近畿大学の話をまとめ。<近畿大法学部のホープの准教授が大量に盗用 著作権法違反の疑い>、<近大のホープが盗用の常習犯!一般書籍以外に論文でも盗用>などをまとめています。
2023/07/22追記:
●発表していた論文の大半を占める19の論文で盗用などの不正 【NEW】
●近畿大法学部のホープの准教授が大量に盗用 著作権法違反の疑い
2019/06/26:「近大法学部のホープ」などと呼ばれてきた近畿大学法学部の男性准教授が、、民法などの教科書5冊で別の文献から無断転載を行い、著作権法違反の疑いがあると文春オンラインで報じられています。名前は書かれておらず、「A氏」となっていました。ただ、1982年生まれという情報があるので、かなり絞れそうですね。
無断転載に関して2019年6月14日付で神田宏法学部長宛に提出した「顛末書」というのがあり、週刊文春だけが主張しているわけではなさげ。准教授の講義に指定されている学内向け教科書について〈50頁程度の無断転載をしている事実に気付き〉、大学側に自己申告したともありました。無断転載ってのは要するに盗用ですね。
別の学内向け教科書『親族相続法』にも、自身が一部執筆に関わった『ロードマップ民法(5)親族・相続』からも〈12箇所40頁程度(うち、6頁は私が執筆担当した部分)にのぼる同一記述があり、引用を超える無断転載がある〉などの情報もありました。
(
近大准教授が著作権法違反の疑い「教科書5冊で無断転載」 | 文春オンライン 週刊文春 2019年7月4日号より)
●自身が一部執筆に関わった書籍で共通している名前を見ると…?
自身が一部執筆に関わった『
ロードマップ民法5-親族・相続
』というのをアマゾンで見ると、執筆者が多すぎてよくわかりませんでした。アマゾンが作者を完全に網羅していない可能性もあり、下手に推定できませんね。
小川 富之 (著, 編集), 遠藤 隆幸 (著, 編集), 後藤 亜季 (著), 古川 瓔子 (著), 生駒 俊英 (著), 色川 豪一 (著), 西内 祐介 (著), 且井 佑佳 (著), 宮本 誠子 (著), 足立 文美恵 (著), 水野 貴浩 (著), 金 亮完 (著)
他にも一部執筆した学外向け教科書『
ロードマップ民法2-物権-
』からの盗用もあるとの情報があり、こちらも見てみました。すると、近畿大学と書かれている小川 富之さんがいたものの、「1956年生まれ」の「教授」であり、明らかに別人でした。
小川 富之 (著), 矢田 尚子 (著), 梁田 史郎 (著), 福本 布紗 (著), 小西 飛鳥 (著), 竹田 智志 (著), 西内 祐介 (著), 城内 明 (著), 大島 一悟 (著), 町田 余理子 (著), 小川 富之(近畿大学法学部教授) (編集), 矢田 尚子(日本大学法学部准教授) (編集)
ああ、でも、共通していて男性名ってことで、ほとんど絞れちゃいますかね。共通している男性名で試しに検索してみると、1982年生まれ近畿大学法学部准教授ということで、情報が一致していました。間違っていたら困るので、飽くまで私はお名前を書きませんけど…。
ちなみにこちらのレビューでは、「私の物権法の教授はこの本の制作に携わっており、この本を指定してきた」という方が、「授業で使うこの教科書で自宅学習してると、この本の文中にあるミスがぼろぼろ出てくる」ほど、間違いが多いと嘆いていました。2016年6月21日のレビューです。
●うちの大学でもやってた!学内向け教科書でも著作権侵害なの?
