冒頭に追記
2022/04/25追記:
●「ウクライナ侵攻でウクライナに千羽鶴」で批判殺到…も実はデマ 【NEW】
●「ウクライナ侵攻でウクライナに千羽鶴」で批判殺到…も実はデマ
2022/04/25追記:ウクライナ侵攻で千羽鶴が悪い意味で話題になっていたようなので追記。ひろゆきさんやDaiGoさんが批判していたそうです。ただし、一部デマによる千羽鶴批判もしていたようで、ここらへんは批判している人の方がひどいという話。本来なら批判していた人たちも謝罪が必要そうでした。
<ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、日本で思わぬ論争が巻き起こっている――。
ネット掲示板『2ちゃんねる』の創設者で実業家の“ひろゆき”こと西村博之氏とメンタリストのDaiGoが、とある日本の団体がウクライナのために作った折り鶴を「無駄」「迷惑」とバッサリ切り捨てたことがきっかけだ>
(
ひろゆき氏&DaiGo「折り鶴論争」の裏で“気づくべき視点” | FRIDAYデジタル 2022年04月21日より)
ひろゆきさんはユーチューブで「自分たちの気持ちがまず大事なので、ウクライナの人がどれぐらい困っていたとしても『私たちが折り鶴を送りたい』と思っている」などと批判的に分析。これにメンタリストのDaiGoさんが《ひろゆきさんの言う通り、ウクライナに折り鶴送るのは狂気》などと乗っかりました。
ただ、これはデマ。というのも、今回折り鶴を送ろうとしたのは、埼玉県の障害者就労移行支援施設の利用者で、送り先は東京・港区の在日ウクライナ大使館。ウクライナに送るわけではないんですね。どちらにせよ千羽鶴あっても意味ないだろう…という反応は出るでしょうが、明らかにデマが入った批判になっていました。
また、DaiGoさんは「そんな暇あるなら、バイトでもして、ウクライナに海外送金してあげなよ」ともツイート。しかし、千羽鶴を折っているのは就労移行支援施設の人なわけで、彼らに「バイトでもしろ」と言うのはズレていますし、かなり酷い話でもあります。こういう批判する人も思いやりがあるわけではなさそうです。
あと、DaiGoさんは「千羽鶴にありがたみを感じること自体が日本独自の文化であって、ウクライナの人からしたら、何これ?な話」で「迷惑」ともツイートしていました。こうやって見ていくと、日本独自の伝統文化が自己満足で迷惑…という構図に。「世界に恥じる日本文化」みたいな感じになっていました。
●千羽鶴は迷惑?震災被災地でいらないものリスト 寄せ書きなど
2013/11/4:「震災時に役に立ったもの」というまとめはどうも以前からあったようなのですが、それの何倍も注目を集めていたのが
#被災地いらなかった物リスト まとめ - Togetterです。ただ、「震災時に役に立ったもの」ももちろん大事なので、これも
震災時に役に立ったものリスト 支援物資や防災準備の参考にで書きました。
ツイートで結構多かったのが千羽鶴、そして、寄せ書きなどといった応援メッセージ的で、実用品ではないものでした。これ、役に立たないというだけで、邪魔になるのでむしろ困るんですよ。やることが増えることで、被災者がさらに精神的にも肉体的にも追い込まれる可能性もあります。
・千羽鶴、寄せ書き
<いっぱいあるけど、なにより千羽鶴と寄せ書きです…。いやほんと申し訳ないけどどうにもならない…>
<【千羽鶴】送る側の「思い」は込められているのでしょうが、私の職場(部署)だけでも、かなりの数の千羽鶴が送られて来ました。全部を飾る場所もなく、きちんと糸で止められていなかったりする物も多く、大量に送られると迷惑です。焼却処分(焼き鳥)しました>
<巨大な紙になされた寄せ書きの類。おきもちはありがたいのですが、展示保管できるスペースには限りがありますので…>
<【遠くの小学校のクラス全員の顔写真入り巨大応援メッセージ】そもそも、子供の写真(名前入り)を貼り付けることを、学校の先生が提案したことが理解できません。畳一枚分くらいの大きさのが3クラス分。どこに張り出せって言うの?>
寄せ書きはお1人励みになったと書いている方もいました。ただ、前述の通り、主に物理的な問題でキツイようです。「私は存じ上げない(あまり有名じゃない)プロ野球選手のサインボール数十個セット」というのもこの手のものですね。
●一番いらないと言われたのは千羽鶴・寄せ書きではなく古着!
