週4日労働・週休3日制を実際に実験したという話。休みが増えていますので、当然ストレスは軽減されています。これは当然で驚きはありません。真に驚くべきは、別とのところです。
多くの人が気になるのは、週休3日制による負の部分でしょう。特に経営者の方は、週休3日制で会社に不利益が生じることを心配するはずです。ところが、休日が増えた方が、むしろ1週間トータルのパフォーマンスが上がったという驚くべき結果になっていました。マイナスの影響どころかプラスだったのです。
2018/08/28:
●休日が増えれば従業員のストレスが下がるのは当たり前
●週4日労働・週休3日制実験の真に驚くべき結果とは?
●万能ではない…週4日労働には合う仕事と合わない仕事がある
2020/01/08:
●フィンランドが週休3日制検討、スウェーデンなどは労働時間短縮
●休日が増えれば従業員のストレスが下がるのは当たり前
2018/08/28:
8時間労働でも長すぎる説 でも6時間労働の実験は失敗に終わるを思い出したのですけど、それとはまたちょっと違う話。オークランド大学とオークランド工科大学の研究者が、ニュージーランド・パーペチュアル・ガーディアンという企業で2ヶ月間、出勤を週4日にしてもらった、という実験の話題です。
これまでも世界で数々の実験が行われ、週の出勤日を減らすと従業員に数多くのメリットがあることが示されてきました。今回の実験でも、従業員のストレスレベルが45パーセントから38パーセントに低下する一方、ワークライフバランスは54パーセントから78パーセントに上昇しました。
今回の実験で特徴的なのは、従業員は4日しか労働しないのに、きちんと5日分の給料が支払われたこと。なので、この結果は当然のことと思われました。
●週4日労働・週休3日制実験の真に驚くべき結果とは?
真に驚くべき結果だったのは、生産性に関する部分です。週4日労働で生産性が上がるのもまた当然なのですけど、どうも週5日労働トータルのパフォーマンスと、週4日労働トータルのパフォーマンスを比べて差がないどころか、わずかに週4日労働の方が良かったということなのです。
つまり、1日多く休んでもらった方が、会社としても利益が大きいということ。報告書では、以下のように書かれていたそうです。
「リーダーシップチームの報告によれば、実験前と実験中では会社の生産高に大きな変化が見られなかった」
「仕事のパフォーマンスに低下は認められず、調査データはほとんどのチームにおいてわずかに上昇したことを示している」
この他に、リーダーシップ、コミットメント、刺激、自信といった領域では従事レベルが有意に上昇していたといいます。
(
週4日の労働実験が予想以上に効果が上がり、ニュージーランドで正式採用を検討 : カラパイア 2018年07月30日より)
2018/09/14:投稿直前に読み直していて思いましたが、週4日労働トータルのパフォーマンスが多少劣っていた場合でさえ、会社はメリットがあるかもしれません。出勤日数を減らせた場合、出社によってかかっていたコストを減らすことができますし、出勤日数が変わらなくても出社する人数が減るのでオフィスなどを小さくすることができます。これは、在宅勤務の会社側のメリットと共通でしょう。
(関連:
在宅勤務はメリットだらけ 問題点とされた生産性の意外な結果)
●万能ではない…週4日労働には合う仕事と合わない仕事がある
2018/08/28:なお、今回の制度導入は恒久的なものではないために、本格実施後は違う結果をもたらす可能性はあります。また、業種や労働形態によって異なるだろう、とも記事では書かれていました。
実を言うと、最初にリンクした
8時間労働でも長すぎる説 でも6時間労働の実験は失敗に終わるで出ていたバイオインク企業では失敗しており、その会社のCEOは、「6時間労働が起業家やスタートアップの世界に合っているとは思いません」と述べていました。
一方で、病院の実験では、仕事の生産性の向上が見られました。今回のニュージランドの企業がどのような仕事をする会社だったのかわからないのですけど、週4日労働の場合も、生産性を上げることが可能な職場だったものと思われます。
●フィンランドが週休3日制検討、スウェーデンなどは労働時間短縮
2020/01/08:
フィンランドが「週休3日」を検討 マリン首相「家族や愛する人にもっと時間を費やすべき」 | キャリコネニュースによると、フィンランドのマリン首相が、週休3日制の導入を検討する考えを示したそうです。さらに、1日6時間労働制も併せて検討するというので、過激ですね。
「人々は家族や愛する人、趣味などにもっと時間を費やすべきだ」と述べており、私が興味を持った生産性の問題ではなく、思想ありきな感じ。一方、イギリスのガーディアン紙は、従業員の生産性を高めるだけでなく、二酸化炭素の排出量を下げるなど環境にも優しい取り組みだ、と解説していました。
ただ、生産性の話は記事でも紹介がありました。同じ北欧のスウェーデンでは15年から、1日6時間労働を試験的に導入しており、労働者の生産性や幸福度が向上したとみられているそうな。さらに、日本でも19年8月に、日本マイクロソフトが週休3日制を試験導入し、生産性が約4割上がったと報告。従業員の94%が取り組みについて「評価する」と回答していたとのことでした。
【本文中でリンクした投稿】
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8時間労働でも長すぎる説 でも6時間労働の実験は失敗に終わる ■
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