メタバースの話をまとめ。<メタバースに社運をかけたメタ社(旧フェイスブック)、株価大暴落>、<メタ社とアップルが入れ込むメタバースはオワコン?9割が失敗事業>、<手段のメタバースが目的化 考えなく流行を真似て失敗する日本>などをまとめています。
2023/10/20;
●手段のメタバースが目的化 考えなく流行を真似て失敗する日本 【NEW】
●メタバースに社運をかけたメタ社(旧フェイスブック)、株価大暴落
2023/10/20まとめ:前半は別の投稿で使った話なのですけど、メタバース関連でも投稿をひとつ作っておこうかな…ということで転載。後半だけが完全に未紹介の新しい話です。あと、関連するところをまとめたせいで、メタバース以外の話も混じっています。
2022/12/22追記:大げさな気がするのですけど、<メタとアマゾンも“大量解雇”で崩壊寸前!「メタバース事業」「アレクサ」で巨額赤字を垂れ流し…>(22/11/30(水) 6:37配信 現代ビジネス)という記事が出ていました。このうち、メタ(フェイスブック)は過去にも書いていますのでまずはこれを転載しておきます。
メタの苦境を書いていたのは、
わずか1年で時価総額76兆円が消失のメタ 「脱・Facebook」の大きすぎた代償:古田拓也「今更聞けないお金とビジネス」 - ITmedia ビジネスオンライン(2022年11月04日 06時00分 公開)[古田拓也,ITmedia]という記事。というか、社名変更していたのを私は知りませんでしたわ…。
<Facebookがメタ・プラットフォームズ(メタ)社に社名を変更しておよそ1年が経過した。Facebookブランドを捨ててまで「メタバース」に社運をかけたが、その代償は計り知れないほど大きかったのかもしれない。
同社の「Horizon Worlds」は、1兆円をかけて開発されるとうわさされていたメタバースアプリケーションだ。しかし、8月にCEOであるマーク・ザッカーバーグ氏がFacebookアカウントでそのティーザー画像を公開すると、あまりの品質の低さから、ただでさえ下落基調であったメタ社の株価はそこから下げ足を加速させた>
<そんなメタ社の株価は、社名を変更した1年前の株価水準328ドルから、直近で95ドルと70%を超える大暴落となった。時価総額は8700億ドルから2500億ドルと5200億ドル、現在のドル円レート換算でおよそ76兆円が消失してしまったのだ>
さらに、その後、
「全責任は私に」米メタ社のザッカーバーグCEOが1万人超の解雇を発表(2022/11/10 CoinPost)というニュースが入ってきました。比率としては13%であり、半分とか3,4割とかではないのですが、それでもかなりの比率です。
<米メタ(旧フェイスブック)社は9日、全従業員の約13%にあたる1万1,000人超の解雇を発表した。
マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者は社員に向けたメッセージで、今回の大規模な人員削減を「メタの歴史の中で最も困難な変化」と形容。直接影響を受けた社員に対して特に申し訳なく思っていると述べた>
ザッカーバーグCEOは人員削減に踏み切らざるを得なくなった理由として、経営判断を誤った責任を認めたとのこと。「コロナ禍の急速なオンライン化とeコマース急増により収益が大幅増」したことで、「成長は加速度的に続くと予測し、大幅な投資増額を決断」したことが失敗だったとしています。
現実には、「eコマースはパンデミック前のトレンドに回帰する一方で競争激化。広告収入減少で予想を大幅に下回る収益に」なり、大失敗。以下にあるように、そもそもここ3年で異常なほど従業員数を増やしていました。「大量採用企業はヤバい」の法則が、こういう世界的な大企業ですら通用するんですね!
<メタ社の9月末時点の従業員数は約8万7,000人。コロナ禍でオンライン活動が拡大し、急成長した同社は、2020年と2021年には合わせて2万7,000人、今年1月から9月までの9ヶ月間でさらに1万5,000人を超える従業員を新規に雇用していた。同社の従業員数は3年弱で倍増したことになる>
なお、この説明の中では明記されていなかったものの、ザッカーバーグCEOが押し進めたメタバース部門で巨額の損失を積み重ねていたことももちろん打撃だったはずです。シリコンバレーの格言である「小さく失敗せよ」を守らず、社運をかけてギャンブルするという、これまた典型的にダメなパターンでした。
社員へのビデオメッセージでは、大量解雇の決断に対する全責任は自身にあると発言。ただし、「責任がある」と言うだけなら誰でもできます。安倍元首相が典型的で、彼は最後まで全く責任を取らずに別の理由で辞任しました。ザッカーバーグCEOの責任の取り方についても、記事では書かれていなかったことが気になります。
●あのアマゾンも赤字で1万人解雇で崩壊寸前、IT企業の寿命は短い?
