この手の話は気になるので、つい読んだもの。
しかし、ガジェット通信らしくあまり内容がない記事でした。
【悲報】メタボを恐れて肉無し生活した結果、前より不健康に – ガジェット通信
2013.10.21 19:00 記者 : 夕刊ガジェット通信
グルメライターのマーク・シャッカー氏は書籍『ステーキ! 世界一の牛肉を探す旅』(中央公論社)のなかで、肉を食べることの大切さを次のように語る。
「(肉は)野菜にはないビタミンB12(完全菜食主義者はサプリメントから摂取するしかない)が含まれる。ビタミンB12は細胞分裂と血液形成に必要で、不足すると舌がむず痒くなったり、偏頭痛や顔面痛、口内炎、記憶力減退、認識機能障害、脊髄の変性などを起こして死に至ることもある」
http://getnews.jp/archives/439988 肉を全く食べないことが不健康であるというのは、以前以下のようなものがあるので賛成します。
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肉・乳製品の飽和脂肪酸(動物性脂肪)、少なくても健康に悪影響 脳卒中・心筋梗塞 ■
飽和脂肪酸(動物性脂肪)→不飽和(植物性)で逆に心臓病リスク上昇 しかし、上記のグルメライターの記述は正しいでしょうか?
内容的には私が賛同したくなる、普段の主張に合うものですが、一応調べてみました。すると、これがですね、たいへん怪しいんですよ。
まず、検索した出展の本
ステーキ! - 世界一の牛肉を探す旅
がちょっとおかしな感じです。
アマゾンのレビューを見ると、
"突っ込みどころは満載である.もちろん、日本に関してである.一寸、食べたお店が特殊すぎると思う"
"うーん、もうちょっとお店の選択はどうにかならなかったのか、(高級にしろという意味ではない)と思わないでもないわたしである"
などとあります。
私は別にいいんじゃないの?……と思いましたが、考えてみると「世界一の牛肉を探す旅」というタイトルです。素晴らしいお店を選んで行かないと、タイトルが嘘になります。
そして、極めつけが以下のような誤解の数々……。
楽しく読ませてもらったが、日本がこんな風に誤解されているんだと思うとゲンナリしました。
日本に十代少女の使用済みパンツの自動販売機は無いのは理解してもらえたのですが、探せばあるという記述になっています。もちろん自動販売機でそんなものを売れば即刻逮捕です。ゲーセンのクレーンゲームやガチャガチャで未使用なら見たことありますが、あれはジョークですし、オモチャの部類ですし、未使用なら自動販売機でも下着店でもかわらないので良しとしましょう。
それと文化についてですが、日本発祥の文化が外国起源にされています。
折り紙は中国起源と書かれていますが、あれは製紙が中国発祥であることから誤解を受けがちだが、間違いなく日本発祥です。
焼き肉も韓国発祥と言っていますが、何をもって韓国というのか?肉を焼く文化は世界中にあるし、金網で焼く文化は日本が韓国に伝えたものです。(中略)
他にもありますが、ここまでにしておきます。出版社様には是非注意書をお願いしたいです。
ステーキ! - 世界一の牛肉を探す旅
何か信用できそうにない感じですし、そもそもグルメライターですから最初のような医学的な分野は専門じゃないでしょうね。
で、肝心な話である肉を食べると健康な理由としてあげられていたビタミンB12。この記述に関するところがまた、不備だらけなのです。
というのも、ビタミンB12は肉全般に多いわけでなく、肉だけでしか取れないものでもないようです。
【ビタミンB12】 - 食品と欠乏
ビタミンB12を多く含む食品
ビタミンB12は、動物性食品に含まれています。
特に多く含む食品は、魚介類やレバーなどです。(中略)
肉類
牛レバー(50g) 26.4μg、鶏レバー(50g) 22.2μg、豚レバー(50g) 12.6μg
魚介類
かき(70g) 19.67μg、さんま(100g) 17.7μg、あさり(30g) 15.72μg、ほっき貝(30g) 14.25μg
http://www.creampanda.com/vitamin_b12/ 以上のように肉でビタミン12が多く含まれるのはレバーという特殊なものであり、魚介類でも多量に取れるために肉を推す根拠としてはかなり弱いです。
おそらくカナダ人であるマーク・シャッカーさんにとっては、魚介類なんぞ頭になかったのだと思いますが、それにしたってレバーの話には触れておくべきでしょう。読者の受ける印象は大違いです。
上記は特に多い食品ですので、魚介類もレバーも食べなければ肉を食べるしかない……という主張は成り立つかもしれません。しかし、それはもうバランスの悪い食事でしかないですので、やはり肉も魚もいろいろ食べましょうという穏当な結論になります。
自分にとって受け入れることが良い説であっても、疑ってかかった方が良いという好例となりました。
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