支払いを求めると社長が人間不信に陥る
  ■その他の仕事について書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由