2013/9/18:
●うなぎ不足は単純に食べすぎだから、日本水産の環境オフィサーが指摘
●マグロ不足は当たり前…成魚じゃ足りないと稚魚まで獲るから当然減る
●ウナギやクロマグロのような高級魚を日常的に食べる必要があるのか
2020/04/28:
●別の意味でのマグロ食べすぎにも注意!水銀で病気のリスクも
●キンメダイ、ムツ、クジラなど…水銀濃度が比較的高い水産物リスト
●うなぎ不足は単純に食べすぎだから、日本水産の環境オフィサーが指摘
2013/9/18:
日本だけ漁業衰退の原因は政治 先進国は人気成長産業で収入数倍とほぼ同じ話が日経ビジネスオンラインでもあったようです。
記事では、「ウナギが足りない」という報道が多い一方で、牛丼チェーン店やスーパーに行けば、ウナギが溢れているという不思議なことが起きていることを指摘。元日本水産の環境オフィサー、三吉正芳さんは以下のように言っています。
「牛丼屋で安い価格のうな丼が食べられること自体、信じられない。これまで、ウナギといえば、1年でも特別な日、つまり土用の丑の日やお祝いの時に食べるのがせいぜいだった。この季節感、高級感がウナギの需給のバランスを取っていたのです。でも、今や1年中、どこでも誰でも食べられるようになって、
獲りすぎているんです。それが稚魚の枯渇の原因です」
(
「うな丼の特上」を食べながら魚について考えた:日経ビジネスオンライン 鵜飼 秀徳 2013年7月29日(月)より)
●マグロ不足は当たり前…成魚じゃ足りないと稚魚まで獲るから当然減る
ウナギは、2010年に水産総合研究センターが完全養殖に成功したが、商業ベースに乗るにはまだまだ時間がかかります。したがって、今、流通しているほとんどが、自然界で稚魚を捕獲し、大きく育てたものです。
マグロもウナギと同様。デフレの影響を受け、回転寿司などで、安価に、大量に消費されている一方で、クロマグロは近年、近畿大学が完全養殖に成功しているものの、やはり天然漁獲がほとんどなのです。
ただ、私が一番驚いたのは、<もはや、成魚だけでは供給が追いつかず、
稚魚のヨコワまで根こそぎ獲ってしまっている>という話。子どもまで獲り尽くしてしまっているのだから、増えない。当たり前ですね。こんな単純なことすらわからないというのは、馬鹿です。
●ウナギやクロマグロのような高級魚を日常的に食べる必要があるのか
最初の記事の話は
漁業衰退は政治の問題 先進国は成長産業なのに日本だけ衰退の謎で出た内容でしたけど、この後も同じ話が続いていましたので省略。"早いもの勝ちの「オリンピック方式」"が原因で、解決策は"IQ(個別漁獲割り当て)制度の導入"だという結論でした。
この記事で他になかったのは、「果たして、ウナギやクロマグロなどの高級魚を日常的に食べる必要があるのか」という三吉さんの問題提起でした。
「日本人は、昔のように、沿岸・沖合い漁業によってアジやサバ、イワシ、サンマなどの大衆魚を重視した食生活をするべきです。クロマグロの完全養殖のニュースには世間は沸きましたが、それには大量のイワシなどの資源が使われています。もっと、普通の魚をおいしく食べる日本の伝統文化を、例えば学校の食育でも伝えて欲しいものです」
この投稿を書いた後、
マグロ消費量の推移 日本のマグロ漁業の発展はアメリカへの輸出のためという話をやったのですけど、日本人が昔からマグロをたくさん食べていた…というのは誤解。伝統的には全然食べていなくて、経済成長してからガンガン食べだしたということみたいです。(ここだけ2018/07/24追記)
●別の意味でのマグロ食べすぎにも注意!水銀で病気のリスクも
2020/04/28:方向性が異なる「食べすぎ」なのですけど、厚生労働省が「妊婦への魚介類の摂食と水銀に関する注意事項」というのを出しています。特に「妊婦」に注意が必要というものであり、妊婦以外であっても、非常に多く食べた場合は問題があるというもの。まず、般の人への注意事項から掲載します。
<特定の水産物を偏食すると有害な水銀の摂りすぎになる可能性があります。マグロ類(マグロ、カジキ)、サメ類、深海魚類、鯨類(鯨、イルカ)などメチル水銀濃度が高い水産物を主菜とする料理を週2回以内(合計で週におおむね100~200g程度以下)にすることをお勧めします>
<成人にあっても、メチル水銀を大量に摂取すれば水俣病のような病気になります。通常の食生活では心配ありませんが、極端な偏食をすると影響が否定できません。メチル水銀の摂取によって、心血管系などへの影響が出るおそれなどを指摘する報告もあります>
(
魚介類・鯨類の水銀についてのQ&A(日本生活協同組合連合会)より)
より注意が必要なのは、「妊婦、幼児、近く妊娠を予定されている方」であり、以下のような注意喚起が出ています。上記であったように、こちらでも具体的な食べて良い量の目安が載っていて、たいへんわかりやすいですね。非常に良いサイトでした。
<メチル水銀は特に胎児の中枢神経の発達に影響を及ぼすとされています。妊婦、幼児、近く妊娠を予定されている方は、マグロ類(マグロ、カジキ)、サメ類、深海魚類、鯨類(鯨、イルカ)などメチル水銀濃度が高い水産物を主菜とする料理を週1回以内(合計で週におおむね50~100g程度以下)にすることをお勧めします>
●キンメダイ、ムツ、クジラなど…水銀濃度が比較的高い水産物リスト
日本生活協同組合連合会では、水銀濃度が比較的高い水産物を、より具体的な種類まで書いて、一覧でも表示してくれていました。たいへん助かりますね。ありがたいです。
<マグロ類>クロマグロ(本マグロ)、ミナミマグロ(インドマグロ)、メバチ(メバチマグロ)、クロカジキ、メカジキ、マカジキなど
<サメ類 >ヨシキリザメ、ドチザメなど
<深海魚類等>キンメダイ、ムツ、ウスメバル、ユメカサゴ、メヌケなど
<鯨類>バンドウイルカ、コビレゴンドウ 、マッコウクジラ、ツチクジラ、イシイルカなど
なお、サイトでは、サンマ、イワシ、サバなどメチル水銀濃度が低い水産物については、控える必要は特にないことを強調。また、上記リストの水産物も食べてはいけないということではなく、食べすぎなければ問題はないとされています。一方で、「どのような食品でも、偏食は避け、バランスよく摂ることを心掛けましょう」とも書かれていました。
ここらへんは、わかりにくいかもしれませんが、魚に限らず「体に良い」とされる食べ物であっても偏ると栄養バランスが崩れるため、基本的にはいろいろなものを食べた方がバランス良く食べられる確率が高まります。特定の食品にこだわって極端に食べたり、こだわって極端に食べなかったりしない方が良いのです。
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