公立小学校の標準服を、校長が独断で9万円のアルマーニにするというめちゃくちゃなことが起きました。これについて正当化するときに、校長は「服育」という言葉を使っています。しかし、この「服育」の説明を見てみると、特にアルマーニの制服でなくてはいけない理由はないものでした。校長が「服育」のことを全く理解していないか、適当に言い訳しただけではないかと思われます。
2023/09/06:
一部見直し
●アルマーニ校長で有名になった服育、内容を読んだら全然違った
2018/02/17:アルマーニ校長については、
独断で9万円アルマーニ制服、和田利次校長 江戸しぐさ・水からの伝言という疑似科学も紹介で書いています。この校長が言っていた「服育」はてっきり彼の造語だと思っていました。
ただ、検索してみると、服育net研究所による
こころを育む衣服| 服育というサイトが出てきました。住所を見ると、株式会社チクマと同じ。ここが提唱したのではないか?と予想したら、
服育 - Wikipediaに載っていましたわ。"2004年に大阪の繊維専門商社チクマが提唱し、日本の教育関係者の一部に広がっている"とのことです。
アルマーニ校長は「服育」の定義を語っておらず、どういう意味で使っているのかよくわかりませんでした。ただ、今までのような制服ではダメで、アルマーニのような高級な服ではなくてはいけないということなので、ファッションセンスを磨くみたいな意図かと思いました。
でも、「服育」の説明を見ると、全然違うんですよ。「服育」の説明は、オフィシャルよりWikipediaの説明の方がまとまっていて良かったです。Wikipediaでは、「主に衣服に関連する事項を通して、TPO・マナーなどの社会性、環境問題、健康・安全、国際性・文化等に対する理解を深めさせ、子どもの生きる力を育てようという取り組み」としていました。
また、オフィシャルの「
服育とは」では、おしゃれの観点とは異なることをむしろ強調。"衣服は生活を支える三要素「衣食住」の一つでありながら、おしゃれの観点から語られることが多く、私達の生活を支える様々な役割を担っているものであると意識されることは少ない"と書いていました。
●「服育」は校長が言う「高い服なら大事にする」という概念でもない
どこで読んだか忘れたのですけど、校長は「高い服なら大事にする」みたいな薄っぺらいことも言っていたようです。ただ、本来なら安い服でも大事にすることを学んでもらうべきでしょう。ここらへんもアルマーニ校長の主張と、本来の「服育」の概念では、方向性がかなり違う感じがするんですよね。
服育のサイトでは、"8割近くがいまだ廃棄処分されている衣服は、衣服を着用する私達皆にとって身近な環境問題"だとしており、すべての服がもったいないことになっていることを問題視。また、先のWikipediaでは、服育の課題の例として、衣服の3R(リデュース・リユース・リサイクル)があることを挙げていました。
服育のサイトでは、「学校で取り組む服育」というのもあったのですけど、これも高級な制服導入とは全然関係ありません。以下のような内容でした。
<その日の授業内容や気候・気温に相応しい衣服について考えたりその衣服について友人とディスカッションする等々、仲間と共に過ごす学校という場だからこそ深める事のできる服育があります。
特に皆で同じ衣服を着用する制服のある場合は、普段のカジュアル服とは違うフォーマルスタイルの衣服の役割や相応しい着こなしについて学ぶこともできます>
それから、
廿日市市立阿品台東小学校でのセミナー実施例を見ても、やはりアルマーニとは無関係。<毎日着用する制服をきれいに気持ちよく着るためにも、「制服の意味」や「制服の正しい着こなし」について子どもたちにきちんと知って欲しいと、児童向けと保護者向けの二部構成の服育講演会が企画されました>などとあります。
正直「服育」という概念そのものがどうかとは思うものの、校長に悪用されただけで、アルマーニ制服を導入しなくちゃいけない…みたいな概念とは、全然違いました。今回の件では、「服育」は被害者でしょうね。
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