最初の投稿は、"世界に良い影響を与えている国(好感度)ランキング2013 BBCの恒例調査"(2013/9/20)について書いたもの。
その後、「日米関係は悪化する…悲観する日本人が増加」「アメリカと中国の好感度調査が意外な結果に」という話を加えて、タイトル変更しました。(2017/11/02)
●世界に良い影響を与えている国(好感度)ランキング2013 BBCの恒例調査
2013/9/20:よく記事になっているBBCの恒例の調査について。ただ、調査対象国は17カ国のみでちょっと少ない感じです。聞き方としては「Mainly Positive Influence(主に良い影響)」を与えているか、「Mainly Negative Influence(主に悪い影響)」を与えているか、そのどちらでもないかというもの。
「好感度ランキング」と訳しているものもあり、それはそれで良いかなと思いますが、「世界に良い影響を与えている国ランキング」の方がより正確だと思います。
<世界に良い影響を与えている国ランキング>
1位 ドイツ 59%
2位 カナダ 55
3位 イギリス 55
4位 日本 51
5位 フランス 49
6位 EU 49
7位 ブラジル 46
8位 アメリカ 45
9位 中国 42
10位 韓国 36
11位 南アフリカ 35
12位 インド 34
13位 ロシア 30
14位 イスラエル 21
15位 北朝鮮 19
16位 パキスタン 15
17位 イラン 15
BBC News - BBC poll: Germany most popular country in the world
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-22624104●日本は好感度世界一ではない 1位から突然4位まで低下
日本は4位ということで悪くないのですが、実はこれ1位からのダウンで「急落」と報道しているところが多かったです。
東日本大震災や原発事故の影響?と思うかもしれませんけど、毎年やっている調査なので違います。何ででしょうね? あんまりそこらへんを説明しているものはなかったです。
中国や韓国も評価を行っている国なので、領土問題や歴史問題あたりでしょうか…。ただ、ドイツとの差は8%、3位イギリスとの差も4%。
評価対象国は17カ国ですけど、評価を聞いた国はさらに多く25カ国もあります。次に記事する記事では、"25の国に住む調査参加者に対して、面談または電話で質問を行った"とありました。なので、この2カ国だけでは到底説明できない下がり方でしょう。
●じゃあドイツが1位になった理由は?
一方、1位のドイツに関してはこんな説明でした。
国別 好感度ランキング:日本は1位から4位に急落
he Huffington Post | 執筆者: Sara Gates 投稿日: 2013年05月27日 09時35分 JST | 更新: 2013年05月27日 09時35分 JST
日本の投資銀行である野村ホールディングスのアナリスト、アラステア・ニュートン氏は、BBCの調査結果に驚きを示していない。
「ドイツが高い評価を受けているのには多くの理由がある。世界経済の面で規模の大きい重要な国であり、世界最高レベルの製造業を抱え、真のリーダーシップを発揮する首相がいる」とニュートン氏はCNBCの取材に対して語っている。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/05/26/most_popular_country_world_bbc_poll_n_3340630.html
●「良い影響 - 悪い影響」なら日本は1位になれる?
調査では悪い影響も聞いていましたので、「良い影響 - 悪い影響」で評価をはかるというランキングの見方もできます。これなら、日本が1位を取れるかもと、やってみました。
<世界に良い影響を与えている国ランキング (良い影響 - 悪い影響)>(カッコ内は通常のランキングの順位)
1位(1位) ドイツ 59% - 15% = 44
2位(2位) カナダ 55 - 13 = 42
3位(3位) イギリス 55 - 18 = 37
4位(5位) フランス 49 - 21 = 28
5位(6位) EU 49 - 24 = 25
6位(7位) ブラジル 46 - 21 = 25
7位(4位) 日本 51 - 27 = 24
8位(8位) アメリカ 45 - 34 = 11
つまらないことに順位はほとんど変わりませんでしたけど、その中で唯一日本だけがランクダウンしました。おそらく中韓の影響はここの方が顕著なのでしょうね。
あと、悪い影響に対する懸念の大きそうなアメリカも8位はキープしたものの、内容は1ポイント差だったブラジルとの差が14ポイントまで拡大するという大きな悪化。非常にアメリカらしい結果となっています。
●昨年との変化を見ると、日本だけ急激に悪化しているのがわかる
ああ、昨年とのポジティブ、ネガティブの変化も載っていました。上位5カ国だけ見てみます。
