高所得者に関する話をまとめ。<実は不動産抜きの方がすごい 億万長者の割合世界一は日本だった!>、<富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満>などをまとめています。
2023/10/26まとめ:
●富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満 【NEW】
●日本だけ平均賃金が30年間停滞の異常…分配ない上に税金は増加 【NEW】
●不動産持ちミリオネアが多い日本 人数でも世界ランキング2位
2013/11/7:以前書いた
貯金好きはお金持ちになれないは嘘?億万長者は意外に貧乏人思考では、
億万長者になるなんて簡単だ![橘玲の世界投資見聞録]ザイオンライン 2013年10月3日という記事からおもしろいところを紹介しました。ただ、この記事の最後にあった追加部分も興味深い話だったんですよ。
億万長者・富裕層の基準値をいくつにするか?という定義によって、当然その人数や割合というものは変わってきます。例えば、「居住用不動産」を含めるかどうかというのも、こういった定義の違いの一つです。また、よく使われるのがミリオネアという概念。通常100万ドル以上のお金を持っている人のことをいいます。
ミリオネアは、当然ながら日本円での基準ではありません。ただ、100万ドルは現在のレートで言うと、およそ1億円程度になっており、日本人にとっても億万長者の目安として非常にわかりやすいでしょう。まず、最初は前述の居住用不動産を含んだミリオネアのデータを紹介。これによると、日本が世界2位なんだそうです。実感ありませんけどね。
<スイスの大手金融機関クレディ・スイスが2012年10月に発表した世界の富裕層ランキングによれば、純資産100万ドル以上を持つ富裕層は1位がアメリカの約1100万人(人口比3.5%)、2位が日本の約360万人(同2.8%)、3位がフランスの約230万人(同3.6%)となっている>
●実は不動産抜きの方がすごい 億万長者の割合世界一は日本だった!
上記で見たような不動産分を含めたお金持ちという概念は、現金の収入や貯蓄ではないためにピンと来ないかもしれません。また、この不動産のおかげで日本にお金持ちが多いように見えるだけで実態は違う…と思う人もきっといるでしょう。ところが、もっと驚くのが、居住用不動産を除いた別機関の調査なのです。
<「ワールド・ウェルス・レポート」(2012)ではイギリスの資産運用会社が、居住用不動産を除いて100万ドル以上の投資可能資産を持つ富裕層の数を推計している。それによれば1位はやはりアメリカの約300万人(人口比1%)で、2位は日本の約180万人(同1.4%)、3位はドイツの95万人(同1.1%)だ(これを富裕層の定義とするならば、日本はアメリカを抜いて、人口比では世界でもっともゆたかな国になる)>
こちらだと日本は人数で同じく世界2位、人口比の割合では何と世界1位となっています。驚きです。うーん、信じられません。
<国勢調査によると、2010年度の日本の世帯数は約5200万。ここから「ミリオネア世帯」の比率を概算してみると、居住用不動産込みで人口の約7%、14世帯に1世帯が「億万長者」ということになる(自宅を別にすれば全世帯の約3.5%)>
●日本はプチ富裕層は多いけど、本当の富裕層というのは少ない説
最初にこういったものは富裕層の定義によって異なってくると書きましたが、「日本はプチ富裕層と言うべき人は多いけど、本当の富裕層というのは少ないのだ」といった意見もあります。このプチ富裕層という言葉はかなりいい加減に使われていて、困るものです。
同じプレジデント・オンラインの記事なのに、<プチ富裕層=金融資産1億~5億円の金融資産を持つ。ニューリッチ層とも>としたり、<プチ富裕層=年収1000万円(金融資産ではないことに注意)> としたりと、特に定義は定まっていないようです。
定義が不明確ですので「日本はプチ富裕層は多いけど、本当の富裕層というのは少ない」もまた曖昧なのですけど、大雑把に言えば一億総中流の延長みたいなもので、中間寄りが多く、抜けている大富豪は少ないという意見だと思われます。
●富裕層は多いが超富裕層は少ない?1億ドル以上で比較すると…
上を書きながら検索しているうちに、私が以前読んだ記事も見つけました。<誤解だらけ! 日本のお金持ち最新事情 会員制高級ホテルの㊙パーティ潜入でわかった 富裕層大増殖のウソ・ホント>(ダイヤモンド・オンライン 2012年10月15日 )という記事です。ただ、記憶と違って、「プチ富裕層と富裕層」ではなく、「富裕層と超富裕層」という分け方でしたわ。
<「日本が富裕層大国というのは大いなる誤解」との主張がにわかに浮上している。
確かに、ボストンコンサルティンググループがこのほどまとめた「グローバル・ウェルス・レポート」を読み解いていくと、まったく異なる日本の富裕層事情が浮かび上がってくるのだ。
1億ドル(約80億円)以上の金融資産を保有する超富裕層のランキングで、日本は15位にすら入っていないのだ。外資系金融幹部は「日本の富裕層は金融資産の単位が海外と比べて1桁小さく、小粒な資産家ばかり」と皮肉る。実際、日本国内で超富裕層といわれる富豪は、どんなに多く見積もっても200世帯程度しか存在しない計算となるという>
http://diamond.jp/articles/-/26267?page=3●日本人の富裕層が多い説に疑問を呈する記事に悪徳業者の影…
あと、この記事を今見ると、後に詐欺的な投資商品の売り方をして処分を受けたアブラハム社長がコメントを寄せていました。読んだ当時は投資商品を売っていることすら知らなかったのですが、「本当の富裕層はさらに少ない」として、以下のような説明をされていたそうです。ダイヤモンド・オンラインも胡散臭い人をチョイスしちゃいましたね。
