ラップ療法の話をまとめ。<ラップ療法のデマ広まる 傷口に食品用ラップ…は素人には危険すぎ>、<安易に勧めないで!過去には実際に死亡例や足を切断した例がある>をまとめています。
2023/08/24:
一部見直し
●ラップ療法のデマ広まる 傷口に食品用ラップ…は素人には危険すぎ
2018/09/08:
傷口にラップっていいの? 熱傷・褥瘡、専門家の見解は:朝日新聞デジタル(鈴木彩子 2018年8月24日06時00分)によると、ややこしいことにどうもすべてのケースでラップ療法がダメってことではないみたいですね。有効なケースもあるせいで、逆にデマが広がりやすくなっているのかもしれません。
記事によれば、傷口を食品用のラップフィルムで覆う「ラップ療法」は、2000年ごろから、褥瘡(じょくそう)ケアの現場などで、傷を乾かさず湿潤環境において治す目的で用いられはじめた、とされていました。医療現場などで、使用される場面もありそうなのです。
ここで出てきた褥瘡(じょくそう)というのは、聞き慣れない言葉でしょう。
褥瘡について | 日本褥瘡学会によると、寝たきりなどによって、体重で圧迫されている場所の血流が悪くなったり滞ることで、皮膚の一部が赤い色味をおびたり、ただれたり、傷ができてしまうこと。一般的に「床ずれ」と呼ばれていることです。
ただ、他の場面での使用は、むしろ深刻な事態に陥るようなケースもあるようです。この後、その具体例について紹介しますけど、ラップ療法をすることは、まるっきり全部間違いではないとはいえ、素人は使用すべきではないのではないか?と朝日新聞の記事を読んでいて感じました。素人には危険すぎると思われます。
というのも、「どんな傷も治せる万能薬」といったラップ療法に関する誤った考え方が一人歩き。傷の治癒について十分な知識の無い医師や個人が使った結果、やけどの症状が悪化するなどのケースが出て問題になったとされているため。「知識の無い医師や個人」ですので、医師ですら間違えました。ましてや素人は…という話でしょう。
●安易に勧めないで!過去には実際に死亡例や足を切断した例がある
ラップが良いと誤解されたのは、ラップで覆うことで傷が乾燥しないという点です。ただし、水や水蒸気を通さず、吸水力もないということは、傷口を適切な環境に保つのは難しくなるともいいます。適切な環境に保てないと、細菌感染や傷の周りの皮膚にトラブルが起こるリスクも高まる、とされていました。
特に危険だとされていたのは、「やけど」の治療に対してラップを使うケース。日本熱傷学会は2012年に、やけどの治療でラップを使うことは「厳しく制限されるべきである」「特に乳幼児には決して用いてはならない」とする見解を発表しました。実態調査において、トラブルが全国で49例確認されたためです。
傷口で増えた細菌が全身に回って起こる敗血症になった事例が10例あり、死亡例や、患部が腐って足を切断したケースもあったといいます。大げさではなく、本当に危険なのです。日本大学の仲沢弘明教授は「やけどは、たとえ小範囲であっても感染を起こすと死を招くことがある」と指摘しています。
一方で、日本褥瘡学会の川上重彦理事長は、急なケガなどで食品用のラップフィルム以外に手元に何もないときに、傷を保護する応急処置として使うことまでは否定しないが、24時間以内に医療機関を受診するようにとしていました。ただ、前述の通り、素人には判断が難しいために、基本的には医師に任せた方が良いと私は考えています。
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