中国が日本のGDPを超したことに意味は無い、だって、1人当たりGDPで見ればまだまだ下なんだからという話があります。
そういう考え方だと、シンガポールは"1人当たりGDPでは日本を超す豊かな国"であり、日本より上です。
このシンガポールは「人材国家」と言われるそうで、"シンガポールの人材政策の要は、徹底したエリート教育と高度人材の受け入れにある"とのことでした。
「人材国家」シンガポールが日本より豊かな理由 徹底したエリート教育と高度人材受け入れに学べ|日本総研国際戦略研究所 ニューフロンティアの知られざる輪郭|ダイヤモンド・オンライン
2013年8月23日 神足恭子
シンガポールの教育の特徴は、2ヵ国語教育と選抜主義的教育である。小学と中学の課程では、第一言語として英語を、第二言語として母国語(中国語、マレー語、タミル語など)を学習しなければならない。第二言語で学ぶのは、道徳や文学、歴史などの一部である。
シンガポール教育省は、この2ヵ国語政策を「シンガポールの教育政策の礎石」であるとし、英語能力は子どもたちをグローバル化した世界に組みこむため、そして母国語能力は自らのルーツを保持し、中国やインドの台頭や、そしてASEANの統合の時代において競争力を持つことを可能にするため、と明確に意義付けている。
http://diamond.jp/articles/-/40621 筋が通っていますね。
エリート選別主義は、小学校の統一卒業試験から始まる。学生は試験の成績によって中学レベル(通常3~4年)で快速コース、普通アカデミックコース、普通技術コースに分けられる。
2012年は約4万7000人の小学6年生が受験し、約98%が中学課程に進んだが、うち約63%が快速コースへ、約23%が普通アカデミックコースへ、約11%が普通技術コースに進学している。
快速コースに進んだ学生は、卒業時にGCE(Singapore-Cambridge Certificate of Education)Oレベルの卒業試験を受ける。一定のレベルに達したものはジュニア・カレッジ(通常2年)に進学し、卒業時にGCE-Aレベルの試験に合格すれば大学(4校のいずれか)に進学できる。
Aレベルに達しないものは、ポリテクニックという高等技術専門学校へ進む。大学進学率は約25%である(日本は約50%)。
中学課程で普通コースに進んだ者は、卒業時にGCE-Nレベルの試験を受け、上位合格者はもう一年勉強してOレベルを目指す。Nレベル試験で下位となった者はITEと呼ばれる技能専門学校に進学し、工学、機械、IT、調理などの技術、経営や美容などの接客の職業教育を受ける。
なお、ITEに行ってもポリテクニックに進学することができるなど、下位のコースに入っても上位のコースに上がる可能性は残されている。
ドイツもエリート主義的で興味があるのですけど、それ以上な感じ。
また、"政府による大学奨学金制度"では官僚になることを義務付けているそうです。
日本でも一応官僚はエリートだと思うのですが、決定的に違うのは「実力主義」を取っていることです。
優秀な官僚を政府機関に留めておくために、高い給与と実力主義も徹底されている。シンガポールの事務次官級の給料は年収約1億円(日本は約2000万円程度)とされ、世界の官僚の中でも最も高水準の給与が支給されていると言われている。また、昇進は実力主義によって決まり、若くして高級官僚になる人も珍しくはない。
私は入り口だけ厳しくしても仕方ないと思っているので、実力主義には賛成です。
というか、実力主義の方が大事だと思います。よく言われることですが、日本は官僚だとか大企業だとか就職した時点で勝ちが決まってしまうので、その後努力しなくなるおそれがあります。
そもそも仕事の成果は実際の仕事の内容で評価されるべきで、そこを重視しないと国民や会社への恩恵が不十分です。
日本は一番大事なところが抜けています。
話が逸れましたので、シンガポールの話に戻ります。
シンガポールは"外国人の受け入れの面でも一貫して"エリート重視のようです。
1990年代後半から知識集約型産業を支える高度人材の獲得のため、戦略的に外国人の受け入れを行ってきた。(中略)
「アジアにおける教育のハブ」というコンセプトの下で、政府は様々な施策をとってきた。1998年には”World Class University Program” を掲げ、積極的に海外の一流有名大学と提携して、教育プログラムや教員を誘致する計画を開始する。
また2003年には、教育が経済活性化の観点から見直され、以後10年間に10万人の留学生と10万人の企業幹部レベルの研修生を受け入れるという“Global Schoolhouse”構想が発表された。(中略)
また、将来の国民となり得る留学生の確保のために、シンガポール政府は寛大な奨学金制度も設けている。国内の大学または高等専門学校に留学する全ての学生を対象に、留学終了後3年間はシンガポール国内で就労することを条件として、学費の最大75%の補助を支給しているのだ。
留学終了後は、3年間シンガポール内で就労することを約束させており、実際、3年後以降もシンガポールに留まる人材は多い。
こうした政策は日本人は正直大嫌いでしょう。
ただ、移民が嫌がられるというのはヨーロッパでもそうですし、移民大国アメリカですらそうです。(
移民は犯罪率を増加させるから反対 アメリカのボストン爆弾テロ事件の余波)
移民を積極的に活用してきたシンガポールも今、移民政策は転機を迎えているようです。
2011年の総選挙では野党が大きく躍進する異例の事態となったが、これは単純労働者も含め急速に増加する外国人に対し、国内のインフラ整備が追い付かず、公共住宅の価格が高騰し、公共交通機関も混雑するようになったことへの国民の不満が背景にあった。
拡大する所得格差により、「エリート教育は私塾に通わすことのできる金持ちのための教育である」という批判も高まっている。留学生の受け入れについても、シンガポール国民の大学院への進学や就職の機会が奪われるという不満もある(主要な国立大学の大学院における留学生の割合は6割)。
ただ、人材受け入れを拒否してしまうとシンガポールの発展は望めませんので、厳しめにして狭めるという方向性です。ここらへんは現実的ですね。
また、現在のシンガポールが人材受け入れとエリート主義で作られてきたという歴然たる事実は変わりません。
日本がそのまま真似するというのは無茶ですが、学ぶべきところはありそうです。
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