よく言われる欧米では住宅の価値が上がるのに、何で日本はガンガン下がっていくの?という話。
また欧米信仰か!と嫌がられそうな話題なのですが、実際記事の書き出しからそういう方が発狂しそうなことが書かれています。
国家社会主義と国家資本主義の違い 国家主義や全体主義との関係もでは、日本の経済政策って新興国っぽいところがあるのかな?と感じましたが、住宅もまだ「新興国モデル」なんですって……。
欧米など他の先進国では、中古住宅の価値が一律に下落していくといった常識はなく、むしろ逆である。例えば一団の分譲地であれば、新築分譲時から時間の経過によって木々が生えそろい、街並みやコミュニティーが形成され、小学校などの学区の様子も確定するといった状況のなか、徐々に価値形成がなされていく。
しかし、不思議ですね。欧米信仰うんぬんの話は抜きにして、こんなにも違うというのは……。私には純粋に不思議に思い、興味があります。
所有者は建物を大事にし、必要に応じて点検や補修、リフォームなどを行うことで価値の維持ないしは向上に努める。補修やリノベーションを行う際にはもちろん、効率的に価値維持・向上が可能となる部位や箇所を吟味、その履歴をデータとしてしっかり保管しておく。
一方、日本では買ったそばからとにかく価値ゼロに向かってまっしぐら。築25年などで売り出されている中古住宅は土地値でしかない。ひどいものになると、建物が建っているにもかかわらず、あくまで「土地」として売りに出され、備考欄には小さく「古家あり」などと記載されている。このケースでは土地値どころか、建物の解体費を差し引いた価格づけが行われる。
"住宅ローンの支払いは30年や35年"だそうですから、この頃にはもうとっくに建物は無価値のようです。本当えらく違います。
では、この違いの理由は何なのでしょう?
まず一般的に言われている話を出しておくと、何でも「法定耐用年数が決まっているから」という建物価値の下落理由があるそうです。
しかし、作者はこれを否定していました。
例えばアメリカの場合、構造にかかわらず法定耐用年数は27.5年だが、中古住宅になっても価値が落ちない市場が形成されている。
そもそも法定耐用年数というのは、「この期間で案分して費用計上してくださいね」という、減価償却としての税法上の意味しかないのだ。
また、「日本の家は木と紙でできているから」「日本は地震国だから」というのも、"それに合わせて価格形成されればよい"だけとして否定していました。
じゃあ、作者はどう考えているのか?と言うと、「中古住宅市場の整備を怠ってきたから」としています。
日本は「住宅データベース」が貧弱だ。(中略)その情報の中身は、広告で目にする面積や間取り、築年数など最低限の情報でしかない。さらに、取引の時点で中古住宅のコンディションを見極めるホームインスペクション(住宅診断)を行うといった慣行もなかった。
金融機関はといえば、住宅ローンを融資するにあたり、現地を確認することはない。住宅地図や販売図面など机上の、しかも貧弱なデータだけで機械的に判断するのみ。そしてその機械的な判断は20~25年でゼロということにしましょうと、これもなんとなく決まっている。
記事では以下のようにもありました。
現時点での中古住宅市場は、ロシアンルーレットのようなもの。全く問題のない建物も、買ってはいけない建物も築年数で一律の評価が行われている。
これを読んで情報の非対称性の話をちょっと思い出しましたので、後で投稿しようかなと思っていた
市場の失敗が生じる情報の非対称性の具体例 レモンの原理を先に上げておきました。
中古住宅の価値をきちんと評価して情報をわかるようにすることは、業界も売り手も買い手も皆得することだと思います。
たとえば、現状のままだと日本人が欧米のように住宅の価値の向上に努めても評価されないのですから、大切にしながら家に住んでいたという人は損をしているわけです。そんな馬鹿な話ないでしょう。
何でも"2002年に打ち出された中古住宅市場・リフォーム市場整備の方針が、ここに来てやっと具体化し始めた"そうですので、良い方向に動いているんじゃないでしょうか?
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