Appendix

広告

Entries

日展(日本美術展覧会)の篆刻で不正審査、派閥で配分 お金の問題も多数


 最初読んだときにはブログに書こうとまでは思わなかったのですが、先日文化勲章の賞金 文化功労者として毎年350万円の年金(終身年金)で書いた文化勲章にまで繋がる話ということで、名誉だけでなくお金の問題もかなり深いみたいです。

 こりゃ相当マズイなぁ……と思ったので、取り上げることに。


 「日展」の成立に関しては、Wikipediaを見ると以下のような経緯があるようです。
日本美術展覧会(にほんびじゅつてんらんかい)は、(公募)美術展覧会の1つの名称である。通称は「日展」。公益社団法人日展が主催する。

 概要

官展の流れを汲む総合美術団体で、最初期は「日本画」、「西洋画」、「彫刻」の3部門で、1926年から「美術工芸」が、1948年からは「書」が加わった。 毎年秋に国立新美術館で公募展を開催。(中略)

 官展の歴史

明治中期、日本画の組織として旧派の「日本美術協会」と新派の「日本美術院」の対立構造が明確化していた。さらに黒田清輝の帰朝によって、西洋画も旧派の「明治美術会」と新派の「白馬会」という対立が発生する結果となった。このように美術界の抗争が激しくなる中で、これを調停する目的から文部省が各派を統合する形で国家主導の大規模な公募展、すなわち官展として開始したのが文展こと「文部省美術展覧会」。「初期文展」とも呼ぶ。

 私が国が主体となってこういったことをやるのを嫌いますし、だからおかしな話になるんだよと思うのですが、今は国が主催者というわけでなく、引用にある通り「公益社団法人」です。

 でも、この「公益社団法人」も今回の件で取り消しにならんのですかね? ふさわしい公益性があるのか、疑問を感じる事件です。


 で、その肝心の事件の内容。
日展「書」、入選を事前配分 有力会派で独占
朝日新聞デジタル | 執筆者: 沢伸也、田内康介 投稿日: 2013年10月30日 09時03分 JST | 更新: 2013年10月30日 09時17分 JST

日本美術界で権威のある日展の「書」で、有力会派に入選数を事前に割り振る不正が行われたことが朝日新聞の調べで分かった。毎年1万人以上が応募する国内最大の公募美術展への信頼が揺らぐのは必至だ。
http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/29/nitten_n_4175694.html?utm_hp_ref=japan

 日展の分類としては、以下の5科があります。

日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書

 このうち7割が書で、書はさらに以下の4部門に分かれます。

漢字、かな、調和体、篆刻(てんこく)

 今回、朝日新聞がスクープしたのは、最後の「篆刻」です。
朝日新聞は、石材などに文字を彫る「篆刻」の2009年度の審査を巡り、当時の篆刻担当の審査員が有力会派幹部に送った会派別入選数の配分表と、手紙を入手した。配分表には有力8会派ごとの応募数と入選数が直筆で記され、過去5年分の会派別の応募数と入選数の一覧も添えられていた。

手紙は審査員が入選者公表前の10月15日に書いたもので、「今年は昨年度の会派別入選数厳守の指示が日展顧問(本文は実名)より審査主任に伝達され、これに従った決定となりました」とし、配分表通りに入選数を決めたと説明している。日展顧問(89)は書道界の重鎮で日本芸術院会員。審査主任は書の4部門全体の審査責任者で、当時は日展常務理事だった。

 審査主任の年齢が書かれていませんが、これはおそらく審査主任が既に亡くなっているためです。


 問題はいくつもありますが、まず真っ先に審査が不正であるということ自体が問題です。日展書道「篆刻」、入選を事前配分 有力会派で独占(朝日新聞 2013年10月30日05時41分、以下※1)によれば、"8会派別の入選数はこの配分表通り決定し、8会派に属していない人はひとりも入選しなかった"ということです。

 "1万円を払えば誰でも応募でき"るということですから、お金の問題にも直結します。ちなみに今年度の第45回日展の書は1万229点だと言いますから、たいへんな金額です。


 また、"日展の権威は文化勲章まで結びつく「出世」の仕組みに基づく"(※1)そうですから、こちらでもまた名誉とお金両方の問題があります。

 文化勲章の賞金 文化功労者として毎年350万円の年金(終身年金)で書いた通り、文化功労者には巨額の年金が与えられるため、お金の問題からも逃れられないのです。


 さらに、そもそも派閥で割り振った動機についてもお金じゃないかと、朝日新聞は匂わせています。

 日展に入選しているということが、その会派の大きな宣伝になるためです。


 しかも、これで終わりじゃなく、Wikipediaでは"関係者によると、流派有力者(日展役員職の人物)や上位の師匠に手土産を持参して、入選者の一席に加えてもらうのは日常茶飯事だという"という記述もありました。

 このWikipediaの引用元もまた朝日新聞で、以下の記事だそうです。

「先生に手ぶらじゃ駄目」 日展、厳しい階級社会:朝日新聞デジタル
2013年10月30日07時54分
http://www.asahi.com/articles/TKY201310300011.html

 「金、金、金」とお金のことばかり書いていますが、この記事では先ほど書いた"日展の権威は文化勲章まで結びつく「出世」の仕組み"を書いたもので、出世とお金とが密接に関係していることを指摘しています。
 書に限らず、日本美術界で日展入選は「出世」への第一歩だ。特選や内閣総理大臣賞を受賞するたびに階段を上る「階級制度」が厳然として残る。階級が上がるほど弟子が集まり、収入が増えるしくみだ。

 朝日新聞はこの他にも以下の記事を書いていますので、リンクしておきます。

「天の声」で入選差し替え 審査終盤に配分表 日展書道 2013年10月30日05時00分
http://www.asahi.com/articles/TKY201310290795.html


 ※1の記事によれば、問題の顧問は「(亡くなった)審査主任が勝手にやったこと」と最初は否定していたそうです。

 ところが、"書の4部門について審査前に日展理事らで合議して入選数を有力会派に割り当ててきたことは認めた"とのこと。

 証拠を入手していなかった篆刻以外の分までなぜか吐いちゃいました。


 しかし、解せないのは主催者である日展の回答です。

 証拠の手紙があり、顧問も認めているのに、日展は「会派別の入選数を割り振るということはあり得ないと考えている。今のところ調査は考えていない」と答えているようです。

 どこまでも腐っていて、更生の余地はなさそうです。公益社団法人の認定取り消しでいいんじゃないでしょうか?


 追加
  ■審査不正疑惑で日展、賞の選考中止 渦中の人古谷蒼韻顧問は辞任へ
  ■日展(日本美術展覧会)批判 官展という揶揄・審査体制への不信感

 関連
  ■文化勲章の賞金 文化功労者として毎年350万円の年金(終身年金)
  ■ノーベル賞日本人候補 文学賞・村上春樹、経済学賞・清滝信宏
  ■日本がノーベル文学賞やノーベル平和賞を受賞しない理由 村上春樹より本来筒井康隆や村上龍の方が行ける
  ■ハリポタJ・K・ローリング、変名ロバート・ガルブレイスだと売れていなかった
  ■武雄市のTSUTAYA(CCC)図書館はどうなの? その特徴と問題点
  ■その他の文化・芸術・宗教・海外との比較などについて書いた記事

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由