トンボやチョウの話をいろいいろ。「鳥より速く飛ぶチョウがいる!チョウが鳥より速く飛べる理由」や「蝶なの?トンボなの?チョウのように飛ぶチョウトンボ」、「日本ではあり得ない?台湾の道路当局、チョウ保護のため交通規制」といった話をやっています。
最初に追記 2021/03/09:
●赤くない赤とんぼがいる!青い赤とんぼや黄色い赤とんぼがいる理由 【NEW】
●赤くない赤とんぼがいる!青い赤とんぼや黄色い赤とんぼがいる理由
2021/03/09:動物教材研究所pocket 主宰 松本朱実さんによると、赤とんぼは学術的にトンボ科アカネ属の仲間。しかし、アカネ属には、赤くない種類もあり、ナニワトンボの成熟したオスは青色。華奢(きゃしゃ)で清楚な美しさを持つトンボで、目も腹と同じ青だといいます。
この話があった
朝日新聞デジタル:96 赤とんぼ 稲作とともに - 和歌山 - 地域で、松本朱実さんは、赤とんぼの生活史は稲作と深い関わりがあると指摘。例えば、アキアカネやナツアカネは稲刈り後の泥地に卵を産み、翌年春の代掻(しろか)きとともに孵化するとされていました。代掻きとは、田んぼの土をかき混ぜて表面を平らにすることをいいます。
土を耕し、水を張り、稲を育て、水を干し、稲を刈る――。人によって絶えず変化する稲作水系の環境で、トンボたちは多様に繁栄したと説明。逆に言うと、その赤とんぼが最近減りつつあるのは、耕作放棄地の増加やわせ品種への転換、農薬などによる影響といった、稲作の変化があると松本朱実さんは見ていました。
なお、赤とんぼの説明が一般的なのかどうか、
赤とんぼ - Wikipediaも確認。やはり通常はトンボ科アカネ属(アカトンボ属)に属するトンボを総称して「赤とんぼ」と呼ぶとのこと。ただ、狭義には秋に平地に群を成して出現するアキアカネのみを指すことがあるともいいます。
ただし、このアキアカネを素人が特定するのは至難の業。専門知識なしにアキアカネと他のアカネ属のトンボを区別するのは難しいとされていました。なので、昔から呼んでいた「赤とんぼ」や今でも一般人が言う「赤とんぼ」はやはりアカネ属系のトンボと捉えた方が良いのでしょう。
それから、Wikipediaでも赤くないトンボの話がありました。アカネ属であっても体色の赤くないナニワトンボやマダラナニワトンボを赤とんぼに含まない場合もあったり、またトンボ科アカネ属以外の体色の赤いトンボ(ハッチョウトンボ、ショウジョウトンボ、ベニイトトンボ等)を赤とんぼに含む場合もあったりするとのこと。いい加減なようです。
色は赤でなく黄色であるにもかかわらず、夏の終わりごろから群を成して出現するウスバキトンボが赤とんぼと呼ばれることも多いとのことで、ホントいい加減。実際に赤いかどうか調べもせず、なんとなく赤く見えるトンボを赤とんぼと言ってきただけなので、厳密に定義するのは難しいのかもしれません。
●鳥より速く飛ぶチョウがいる!チョウが鳥より速く飛べる理由
2012/213:まずは、「鳥より速く飛ぶチョウ」の話から。無論、普段の移動速度が、鳥より速いわけでありません。しかし、ある種のチョウが、英国から地中海沿岸地域まで数千キロの渡りにおいて、鳥よりも速く移動しているんだそうです。
なぜチョウがそんなに速く移動できるかというと、風をうまく利用しているためです。このチョウには自分たちを目指す方向へ運んでくれる風を選ぶ能力があり、風に乗って時速100キロもの速さで移動するのだそうです。
これを研究したロザムステッド研究所(Rothamsted Research Institute)のジェイソン・チャプマン(Jason Chapman)氏は、「季節移動するチョウは追い風を探す能力が発達している。冬や春に穏やかな気候の地域を目指して移動する際、気流が最も速く流れる高さを飛ぶことで、わずか数日間で目的地にたどり着く」と話しているそうです。
風を使ったズルとは言え、すごいですね。不思議なものです。
(以上、
季節移動をするチョウは風に乗って長距離をスピード移動、研究報告、AFPBB News 2010年02月07日より)
●蝶なの?トンボなの?チョウのように飛ぶチョウトンボ
もう一つの「チョウのように飛ぶトンボ」の話ですが、こちらはなんと日本国内にいる虫でした。私は全然知らなかったのですが、日本には生息地が減少しているとされる「チョウトンボ」(トンボ科)という虫がいるそうです。「超トンボ」じゃないですよ。チョウのようにひらひらと独特の飛び方をするから「チョウトンボ」みたいですね。不思議なトンボで、見た目もきれいでした。
私が読んだ記事で紹介されていたのは、京都府宮津市の関西電力宮津エネルギー研究所内の人工池、その名も「トンボ池」に繁殖しているもの。この池は、最初からトンボを想定して作られたというもの。広さ約250平方メートルの池の中にノハナショウブやヒツジグサなどを植え、トンボが生息しやすい環境を整えています。
平成14年7月に整備され、初年度には、アオモンイトトンボやウスバキトンボ、ギンヤンマなど約15種類が飛来。3年ほど前からは、今回の主役であるチョウトンボの繁殖の確認されるようになったとのこと。チョウトンボは通常、水草の多い里山の沼地に生息しており、人工池で観察されるのは珍しいと、されていました。人工的に生息環境を作るのってすごく難しいと思われるので、こうして成功できるとは素晴らしいことです。
(以上、チョウトンボが人工池で繁殖 京都の関電施設、産経新聞、2009/08/13より
リンク切れ
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/science/289525/)
先の風に乗って移動するチョウの記事には、「農作物に害を与えるチョウの移動の予測にも応用できる可能性がある」とありましたが、虫を排除することだけでなく、ともに暮らしていくという技術も進展していくと良いですね。
●日本ではあり得ない?台湾の道路当局、チョウ保護のため交通規制
2009/4/4:ここから別の所からまとめたもの。台湾の道路当局が、チョウを保護するため、高速道路の一部閉鎖や制限スピードの変更など、一時的な交通規制を導入しているという話でした。台湾中部では3月半ばからの約1カ月間、ムラサキマダラの大群が高速道路を横切る形で飛ぶことが知られているそうです。
この新たな対策の前にも、実は「チョウ保護プロジェクト」というものを台湾では実行していました。過去3年で総額280万台湾ドル(約830万円)を投じたものだそう。これで、高速道路上で死ぬチョウの割合は3%から0.3%に低下したという成果を上げていました。
(台湾の道路当局、チョウ保護のため交通規制 ロイターより
リンク切れ
http://news.www.infoseek.co.jp/world/story/03reutersJAPAN37319)
実際私が運転手の側だったら迷惑だと思っちゃうかもしれませんけど、「そこまでするかぁ」と感心しました。まあ、「希少なチョウのため」とか言われると我慢できちゃうかも。で、写真を見たら、たいへんきれいなチョウでした(写真のチョウは、正確には「ツマムラサキマダラ」)。これは我慢しちゃいますわ。
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