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かぼちゃの馬車倒産 詐欺勧めたスルガ銀行と森信親金融庁長官の罪 マンション投資全般がダメな理由


2018/04/10:
●シェアハウス「かぼちゃの馬車」運営スマートデイズが倒産
●マンション投資全般がダメな理由
●詐欺会社で稼ぐスルガ銀行と年金不安の日本政府の罪
●スルガ銀行をベタ褒めしていた森信親金融庁長官の罪
2018/05/12、5/15:
●スルガ銀の行員「不正を知らないと言うのは無理がある」
●スルガ銀行の行員数十人、接待受けて改ざん書類で融資
2018/09/08:
●マジでヤクザ「家族皆殺し」「死んでみろ」「ビルから飛び降りろ」などなど
2019/02/14:
●稼いでいたスルガ銀行、デート商法詐欺も関与 一方真面目な銀行は…
2019/11/20:
●森信親長官に忖度して金融庁が手抜き検査?お咎めなしで有名大非常勤教授に


●シェアハウス「かぼちゃの馬車」運営スマートデイズが倒産

2018/04/10:そもそも金融商品全般を勧めていないのですけど、マンション投資や不動産投資に関しては一貫して「勧めない」というスタンスの投稿をしています。例えば、相続税対策のアパート経営の悪い評判 大東建託やレオパレス21が続々とアパートを建設というのがそういったもの。

 そのため、気になったのがシェアハウス「かぼちゃの馬車」などを運営するスマートデイズが、東京地裁に対し、民事再生法の適用を申請し受理された件。

 スマートデイズはこれより前の2018年1月に保証賃料の支払いを一方的にゼロにしていました。オーナーらは、これまで未払いだった保証賃料の全額をオーナーが受け取ることは極めて難しいと考えられます。

 さらにきついのが、約700人いるとされるオーナーの大多数が、地方銀行のスルガ銀行から1億円以上の融資を受け、その借金でシェアハウスなどを建てて投資を始めているということ。賃料収入がなくなっただけでなく、スルガ銀行への借金返済の負担が重くのしかかる状況になっているわけです。
(燃え尽きた「かぼちゃの馬車」、保証賃料は絶望的に…運営会社が再生法申請、負債60億円 弁護士ドットコムニュース / 2018年4月9日 16時28分 下山祐治より)


●マンション投資全般がダメな理由

 この借金なのですけど、そもそもスマートデイズが勧めていたようです。"スマートデイズは、不動産を持っていないサラリーマンにローンを組ませ、土地と建物を購入させていた"とのこと。"サブリースの場合、物件購入にかかる費用は相場の1・3倍〜1・5倍になるため、投資額は億単位に膨れあがる"といいます。

 「かぼちゃの馬車」の実際の入居率は4割程度と低迷しており、約束されていた賃料保証を続けることは絶対に不可能な状態。運営会社が割高な物件を売りつけて得た利益を既存の所有者の家賃収入に補填(ほてん)するという自転車操業を続けていたが、行き詰まるのは時間の問題だったと見られています。

 サブリース問題解決センターの杉崎晃広副センター長は「駅に近く入居率も高いような物件なら、(運営会社が)直接投資するはずだ」と指摘。そんなに儲かるなら自分で投資するってのは、安愚楽牧場問題でも言われていた指摘ですね。
(関連:安愚楽牧場破綻で国家賠償提訴 一部では出資金3割返還の示談も)

 さらに以下のように、マンション投資全般の問題も指摘しています。

「『30年家賃保証』などとうたう会社もあるが、多くは2年ごとに契約が見直される。物件は年々価値が下がるので30年後も同額の家賃を得られるわけはないし、大規模改修の費用も必要になる。そうした将来的な費用について理解しておくべきだ」
(「30年家賃保証」実は…サブリース契約のカラクリ シェアハウス投資でサラリーマンが大損 夕刊フジ / 2018年4月4日 17時1分より)


●詐欺会社で稼ぐスルガ銀行と年金不安の日本政府の罪

 産経新聞によると、元役員は「最初の100棟までは順調でなんとか回っていたが、その後は自転車操業そのものだった」と明かしており、詐欺同然であったことは確定的です。

 それなのに営業マンは「10年後に物件を売却すれば残債はなくなる。ローリスク・ハイリターンの投資だ」「いい物件は早い者勝ち」などと言っていたようです。それに加えて「将来への不安」があったことが理由。国の年金がうまく行っていないという政府の問題です。

 また、この記事を読んでいて一番驚いたのが、昨年10月、メーンバンクである「スルガ銀行」のスマートデイズへの融資がストップしたのを契機に経営状態は急激に悪化した、という記述。つまり、スルガ銀行は事業内容のまずさを把握しているスマートデイズに融資しながら、消費者にそのスマートデイズの詐欺商品を買うための融資を行っていたということ。クソすぎでしょう、これ。

