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日本にはうるさいが、欧米には甘い国連人権理事会


 以前、イスラム衣装の着用禁止と反米・反軍・反キリスト教への批判において、「欧米諸国の人は他国に対しては『自由が制限されている』だとか、『人権が侵害されている」などとうるさいですが、自分たちについては例外のようです」と書きましたが、良い例がありましたのでメモしておきます。


 外国人差別なお根強い=日本に改善求める-国連特別報告者(2010/03/31、時事ドットコム)によると、日本国内の移民の人権問題を調べるため来日した国連人権理事会のホルヘ・ブスタマンテ特別報告者は、あくまで「予備的な勧告」と断りつつも「国籍に基づく人種主義、差別意識は日本にいまだ根強い」と指摘、人種差別防止に向けた法整備を求めたそうです。


 また、問題点を下記のように列挙しています。

(1) 研修生や技能実習生は権利侵害となるような条件下、奴隷状態に発展している場合さえある

(2) 外国人女性が家庭内暴力の被害者であっても在留資格更新で夫に頼らなければならない状況がある

(3) 外国人の子供が日本において不就学の状況にある


 その他、両親が不法滞在で強制退去を命じられたフィリピン人一家の中学生カルデロン・ノリコさんの例などを念頭に「日本で生まれ10~15年間暮らしていた子供の親が強制退去処分となり親子が離れ離れになった数々の実態を聞いた」と強調し、子供の利益を優先し「家族は分離されてはならない」と訴えたそうです。


 不法滞在は「不法」ですので、それをやったもん勝ちにするのは理解しかねますが、それ以外は概ねごもっともです。


 そうして、国連人権理事会さんが人権問題についてアドバイスしてくださったわけですが、翌日にはこんなニュースがありました。


 イスラム教徒の女性が顔を覆う衣装「ブルカ」や「ニカブ」を公共の場で着用することを禁じる法案が先月31日、ベルギー下院内務委員会で可決された。22日にも開かれる本会議で可決、成立すれば、ベルギーは欧州で初の着用禁止国となる。欧州では「女性隷属の象徴」としてフランスなどでも禁止法案提出の動きがある。背景には、中東からのイスラム原理主義の浸食への危機感があるが、「個人の自由」とどう折り合うのか、欧州は解答を迫られている。

(中略)

 禁止派のジョルジュ・ダルマーニュ議員は毎日新聞の取材に「自動車は右側通行と定めた交通規則と同じで、往来の自由には制限がある」と説明。ブルカなど顔を隠す行為は「公共の場で誰か分からなければならないという共生の考えとの断絶を生み、社会不安を呼んでいる」として禁止の正当性を強調する。

(中略)

 ヘジャブ姿の女性の中にも「ブルカはイスラムとは関係がない」(マリカ・ハミディ欧州ムスリム・ネットワーク事務局長)とのブルカ反対論がある。一方、「ベルギー・イスラム教徒執行機関」副議長はAFP通信に「着用は個人の自由」と主張、「明日はヘジャブ、あさってはシーク教徒のターバンとなり、いずれミニスカートも禁止されかねない」と警鐘を鳴らす。

 政教分離を国是とする仏でのブルカ禁止の動きが「イスラム教対国家」の構図を浮かび上がらせているのに対して、ベルギーでの議論は公共秩序・安全の維持や、女性の権利保護に集中している。

 ベルギー国会では着用禁止が多数派のため本会議で可決、成立の公算が大きいが、行政裁判所にあたる国務院が留保を付ける可能性もある。フランスでは国務院が先月30日、ブルカ着用の全面禁止は憲法違反の危険性があると判断した。



 
 私はイスラム衣装の着用禁止と反米・反軍・反キリスト教への批判において批判したフランスでの件は、毎日新聞の記事の最後でもあるように批判の声も上がっています。


 イスラム教徒のブルカ一律禁止は問題 仏諮問機関が答申 産経新聞 2010/03/31によると、フランスの行政諮問機関で、行政裁判の終審にも当たる国務院は先月30日、フィヨン首相に答申を提出し、イスラム教徒の女性の全身を覆う衣装「ブルカ」や「ニカブ」の着用を一律に全面禁止するのは、法体系上問題になり得ると指摘したそうです。


 ただ「治安上の理由から(公共の場所で)顔が見えるようにする義務」としてなら立法措置は可能だとも述べたそうで、方向性は変わらなそうです。


 「服装への公権力介入に戸惑い」 仏宗教界、ブルカ禁止に違和感 産経新聞 2010/01/22では、カトリック司教団の代表アンドレ・バントロワ枢機卿は一市民としての見解と断りながら「公権力が、何を着て何を着るべきではないかについて介入することには戸惑いを覚える」と表明していることを伝えていますが、これらのブルカ着用禁止ははっきりとした人権侵害だと思います。


 さらにこの問題以外に、最近は[カトリック教会]神父の性的虐待次々発覚 バチカン窮地に 2010年04月03日01時22分 毎日新聞というニュースもありました。


 これはまずアイルランド政府の調査委員会が昨年11月に出した報告書で、アイルランドでは1930~80年代にかけ、学校など教会運営の100以上の施設で、数百人の神父や尼僧が少なくとも2500人の未成年者に性的虐待を加えたことが判明。「組織的な隠ぺいがあった」と結論付けられたことがあります。


 またドイツでも75年から83年にかけ、西ベルリンのイエズス会系の名門校で約500件の性的虐待があった他、被害はドイツの他の都市や、スイス、スペイン、オランダでも続々と発覚しているそうです。


 さらに米紙ニューヨーク・タイムズは、ローマ法王ベネディクト16世が枢機卿時代の93年、米ウィスコンシン州のろう学校で、少年約200人に性的虐待を加えた神父の処分を見送っていたと報じました。


 それでもなお「発覚した過去の性的虐待は氷山の一角とみられ、被害報告は今後、さらに広がる可能性がある」と記事では伝えており、被害の大きさがうかがい知れます。


 しかし、法王は米紙報道については「つまらぬゴシップだ」とし、周辺の司教らも、聖職者による性的虐待について「一部の者の過ち」との主張を崩さず、「性的虐待はカトリックだけの問題ではない」「何者かの陰謀だ」などと言っており、人権意識が高いとは到底思えません。


 日本では伝えられていませんが、国連人権理事会というのはこれらの問題について何らかの動きを見せているのでしょうか?日本での問題と違い、これらは国をあげての差別助長推進であったり、大多数の国で重大とされる犯罪の矮小化であったりと、より悪質なものに思えます。


 どうもダブルスタンダードがある気がしつつ、今日はここで終わりにします。


 関連
  ■イスラム衣装の着用禁止と反米・反軍・反キリスト教への批判
  ■その他の欧米について書いた記事
  ■その他の文化について書いた記事

ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)ずるい!? なぜ欧米人は平気でルールを変えるのか (ディスカヴァー携書)
(2009/12/20)
青木 高夫

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