今回の件について、近畿大学医学部講師の榎木英介さんは、「数頁の盗用でも著作権法違反にあたるが、50頁ともなれば、意識が低すぎると言わざるを得ません」と指摘していました。
ただ、学内向け教科書ということで、油断があったのかな?と。著作権侵害には違いなく、それを正当化するわけではありませんが、昔の学校や学習塾では教科書をコピーして使用…ということが、かなり広く行われていた記憶です。
もちろん今は改善していて、そのようなことはあまりなく、もう通用しないのだとは思います。今回の准教授は高齢者ではなくむしろ若い方の人なんですけど、昔ながらの著作権意識が低いままだったんだのでしょう。あと、法律のプロである法学部准教授のくせに…ともちょっと思っちゃいました。普通の人じゃありませんよね。
それから、近畿大学広報室による「(2冊の学内向け教科書は)費用は学費に含まれております」との説明も気になりました。さっきのレビューで市販の書籍を教科書に使っていたという話があったのですけど、そうではなく学内向け教科書を作ることで近畿大学が儲けているのでは?といったところです。自分で一からテキストを作るのはたいへんなので、盗用が起きやすくなりますからね。
●学内向け教科書以外の書籍でも盗用…そして准教授の名前が確定
2019/08/08:追記していませんでしたが、どうも学内向け教科書だけの問題ではなかった…という話がすぐ出てきていました。2019年06月27日の
近大准教授が盗用疑い=教科書50ページ分など:時事ドットコムによると、一般販売されている民法の書籍でも他の文献を無断引用したと申告しているとのこと。
こうなると、「学内向け教科書だったので油断していた」という説明ですら無理になります。盗用の常習犯で、著作権意識が基本的に低かったのでしょうか。一般的には、不正をやっている人が、他でもやっているというのは、よくあることではあるんですけど…。
さらにその後、処分が決まったというニュース。
近畿大、法学部の准教授を無断転載で諭旨解雇 - 毎日新聞(2019年8月6日 23時11分)というタイトルでわかるように、諭旨解雇の懲戒処分になりました。教科書などとして使われていた「日本社会システム論(法学)」など10冊で、他の著書11冊から155ページを無断転載、つまり盗用してしていたというのが理由です。
なお、こちらではお名前も判明。西内祐介准教授だそうです。もう昔なので忘れちゃいましたけど、検索履歴に残っていたので、2冊の書籍に共通している名前から当たりをつけてほぼ間違いないな…と私が確認した人物と同じだと思われます。
●近大のホープが盗用の常習犯!一般書籍以外に論文でも盗用
近大准教授を無断転載で諭旨解雇 書籍10冊に91カ所:朝日新聞デジタルによると、「教育用の文献には、研究論文ほど厳しく著作権が適用されないと思っていた」との趣旨の説明をしたといいます。私が書いた「学内向け教科書だったので油断していた」ですね。
たた、前述の通り、一般販売の書籍でも盗用。さらに書籍ではなく、「このほか論文の盗用を認めているといい、大学が今後調査する」という話も。6月に外部の研究者から大学に「准教授の論文2本の中で、自分の論文を盗用された」との通報もあり、准教授は盗用を認めたとしていました。
ということで、「不正をやっている人は他でもやっている」というパターンに見事に当てはまってしまう形に…。また、不正を繰り返すことで「近畿大法学部のホープ」になっていたとも言える話。「近畿大法学部のホープ」が盗用の常習犯だったというのは、近代ブランドにもキズがついたんじゃないでしょうか。
●発表していた論文の大半を占める19の論文で盗用などの不正
2023/07/22追記:<近畿大 元准教授が盗用など不正行為 19論文の撤回を勧告>(07月20日 17時36分)という記事が出ていました。たぶん以前の准教授と同じ方なのではないかと思いますが、今回はお名前が書かれていないので不明。仮に同じ方であれば、盗用がさらに増えたという形です。
<大学によりますと、法学部の40代の元准教授が2007年から2019年にかけて発表したアメリカの法律などに関する19の論文に、ほかの論文からの盗用などの不正行為があったということです。
元准教授は執筆した書籍に他人の本の内容を無断転載していたとして4年前(2019年)に諭旨解雇の懲戒処分を受けていて、大学では元准教授がこれまでに発表した26の論文について調査していました。>
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20230720/2000075899.html
元准教授は大学の聞き取りに対し盗用などを認めていたとのこと。上記にあるように、この元准教授がこれまでに発表していたのは26の論文で、そのうち19の論文に不正があったということで、大半が不正だった…という結末に。前回も書いた「不正をやっている人は他でもやっている」の典型例ですね。
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