2018/11/15:
●日本企業より中国企業のアフターサービスがすごい!
●中国企業すごい!は本当? すぐ新品を送るのは悪い文化
●中国企業だけの習慣ではなくアメリカでも 日本が独特の可能性
●日本人が叩く新品交換は本当に悪い文化なのか?
●日本式と中国式、喜ばれるアフターサービスはどっち?
2020/02/04:
●日本のクボタのトラクターは高いからいらない…という現実
●既存顧客に力を入れすぎて、新規顧客が減るほどに頑張った
●日本企業より中国企業のアフターサービスがすごい!
2018/11/15:今回の話は最初まとめで見たもので、そのまとめのタイトルからはネガティブな可能性も感じたものの、ポジティブに捉えている流れでした。
他社の製品を買われる可能性ないの?という反応も。ただ、それも織り込み済みなんじゃないですかね。人件費などのコストは削減できますし、お客さんの不満が解消すれば少なくとも悪い口コミを流されなくて済みます。
●中国企業すごい!は本当? すぐ新品を送るのは悪い文化
悪い反応もないわけではなく、エコではないという切り口での批判がありました。中国製は悪いという嫌味的なところもあります。
はてなブックマークでもネガティブな反応が結構ありました。
Drgorilla 中華MP3プレーヤーを買ったら半年後故障して、連絡したら返金再購入で送られてきた。次のははじめっから壊れていた
NOV1975 こういうのってある種のルール無用だから得をしている側としての消費者が褒めそやすのは仕方ないにしても、本来はダメだよなー。
aobyoutann クレームに新品送って済ませるのは楽だけど、客に「文句を言わなきゃ損をする」立場を押し付けることになる。イヤな文化だ。
●中国企業だけの習慣ではなくアメリカでも 日本が独特の可能性
ただ、そもそも中国だけの文化ではないのでは?という反応も。
LordLuckRock これ米国でも似たような話を聞いたから、単に日本人が不良品に対してうるせーってだけじゃねーの
totoronoki 日本企業と状況が違うからな。日本にオフィスなくて日本国内に在庫があるのはアマゾンの倉庫だけ、という状況なら方法はこれしかないでしょ。「中国だから」という感じではないと思う。
nunnnunn PCもタブレットもほとんどdell製品使ってるけど壊れたって言えば大体新品送ってくれる
私もアメリカで起業した人の記事で、クレーム対応は即もう1個送った方が安上がりだという話を聞いたことがあったため、中国企業だけが特別ではないのではないかと感じました。
●日本人が叩く新品交換は本当に悪い文化なのか?
ただし、アメリカの場合は、返品がとにかく多い国として知られており、「返品なしで新品を」は主流ではないかもしれません。この返品文化に合わせずに、ユニクロが日本式でやって失敗しているという話を、
返品大国アメリカのクレージーな返品事情で、ユニクロ大苦戦か?で紹介したことがあります。このときには、アメリカバッシング的な反応になっていました。
今回も中国バッシング的なところがあったのですけど、はてなブックマークの人気コメントでは、逆方向の反応も少し…。
REV 日本企業がこれやると、店頭に「ヒゲ剃りが壊れたためにヒゲが剃れず商談をふいにした。社長が誠意見せるまでここを動かん」って奴が大発生する予感。
allezvous 任天堂が新品交換するときは賞賛するのになあ
返品のやり方もアフターサービスのやり方も文化的な違いや、ビジネスの考え方の違いでしょう。日本の方が良いとか悪いとかじゃないと思われます。
●日本式と中国式、喜ばれるアフターサービスはどっち?
