何かえらく昔の話らしく、私が知らなかっただけのような気がしますが、ローソンがいつの間にかダイエーの子会社ではなく、三菱商事系になっていてびっくりしました。
私がこれに気づいたのは、ポイントサービスのPontaのWikipediaを見ていたときです。
Pontaに関してはローソンがたいへん熱心なように見えたので、私はPontaをてっきりローソン・ダイエー系のポイントサービスだと思っていたのです。
ところが、
Wikipediaにはこうありました。
Ponta(ポンタ)は、三菱商事の完全子会社である株式会社ロイヤリティ マーケティング(LOYALTY MARKETING, INC.)が発行・運用・管理する共通ポイントサービス。
そして、「えっ、あれ、三菱商事なの?」と不思議に思って、ローソンを見てみたら以下のような記述でした。
ダイエーとの関わり
ローソンは長らくダイエーが親会社であり、福岡ダイエーホークスの多くの選手がCMに出演していた。しかしダイエー本体は業績悪化に伴い保有するローソン株の多数を商社の三菱商事に売却した。2001年(平成13年)からは
三菱商事が30.68%の議決権を有する(2005年(平成17年)2月28日現在)
筆頭株主である。また、2007年(平成19年)5月31日までは登記上の本店が大阪府吹田市豊津町9番1号の旧ダイエーグループ本社ビル(江坂東洋ビル)にあったが、2007年6月1日より東京都品川区に移転した。現在はローソンHMVエンタテイメントやダイエーグループ商品券、OMCカードの取り扱いを行っている。
Wikipedia イトーヨーカドーとセブン-イレブンも立場が逆転したように、かつて革新的な業態として既存の小売店を圧迫してきたスーパーは今やすっかり落ちぶれました。そして、コンビニがスーパーからその王者の座を奪っているという格好です。
疲弊するダイエーにとってはローソンは大切な収益源だったとは思いますが、業績悪化で仕方なく手放したのでしょうね。背に腹は代えられません。
三菱商事傘下になっていたことすら知りませんでしたので当然ですが、ローソン社長として盛んにメディアに露出する新浪剛史(にいなみ たけし)さんも三菱商事出身であり、三菱商事から次期社長としてローソンに送り込まれていたようです。
新浪 剛史(にいなみ たけし、1959年(昭和34年)1月30日 - )は、日本の企業経営者。(中略)
1981年(昭和56年)
3月 慶應義塾大学経済学部卒業。
4月 三菱商事株式会社入社。砂糖部海外チーム配属。
(中略)
1999年(平成11年)7月 三菱商事株式会社生活産業流通企画部外食事業チームリーダー就任。
2000年(平成12年)4月 同社ローソンプロジェクト統括室長兼外食事業室長就任。
2001年(平成13年)4月 同社コンシューマー事業本部ローソン事業ユニットマネジャー兼外食事業ユニットマネジャー就任。
2002年(平成14年)
3月 株式会社ローソン顧問就任。
5月 同社代表取締役社長執行役員就任。
2005年(平成17年)3月 同社代表取締役社長兼CEO就任。
Wikipedia あと、検索していて過去を振り返るこんな記事もありました。
第9回:ダイエー救済がための上場に疲弊するローソン:日経ビジネスDigital
池田 信太朗 2012年12月21日
ダイエー社内でローソン上場の方針が決まったのは一九九七年。すでに経営はきしみ始め、膨れ上がる有利子負債に身動きが取れなくなっていた。事実、その翌年には経常赤字に転落する。そもそもローソンを上場させるということ自体が、当初からダイエー救済を目的としていたと言っていい。(中略)
――ローソン社内で、元親会社のダイエーに対する印象はどのようなものだったのでしょうか。
「ダイエーのために上場するということの犠牲になったな、という印象を受けていました。大変な苦労をさせちゃったんだなと。何でもかんでも、形式上、上場に向けて株価がつくように強いられていた。だからそれによる弊害というのはすごくあった。加盟店にも、社員にもありました」
「形式上」とはどのような意味か。
上場の方針が決まった後、ローソンは出店を加速した。九六年末に六〇〇〇店余りだった店舗を、九九年二月には七〇〇〇店へと急拡大。九七年には沖縄県に店を出して全都道府県への出店を済ませた。
小売業は出店すればするほど売り上げは伸びる。ただ、無理なスピードでの出店は、開発の審査が甘くなり「儲かりにくい」立地に出店することになって採算性を悪化させたり、従業員の教育が追いつかずにサービスの質の低下を招いたりといった「副作用」をもたらす。一時的に業績がよくなっても、やがて副作用がチェーン全体の価値を下げることになり、トータルで考えれば企業価値を落とす。つまり、得策ではない。
だが、上場益を最大化することが狙いであれば話は別だ。株式公開のその時点で、大きな成長性があることが示せていれば高値で売り抜けられる。株式市場に対して、一時的な「見た目」、新浪の言葉で言うところの「形式上」の成長力を演出するために、ローソンの現場に「犠牲」が強いられた、というわけだ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/NBD/20121217/241129/?ST=pc この後もダイエーは当然ダイエー中心に考えていたようです。これは二番目の株主となった三菱商事が将来的にローソンを買ってくれるだろうという思惑があります。
短期的な利益の最大化であってもその高い時点で三菱商事に買ってもらえば、ダイエーにとっては一番良いですものね。長期的視野でやりたい三菱商事とは方向性が異なり、かなり苦労したようです。
今日のローソンがあるのは、三菱商事が筆頭株主になったおかげですね。
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