調査を行ったのは、アメリカ・ワシントンのギャラップ社です。
うちのタイトルでは「仕事が嫌い・好きじゃない」として、元記事の日本のタイトルでは「意欲なく仕事嫌いな」としていますが、この分類が日本人にはかなりわかりづらい言い方になっています。
・engaged 意欲があり積極的に仕事に取り組む。仕事への情熱を感じ、雇用する側と固い絆があって、日々、新しいことを考え、会社をさらに前進させようと過ごしている。
・not engaged 意欲がない。気持ちが仕事から離れている。なんとなくダラダラと日々を過ごし、仕事にほとんどエネルギーを傾けない。
・actively disengaged 意欲を持とうとしない。仕事をかなり嫌っていて、それを隠さず、さらに同僚の成果をも台無しにする。
英語圏の人にもわかりにくい定義なのか、記事では"「意欲があり積極的に取り組んでいる=幸せ」、「意欲がない、気持ちが離れている=あまり幸せではない」、「意欲を持とうとしない、仕事が嫌い=まったく幸せではないあるいは不幸」と言い換え"ています。
私の場合はこれを「仕事が好き」「仕事が好きじゃない」「仕事が嫌い」と捉えました。以下もそのように書いていきます。
まず、世界的な上記の3分類の割合です。
「仕事が好き」 13%
「仕事が好きじゃない」 63%
「仕事が嫌い」 24%
それから、記事で取り上げられていた具体的な数字のわかる国について。
ブラジル 「仕事が好き」27% 「仕事が好きじゃない」62% 「仕事が嫌い」12%(南米で最高。西ヨーロッパのどの国よりも良い)
フランス 「仕事が好き」9% 「仕事が好きじゃない」65% 「仕事が嫌い」26%
ドイツ 「仕事が好き」15% 「仕事が好きじゃない」61% 「仕事が嫌い」24%
アメリカ 「仕事が好き」30% 「仕事が好きじゃない」52% 「仕事が嫌い」18%
パナマ 「仕事が好き」37% 「仕事が好きじゃない」51% 「仕事が嫌い」12%
何と上記のパナマが世界で一番仕事好きな人が多い国だそうです。予想外の国です。
アメリカはイメージ通り良いですが、人口の多い国ですのである程度世界平均を引き上げているかもしれません。
欧米としてアメリカとひとくくりにされることの多いヨーロッパは、平均程度といった感じ。意外に大したことがありません。
一方、「仕事が嫌い」な人が多かったのは、予想がつきやすいでしょうが、中東と北アフリカです。
シリア 「仕事が嫌い」45% 「仕事が好き」0%
アルジェリア 「仕事が嫌い」52% 「仕事が好き」12%
チュニジア 「仕事が嫌い」54% 「仕事が好き」5%
筆者は"筆者はイスラエルでは幸せと回答する労働者が多いと予想していた"そうですが、これはイスラム圏と異なること、文化がヨーロッパ的であるためでしょう。
しかし、上記の国ほどではないものの、世界平均をやや下回るくらいであまり良い数字ではありませんした。
イスラエル 「仕事が嫌い」22% 「仕事が好きじゃない」73% 「仕事が好き」6%
一方、健闘したのはカタールで、この地域では明らかに傾向の異なる数字を出しています。
カタール 「仕事が嫌い」10% 「仕事が好きじゃない」62% 「仕事が好き」28%
おもしろいですね。なぜなんでしょう?
上記は「仕事が嫌い」の多さに注目したものでした。
視点を変えて「仕事が好き」の少なさに着目すると、意外な地域の悪さが目立ちます。東アジアです。
とはいっても、日本人にとっては中国は予想通りでしょうか? 欧米では中国人にも勤勉というイメージを持つ人がいます。
中国 「仕事が嫌い」26% 「仕事が好きじゃない」68% 「仕事が好き」6%
同じ東アジアでも筆者が驚いていたのは日本です。"もっと幸せを感じている従業員が多いのではないかと考えていた"そうですが、中国とほとんど変わらない結果になっています。
日本 「仕事が嫌い」24% 「仕事が好きじゃない」69% 「仕事が好き」7%
私は中国との比較でこうなるとはさすがに思わなかったですが、日本が悪くなること自体は予想していました。
日本人がまじめにやっているように見えるのは、会社への従属性の高さや共同体意識や周りの環境のせいであり、「やらされている」とか「空気を読んでいる」とかの要因が強いのです。
そういった主体性のない従事の仕方では、本当の意味での仕事好きとなり、仕事に意欲を持ち、仕事で幸せを感じるというのは難しいです。
日本人にとっては、嫌な調査結果になってしまいました。
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