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日本は過去に捕鯨を自ら捨てていた 日米漁業交渉で遠洋漁業確保のため


 公務員(官僚)は給料が高いほど働かなくなるから、安い方が良い?の続き。今回はちゃんと交渉メインの話です。

 前回までの内容を読むと、交渉力として一番重要なのは、長期的視野・大局観といった感じに見えました。

 この"長期的戦略を持たずに失敗した例"というのが、日米漁業交渉だと小松正之さんはおっしゃっていました。
なぜ日本人は交渉で負けるか 世界が認めた国際交渉人が語る「失敗の本質」|世界がもしご近所さんだったら|ダイヤモンド・オンライン
2013年8月21日 まがぬまみえ [ライター]

 ことのきっかけは1977年、私がちょうど農林水産省に入って水産庁に配属された年に起こりました。この年、アメリカと旧ソビエト連邦が相次いで200カイリの漁業水域を設定した。いわゆる、排他的経済水域と呼ばれるものです。(中略)

――どうして200カイリ内と決まったのでしょうか?

 数字に根拠など、ありません。ですから、日本が当初の12カイリにこだわらず、自分たちから50カイリでも提案していれば、状況は違っていたかもしれません。
http://diamond.jp/articles/-/40491

 これも失敗の一つですかね? 極端な意見にこだわって結局何も得られないというのはよくあります。

 値切るときの交渉力に関しては、交渉はふっかけで極端な値を最初に提示するといった方法をすすめていました。

 しかし、これその極端な値が目標ではありません。それは「ふっかけ」であって、本当に買いたい値段はもっともっと上でも良いわけであり、そこで頑なに拒否、交渉から降りるとなると意味がなくなります。

 具体例をあまり出すと叱られそうであれですが、ここらへんで成果ゼロってのはよくあるんじゃないでしょうか? 国内問題で言えば、脱原発運動の人らが過激すぎて結局成果を挙げられないという感じになっています。


 ただ、タフな交渉人として一目置かれていた小松正之さんは、意外にもあまり駆け引きはしていないようです。それどころか、とても正直であるせいで成功したみたいな話がありました。
 こちらの意見を事前に相手に伝えておくことは、とても大事なことなのです。

――それって、手の内を見せちゃうことにはならないのですか?

 もちろん、あえて見せるんです。そうすると、相手も安心できる。イエス、ノーの軸を最初にはっきりさせておくと、相手も妥協点を見いだしやすくなる。反対に、安心できない相手と交渉していると、人間ですからつい、防衛本能が働いて、態度が硬化してしまいます。

 私が交渉担当者だった時にはよく、「小松さんは手の内がわかるから安心できます」と相手国の担当者に言われました。ほかの日本人が交渉相手だと、何を考えているのかわからない、と。こういう場合、決して良い結果にはなりません。

 私が途中で余計な話を書いたせいで、何だかよくわからなくなってきました。


 収拾が付けられないので上の話はなかったということにして、日米漁業交渉の続きを見てみます。
 私が国際課で日米漁業交渉を担当するようになったのは、アメリカのエール大学に留学して帰国した翌年の1985年4月からです。アメリカ海域で操業する日本のサケ・マス船団とトロール船のために、漁獲枠の割当を確保するのが仕事でした。これは今から思うと、失敗の多い交渉でした。

――失敗と言いますと?

 それ以前の交渉で、日本はアメリカ200カイリ内でのサケ・マス操業と引き換えに、ベーリング公海でのサケ・マス操業を取りやめる約束を取り交わしてしまっていた。思えば、これは致命的なミスでした。

 公海というのはそもそも「みんなの海」です。だから、そこで操業している分には、誰からも文句を言われなくて済むはず。なのに、日本はアメリカの200カイリ内にある優良な漁場に目がくらみ、みすみすその権利を放棄してしまった。

 しかも、"アメリカから割り当てられる漁獲枠は毎年のように削られ、交渉をするたびに、その見返りとして技術支援を求められ"ましたということで、その優良な漁場も保障されたものではありませんでした。

 そうして"アメリカの漁業振興を手伝わされ"、十分な技術を身に付けると日本船は閉め出し、挙句はその技術でできた製品を日本が買わされることになりました。

 しかも、これで終わりじゃないと言うから驚きです。
じつは、アメリカ200カイリ内での操業を守ろうとして、日本は捕鯨をやめる約束まで交わしてしまった。結果、捕鯨も遠洋漁業も両方、失ってしまったのです。

 何で捕鯨まで?と疑問に思ったので検索したら、やっぱりちゃんと書いています。
捕鯨問題における日本の立場

1982年、日本もノルウェー同様、モラトリアム決定に異議申し立てを行いましたが、米国200海里水域における日本の漁業を認めないとの圧力を受け、やむなく異議申し立てを撤回し商業捕鯨を停止しました。しかし、商業捕鯨の停止後、日本漁船は遺憾ながら、結局米国200海里水域から閉め出されることとなりました。
http://www.sydney.au.emb-japan.go.jp/japanese/top/important_info/standpoint_of_japan.htm

 そんな馬鹿な!という話ですが、外交ってこういうものなんですかね。

 この前約束を守らない国ロシア、プーチン大統領の下心 日本と中国の両睨みという話を書いて、ロシアとの問題を心配しましたけど、こうやって考えていくと約束を守る国の方が珍しいのかもしれません。

 嫌だなぁ……と思いますが、これが現実なのであれば受け入れざるを得ません。


 さて、無残な結果に終わった日米漁業交渉。

 インタビューアーは"仮にも、日本のトップエリートたる人々が交渉にあたっていたはずなのに"と言っていますが、失敗した理由は今回のテーマである長期的視野のなさです。
 失敗した原因の1つは、短期的利益を優先するあまり、長期的な国益を見失ったということ。それと、我々には交渉に必要な手段(カード)が与えられていませんでした。

 交渉で勝つには、それなりの手段を持たないといけない。

 こうおっしゃっていましたが、カードを切らなかったというわけではないと思います。日本は前述の通り、技術提供というカードを持っていました。

 しかし、これは切ってしまえば終わりということで、有効なカードではありませんでした。

 では有効なカードとは何だったのか?と言うと、小松正之さんは"日本の水産マーケット"だったと考えているようです。
 日本では当時、水産物が畜産物の何倍も高い値段で売れたんです。水産物がそんなに高く売れるマーケットは、世界中、どこにもありませんでした。だから、アメリカが漁獲枠を盾にとって技術提供を要求してくるならば、こちらは日本の水産物マーケットを盾に「日本船を操業させてくれないなら、アメリカのすり身は買いませんよ」という交渉ができたはずです。しかし、実際にはできなかった。

 縦割り行政の弊害もありましたし、政治もそこまで真剣には漁業のことを考えていなかったということでしょう。

 何とも残念な話です。


 関連
  ■公務員(官僚)は給料が高いほど働かなくなるから、安い方が良い?
  ■交渉はふっかけ
  ■約束を守らない国ロシア、プーチン大統領の下心 日本と中国の両睨み
  ■漁業衰退は政治の問題 先進国は成長産業なのに日本だけ衰退の謎
  ■マグロ消費量の推移 日本のマグロ漁業の発展はアメリカへの輸出のため
  ■その他の食べ物・嗜好品について書いた記事

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