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とっくに実用化していた量子コンピュータ 日本人の西森秀稔・東工大教授らが大きく貢献


 量子コンピュータの話をまとめ。<量子コンピュータに日本人の西森秀稔・東工大教授らが大きく貢献>、<誇大広告じゃなくて?とっくに実用化していた量子コンピュータ>などをまとめています。

2022/10/11追記:
●量子もつれでノーベル賞 日本人の古澤明氏が漏れたのはおかしい?
2023/07/16追記:
●量子テレポーテーションで日本人にノーベル賞!と言われていた… 【NEW】


●量子コンピュータに日本人の西森秀稔・東工大教授らが大きく貢献

2017/7/11;量子コンピュータが実現…みたいな話は「どうせ大げさに書いているだけだろう」と思って、ここのところずっと読んでいませんでした。が、マジで既に実現というか、実用化されていたらしいです。やけにひっそりとした感じですね。

 元記事とは順番を入れ替えて、うちではまず西森秀稔・東工大教授の話から紹介。世界初 量子コンピューターの衝撃|NHK NEWS WEB(科学文化部・斎藤基樹記者 6月27日 21時15分)によると、量子コンピューターの"研究開発には、日本人が大きく貢献"していました。

 現在実用化されている量子コンピューターの原理は、「量子アニーリング」と呼ばれるもの。この概念を1998年に初めて提唱したのは、東京工業大学の西森秀稔教授と、当時大学院生だった門脇正史さんだったのです。また"量子コンピューターの「量子ビット」と呼ばれる頭脳部分を世界で初めて開発したの"も日本。"東京大学の中村泰信教授と東京理科大学の蔡兆申教授"でした。"量子コンピューターの基礎的な理論や技術は日本で生まれたものなのです"とNHKは断言していました。

 このうち、最初に名前があった西森秀稔教授についてのWikipediaを見てみました。が、ほとんど内容がなくて拍子抜け。Wikipediaが過小評価なのか、NHKが過大評価なのか?

 はてなブックマークでは、“確かに西森先生の理論を基盤とはしてるけど、電子の波動やスピン、光子の干渉現象は山のようにあって、そこから早期に実装可能な現象を選び抜いたのはD-Waveのセンスだよな。”(augsUK 2017/06/28)というを刺すようなコメントもありました。過大評価の可能性もあります。

 また、“基礎研究できて、実用化の先鞭を打てない日本企業。特にコンピュータ関連では感じてしまう。”(IGA-OS 2017/06/28)という日本の問題点を指摘するコメントも。そういえば、日本人が逃した3Dプリンター特許 発明者・小玉秀男はランク賞受賞という話も過去に書いていますね。

 なお、お名前的に日本人じゃなさそうだと思ったので、3人目で名前が出ていた東京理科大学の蔡兆申教授も検索してみました。お名前は読み方は「ツァイ・ヅァオシェン」で、「台湾出身の日本で活躍する物理学者」という紹介がされています。国籍については明記されていません。


●誇大広告じゃなくて?とっくに実用化していた量子コンピュータ

 さて、本題の量子コンピュータの話です。既に話が出ているように、実用化したのは海外の会社。カナダのベンチャー企業D-Wave Systems社でした。D-Wave Systemsは、なんと6年も前に、世界に先駆け実用化モデルを発売。私がてんで信じていなかったというだけでなく、当時、"一部の専門家の間からは、本物かどうか懐疑的な見方が出"ていたんだそうな。

 ところが、"グーグルやNASA=アメリカ航空宇宙局など世界のトップ企業・研究機関が購入し"、実際に使用してみて驚き。"従来の高性能コンピューターの1億倍のスピードが確認されたことで、世界に衝撃を与え"たとのこと。まあ、私は知らんかったんですが…。

 原理的なところは説明が難しいので潔く全部ふっ飛ばしますが、量子コンピュータは"スーパーコンピューターをもってしても解けない複雑な問題を解決できると期待され"ています。"「組み合わせ最適化問題」という膨大なデータ処理で、大きな威力を発揮"するそうです。

 これではあまりにもイメージが湧きませんので、具体的な話を。例として挙がっていたのが、"がんや難病に効果が期待できる画期的な新薬の開発"でした。"膨大な数の車が行き交う大都市で、渋滞をなくすためには、車をどのように動かせばよいのか"といったこともわかります。

 この最後の例では、さらに具体的な話があり、たいへんわかりやすかったです。2017年3月、"ドイツの自動車メーカー、フォルクスワーゲンとD-Wave Systems社は量子コンピューターを使って道路の渋滞を解消する研究で成果があったと発表"していました。

 "中国・北京で418台のタクシーが、一斉に街の中心部から空港に行く時、渋滞を防ぎながら最短時間で到着するルート"。この計算はフォルクスワーゲンが持つ高性能のコンピューターでも、30分も算出に時間がかかっていました。これでは使い物になりません。

 ところが、量子コンピュータはわずか数秒で導き出すことに成功。実際の実験でも渋滞が消えました。すごい成果です。ただ、はてなブックマークでは、以下のような指摘もありました。確かに量子コンピュータはすごいが、できることは一部のみみたいですね。融通がきくものではなく、万能性はないのです。

<従来型コンピュータに取って代わるわけではない。適用可能な範囲は、「組み合わせ最適化」とか「検索」とかに限られる。「正解」の範囲がおおむねわかっているときに、正解を選択する。ノイマン型の汎用性はない。>(blueboy 2017/06/28)

 すべてのコンピュータに取って代わるわけではないってことは、覚えておきたいですね。


●量子もつれでノーベル賞 日本人の古澤明氏が漏れたのはおかしい?