ただ、千羽鶴や寄せ書き以上に多かったものがあります。この一番指摘されていたというものは古着でした。千羽鶴や寄せ書き以上にこれらは送られやすいものであり、おそらく量としては相当あるでしょうね。「えっ、なんで古着がダメなの?」と、理由がわからない人もかなりいらっしゃるかもしれません。
・古着
<いつの時代かわからない古着。。。捨てるのも大変だった。。。燃えるゴミに出せない。。。>
<発災後1年以上たってから中くらいのダンボール箱ひとつ分送られてきた古着の類。理由は言わずもがな>
<#被災地いらなかった物リスト は本気で覚えておいたほうがいい。使えない古着とかって神戸の時にもかえって失望を招いたと聞いていたのにまたかいなと。あのときも冬場に夏服送ってきたとか>
<送られてきた使い物にならないくらいの古着と、穴の空いた鍋と、腐った食べ物>
<寄せ書きとか結構心の支えになりましたけどね。 食料品は配給されるとありがたかったけれど、古着はちょっと・・・こんなの誰が着るんだってものばかりだったので大量に余ったろうなぁ>
<使用済みパンツ&ブラジャー 賞味期限切れのドロドロになった缶詰め>
<明治29年の三陸津波の時にも、「とうてい着られないような古着を送ってくる連中がいる」ということが問題になり、仙台市の衛生局がわざわざ消毒をして現地に送りました。この百年近く変わっていないんですよ、状況は>
在庫整理を兼ねてということで送る方が多いのか、衣服は特にたくさん来すぎて仕分けに忙殺されることが多いようです。そこに輪をかけて質の悪いものが送られてきてしまう…というのですから、たいへんでしょうね。"やっぱり基本は「あなたのいらないものは、私もいりません」ってことなんだな"という感想もありました。困っている状態なのだから悪いものでもありがたいだろうという思いがある人が実際には多いんですよね。
私も小さい頃に母がアフリカに送る衣服を「悪いものは出せない」と除いているのを見て理解できなかった、という経験がありますので気持ちはわかります。ただ、キツイ言い方しちゃうと、いらないものでもいいというのは、「思いあがり」のようなものが含まれていないでしょうか。以下のようなツイートもありました。
<このタグを善意に対する侮蔑ととらえるご意見もあるようですが、そもそも善意を一方的に送られる側を侮蔑してはいませんか?と、そういうところも含めて、考えるきっかけにしていただければ。
どんな善意でも、実際問題としていらなかったものはある。それだけ。>
<#被災地いらなかった物リスト が支援者に対する侮辱だという発想もあるかもしれないが、現場でいらない物はともかく誰から貰おうが、何であろうと、いらないのであります。個人の感情や地位など関係無しに、シビアな現場を想像できないようでは、支援するのはやめた方が良いわけで>
以下は思いあがりが顕著な例……というか、見返りを期待しているという話かですかね…。
<【善意と銘打った謎の送り物(贈り物じゃない)】「送りつけ商法」じゃないかと思えるほど多種多様の物が…。仕分け、大変だったんですからね(x_x) ひどいものになると、「受け取った方からのお返事をいただきたい」とハガキが入っていたり…>
じゃあ、どうすりゃいいの?という考え方の基本については、ラストにも少し引用します。
●不用品だけじゃない…「もの」以外の「いらないもの」が意外に多い
以下、いらないものリストに戻って、やはり古着同様に在庫処分的なものです。
・不用品(不要品)
<#被災地いらなかった物リスト ああ、このタグ参考になるわー。うちも近所から支援物資集めたけど、一部廃品回収みたいになってて、汚い物使えない物の分別が大変だったからなー。リモコンの無い地デジ非対応の大型ブラウン管テレビとか、60ヘルツ専用のレンジとか>
<本。震災三日後まだ食べ物の確保もままならない時にダイエット本、宗教本、断遮離で要らなくなった30年前の本…古本屋でも引き取りませんよ>
「いらない"もの"リスト」というテーマなのですが、物品以外のいらないものもあります。以下の「提案書」というのがそういうものです。私が「ええ、そんなのあるの?」と驚いたのですが、なんと似たような逸話がもう一つありましたのでまとめています。それほど珍しい話じゃないのかもしれません。
・提案書
<よくわからない提案書の類。「この提案を取り入れれば復興のスピードは30%増しになる。さあ、もっていくんだ。」みたいにテム・レイ的なやつ>
<【地域再生案(と称する)模型】なぜか、うちの部署にも送られて来ました。担当部署でも「間に合ってます」とのことだったので、焼却処分しました。一つや二つじゃないんですよ(^^ゞ>
以前読んだNGO組織か何かに所属する人の話で、実際に動く人がほしいのにアイデアを送ってくる人ばかり…という嘆きを思い出しました。「金は出さないし、人も出さないけど、口は出す」というのは、あるあるなのかもしれません。…そして、こういった情報系で、非常に重要だと思ったのは以下でした。
・日付未記載などの不明確・不正確な情報
<周回遅れの現地情報。これは被災地、被災地外ともに振り回された。情報の日付入力、有効期限明記などは必須ですな>
<「○○が行方不明です」とか、「宅配便を装った男性に気を付けてください」とかいうチェーンメール。 事実かどうかもわからないし、個人間で回してもどうにもならんじゃないかとは思ったな>
<日付のずれた情報 「最新」なんてつけるから余計にタチが悪い>
もう一回言いますけど、これは本当に大事だと思います。混乱状態に拍車をかけるのが、不明確・不正確な情報です。ただでさえ精神的に参っているのに、こんなのが来たらパニックになります。「不正確な情報であっても善意があるのだから良い」と主張する人は多いです。でも、それは本当に他人の助けになっているのでしょうか?