 産経新聞も「被害拡大の一因として指摘されているのが、同社の拡大路線を下支えしていたスルガ銀の存在だ」としています。
(【衝撃事件の核心】訴訟に発展の「かぼちゃの馬車」トラブル 一流サラリーマンらを投資に駆り立てたものは… 産経ニュース / 2018年3月31日 17時1分より)


●スルガ銀行をベタ褒めしていた森信親金融庁長官の罪

 産経新聞は書いていなかったものの、政府にはもう一つ責任があります。この詐欺的なスルガ銀行のやり口を褒めて、むしろ推奨していたのです。

 森長官は、黒田東彦・日銀総裁が進めるマイナス金利政策のなかで、一貫して「個々の地銀が創意工夫して、既存のビジネスモデルではない、新たなビジネスモデルをつくり上げることが重要だ」と力説。そして、その代表例がスルガ銀行だったというのです。

「森長官が新たなビジネスモデルづくりに取り組む代表例として、事あるごとに取り上げたのがスルガ銀行だった。とにかくスルガ銀行の姿勢、ビジネスモデルについて、素晴らしいと絶賛していた」(ある地銀の幹部)

 しかし、スルガ銀行の新たなビジネスモデルは、“詐欺の片棒”とまでいわれるような代物だったことがわかると自己保身に走ります。森長官はスルガ銀行を批判し、スルガ銀行に対して銀行法に基づく報告徴求命令を出しました。
(森金融庁長官、「詐欺の片棒」批判受けるスルガ銀行を絶賛→信用凋落…財務事務次官就任説も Business Journal / 2018年4月5日 19時0分(文=鷲尾香一/ジャーナリスト)より)

 これでもかと言うほど、ひどい話ばかり出てくる事件です。


●スルガ銀の行員「不正を知らないと言うのは無理がある」

2018/05/12、5/15:「不正抜き、考えにくい」スルガ銀、内部からも疑問の声:朝日新聞デジタル(藤田知也 2018年5月12日08時11分)によると、スルガ銀は行員の不正への関与を認めていないが、行員らからは「不正抜きには考えられない融資だった」「不正を知らないと言うのは無理がある」との声が出ているそうです。

 行員らによると、スルガ銀の融資は物件価格の9割が上限。融資審査では、1割分の「手付金」を払える十分な貯蓄があることが求められます。1億円前後のシェアハウスの場合、1000万円超の預金残高を通帳などで示す必要がありました。

 ところが多くのオーナーは1000万にちょっと足りないどころでなく、「自己資金ゼロで投資できる」と業者に誘われています。全然基準を満たしていないので、1千万円超の貯蓄があるように通帳コピーを偽造するなどのイカサマやって融資していたみたいです。恐ろしい世界でした。


●スルガ銀行の行員数十人、接待受けて改ざん書類で融資

 スルガ銀は行員の不正への関与を認めていない…としていましたが、別記事を読むと結局認めているのかもしれません。多くの行員が預金残高や年収を水増しといった審査書類の改ざんを知りつつ、物件所有者に融資していたとする社内調査の結果をまとめたそうです。
(組織的不正? シェアハウス破綻 数十人改ざん認識 毎日新聞2018年5月12日【鳴海崇】より)

 少なくとも数十人が関与したとみられるということで、すごいですね。「少なくとも」で「数十人」。組織的犯行の可能性もありそうです。シェアハウス所有者の弁護団は、スルガ銀の行員らが融資の審査書類の改ざんに関与した疑いがあるとして刑事告発する考えを表明しています。

 さらに別の問題としてヤバイのが、融資を実行する見返りとして、物件の販売業者から金銭を得たり、接待を受けていたケースもあったとのこと。ただ、これらは匿名アンケートの結果であり、実際にやった人が正直に告白するかどうかはまだわからないと思います。


●マジでヤクザ「家族皆殺し」「死んでみろ」「ビルから飛び降りろ」などなど

2018/09/08:スルガ銀行はマジでヤクザですね。第三者委が公表した調査報告書の、行員らの壮絶な体験談がこちらです。

「数字ができないなら、ビルから飛び降りろと言われた」
「上司の机の前に起立し、恫喝(どうかつ)される。机を殴る、蹴る。持って行った稟議(りんぎ)書を破られて投げつけられる」
「ものを投げつけられ、パソコンにパンチされ、オマエの家族皆殺しにしてやると言われた」
「支店長が激高し、ゴミ箱を蹴り上げ、空のカップを投げつけられた」
「死んでも頑張りますに対し、それなら死んでみろと叱責(しっせき)された」
「『なぜできないんだ、案件をとれるまで帰ってくるな』といわれる。首をつかまれ壁に押し当てられ、顔の横の壁を殴った」
(「オマエの家族皆殺し」スルガ銀、上司による壮絶な恫喝:朝日新聞デジタル 藤田知也、山口博敬 2018年9月8日07時57分より)