結局、新しく一つ作って、追記では済ませなかったのですけど、アフターサービスの話はいくつかやっています。
日本企業の強みはサービス ものづくり・製造業に匹敵する価値があるでは、日本の本当の強みはアフターサービスなんだ、という話が出ていました。
ただ、この日本のアフターサービスの良さが、世界で認識されているか?と言うと、そうではありません。以下でやったように、サムスンや今回と同じ中国企業のハイアールの方が、お客さんは感謝しているとのこと。壊れない日本メーカーより、よく壊れるけど安くてアフターサービスの良い海外メーカーの方が好まれるようです。
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安さ以外でサムスンが売れる理由 使いやすさとアフターサービス ■
ハイアール、壊れやすいけど高アフターサービス 日本メーカーは? 前述のように良い・悪いではなく、そういうものなので仕方ないでしょう。ネットで叩いてもしょーもない話です。日本メーカーは日本と海外とでやり方を変えて、その国で好まれるやり方でビジネスした方が良いかもしれません。
●日本のクボタのトラクターは高いからいらない…という現実
2020/02/04:現地のスタイルに合わせれば?と最後に書いていたのですけど、
ASEANで強いクボタ、秘策はアフターサービスにあり:日経ビジネス電子版(長江 優子 日経ビジネス記者 2019年5月24日)という記事がありました。クボタはアフターサービス重視で成功した模様です。よく考えると、トラクターやコンバインだと新品交換は無理ですので、アフターサービスする方向性しかない感じですけどね。
ベトナム南部のある農家の人は、「他社の機械も使ったが、クボタが一番いいね」としています。「性能や耐久性はもちろんだが、サービスの対応も速い」ということで、クボタはアフターサービスだけというのではなく、全部重視しているのかもしれません。
クボタではないメーカーの場合、定期点検のお願いをしてもサービス担当者が来なかったり、希望時間では対応が難しいと言われたりするといってるタイのユーザーもいました。ちなみにタイでのライバルは、同じ日本のヤンマーや井関農機、米ディアなど欧米メーカーだそう。中国はまだ進出していないそうです。
ただし、やはりクボタも単純なやり方では、タイなどの東南アジアではなかなか成功しませんでした。当初売れたのは日本製の中古。次は新品が売れるはずと待っていたものの全然売れず。次に売れたのも、「良い中古」でした。そして、その打開策となったのが「アフターサービス」…という話だと思ったら違ってがっくり。
成功した対策とは、私がいつも書いている現地化だったみたいですね。「日本式ではなく現地に合わせろ」というものでした。トラクターの開発を担当していた北尾裕一副社長は「耐久性に優れつつ、安価で、修理がしやすい、本当にタイの農家が欲しいと思う機械の開発が必要だった」と振り返っています。うーん、アフターサービスというよりは、現地化の投稿に追記するような話でしたね。
●既存顧客に力を入れすぎて、新規顧客が減るほどに頑張った
アフターサービスの話はこの後。現地向けトラクターは、日本で売る新車よりも安くはなったのですが、それでも中古品の約2倍という高い価格。その差は「日本製」ブランドを打ち出すことで顧客の理解を求めるやり方もあるのですけど、クボタは違う選択。アフターサービスを売りにしたのです。
具体的には、補修部品を取りそろえ、顧客から故障の連絡があれば、即座に修理対応する意識を植え付けています。また、ライバルである中古品の場合は、補修部品を手に入れるのは難しい…とい致命的なうデメリットがありました。なるほど、こう考えるとアフターサービス重視というのは、良い目のつけどころだったとわかります。
さらに、08年からは顧客の購入後にメーカー側が定期的に点検に行く体制も整えることに。機械事業推進部長の滝川英雄さんは「ディーラーにはサービスを売れという指示を徹底した」と振り返っていました。また、06年にはタイにリース会社を設立し、所得が少ない農家でも、返済しやすいローンを提供しています。あの手この手ですね。
なお、アフターサービス戦略の盲点的なところも見えました。タイで急成長して勝者となったクボタは2013年、新車のトラクター市場のシェアが前年から2ポイント低下し、69%と7割を切っています。顧客対応が忙しすぎて、営業活動ができないほどだったためではないかと分析されていました。
【本文中でリンクした投稿】
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