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安倍首相、公務員制度改革に逆行 内閣人事局創設は官僚の権限強化


 私も当初は安倍晋三首相に期待していたのであまり他の人のことは言えないのですが、それにしても参議院選挙が終わってしまったこの時期になって言い出すのは遅すぎます。

 「遅すぎた」というのは公務員制度改革の件ですが、参議院選挙前から既に安倍晋三首相が官僚に懐柔されている様子は、十二分に観察することができていました。

  ■安倍首相が学んだ「官僚に逆らうな」 前回目玉の公務員制度改革骨抜きに
  ■アベノミクスの成長戦略不発は、官僚による規制改革骨抜きのせい
  ■規制緩和はアベノミクスの第三の矢「成長戦略」の1丁目1番地

 で、今頃になってすっかり騙されたことに気づいた人たちが、抗議の声を挙げているようです。
安倍首相の改革姿勢に疑問符?:日経ビジネスオンライン
公務員制度改革が「逆行」の気配 磯山 友幸 2013年11月1日(金) 1/3ページ

 「国家公務員制度改革の逆行に反対し、法案の抜本的再検討を求める」

 10月30日、東京・永田町の議員会館内で、ある記者会見が開かれた。主催したのは公務員制度改革に携わってきた専門家の有志たち。30人以上のメディア関係者や、50人以上の国会議員が集まり、説明に聞き入った。安倍晋三首相はかねてから、来年4月に「内閣人事局」を創設するなど、公務員制度改革を行うと明言してきたが、実はその内容がこれまでの改革の流れに「逆行」する、として専門家たちが声を上げたのだ。

 賛同者に名前を連ねたのは、以下の8人である。(五十音順)

岡本義朗 新日本監査法人エグゼクティブディレクター/元国家公務員制度改革推進本部事務局次長
岸 博幸 慶應義塾大学大学院教授/元総務大臣秘書官
古賀茂明 元国家公務員制度改革推進本部事務局審議官
高橋洋一 嘉悦大学教授/元内閣参事官
野村修也 中央大学法科大学院教授・弁護士/元「官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会」委員
機谷俊夫 大阪市人事室次長/元国家公務員制度改革推進本部企画官
原 英史 政策工房代表取締役/元国家公務員制度改革推進本部事務局企画官
屋山太郎 評論家/元「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」委員
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20131030/255325/?n_cid=nbpnbo_mlt

 「騙された」という言い方をしたのは、上記の人たちが"6人が官僚として公務員制度改革に携わった人たち、2人が民間人として制度設計に携わった人"という"実際に制度設計した"人たちであるためです。

 そして、なぜ安倍首相に騙されたといえるかと言うと、"公務員制度改革は第1次安倍内閣が官僚の反対を押し切って、天下りの禁止などで先鞭を付け"ていたからです。

 私が安倍首相に最も期待していた理由もこの点でした。


 8人の中でも安倍晋三首相を褒め続けてきた高橋洋一さんなんかは、特に反省するべきです。

 高橋洋一さんは安倍政権が量的緩和政策を取ったせいで、「安倍首相はわかっている」と思っていたようですが、消費税増税の件でも裏切られています。リフレ派はいいように利用されただけです。

 一応、今回の件では高橋洋一さんは下記のように、自民党案を批判する記事を書いています。
岩盤規制の背後に官僚の既得権 注目すべき公務員制度改革の行方|高橋洋一の俗論を撃つ!|ダイヤモンド・オンライン 2013年10月17日

 人事院は、政治家が各省人事に介入する、官僚側からみて行き過ぎた政治任用に歯止めをかけるため、人事院に是正を指示する権限をくれといって、今回自民党がまとめた公務員制度改革に盛り込ませた。

 ただし、現在の自民党案によれば、人事院は権限を手に入れるだけではなくその組織も温存されるという。案文では、「人事院と協議」が加えられた箇所が多く、「人事院を内閣人事局に吸収する」のではなく、「人事院を温存したまま権限を与えて内閣人事局を作る」という話にすり替わっている。

 これは、霞ヶ関にとっては、ポストが残り権限が手に入るわけで、「焼け太り」になって、万々歳だ。
http://diamond.jp/articles/-/43038?page=5