(最後に関連リンク探したら、私も以前に
デマ拡大は善意が引き起こす 地震時のTwitter拡散希望デマの研究というのを書いていました)
それから、「人」という問題もあります。上で「金は出さないし、人も出さないけど、口は出す」と書いたのですが、人も迷惑になる場合があるんですね。「大量に来る救援物資に対応出来ないプロ()のボランティア」というツイートがありました。
・素人のボランティア
ただ、ボランティアは相当数行っている珍しくないものであるにも関わらず、不満の声はこれ一つだけでした。じゃあ、それほど悪くはない可能性もあります。それより安定して評判悪そうだったのが、マスコミでした。
・マスコミ
<「そちらの職員で、家族を津波で亡くされた方とかいませんかね?」という電話取材>
<たぶん万人から同意もらえそうなのを→ 地震が起きるたびに入ってくるマスコミからの被害状況問い合わせ。 あのな、地震が起きてから5分で電話問い合わせもらっても情報があるわけないだろ?? 揺れが収まったから今から確認しに行こうかというタイミングだぞ>
邪魔ですし、無神経ですしで困りますね。また、一つしかありませんでしたけど、さらに政治家という問題を指摘するツイートもありました。私は政治家の現地視察をすごく嫌っていますけど、慰問みたいなのもパフォーマンス的で嫌です。
・政治家の慰問
<阪神大震災で被災した神戸の叔父さん曰く、「何処とも知れぬ政治家の名声目的の慰問」が一番邪魔だそうな。警備に人員取られるし要らぬ気を使わなきゃいけないし当然慰問の言葉だけでお腹が膨れる訳でもないし、むしろ大人しく仕事してくれた方がまだ助かる、だそうな>
●「いらなかったものリスト」こそいらない?必要な理由とは…
最後に「いらなかったものリスト」の意義について。<「ほしかったリストのほうがためになる」との意見もあるようですが、
具体的に必要なものは災害の状況によってだいぶ変わると思うので、いらなかった物リスト(こういうものは避けてね)のほうが実用的かも>というツイートがわかりやすいものでしょう。
「具体的に必要なものは災害の状況によってだいぶ変わる」というのが実はすごく大事です。時期によっても変わるので、本当千差万別だろうと思います。
評判の悪かった古着であっても実は「震災直後は助かった」というフォローの声がありました。お一人だけでしたけどね。一般的に「必要だ」とされるものであっても時と場合によるわけで、以下も「状況によりけり」という話でしょう。
<まとめ本欄でTVレンジの話しましたが、これは震災直後ではなく1,2ヶ月経って、家は流されなくてリフォームすれば住めるけど一階の家具は全滅、という方向けへ家具や家電を集めていた時の話です(仮設住宅には家電セットされているけど自宅に戻る人には行政の支援が無かった為、現地の知人の依頼による)。他に網のないフライヤー、コードの無い電気ポッド、説明書の無いボタンの多いCDコンポ…。
時期や地域によってリクエストが変わる事、自分がいらない物は他人もいらない、は他の方の指摘どおり>
「わがまま言うな」と思うかもしれませんけど、不要なものがたくさん来ると分別だけでものすごい労力となって、被災者や現地のボランティアを精神的にも体力的にも追い詰める…ということすらあるのです。それが望ましいことじゃないことは、本当に善意がある方ならわかってくださることと思います。
●地震水害での押しつけの善意による二次災害が想像以上にひどい
2018/07/13:その後、似たような話で、
わがままな被災者?被災地お断りの震災ボランティアや千羽鶴・寄せ書き・心のケアなどというのを書いています。ただ、さらに後になって書いた
地震水害での押しつけの善意による二次災害 野次馬含めて救助活動の障害にでやったように、この善意による「暴力」は私の想像以上のレベルでした。
また、今回追記したのは、千羽鶴の関係で、
「被災地への千羽鶴は自己満足のゴミ」なのか? 西日本豪雨でSNS上の議論が再燃 ガジェット通信 / 2018年7月9日 17時45分という記事を見かけたためです。「千羽鶴はただの自己満足のゴミにすぎない」という言い方をしてしまうと、たとえそれが事実であったとしてもカチンと来るでしょう。良い言い方とは言えません。
ただ、「善意をゴミあつかいは酷い」「子供たちが純粋な気持ちで折った鶴にそんなこと言えるのか」「貰ってうれしい人もいるはず」といった本質からそれた反論も出ているのも頭が痛いところ。日本では、
自然災害大国日本、途上国以下の被災者支援 体育館で避難生活、海外では非常識でも書いたような「被災者より支援者の都合が優先される」という考えが根底にあるのかもしれません。
【本文中でリンクした投稿】
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