もともとは駅で置き去りにされた車掌さんに関する話を書いていた投稿でしたが、クイズとして模様替えしました。回答まで間を開けるために、それ以外にも豆知識的なものを用意しています。
2022/05/23追記:
●また車掌が置き去りにされるトラブル発生 今度の車掌の対応は? 【NEW】
【鉄道こぼれ話クイズ】鉄道にまつわる以下3つの話のうち、間違っているものはどれでしょう?
(1)2009年8月25日午前9時ごろ、箱根登山鉄道彫刻の森駅で、運転士が車掌が乗車していないことに気付かずに発車。置き去りにされた車掌は全力疾走で電車を追い掛け、次の強羅駅で追いつき乗車したため、ダイヤの乱れはなかった。
(2)2014年12月20日、インド北部カンプールの鉄道駅で1匹のサルが感電して意識を失ったところ、仲間のサルが助けようとして次々と感電死する事件が起きた。
(3)2017年1月23日、ロシアの怪力女性として知られるオクサナ・コシェレワさん(33)が出身地のイルクーツクで、満員の乗客を乗せた重さ18トンの路面電車2両を約5メートル引っ張って動かすことに成功。当日の気温はマイナス20度だった。
●ホームの下から生えた木が貫く珍しい駅 京阪電鉄の萱島駅
2013/11/28:クイズの回答までの間に別の話。クイズの選択肢としても検討したものの、結局使わなかった
鉄道トリビア (239) どうしてこうなった!? 高架ホームを巨木が貫く駅がある | マイナビニュース(杉山淳一 [2014/01/25])という記事は、大阪にある珍しい駅の話でした。
京阪電気鉄道京阪本線の萱島(かやしま)駅は、上から生えている樹木がプラットホームと上屋を突き抜けています。ホームに樹木がある駅は珍しくないものの、"高架駅のホームで木を植える例はあまりないし、ましてホームの下から生えた木が貫く駅とは珍しい"と言います。
この樹木は高架駅の下にある萱島神社の御神木のクスノキ。ご近所の方の話では、もともと京阪本線の線路はクスノキの裏手を通っていました。このときには特に問題なかったようです。
しかし、1972年に萱島駅を含む区間の工事に着手したとき、淀屋橋方面の線路やプラットホームがクスノキ側に張り出す形になりました。当初は木も伐採する予定だったものの、「萱島の大クスノキ」として親しまれた神木だったため、残すことになったそうです。
●よりによって夏のクソ暑いときに!駅に置き去りにされ、走る車掌
もともとの投稿(2010年2月22日)は、「置き去り車掌」の話を複数載せていました。一つが、2009年8月2日、JR青梅線東中神駅で起きたほのぼのとした事件です。このときの車掌は、最後尾の車両で酒に酔って座席に横になっている乗客を起こしに行ったところ、車掌室がロックされて戻れなくなったと言います。この時点ではまだ電車の中です。
電車が東中神駅に着いて、車掌はホームから車掌室に戻るために非常用コックでドアを開閉して1人だけホームに降ります。で、普通ならお客さんが降りるために開く…はずなのですが、運転士は車掌をホームに残したまま発車。一度開いたドアが閉じたために、運転台の機器も開閉を示し、運転士は通常通りの乗り降りが済んだと誤解してしまったようです。
そんなわけですから、車掌だけでなく、東中神駅で降りる予定だった7人も降りられずに次の駅に。さらに東中神駅で乗車予定だった乗客も30~40人いて、こちらは後続電車に乗る羽目になりました。取り残された車掌は約800メートル離れた次の西立川駅まで全力疾走。約9分停車して待っていた電車に追い付いたそうです。
(以上、
車掌、ホームに置き去り…次駅まで800メートル全力疾走で追いつく JR青梅線 産経新聞 2009/08/02 16:45より)
よく読むと後続電車への影響含めてけっこう迷惑かけていましたが、隣の駅まで全力疾走する車掌を想像して和みました。夏のクソ暑いときにご苦労様です。
●置き去りにされて全力疾走、ダイヤの乱れなしの奇跡
当時この話を書き始めたときに私が覚えていたニュースはこれだけだったのですが、探してみるとなんと同じ8月にもう1つほぼ同じ内容のできごとがあったようです。これが今回クイズの選択肢にした話でした。