 森信親金融庁長官が褒め称えていた、スルガ銀行の異例の高収益。この高収益を支えてきたのが、不動産に投資する個人向けのローンでした。

 今回、不正への関与を認定された、個人向けのローンを担う個人営業担当の執行役員のもとで、達成が難しい過大な営業ノルマが設定され、支店長以下の職員にプレッシャーがかけられました。結果、不正が横行することとなったようです。また、収益を担う個人営業部門の発言力が強く、審査部門が融資に否定的な意見を述べても、営業部門幹部らによって押し通されたとのこと。

 これらのことから、やはり今回の事件は、スルガ銀行の組織的な不正と言って良いでしょう。創業家出身の岡野光喜会長に「最も重い経営責任がある」とされるなど、経営陣にも問題が指摘されました。明らかに末端の個人の問題ではありませんでしたね。


●稼いでいたスルガ銀行、デート商法詐欺も関与 一方真面目な銀行は…

2019/02/14:森信親・金融庁長官が褒めていたスルガ銀行が、予想以上にひどいですね。これまででも十分予想できなかったひどさであり、これ以上悪い話なんか出そうになかったのですけど、スルガ銀行の行員がデート商法詐欺まがいの行為に関与し、個人向けローンを融資していた疑いがある、という話まで出てきました。
(スルガ銀、デート商法関与か | 共同通信 2/13 16:31より)

 前述の通り、森信親・長官がスルガ銀行を持ち上げていたのは、黒田東彦・日銀総裁が進めるマイナス金利政策の正当化のためです。「俺たちの政策が悪いんじゃない。悪いのは稼げない銀行で、その証拠にスルガ銀行はこんなに儲けているじゃないか」という趣旨でした。そのスルガ銀行は、犯罪だらけで儲けていたとバレたわけです。

 一方で、犯罪をしていない真面目な銀行は苦しんでいます。"町長が発した衝撃の投稿"(NHK 2019年2月13日 16時40分)という記事は、銀行側を責める内容だったのですけど、これはそれだけ今銀行がたいへんだという話だとも読めます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190213/k10011812991000.html?utm_int=all_side_ranking-social_003

 この記事のタイトル「町長が発した衝撃の投稿」というのは、鳥取県日南町の増原聡町長が、「鳥取銀行と勝ち目のないけんかをしようと思います」とフェイスブックに投稿していたことを指します。地元の鳥取銀行が、町にある支店窓口を廃止、ATMだけにするという方針を打ち出したことでの問題でした。

 鳥取大学地域学部 多田憲一郎教授は、「地域があっての地方銀行なので高齢化が進んでも地域の人に寄り添うような金融機関であるべきだ」としていました。ただ、一方で記事では、"長引く低金利や人口減少で厳しい経営が続き、日南町内の支店を含む10店舗の支店集約を決めた"という事情も書いています。

 銀行に公共性を求めるというのは理解できるものの、それで経営が立ち行かなくなるのではさすがにどうしようもありません。銀行を責めておしまい…ではなく、公共性を求めるというのであれば、国の責任について考えるべきではないでしょうか。


●森信親長官に忖度して金融庁が手抜き検査?お咎めなしで有名大非常勤教授に

2019/11/20:金融庁は、2018年10月に女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐる不正融資が明らかになったスルガ銀行に対し、新規の投資用不動産融資と一部の住宅ローン業務を6カ月間停止する命令を出しました。創業家のファミリー企業への融資額が488億円に上り、このうち69億円が創業家の個人に流れており、「寄付」のかたちで資金を流すなどの不正があったことも指摘しています。

 ただ、金融庁が立派な対応をした…といった話にはなりません。上記を伝えた記事のタイトルは、スルガ銀行、創業家に488億円の不適切融資…金融庁が手抜き検査、前長官は海外逃避(2018.10.16)というもの。問題が大きくなる前の金融庁の対応に大いに疑問があったのです。

 金融庁は業務停止命令のわずか1年前までスルガ銀行を「地銀の優等生」と高く評価。2017年5月には、当時の森信親長官は講演で「特異なビジネスモデルで、ニッチな分野に特化して高い収益率を上げている」と称賛していたといいます。

 実を言うと、金融庁は直近では2017年にスルガ銀行に立ち入り検査に入るなど、何度か検査を行っていました。ただ、検査対象に問題の投資用不動産は含まれず。個人向け不動産ローンに特化した特異なビジネスモデルを行うスルガ銀行に関する検査で、投資用不動産をチェックしなかったのは驚くべき“手抜き”だと記事では指摘。「森長官への忖度で、スルガ銀行について多少のお目こぼしがあったのではないのか」(有力地銀の頭取)との厳しい批判の目が向けられているとされていました。

 その金融庁の森前長官は、2018年7月、異例の長さといえる3年間務めた金融庁長官を退任し、米コロンビア大学国際公共政策大学院で非常勤の教授として教壇に立つとのこと。問題発覚前ですので、当然、この件で処分された…なんてことはありません。コロンビア大学では、よりによって、日本の財政や金融政策を教えるんだそうです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■相続税対策のアパート経営の悪い評判 大東建託やレオパレス21が続々とアパートを建設
  ■安愚楽牧場破綻で国家賠償提訴 一部では出資金3割返還の示談も

【関連投稿】
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