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世界一幸福な国のデンマーク 仕事ができない人はすぐにクビ


 以前もデンマークと幸福という話をやりましたけど、別の方でおもしろそうな記事を発見。

  ■デンマーク人は幸せを感じていない?幸福大国というイメージの間違い
  ■デンマークの国民性 褒められることを拒否・他人より優れていると考えない
仕事ができない人はすぐクビになるのにデンマークが「世界一幸福な国」になれた理由|世界がもしご近所さんだったら|ダイヤモンド・オンライン 2013年6月12日 まがぬまみえ [ライター]

 貧しかった北欧の小国、デンマークはいかにして「世界一幸福な国」となったのか?

 デンマーク大使館の広報官、イェンス・イェンセンさんの働き方を通してその謎に迫った。
http://diamond.jp/articles/-/37277

 最初は与太話から。
――まずは、このイェンス・イェンセンさんというお名前、日本人にはとても不思議な感じがしますね。

 デンマークでは「ハンス・ハンセン」「ヘンス・ヘンセン」「トマス・トマセン」などのように同じ音が重なる名前は多いんです。僕のファーストネームであるイェンセンは、少し前まで、デンマークでは一番多い名前でした。

 ちなみに、デンマーク語の「セン」は英語で言う「son(息子)」と同じ意味です。

 うちでも過去にビッチという名前の意味・由来とアメリカ人に多い苗字(名字、姓)ランキングなどで書いていますけど、海外では「~の子供、子孫」系の名前が多いですね。特に欧米で顕著です。

 私は婿養子になって名前と苗字がかぶったら困るでしょ?と思っていたんですけど、デンマークではわざわざかぶせてきています。ユニークなセンスです。
 日本では珍しいかも知れないのですが、去年くらいからフルタイムでは働きたくないなと思い始めまして、自分から提案して月曜日から木曜日までの週4日勤務にしてもらいました。だから、今は毎週末、ロングウィークエンドという感じです。

――働きたくないから週4日勤務って、そんなことが簡単にできちゃうんですか?

 デンマークでは割と普通ですよ。子育てのこともあるし、ほかに副業もしたいので、と前の大使に言ったら「いいですよ」ということになって……。

――えっ、副業もOKなんですか?

 奨励しているというほどではないですが、デンマークでは民間でも公務員でも、だいたい許されています。

 他の外国人でも「何で日本は副業ダメなの?意味わかんない」って言っている方がそういえばいました。まあ、給料が安い場合、副業の許可は現実的でしょうね。

 日本がダメなのは能力本位じゃないってのもあるのかなぁ? 能力重視なら、本業がおそろかになってないんだし別にいでしょ?と言えます。

 あと、社員は会社のものという意識、会社は家族という意識、従属関係を求めるなどといったところも関係あるのかも。

――基本的に残業はなし、という発想ですか?

 そうですね。だから、遅くまで残って仕事をした翌日は、いつもより早く帰って息子をスイミングスクールに連れて行く、なんてこともできちゃう。

 だけど、その分、働き過ぎちゃうこともある。今はこれ(スマートフォン)があるから、オフでも仕事をしようと思えばできちゃうでしょ。そこの部分の自己管理は、ほんと難しい。オフィスに縛られている時間は日本よりもずっと短いですが、実際にそれだけ休んでいるかといえば、そうではないかも知れない。だから、デンマークにも朝からずっとメールばかりしているとか、ちょっとワーカホリック気味の人はいます。

 欧米での管理職タイプの人はものすごい働くとか、勉強量は日本人が世界最低とか言われている記事を前読みました。

 残業なしのイメージとは裏腹に、実はデンマークも厳しいようで、タイトルにしたクビの話が出てきます。
 それと、デンマークの会社はけっこう厳しいですよ。仕事ができないとすぐクビになります。

――えっ、それだけワーク・ライフ・バランス重視なのに?

 そう。それに、日本のように課長だった人が自動的に部長に昇進する、ということもありません。ない、まったくない。

 たとえば、民間企業で部長ポストが空いたとしたら、通常は社外も含めて一般公募します。要するに、そのポジションに最も適した人を選びたいわけなので、長く勤めているからとか、社内の人間だとか、年齢・性別も一切、関係なし。だから、自分より年下の人間がマネジャーになることもよくあります。

――年下が自分よりも先に出世してひがむとかは……。

 ない!

――断言しますか……。

 まあ、これいい面・悪い面、両方あると思いますが、要はフレキシブルなワークフォースを維持したい。じゃあ、なぜ、それができるかといえば、セーフティネットが十分に整備されているからだと思います。

 デンマークに限らず、福祉大国とされる北欧は実は競争も厳しいです。

 私はこの考え方が好きで、競争を激しくしてその分セーフティーネットは十分にというのを理想としています。

 ここらへんが解雇特区、残業代もゼロ ホワイトカラーエグゼンプションに再チャレンジで書いた柔軟な解雇に必ずしも反対ではないという理由です。

 しかし、日本がデンマークと同じような解雇をして良いか?と言うと、やはりそちらで書いたように環境が整っていないため、労働者のみ一方的に虐げられるおそれがあるのです。そうすると、解雇条件の緩和に賛同しづらくなるんですよね。

 日本では、競争を激しくしてなおかつ自己責任と、競争を失くして保障も厚くという、ともに現実を見ていない2つの派閥に支配されている気がします。極端だなぁ……。 
 デンマークだったら、仮に僕が明日クビになっても、次の仕事を探すまでの間は国がなんとか生活を保障してくれる。日本の場合、どこの企業に入るかで自分の将来の社会保障が大きく変わるでしょ。たとえば、フリーランスだったら、保障はほとんどない!

