2018/09/11:
運転免許より高い合格率9割の医師国家試験、難易度低い?
合格率極低の司法試験や公認会計士試験…公認会計士ってそもそも何?
医師国家試験の合格率が高い理由は、政府がコントロールしているため
医師国家試験は簡単ではなく、むしろ難しくなり続けている理由
●運転免許より高い合格率9割の医師国家試験、難易度低い?
2018/09/11:最難関と感じる医師国家試験ですけど、合格率を見るとむしろものすごい高さで簡単なように見えます。医師国家試験は毎年、合格率が90%前後であり、2018年も90.1%の合格率だったといいます。
一方で、弁護士や裁判官、検察官になる司法試験や公認会計士試験の合格率は極低。司法試験が法科大学院からの合格率22.5%(2017年)、公認会計士試験が11.2%(2017年)といった数字で、比べ物になりません。
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医師国家試験は簡単? 合格率90%の謎:日経ビジネスオンライン 中山 祐次郎 2018年4月5日より)
運転免許の合格率は7割程度らしいので、合格率だけ見ると運転免許証を取る方が、お医者さんになるように難しいと錯覚してしまいそうです。
●合格率極低の司法試験や公認会計士試験…公認会計士ってそもそも何?
司法試験より合格率が低かった公認会計士試験ですけど、弁護士などと比べると、公認会計士というのは馴染みがないと思われます。公認会計士というのは聞いたことあっても、取得が難しい資格だとは思わなかったという人もいるでしょう。私も驚きました。
公認会計士は、大辞林 第三版のシンプルな解説によると、財産目録・貸借対照表・損益計算書などの財務書類の監査・証明を行う者。会計士補も含むようですが、単に会計士ともいいます。
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の場合は、財務書類の監査または証明をすることを業とする者、といった説明。財務書類の監査または証明のほか,財務書類の調製,財務に関する調査・立案や財務に関する相談に応じることが仕事です。
(
公認会計士(こうにんかいけいし)とは - コトバンクより)
Wikipediaによると、普通は、監査、経理、財務、コンサルティング、金融、IT関連業務などの業務があります。しかし、日本では、税務業務に関しては税理士の独占業務となっているため、税理士登録して税理士となる必要があります。また、日本においては、公認会計士は監査の業務に集中するとも説明されていました。
●医師国家試験の合格率が高い理由は、政府がコントロールしているため
ところで、最初の記事によると、医師国家試験の合格率が高いことには、理由があります。「医師国家試験の合格率は厚生労働省がコントロールしている」というのです。合格基準は毎年、試験が終わった後に発表されます。例えば、第112回の試験では、「必修問題を除いた一般問題及び臨床実地問題については、各々1問1点とし、総得点が、208点以上/299点」といった感じです。
合格基準には絶対評価(絶対に8割以上の正答率が必要)の問題と相対評価の問題に分かれています。その中で、相対評価が上に記した「208点」にあたる部分で、これを毎年変えることで合格率をコントロールしているのです。
厚生労働省が合格率をコントロールする理由は、将来の需給に応じて医師の数を調整する必要があるためとのこと。医師一人を養成するのには莫大なお金がかかり、一説では2億円とも3億円とも言われます。そんなコストのかかる医師を、過不足なく10年後に生み出すために、国家試験合格率を設定しているそうです。
ただし、この政府の政策がうまく行っているか?と言うと、そうでもないみたいですね。「余るから医学生を減らそう」としたら医師が足りなくなり、増やしていたら今度はまた余りそう、といった感じで、実際にはコントロールがうまく行っていないと、筆者で医師である中山 祐次郎さんは見ていました。
●医師国家試験は簡単ではなく、むしろ難しくなり続けている理由
なお、当然のことながら、医師国家試験の合格率が運転免許の合格率より高いからと言って、運転免許を取るより簡単なわけではありません。むしろめちゃくちゃ難しいです。
なぜか?と言うと、そもそも医師国家試験を受けるほとんどの人が行く医学部入学の時点で、恐ろしく難易度が高いわけです。頭の良い女子などをわざと落としていた東京医科大学のような大学もありますけど、基本的には日本で最高レベルの頭脳を持つ人たちが受けて9割であるわけで、楽勝の試験という意味ではありません。
(関連:
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医学部にも当然「卒業試験」があり、これがまた難しいみたいですね。これに合格せねば国家試験の受験資格がないということで、まず卒業試験に合格する必要があります。国家試験と似た形式ではあるものの、国家試験よりむしろ難易度が高い試験だとのことでした。
また、どうも医師国家試験の難易度はガンガン上がっている模様。筆者が受けた10年前より難しいというほど、急激にレベルが上がっているといいます。理由は以下の通りでした。
1. 医学の発展に伴い、覚える知識が増えている
2. 出題内容が実際の臨床現場を意識したものになっている(現場レベルの能力が求められるようになった)
3. 予備校教材の普及による受験生の知識インフレ
最後の「予備校教材の普及による受験生の知識インフレ」がわかりやすいですけど、合格は相対評価で決められてしまうため、たとえ過去の医学生より優秀な医学生が増えていたとしても、絶対に落とす人が必要なために落ちてしまいます。これも、医師に簡単になれるわけではない…という話でした。
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