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マスコミとネットの健全性「福島放射線でヤマトシジミ異常」報道の例


 ちょっと前に書いた日本人は科学を信じないが、みのもんたらの疑似科学は信じるでの元記事で興味深い話だったのがもう一つありました。

 大瀧丈二琉球大准教授、松本丈二の名でホメオパシーを宣伝 著作も発表で私が取り上げなかったという話、ヤマトシジミの件です。

 ヤマトシジミと言うと、シジミで貝の仲間かと思いきやこの場合は蝶の種類を指しています。しかし、面倒臭いことに貝のヤマトシジミも本当に存在するようです。
ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶・学名Pseudozizeeria maha、シノニムZizeeria maha)はチョウ目・シジミチョウ科のチョウ一種。日本には本州以南に分布する。前翅長は9-16mmと小さい。
Wikipedia

ヤマトシジミ(大和蜆、英: Asian clam、学名: Corbicula japonica)とは汽水域で採れる食用の二枚貝である。
Wikipedia

 と言うか、"日本において、広く食用にされているシジミは、このヤマトシジミである"そうですので、蝶のヤマトシジミの方がずっとマイナーなんでしょうね。

 しかし、ネット上でヤマトシジミと検索すると蝶の話ばかり出てきます。これは普通のシジミをわざわざ「ヤマトシジミ」と呼ばないせいだと思いますけど、今回話す大瀧丈二さんの「放射能」でヤマトシジミに奇形説の力も大きいと思われます。

 実を言うとちゃんと調べていないので私のザクッとした理解ですが、この問題以前ではホメオパシーで悪名を馳せていた大瀧丈二准教授が、どうやらヤマトシジミの奇形の多さを福島原発事故由来の放射線によるもの繋げることができるように発表したようです。

 実際には、もともとヤマトシジミは北の寒いところで奇形率が多いことが知られていたそうです。そこらへんの話を隠蔽した悪質な論文だったみたいですね。


 私は大瀧丈二准教授の説がネットなどで広まり問題だなと思ったのですけど、日本人は科学を信じないが、みのもんたらの疑似科学は信じるで引用した近藤滋(こんどうしげる)さんはむしろネットの健全性が示されたものだと捉えていました。(改行を追加しています)
第十五回:科学者はみのもんたに勝てるのだろうか? こんどうしげるの生命科学の明日はどっちだ!?

琉球大学のグループが、福島のヤマトシジミには、放射線の影響による変異が高頻度で観察される、という衝撃的な報告をScientific report誌で行い、それを共同通信、時事通信が配信し、即座に「ヒバクチョウ」というタイトルの扇情的なツイートが多数駆け巡った。
しかし、論文を読んでみると、実験計画の時点で問題が多く、放射能が原因であるという結論を導くのはかなり厳しい。予想(期待)通り、論文自体の結論に対する疑義を表明するHPも多数立ち上がった。どうなるかと興味を持ってみていたが、説得力は、論文の内容に疑問を呈するサイドにあったため、どうやらこのニュースは、それほど大きくならずに終わったようだ。
個々の研究者は、自由に研究発表をする機会を得、しかし、それをネットに住む住人(この場合はほとんどが研究者であった)が正しく判断する。なんだか理想的である。はからずも、ネット社会は健全であることを証明したのである。
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/skondo/saibokogaku/minosan.html

 「放射能」によって今に大惨事になると思っている人にとっては、論文を信用しなかったネットの人たちは「こいつらわかっていない」ということになるでしょう。

 そして、次は彼らにとっては「大マスコミがまた隠蔽」という話。近藤滋さんは大新聞もまた健全性を示したと判断されているようです。
また、この件が大騒ぎにならなかったのには、大新聞が報じなかったことも大きい。筆者が直接科学部の記者に聞いた話では、その記者は沖縄まで言って、論文の著者に直接話を聞いたのだが、サンプルの数が少ないなど、疑わしい点があったので、(記事にしろという上司のプレッッシャーに逆らい)あえて記事にはしなかったとか。
こうした、自制力があるうちは、まだまだ科学リテラシーの健全性は捨てたものではないと感じる。

 偉いですね。私は以前から新聞の科学記事に不信感を持っていて「どうせこいつら素人だし」と思っていたのですけど、ちゃんと調べている方は調べているようです。

 そういえば、世界初iPS細胞による臨床応用は、読売新聞などの誤報で肩書きも虚偽 朝日新聞が張り切って追求のときも、ちゃんと調べて「怪しい」と判断し保留したマスコミとそうじゃないマスコミで分かれていました。

 iPS細胞の件は結局少なからぬマスコミが騙されていたという話だとも言えますし、ヤマトシジミでも共同通信、時事通信が軽率な報道をしています。ヤマトシジミの件はさらに言うと、東洋経済新報社も既にネット上でさんざん問題点が指摘されたのに、わざわざ新たに報じるという恥ずかしいことをしていました。

 とはいえ、みんながみんなそうじゃないぞという話で、「大ごとになる前に食い止めることができた」くらいなら言えるかもしれません。


 ここで終わっても良いのですが、元のページの話は科学者の役割に関する話がメインでしたので、上記引用部のあとはこう続いていました。
一方、反対に役にたたなかったのが、日頃マスコミに出てくる自称「科学者」の人たちだった。彼らが本当に「科学者精神」を保っているならば、このような問題に対しては真っ先に反応し、「科学的な判断」を示してくれれば良かった、というか、そうでなければ「科学者」語る価値はない。しかし、残念ながら彼らはそういうことには興味が無いらしい。

 疑似科学の問題では、昔から科学者側に「相手にしたって仕方ない」という風潮があります。

 しかし、近藤滋さんの言うように積極的に関わっていく方がより健全だと言えますし、科学者よりみのもんたさんを信じるという現状もそうしなければ変えていくことは無理でしょう。嘆いているだけでは変わりません。

(疑似科学批判をしても時間の無駄で、あまり科学者側に利益がないってのはあると思われます。でも、日本全体としては批判してくれた方が利益ですので、ボランティアみたいに考えてもらえるといいかもしれません。お金を出すだけが社会貢献じゃないのです)


 関連
  ■日本人は科学を信じないが、みのもんたらの疑似科学は信じる
  ■大瀧丈二琉球大准教授、松本丈二の名でホメオパシーを宣伝 著作も発表
  ■世界初iPS細胞による臨床応用は、読売新聞などの誤報で肩書きも虚偽 朝日新聞が張り切って追求
  ■論文の言葉の言い換え 「思う」→「である」「考える」など
  ■宗教と科学は別物で両立可能 科学信仰というのは矛盾
  ■その他の科学・疑似科学について書いた記事

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