――そこ、断言されるとイタいかも……。

 これ、僕らから見ると、すごく不公平な感じがします。

 デンマークにはフォルケホイスコーレという成人のための教育機関もありまして、誰でも何でも好きなテーマを選択し、1週間から1年までのコースで比較的安い費用で学ぶことができます。テーマはなんでもいい。哲学でも手芸でも、映画を作りたいということでもいい。そうやって必要な知識やスキルを身につけてからまた働く、ということもできるので、解雇されても大きな不安に晒される、ということはありません。

 厳しいけれど安心感もある。そこ、幸福感に関係してくるポイントだと思います。


 以下、また与太話。
――話は変わりますが、イェンセンさんが来日することになったきっかけは何だったんですか?

 これ、たぶん、日本に来ているアメリカ・ヨーロッパの人にけっこう共通する体験だと思いますが、子どもの頃に、『将軍』というテレビドラマを見たんです。江戸時代に日本にやってきたイギリス人航海士が主人公で、デンマークでは割と有名なのですが、日本人にはあまり知られていないようですね。

――『将軍』の何に興味を引かれたのですか?

 いや、もう、ただただ驚いた。僕がまったく経験したことのない世界がそこにあったから。いい・悪いよりも、とにかく行ってみたい、と思ったのが一番です。もちろん、時代劇であることは知っていましたから、行ったらサムライがいるかも知れないとかは思いませんでしたけれど、江戸時代の日本と今の日本がどう違うのか、にはすごく興味がありました。それで、ロンドン大学で日本文化と日本語を学び、2002年に来日したわけです。

 こういう話は日本人としては嬉しいですね。

――実際、日本に来た時の印象はどうでした?

 日本人は初めて会う人とはまず、名刺交換をしますよね。僕、最初はこれにびっくりした。その人がどんな人物かということよりも先に、地位と肩書きを紹介される。すごく違うな、と感じました。

 それと、日本の場合、幼稚園から大学まで細かくランク付けされていて、どこそこの幼稚園に行かなかったらいい会社に入れないという暗黙のルールもありますね。これはデンマークにはない、というよりも、デンマーク人にはまったく理解できないシステムだと思います。

 何だろう、附属幼稚園の話? 普通は幼稚園で一生が決まるってことはないと思いますけど、まあ、エスカレーターのところは人気でしょうし、そのことでしょうか?
――デンマークは学歴社会じゃないんですか?

 違いますね。それに、なんというか、日本とデンマークでは会社に入るまでのプロセスがまったく違います。

 まず、私立の学校がほとんどない。デンマークの場合はほとんど公立。高校まではだいたい誰でも進学できます。進学できるかどうかを決めるのは中学校の成績で、成績は悪いけれどどうしても進学したかったら、もう一年多く通うなどの選択肢がある。

 大学に関しては、高校時代の成績で学べる分野が決まります。成績が良くないと医者や弁護士になるための学部を選択できないということはありますが、どこの大学に入るかは個人の自由ですし、日本のような大学入試制度はありません。

――要するに、一発勝負じゃない、と。

 そう、だから、卒業して一斉に入社試験を受けるのもなし!毎年、その時期になったら会社が何人募集する、というのもあり得ない、まったくない!

 たとえば、成績は悪いけれど、どうしても医者になりたい。そういう人が医学部に進学する方法もあります。1年間、アフリカなどの海外に行ってボランティアをする。普通にアルバイトなどの社会経験を積んでもいい。そうすると、ポイントがもらえます。自分の成績にそうした社会経験で得たポイントを加算して、学びたかった分野に進むこともできる。

 あんまり加算が大きすぎて、能力無い人が来ても困りそうですが。
――考えてみたら、日本人はどうしてこんなにあくせくしないといけないんでしょうか。子どものうちは受験に追い立てられ、成人したら仕事に追い立てられる。どうしてもっと、デンマーク人のようにフレキシブルになれないんでしょうか?

 日本は競争が激しいので、何をするにせよ、それだけ多く稼がないといけない。そこは、デンマークと違う点だと思います。

 だけど、ずーっとマメにマメに働いていると、すごく疲れて新しいアイディアが何も出て来なくなる。みなさんもそうだと思いますが、アイディアが湧く時って、パソコンの前に座っている時じゃなくて、散歩していたり、お風呂に入っていたりする時ですよね?

 だから、「よく遊び、よく働く」! これ、とても大事なことだと思います。

 あら、さっき私が言ったのと違うくなりましたね。デンマークより日本の方が「競争が激しい」という感じのようです。

 ただ、見ている時期の違いかも。幼稚園、高校、大学、新卒で大手企業の正社員になれるかどうかなど、日本は入口での競争は厳しいです。

 しかし、クビになりづらいということは、実際に仕事をしてからの競争が緩いということです。

 経済成長に密接に関わるのは大学受験などじゃなくて、仕事をしてからの方です。意味ないじゃん。
(ついでに言うと、大学も入口に比べると出口が緩い傾向が指摘されています)

 私は本来はそっちの方が厳しくあるべきだと思うのですが……。


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  ■デンマーク人は幸せを感じていない?幸福大国というイメージの間違い
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