メタの場合、以上のような理由でしたが、他のIT企業を見ると、また理由が違っており、あまり共通点は見い出せません。記事冒頭で軽く名前が出ていたツイッターの場合は、以前から赤字でうまく行っていなかったところ。さらに、親ロシア・右派のイーロン・マスクさんが買い取って大量解雇という政治的な事情もあります。
一方、私が興味あったのは、アマゾンの苦境に関する話。以下のように赤字が出て約1万人の解雇をしている…という話でした。ただ、アマゾンはわざと赤字を出して成長してきた企業ですし、まだ従業員が少なかった2000年にも1500人解雇。もともと容赦なく解雇する企業でもあります。今回の赤字はちょっと違う可能性は感じますけどね…。
<物流を支配する「アマゾン」も苦境に立たされている。'22年1~3月期決算で7年ぶりの赤字に転じた。この期の売上高は約116億ドル(約16兆円)だが、約38億ドル(約5320億円)の赤字だ。
'19年末に約80万人だった従業員は、'22年9月には約154万人に増えていた。しかし業績悪化を受けて、手始めに約1万人の解雇を決断した。
「何でも買える」をスローガンに、アマゾンは新規製品の開発に手を広げてきた。たとえば「アレクサ、音楽をかけて」と話しかけると曲を流してくれるスマートスピーカーや、家庭用ドローンなどだ。だが、商品を製造・開発するハードウェア事業は年約50億ドル(約7000億円)の損失を垂れ流しており、アマゾンの経営を直撃している。
>
https://news.yahoo.co.jp/articles/c83a57453bd59e60fd9a75017aa3d2146d0153d8
記事では、「アマゾンの中核であるネット通販(EC)事業も安泰とはいえません。日本でも優れた物流網を持っている佐川急便やヤマト運輸がEC事業を始めれば、アマゾンを逆転できる可能性があるでしょう」(前出・大原氏)ともありました。ただ、宅配便業者がECをやると既存のEC事業の顧客離れが起きるリスクがあり、ちょっと考えづらいと思います。
あと、ここの部分では「前出・大原氏」とあったものの、「大原氏」による「前出」の説明がちょっとどこにあったのか見つからず、フルネームもわかりません。なんとなく、
大原浩氏「EV・AI・常温核融合・量子コンピュータブームは終わる」と予言でトンチンカンなことを言っていた大原浩さんのことを思い出してしまいました。全体にいまいち説得力がない記事ですね…。
●メタ社とアップルが入れ込むメタバースはオワコン?9割が失敗事業
2023/06/22追記:
メタバース事業化「失敗」が9割、オワコン懸念を払拭する2つのポイント | 日経クロステック(xTECH)(2023.06.14)という記事が目に付きました。メタバース事業でコケたメタ・プラットフォームズ(旧フェイスブック)の関連で、こちらに追記します。
一応メタバースが終わったというわけではなく、それどころか前述のメタ社の他、あのAppleも仮想空間「メタバース」の入り口となるHMD(ヘッドマウントディスプレー)の新製品を投入。にも関わらず、<メタバース推進へ追い風になりそうな事実の一方、足元では「オワコン」感が漂う>とのこと。相変わらずメタ社のメタバース部門は大赤字のようです。
<メタバースに社運を懸けるメタのメタバース部門の損失は膨らみ続けている。2023年1~3月期の決算ではメタバース部門の営業損失は39億9200万ドルと、前年同期の29億6000万ドルから赤字幅が拡大した。2021年10月にFacebook(フェイスブック)からメタに社名変更して以降、損失が増え続けている。
メタやアップルが開発を進めるHMD(引用者注:ヘッドマウントディスプレー)も、足元では市場が伸び悩む。調査会社の米IDCによれば、2022年のVR(仮想現実)・AR(拡張現実)端末の出荷台数は880万台と、前年比20.9%減少した。>
メタバースがブームとなったのは、新型コロナウイルス問題で「仮想空間でリアルの疑似体験を提供できる場」として期待されたため。ただ、うまく行ってないんでしょうね。有料記事なので詳細は不明ですが、タイトルで<メタバース事業化「失敗」が9割>とあるので、ほとんどビジネスにできていないようです。
これ、正直既視感ありますね。IT業界で「次に来る!」と流行るムーブメントは、大体ほとんど本物がない印象。「大げさに言われていて、中身は地味なもの」であるならまだマシな方で、メタバースのようにど派手にコケてしまうことも珍しくありません。でも、皆さん学習せず食いついちゃうんでしょうね。
●手段のメタバースが目的化 考えなく流行を真似て失敗する日本
2023/10/20;メタバースの関係でもう一つブックマークしていたページがありました。
メタバースビジネス調査レポートを公開 ~500名への調査をもとに導いた、事業化に失敗するメタバース13の特徴~ | ニュースリリース | クニエ(2023.05.23)というページです。前回の日経クロステックがいう9割失敗の元ネタの調査かもしれません。
<コンサルティングファームの株式会社クニエ(NTTデータグループ、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:土橋 謙、以下クニエ)は、メタバースの事業化検討に関わったことのあるビジネスパーソンを対象にメタバースビジネスの実態調査を実施し、2023年5月23日レポートを公開しました。
当調査は、メタバースビジネスの取り組み状況の把握と、事業化の成功・失敗要因の抽出を目的としたもので、そのスクリーニング調査の結果として、「事業化の成否が判明した取り組み」のうち91.9%が事業化に失敗しているということがわかりました。>
アンケートは、事業化に向けたメタバースビジネスの検討に携わった経験者500名に聞いたもので、サンプル数としてはまずまず。「事業化に向けた検討が停滞している」「検討自体が中止された」と回答したケースは事業化に失敗したと定義したところ、9割失敗となったそうです。
調査したクニエでは、<日本企業は、メタバースを”魔法の杖”のように捉え、メタバースに取り組むこと自体が目的化しがち>、<メタバースはあくまで手段であり、手段の目的化を避ける>などと指摘。目的も考えずに右にならえでただ流行を真似る…というのは、以前から何度も繰り返されてきた失敗パターンですね。
【本文中でリンクした投稿】
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