 しかし、この期に及んでも安倍首相を批判していないみたいです。いい加減捨て駒だったことを認めればいいのに。

 最初の記事では以下のように書いていましたけど、高橋洋一さんは気持ちを切り替えられていない気がします。
 提言に名を連ねている古賀氏や高橋氏、原氏は、第1次安倍内閣の際には現役の官僚で、安倍首相の公務員制度改革方針に従って事務局などで原案作りに携わった。当然のことながら、各省庁からの抵抗や反発は強かった。彼らが属していた出身官庁からの風当たりも強く、その後、彼らが官僚を辞めることになったのも、「公務員制度改革に殉じた」(当時を知る政治家)側面がある。それだけに改革の旗振り役だった安倍首相の“変節”は許せないという思いが強いのではないか。

 なお、同じダイヤモンド・オンラインでは、岸博幸さんも内閣人事局案を批判する記事を書いていますが、彼にいたっては"安倍首相と菅官房長官は本当によく頑張っています"と言い出す始末。都合の良い夢を見過ぎです。

 というか、端役の職務ならともかく、総理大臣と官房長官という政権のど真ん中の二人が"頑張って"以前より悪化ってひどすぎです。これじゃあフォローになっていないフォローで、むしろ「二人は無能」って言っているようなものですから、とどめを刺しています。
骨抜きになった国家公務員制度改革の内幕|岸博幸のクリエイティブ国富論|ダイヤモンド・オンライン
2013年10月18日

 公務員制度改革の内容を検討した霞ヶ関の官僚の側に、幹部職員にこれまで与えられて来た身分保障という特権、既得権益を維持したいという思惑があるからこそ、このような形だけで実際には機能しない改革内容になるのではないでしょうか。

 かつ、今回の内容には明らかに、やりたくない改革を骨抜きにすると同時に、ついでに焼け太りしようという官僚の側の思惑も透けて見えます。

 本来、内閣人事局を創設する以上、人事院や総務省関係部局に分散する公務員制度の権限を整理・統合して(それらの組織を廃して)新たな組織を作るべきです。しかし、公務員制度改革の内容を記した紙を見ると、様々な事項について“人事院と協議”と書かれており、人事院などを維持したまま内閣人事局も作るという話になっています。

 即ち、霞ヶ関の官僚にとっては、局長ポストが1つ増えるという最善の結論となっており、一方で、人事機能の一元化という内閣人事局の当初の意図とはまったく逆に、公務員制度の三元化であり、人事行政はますます機能不全の度合いを高めることになるのです。

 更に言えば、改革の中には、“官民人材交流の推進”という項目が加えられており、国家公務員の民間企業への現役出向を拡大することが明記されています。民主党政権時に天下りが事実上自由に行なえることになったのに加え、現役出向も拡大するというのです。

 つまり、今回の公務員制度改革は、幹部職員の身分保障は維持して政治主導の人事が機能しないようにしつつ、内閣人事局という新たな局長ポストは1つ増え、更には現役出向も拡大できるという、官僚の側にとって非常に美味しい改革になっているのです。
http://diamond.jp/articles/-/43169

 もちろん安倍首相だけでなく、他の自民党議員もそろってダメですよ。安倍首相だけの問題ではないのは事実です。

 以下は、再び最初の記事から。
 本来、公務員制度改革は、「官邸主導」「政治主導」を実現しようとする政治家サイドが強く主張するのが筋だ。霞が関の官僚は、従来の「慣行」や「省利益」を守るために抵抗する。ところが、今回の政府案の取りまとめに関しては奇異な光景が展開された。公務員制度改革法案を審議する自民党政務調査会の部会で、タタキ台となった甘利法案を批判する議員が相次いだのだ。

 「内閣人事局だけで600人もの人事評価ができるはずがない」
 「官邸に入る政治家や民間人は現状で十分過ぎるほどいる」
 「官僚のポストは官僚に任せないとやる気を削ぐ」

 こんな具合である。霞が関の巻き返しに篭絡された議員が多かったのか。あるいは、役所の応援をすることが議員の役割だと思うのか。当初、「脱官僚依存」を掲げて政治と官僚の関係を見直そうとした民主党が、霞が関から嫌われ、思うように政策が遂行できなかったのを目の当たりにして、「自民党は民主党と違う」ということを霞が関に必死にアピールしているようにすら聞こえた。

 甘いと言われた甘利法案すらまだ厳しすぎると攻撃して、守旧派官僚に媚びるのに必死です。

 規制緩和骨抜き、消費税増税に続いて、こちらも官僚の大勝利となりそうです。


 関連
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