1位 ドイツ 良 59%(+3) 悪 15%(-1)
2位 カナダ 良 55(+2) 悪 13(-1)
3位 イギリス 良 55(+4) 悪 18(-2)
4位 日本 良 51(-7) 悪 27(+6)
5位 フランス 良 49(+1) 悪 21(-1)
他はほとんど動いていないのに日本だけものすごい動いていますね。先ほども言いましたけど、中韓二カ国だけでこれだけ動かすってのは、ちょっと無理だと思います。どうもこの1年(2012~2013年にかけて)というのは、日本がずいぶん嫌われる1年だったようです。
●日米関係は悪化する…悲観する日本人が増加
2017/11/02:最初の投稿とは別の好感度調査ですが、こちらも毎年恒例で有名な米調査機関ピュー・リサーチ・センターによるもの。米国に好感を持つ日本人は57%で、オバマ前政権時代の2016年の前回調査から15ポイント低下したそうです。
トランプ大統領に対する悲観論では、より直接的な調査もあり、トランプ大統領の就任で日米関係は「悪くなる」と考える日本人が41%に上り、「良くなる」の17%、「あまり変わらない」の34%を上回ったという結果となりました。この調査結果は今春、世界規模で実施したものの一部。日本では3月8日~4月2日に1009人を対象に電話で行われていました。
(
日本人、対米関係の先行き悲観=8割が「トランプ氏は傲慢」-世論調査:時事ドットコム(2017/10/17-23:11)より)
保守派は反日発言を繰り返していたトランプ大統領がなぜか好きな人が多く、保守色の強いニコニコニュースコメント欄では、この報道を行った時事通信に対し、「春の調査を今頃公開するなんて」といった内容の批判がありました。
ただ、記事冒頭では、ピュー・リサーチ・センターが10月17日(記事投稿と同日)に公開したことを明記しており、別に時事通信がおかしいわけではなく、むしろこれを理由で文句を言う方がおかしい話でした。
●アメリカと中国の好感度調査が意外な結果に
上記の話はそれほどおもしろくないと思ったものの、おもしろいと思ったのが、上記の情報をもう少し詳しく…と検索していて見つけたピュー・リサーチ・センターの別の調査。2017年8月23日に発表された米中ロに対する好感度レポートによると、中国とアメリカの好感度はかなり近くなっているようです。
世界36カ国に聞いた好感度の平均値は、中国が52%から48%にダウン。しかし、アメリカは以前の64%から50%にと急減したために、ほとんど差がなくなりました。日本と同様にトランプ大統領の影響がありそうです。一方、ロシアは7ポイントもアップしたものの、35%とかなりの差があり、だいぶ低い数値。日本政府は近年ロシアに急接近していますけどね。
ロシアのことは良いとして、米中の好感度の話。アメリカに対する好感度が6ポイント以上中国を上回った国には、当然だと思うであろう日本の他、意外に思うであろう韓国もここに含まれました。また、ベトナム、フィリピン、インド、イタリア、南アフリカなど12カ国がここに入っています。
ところが、中国の好感度が米国より6ポイント以上高かったのは、15カ国とこれより多くなっています。オランダ、スペイン、ギリシャ、オーストラリア、インドネシアなどの名前が出ていました。
日本では米国が57%、中国が13%、韓国も米国75%、中国34%と圧倒的な差があります。この差を縮めるほど、中国への好感度が高い国が多いということです。上記では全然それらの国の名前が出ていなかったものの、同センターの研究員は「中国の好感度はラテンアメリカや中東で高く、米国への評価が高いのは主に欧州とアジア太平洋地域」と分析していました。
また、近年、カナダ、オーストラリア、レバノン、トルコなどでは中国への評価が明らかに高まっており、ドイツ、フランス、スウェーデン、英国、カナダ、ブラジル、ケニアで米中はほぼ同等の地位にあるといったヒントとなる情報も出ていました。
("日本人に「米国と中国、どっちが好き?」と聞いてみると…―中国紙 2017年 08月26日 00時30分 提供元:Record China"より)
http://news.so-net.ne.jp/article/detail/1438125/
世界36カ国にしか聞いていないため、選定国によってかなり偏ります。米国への評価が高いのは主に欧州とアジア太平洋地域と説明されていましたから、仮にヨーロッパ中心に聞いていた場合、むしろ中国にはかなり不利になっているでしょう。
たとえそうでなかったとしても、アメリカより中国への好感度の高い国の方が多数派なわけで、かなり日本人には意外な結果だったと思われます。正直私も予想外でした。
この理由の一つとして、「日本のマスコミの中国報道が偏っているから」というのが考えられそうなのですけど、たぶん中国を悪く言う方向の偏向報道の場合、批判されることはほとんどないでしょう。むしろ中国への悪口が少ないと見られたマスコミが、偏向だと非難されてしまっているというのが現状です。
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