2022/10/11追記:この投稿を見直して再投稿しようと準備していたら、量子コンピュータと関連する「量子もつれ」がノーベル賞に。ノーベル賞の話を追記してから再投稿するか迷ったのですが、面倒くさかったのでとりあえず一旦そのまま投稿。後日改めてノーベル賞の話を書くことにしました。

 この「量子もつれ」のノーベル物理学賞受賞について報じた読売新聞の<ノーベル物理学賞の「量子もつれ」、古澤明・東大教授の貢献も世界的に有名>(2022/10/04 22:25)という記事は、実際のノーベル賞受賞者よりも日本人研究者の方がメインのようなタイトルになっています。

<2022年のノーベル物理学賞は、ミクロな粒子の間で生じる特殊な遠隔作用「量子もつれ」が存在することを実験で示すことに貢献した米欧の3氏に決まった。「量子もつれ」を巡る研究分野では、日本の古澤明・東京大教授(60)の貢献も世界的に知られ、同賞の有力候補の一人とされてきた。
 古澤氏は米カリフォルニア工科大に留学中の1998年、「量子もつれ」の関係にある光のペアで情報を瞬時に移す「量子テレポーテーション」を完全な形で実証することに世界で初めて成功した。今回、受賞が決まったツァイリンガー氏がこの現象を初めて実験で示した翌年のことだった>
https://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/nation/20221004-567-OYT1T50207.html

 古澤明さんは以前「ノーベル賞候補」と紹介したつもりでいたのですが、検索しても出てきません。紹介しようと思ってやめていたのか、全然別の人と勘違いしているのか…。とりあえず、読売新聞は以下のように書いており、注目された研究なのは確か。もともとのテーマである量子コンピュータでもすごいと書かれています。

<古澤氏の98年の業績は、米科学誌「サイエンス」によって世界の10大ニュースにも選ばれるなど注目を集めた。古澤氏は帰国後、東大で研究を続け、2004年には、3つの粒子でもテレポーテーションを実現させた。現在は、この現象を応用した量子コンピューターの開発でも世界をリードしている>

 名古屋大の谷村省吾教授(量子論)は「量子もつれの存在を示したことで、量子コンピューターが実現可能なことを裏付けた」と解説。大阪大の藤井啓祐教授(量子情報科学)は3氏の受賞を讃えていたものの、「今回は量子力学の基礎理論を確立したことが評価され、応用研究を進めた古澤氏が選ばれなかったことは残念」としていたそうです。

 ただ、古澤明さんが優先されなかったことは、仕方ないでしょうね。応用より基礎を評価するのはノーベル賞の傾向ですし、考え方として理解できます。最初の一歩がなければ二歩目はありません。私ももう少し応用に光が当たって良いとは思いますが、ゼロから作り出す仕事の方がより評価されるのは当然でしょう。

 でも、これと違う考え方の人も日本にはいるんですよね。企業で画期的な研究を開発した人に多額の金額を与えることに対して、「それはおかしい。営業が頑張らないと製品は売れない」とケチをつけている人がいたんですよ。日本は文系が重視されて理系が軽視されるといわれますし、日本らしい話ではあるんですけど…。


●量子テレポーテーションで日本人にノーベル賞!と言われていた…

2023/07/16追記:やろうと思って忘れていた「量子テレポーテーション」のブックマークが今頃いくつか出てきました。そのひとつが世界最先端を行く日本の科学技術がまた1つ登場 「量子テレポーテーション」で日本人にノーベル物理学賞の可能性大 | JBpress (ジェイビープレス)(2017.7.25(火)伊東 乾)というものです。

 ただ、今読んでみると、これは、2017年7月11日、国立情報通信研究機構(NICT)から、超小型衛星による量子情報通信の実験に成功したという話。しかも、有料記事でほとんど中身はわからず、量子テレポーテーションとの関係も不明。それで紹介していなかったのかもしれません。

 仕方ないので、とりあえず、メインの内容であったらしい「超小型衛星による量子情報通信」については別記事を探してみます。超小型衛星による量子通信の実証実験に世界で初めて成功 | NICT-情報通信研究機構というオフィシャルのプレスリリース が見つかりました。

<NICTは、超小型衛星(SOCRATES)を使い、東京都小金井市にあるNICT光地上局との間で、光子一個一個のレベルで情報をやり取りする量子通信の実証実験に成功しました。
 SOCRATESは、重量50kg、サイズ50cm角で、衛星量子通信用途としては世界最軽量・最小サイズの衛星です。この衛星にはNICTで開発した小型光通信機器(SOTA)が搭載されており、毎秒1千万ビットの速度で光の信号を地上局へ送信します。
 地上局では光子一個一個の到来を検出しながら信号を復元することで、高度600kmを秒速7kmで高速移動する衛星との量子通信を実現しました。超長距離・高秘匿な衛星通信網の構築に向けた大きな一歩となります。
 本成果により、これまで大型衛星を必要とした衛星量子通信が、より低コストの小型衛星で実現できるため、多くの研究機関や企業による開発が可能になると期待されます。>

 どうも微弱なエネルギーしか含まれていない地上局に届いた信号で通信できるというのが売りである模様。なので、「超小型衛星による量子通信が可能」とアピール。従来の衛星光通信より更に高効率な通信や、情報漏えいを完全に防ぐ量子暗号の基盤技術となるとしています。


【本文中でリンクした投稿】
  ■日本人が逃した3Dプリンター特許 発明者・小玉秀男はランク賞受賞

【その他関連投稿】
  ■将来性予測が難しいIT企業 成長は早いが没落も早い 勝ち組がいつの間にか負け組に
  ■情弱バカにしていたホリエモン、ハリボテ宇宙船で56億円詐欺られる?
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