日本人は皆勝ち組?平均給与400万円は世界の上位1%、99%には入らないの続き的な話で、本当は2つをまとめたいのですが見直しに時間がかかりそうなので、とりあえず、その前にこのページだけ見直して再投稿しておきます。
●世界の収入ランキング 日本人平均409万円が上位0.79%の謎
2013/9/27:
日本人は皆勝ち組?平均給与400万円は世界の上位1%、99%には入らないのを書いたときに使った<もし海外で働いたらいくらもらえる?世界との比較でわかった「日本人給料高すぎ」の実態>(ダイヤモンド・オンライン)という記事。そこでは、以下のような話が出てきました。
<あなたは、「自分の年収は世界で何番目か?」をご存じでしょうか。実はGlobal Rich Listというサイトで、簡単に知ることができます。
このサイトで、日本人の平均年収409万円を入力し、検索してみましょう。すると、世界では5283万1062番、そしてなんと
上位0.79パーセントという結果がでました。物価の違いがありますので、必ずしも日本人が豊かどうかはさておいても、驚異の平均年収だということがわかります。実際に、この連載をご覧の皆様のなかには、この2倍以上の年収をもらっている方も多数いらっしゃることでしょう>
http://diamond.jp/articles/-/38861 私はこれを見てよく考えずに当時<400万円くらいで0.79%ですから、たぶんもっと下でも1%の中に入ります。99%に入る日本人は少数派となりそうです>と書きました。さらに、過去に書いた
日本はもう製造業の国ではない・実は日本の人件費、先進国では低い方を元に、アメリカ人もほとんどが1%の側にいるようですとも書いていました。ただ、これって人口比で考えると変ですよね。世界の人口は70億人、日本は1.3億人、アメリカは3.1億人。この時点で比率からしておかしいです。なぜでしょう?
●「税引後の金額なので…」という指摘があるが実は大差ない
2014/2/5追記:元ネタのサイトでは「Enter annual net income」とあるとの指摘をコメント欄でいただきました。ありがとうございます。「annual」は年間ので「net income」は「純利益、税引後利益」ですので、「日本人の平均年収409万円」ではなく、税引後の値を入れなくてはいけませんでした。
ただ、後述するおかしな点については税引後の値を入れて解決するものではありませんので、そこらへんの問題はそのまま残ります。
とりあえず、ここでは税引後の値のみ計算。
税金計算機 | 所得税・住民税簡易計算機において、収入409万円、保険などの控除なしで計算してみます。すると、所得税137,500、住民税241,500となりました。復興所得税が今はさらにかかりますが、元ネタの時期ではなかったと思われるので今回は加えません。税引後はこうなります。
4,090,000-137,500-241,500=3,711,000。
371万1000円。まあ、あまり大差ないですね。所得税だけで税率が20%(330万円~695万円の場合)あるのにおかしい!と思うかもしれませんが、実は所得控除の金額が大きいために全然そんな金額にはなりません。…と言いつつ、私も今回やってみて、あれ、こんなに減らないの?と不思議でした。何か間違っているかも…。
ああ、330万円~695万円ってのは課税される所得金額がなので、給与所得控除によって一つ下のグループ(10%で97,500円控除)になっているでしょうか?何かこの話だけで一つやるほどややこしいです。とりあえず、前述の便利なサイトさんによると、こうなりました。
あと、さらにややこしい話をすると、感覚的には税金に近い国民年金や健康保険を支払うので、残額はもっと減ります。ただ、これを支払っているとまた新たな控除がついて支払う税金も減るんですよね。今回除いたと書いた「保険などの控除」の話です。本当ややこしいわぁ~。
●上位1%の計算が根本的におかしい最も大きな理由は税金ではなく…
2013/9/27:追記をはさみましたが、上記でわかるように税金を考慮したとしても謎は解決しきれません。パッと思いつくのは分母に非就労者を加えている可能性です。そこでこの記事の元ネタとなった
Global Rich Listを私も見てみることにしました。まず、上で出ていた「日本人の平均年収409万円」など、適当にいくつか入れてみます。
500万円 上位0.46% 30,786,137番目
409万円 上位0.79% 52,831,062番目(税引前の日本人の平均年収)
371万1000円 上位1.07% 64,450,493番目(日本人の平均年収から税金を引いたもの)
300万円 上位1.82% 121,541,003番目
300万円だと1%よりだいぶ下ですね。一気に下がります。それはいいとして、ここから元になっている人口を逆算してみました。
500万円 30,786,137 ÷ 0.46 = 6,692,638,478
409万円 52,831,062 ÷ 0.79 = 6,687,476,202
300万円 121,541,003 ÷ 1.82 = 6,678,077,087
だいたい分母は67億人くらいですね。やはり非就労者を含めた全人口の中で何位かを表しているようです。この算出方法も嘘ではありませんけど、普通は就労者人口の中で上位何%という言い方をしますので変でしょう。だって、働いていない子どもなどと比較して、「給料が多い!」なんて言っても意味ないですからね。多くて当たり前です。
●なんか変…子供を含めて人類の96%の人が働いて収入を得ている?
とりあえず、これで日本人平均409万円が上位0.79%の謎は解決しました。単純に考え方がおかしいためですね。ただ、これはこれでおもしろいデータではあるので、非就労者を加える不可解さはとりあえず無視して、もう少しこの条件での順位を見て遊んでみます。
(当初、ここに長者番付のデータも載せていたですが、考えてみると、年収と資産では条件が全然異なるので不適切でしたので、2022年1月31日の見直しに時に削除しました。申し訳ありません)
10億米ドル 上位0.0001% 4番目 (ビリオネア、日本円で1000億円程度)
10億円 上位0.0003% 1万8954番目
100万米ドル 上位0.009% 57万8467番目 (ミリオネア、日本円で1億円程度)
1億円 上位0.01% 68万9568番目
以下はもう少し庶民に近づくお金持ちのデータを見てみます。
1億円 上位0.01% 68万9568番目
1000万円 上位0.09% 604万0664番目
800万円 上位0.13% 870万2531番目
500万円 上位0.46% 3078万6137番目
409万円 上位0.79% 5283万1062番目 (日本人の平均給与)
400万円 上位0.84% 5608万7489番目
前述のとおり、まだ全人口の1%より上です。この計算での1%を含む、もう少し下の収入の方は以下です。
400万円 上位0.84% 5608万7489番目
375万円 上位1.00% 6671万3239番目
300万円 上位1.82% 1億2154万1003番目
200万円 上位5.40% 3億6148万1784番目
100万円 上位15.94% 10億6602万9093番目
100万円でもこの計算の仕方だと、上位15%くらい。精度はかなり低い感じなのですが、ついでに下限を探ってみます。
100万円 上位15.94% 10億6602万9093番目
12万9500円 上位50.00% 33億4397万0792番目 (世界人口の半分)
10万円 上位57.78% 38億6414万2855番目
5万円 上位85.14% 56億9396万0746番目
4万円 上位96.45% 64億0816万6674番目
3万円からは、"Sure about that? Please try again"(間違いはございませんか?もう一度ご入力してください)と出て、算出してくれません。これくらいが限界でした。なお、上位96.45%が4万円以上の収入というのは、前述の通り子供が多数いることを考えると変です。やっぱりテキトーな計算なんでしょうね。
以上。算出の考え方や精度にはかなり問題がありますが、なかなかおもしろかったです。まだまだ遊べそうで、もうちょっといろいろできそうな感じ。でも、とりあえず、今回はこんなところにしておきます。
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