(1)2009年8月25日午前9時ごろ、箱根登山鉄道彫刻の森駅で、運転士が車掌が乗車していないことに気付かずに発車。置き去りにされた車掌は全力疾走で電車を追い掛け、次の強羅駅で追いつき乗車したため、ダイヤの乱れはなかった。
で、これがなんと実話。最初の車掌さんと違って、こちらの方はダイヤの乱れなしでした。信じられません。「線路沿いのほぼ平たんの道路を約700メートル走って」との説明があったので、上記とほとんどいっしょの距離なのに遅れゼロだったようです。
こちらの車掌は何をしていたのかと言うと、駅で一度乗客を乗せたことを確認し、電車のドアを閉めたものの、改札口付近でほかの乗客に対応するため降車していたそうです。彫刻の森駅は自動改札で、この時間帯は駅員がいないとありましたので、車掌が駅での仕事もこなしたのかもしれません。
しかし、ここでも先の件と同じく、運転士はドアが閉まったことから、車掌と乗客が乗車していると判断し、電車を発車してしまったという話でした。
リンク切れ 車掌置き去りで発車 箱根登山鉄道 産経新聞 2009/08/25より
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/accident/293916/
●【鉄道こぼれ話クイズ】間違っているものはどれ?置き去り車掌・サルの救助活動などの話
クイズの選択肢でもう一つの正しいエピソードは、ロシアの怪力女性のもの。つまり、サルの話が間違いでした。
(ロシアの怪力女性の話は、
ロシアの怪力女性、重さ18トンの電車2両引っ張る | ロイター(Oddly Enough | 2017年 01月 26日 16:22 JST)より)
【クイズ】鉄道にまつわる以下の話で、間違っているものはどれでしょう?
(1)2009年8月25日午前9時ごろ、箱根登山鉄道彫刻の森駅で、運転士が車掌が乗車していないことに気付かずに発車。置き去りにされた車掌は全力疾走で電車を追い掛け、次の強羅駅で追いつき乗車したため、ダイヤの乱れはなかった。
(2)2014年12月20日、インド北部カンプールの鉄道駅で1匹のサルが感電して意識を失ったところ、仲間のサルが助けようとして次々と感電死する事件が起きた。
(3)2017年1月23日、ロシアの怪力女性として知られるオクサナ・コシェレワさん(33)が出身地のイルクーツクで、満員の乗客を乗せた重さ18トンの路面電車2両を約5メートル引っ張って動かすことに成功。当日の気温はマイナス20度だった。
【答え】(2)2014年12月20日、インド北部カンプールの鉄道駅で1匹のサルが感電して意識を失ったところ、仲間のサルが助けようとして次々と感電死する事件が起きた。
●サルが仲間の救助活動は実話!美談として報じられていた…
ただし、サルの話も仲間を助けようとしたという部分は本当。
感電気絶のサルを仲間が救命、インド鉄道駅の「英雄」に拍手喝采 | ロイター(Oddly Enough | 2014年 12月 22日 13:05 JST)というタイトルでわかるように、実際には成功していました。
感電したサルが意識を失い線路に倒れ込んだところ、仲間のサルが倒れたサルにかみついたり、たたいたり、水を浴びせたりして目を覚まさせようとしたと言います。これが、仲間のサルによる必死の救助だったのだろうという話。倒れていたサルは15~20分後に意識を取り戻し、体を動かし始めたそうです。
水を差すようで悪いですが、動物を人間のように解釈するのは間違いが多いです。別の動物なのに人間のように扱うというのは、ある意味、動物にも失礼ですよね。で、念のために検索してみると、
全文表示 | サルの「美談」、実は人間の誤解だった? 気絶状態の仲間を救助したように見えたが... : J-CASTニュース(2014/12/24 18:45)という記事が出てきちゃいました。あちゃー、やっぱそうだったかぁ…。
