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日本人の理想の仕事観 半沢直樹はなぜ転職しないの?と米国人


 ドラマ「半沢直樹」に関しては、一度<常識・固定観念にとらわれない ヒットドラマ「半沢直樹」は非常識だった>(逆転の発想・業界の常識破り…「品切れ」を売りにするお店などにまとめ)で書いています。どうもこのブームは相当すごかったらしく、記事が増え始めたのはむしろ上のものを書いた後でした。

 また、「半沢直樹」はそちらで書いた非常識さの一つである「仕事」というドラマのテーマゆえか、私の普段読んでいる日経ビジネスオンラインやダイヤモンド・オンラインで取り上げやすかったというのもありそうです。

 そんな風にいたるところで「半沢直樹」を題材にした記事があったものの、私はタイトルを確認するだけでほとんど読んでいませんでした。

 ただ、今回はその中で久々に読んでみたいという記事があったのです。こんなタイトルでした。

半沢直樹はなぜ理不尽な銀行を飛び出さないのか?欧米人が首を傾げる日本人の帰属意識と仕事観の背景|今週のキーワード 真壁昭夫|ダイヤモンド・オンライン
2013年10月1日 真壁昭夫 [信州大学教授]
http://diamond.jp/articles/-/42365

 記事のつかみはタイトルとは無関係の話からです。
 先日最終回を迎えたドラマと原作小説の人気がうなぎ上りで、『半沢直樹』が大変なことになっている。私自身、以前銀行に勤めていたことがあるため、どこに行っても半沢直樹について尋ねられたり、銀行の仕事が話題になったりする。ここまで来ると、一種の社会現象を巻き起こしていると言えるだろう。

 ドラマを観ていると、横暴な常務の不正行為はコンプライアンス(法令遵守)の観点からほとんどリアリティがなく、「いかにもフィクションだ!」と感じる一方、人事権を振り回す陰険な上司など、「確かにこんなこともあるだろう」と思ってしまう部分があった。感覚的には、3分の2がフィクションで、残り3分の1が実態に近い部分と言えそうだ。

 そういえば、元銀行員の人でも「半沢直樹って本当なの?」と毎度毎度聞かれてうんざり……と書いている人がいました。

 私が読んだ数少ない他の半沢直樹記事でも、元財務省官僚から見た半沢直樹のリアリティというテーマというものです。こういうの気になるんでしょうね。

 もちろんフィクションですから、嘘が多いでしょう。特にテレビ化すると、原作以上に現実から離れるという面が多くなりそうな気がします。

 そういう現実との違いとして、同じダイヤモンド・オンラインでおもしろい記事がありましたので、こちらも読んでみます。
「リアル半沢直樹世代」は個人主義者だった!?“チームワークより個人主義”な40代が6割超|ザ・世論~日本人の気持ち~|ダイヤモンド・オンライン

 半沢直樹のすごいところは、「個人の裁量」で大きな決断しつつ、同僚や部下とも「チームワーク」を使って仕事をしていたことだ。普通、能力のある人はスタンドプレイに走りがちで、チームから煙たがれる可能性が高い。現実の社会では、突出した能力のある人は嫌われがちだからだ。

(中略)日本能率協会が行った「第1回『ビジネスパーソン1000人調査』働き方に関する意識」によると、チームワークを優先する職場と、個人の裁量を優先する職場のどちらで働きたいか、という質問に対し、20代はチームワーク優先と答えた人が51.3%と過半数を超え、40代は個人の裁量と答えた人が62.6%と、対照的な結果となった。半沢直樹は1989年に入行しているので、40代真っ只中。半沢直樹は同期の仲間とのチームワークに安らぎを感じつつも、きっと個人の裁量を優先してほしいと思っていたのだ。(プレスラボ 梅田カズヒコ)
http://diamond.jp/articles/-/42361

 「現実の40代は半沢直樹とは違うんだよ」というのは当たり前なのですが、チームワークの捉え方一つとっても全く異なるようです。

 また、これは20代と40代の価値観が全く異なるということも示しています。"半沢直樹のドラマの視聴者の中でも、40代は巨大組織に1人で楯突く半沢に高揚し、20代は同期との友情にキュンとしていたかもしれない"と梅田カズヒコさんは書いていました。


 脇道にそれすぎて、本題が全く進んでいません。最初の記事に戻ります。

 間に挟んだ記事も日本人の仕事観に関するものでしたが、最初の記事は世代間の違いではなく、日本全体の傾向について書いています。
 このドラマについて、米国人の知り合いに尋ねてみた。彼は、なかなか面白い反応を示した。彼によれば、「不当に扱われているのであれば、さっさと他に移るべきだ」という。

 半沢直樹は間違いなく行動力があり、物事を推進する実力を持っている。銀行がそれを評価しないのであれば、正当に評価してもらえる企業を探せばよいということだ。

 それを言ったら物語が……という無粋な感想ですが、なるほど確かに欧米人ならそう思うでしょう。おもしろいです。

 なお、"半沢直樹は父親の仇討を念頭に置いている"という要素はこの際除外します。この観念自体欧米人には共感を持たないものですし、他の感想を見てもやはり職場を離れることなく組織に逆らうという要素は、違和感なく多くの日本人の共感を得ているものと思われます。

 日本人と欧米人の考え方の差として捉えるのは、間違っていないでしょう。
 彼のメンタリティの背景には、おそらくわが国の労働市場の慣行があるのだろう。わが国の企業、特に規模の大きな企業では、伝統的に終身雇用の制度が一般的だった。学校を卒業して特定の企業に入ると、よほどのことがない限り当該企業に定年まで勤める。定年までの長期間を働く企業だから、できるだけ給与などの労働条件が良く、安定した企業に就職したいと思う。

 条件のよい企業に就職するためには、学力の高い、いわゆる良い学校に進学することが有利だ。そのため、本人はもちろん世の親たちも、わが子を難関校に進学させるために懸命に努力する。そして、条件の良い大手企業に就職し、周囲の人たちと仲良く適度に仕事をする。それから立派な奥さんを探して、人もうらやむ安定した家庭を築く。

 定年近くなると、関連企業に天下りして平穏な余生を過ごす。それが、ある意味では幸福な人生の典型例(人生の幸福モデル)だった。だから、会社の中ではあまり波風を立てずに過ごすことが、最も賢い過ごし方となる。

 一方、半沢直樹はあれだけの反骨精神で、上司に食ってかかり、常に不穏な空気をつくり出す。企業の中で、長いものに巻かれて穏当な生活をしている人にとっては、実に厄介な人材だ。そのため、組織内で適正な評価を受けられない。

 転職が普通の欧米社会であれば、おそらく半沢直樹はさっさと銀行を見限って、もっと自由に活動できる環境を探すだろう。しかし、ドラマの半沢直樹はそれをしない。それが何とも日本的で、視聴者の心を掴む要素なのだ。

 こういった日本人の理想とする仕事観は、ドラマの中でとてもリアルに表現できていたものの一つなのかもしれません。


 関連
  ■<常識・固定観念にとらわれない ヒットドラマ「半沢直樹」は非常識だった>(逆転の発想・業界の常識破り…「品切れ」を売りにするお店などにまとめ)
  ■役職定年制・再雇用が生むひずみ 「給料泥棒は50歳代」のアンケート
  ■その他の仕事について書いた記事

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