京都大学霊長類研究所の古市剛史教授は、NHK「ニュースウオッチ9」のインタビューの中で救出説について、「噛み付いたり水路に突き落としたら、相手が覚醒するかもしれないということを(サルが)考えるわけがありませんので、おそらくこれは救助ではなくて攻撃だったんだと思います」という否定的な見解を述べています。
救助ではなくて攻撃! 夢も希望もない残酷すぎる解釈です。しかし、その後の説明はさらにひどくなります。古市教授は、感電したサルは助けたとされるサルにとって「頭の上がらない存在」だったと説明。その上で、相手が身動きのとれない状態だと確認したため「引きずり下ろす千載一遇のチャンス」だと考えて、こうした行動に出たものではないかと分析したんだそうな。
労わっているように見えた背中を撫でる行動についても「相手が覚醒してしまったら、昔通りの関係に戻るんですね。相手が身動きの取れない時間帯だけが、一種独特の攻撃行動を誘発する時間帯なんじゃないかなと思います」と語っていました。さんざんな話です。
ただ、この古市教授以外も救助説には懐疑的。東武動物公園の下康浩飼育課長も、「ひるおび!」(日テレ系)のインタビューで「助けているというよりは、動かなくなった仲間をいじくり回している感じに見えますけど...」と発言。
日本モンキーセンターの伊谷原一園長が一番マシで、救助ではないけど様子見をしたのではないかとのことでした。ただ、様子見で、かみついたり、たたいたりってのもすごい解釈ですけどね。ずいぶんと手荒な確認方法です。
「助けるというかやっぱり気になりますよね。その時まで一緒にいたやつが急にああ(動かなく)なったら、人間でも同じように『大丈夫ですか』と声をかける。あれと同じだと思います。確認したいんだと思いますね」(23日放送「ひるおび!」より)
これだから専門家は!となりそうな話でしたが、現実はこんなものかもしれません。
●また車掌が置き去りにされるトラブル発生 今度の車掌の対応は?
2022/05/23追記:また車掌が置き去りにされるトラブルがありました。ただ、今度の車掌は慌てずに歩いて移動した模様。<JR水郡線 車掌ホームに取り残され次の駅まで歩いて移動>(2022年5月23日 1時58分 NHK)というタイトルのニュースでした。待っていた列車に18分の遅れが出たそうです。
<22日午後4時40分ごろ、茨城県那珂市にあるJR水郡線の静駅で、上りの普通列車に乗務していた車掌がホームに出て、精算を申し出た乗客に対応していたところ、列車が発車し、そのままホームに取り残されました。
運転士は、列車が次の瓜連駅に到着した際ドアが開かなかったため、車掌が乗っていないことに気づいたということです。
車掌は、直線距離でおよそ1.4キロ離れた瓜連駅まで歩いて移動し、その間待っていた列車は18分遅れで発車しました>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220523/k10013638581000.html
「なんで、車掌は走らなかったんだよ!」とお怒りの人もいるかもしません。元国鉄のJRだけに「これだから公務員は!民間ならあり得ない!」とも言われそうです。ただ、走って隣の駅まで行くってかなりたいへんですからね。これくらいは大目に見てあげてほしいところです。
あと、実際には車掌が走っていたにもかかわらず、NHKが「歩いて」と報じた可能性も考えたので速度を計算。車掌が来てすぐに出発できたとすれば、18分(=0.3時間)で1.4kmの速度ですから、時速4.7kmです。歩行速度は一般的には時速4kmと言われる(あるデータではより遅い2.9~3.6km/h)ので、やや急ぎ足で駆けつけたようでした。
…と書いてから、電車の次の駅への移動時間と次の駅での規定された停車時間を計算していないことに気づきます。正直、これを計算に入れるのは面倒くさいですね。一方、「直線距離でおよそ1.4キロ離れた」ですから実際にはもっと長い上に、駅からの出入りでも時間がかかるでしょう。計算が難しくてお手上げです。
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