<アブラハムによれば、富裕層を対象にした家事代行やベビーシッターの市場規模はせいぜい3万人程度。海外ファンドの市場(日本の証券会社を通さずに海外の金融商品を直接買っている人)もやはり3万人前後ということです。
こうした富裕層ビジネスの市場規模から逆算していくと、「消費力のあるリアル富裕層の数は多くても10万人前後ではないか」と高岡社長は推測しています>
ところで、この記事だと超富裕層に限らず、日本人の富裕層の割合そのものも高いものではない…つまり、富裕層が少ないと主張していました。
<金融資産100万ドル以上の富裕層でも、人数こそ多いが割合でいうと、上位トップ10にランク入りしていない。上位の多くは人口が少ない資源国が占めるとはいえ、米国や台湾がトップ10に入っていることを考えると、富裕層大国というイメージは勘違いと言われても仕方あるまい>
これはたぶん直前の「グローバル・ウェルス・レポート」のデータだと思います。前半の話となぜかずいぶん結果が異なりますね。さらに以下のような観点からも、日本人の富裕層が多い説に疑問を呈しています。
<そもそも、日本人富裕層の人口が182万人と推定した「ワールド・ウェルス・レポート」の分析についても、為替が反映されただけという側面がある。というのも、同レポートは、金融資産が100万ドル以上を富裕層と定義しているが、円高なので日本円では約8000万円程度にすぎない。「60代以上で金融資産8000万円は富裕層とはいえない」と税理士法人幹部は定義自体に疑問を呈する>
最初に「今のレートで」と断ったように、調査の時期とは為替レートが異なるんですよね。そこらへんでもいろいろと変わってきます。
あと、
貯金好きはお金持ちになれないは嘘?億万長者は意外に貧乏人思考で出た「貯金してお金持ち」についても、富裕層とは言えないんじゃないの?と指摘している感じですね。前回はそもそも「一般的なお金持ちイメージと異なります」という話でしたので、確かに普通はそうなります。
また、記事では富裕層向け商売の話がちょこちょこ出ており、富裕層で一儲けとたくらむ人らから見れば「貯金してお金持ち」というタイプは全く商売になりません。コメントしていたアブラハム社も「貯金しないで投資させよう」という感じで、騙して稼いでいたところ。ちょっと不純な感じの記事ではありました。
とりあえず、この記事の主張を素直に信じると、日本人はあまり金持ちじゃなかったという話にまとまりそうな流れですが、個人的には老人で金融資産8000万円でもやっぱりお金持ちの家だなぁ~と感じます。
●富裕層過去最多の一方、家庭の平均所得最多は200~300万円未満
2021/12/28まとめ:他で追記した話をこちらにも。相対貧困率ではない貧困の話での追記です。安倍首相に近い人がよく本を出している幻冬舎の幻冬舎ゴールドオンラインで、<貧困急増…「平均所得200~300万円未満が最多」「主要先進7ヵ国でも最下位」日本人のキツすぎるリアル>(12/25(土) 10:46配信 GGO編集部)という記事が出ていたんですよね。
<OECDは、国別の平均賃金についてもランク付けしています。(中略)日本の平均賃金については、現在22位。OECD内の下位層(引用者注:38ヵ国中22位)に所属しており、西洋諸国、ニュージーランド、韓国と悲しい差が開いてしまっています。
少子高齢化、新型コロナ感染拡大など要因は様々ではあるものの、ついに海外メディアが「貧困層の増加によって、日本の『中間層』は消え始めている」(中略)とも報じ始めています>
https://news.yahoo.co.jp/articles/03681edc841b5da556a702afd34e3ae214215e35
厚生労働省『国民生活基礎調査』(2019年)によると、平均所得について見てみると、1世帯あたり平均所得金額は、「全世帯」が552万3,000円。ただし、所得や貯蓄といったものは、高所得者が平均値を引き上げていることがわかっており、実態に合いません。続けて書かれていた以下の部分の方が参考になるデータでしょう。
<同調査によると、「200~300万円未満」が13.6%、「300~400万円未満」が12.8%、「100~200万円未満」が12.6%と、所得300万円未満の世帯が最も多くなっています。中央値は437万円。平均所得金額(552万3千円)以下の割合は61.1%と過半数を超えています>
なお、貧困が増えている一方、株式会社野村総合研究所の調査によると、2019年、日本の富裕層・超富裕層の世帯数は2005年以降で最多となったそうです。さらにこのコロナ禍、株式市場などの好調が起因となり、世界の億万長者の数は過去最多を更新しているともされていました。
●日本だけ平均賃金が30年間停滞の異常…分配ない上に税金は増加
<貧困急増…「平均所得200~300万円未満が最多」「主要先進7ヵ国でも最下位」日本人のキツすぎるリアル>という記事タイトルの後半「主要先進7ヵ国でも最下位」は労働生産性のことで、賃金のことではありません。ただ、ヤフーニュースの記事についた専門家コメントでは、独身研究家の荒川和久さんが以下のように指摘していました。
<平均賃金の世界各国との推移を比較すると悲しくなります。1990年時点では、日本を上回るのは米国とドイツくらいでしたが、それ以降イギリス・フランス・北欧諸国などは勿論、遂にはニュージーランドや韓国にまで抜かれた。それも当然で、この30年間、まったく平均賃金があがっていないのは日本だけだからです>
賃金が上がらない一方で、社会保障費や消費税は上げられ、実質可処分所得はマイナス。独身研究家らしく、独身者は配偶者控除がなく特にきついことも指摘。最近発表の自公政権の10万円給付でも独身者は無視されており、「先進国どころか後退国であり、成長も分配もない国、それが今の日本の姿」と締めています。一般人コメントでも以下のように嘆く声が目立っていました。
<働き盛りの世代は政府の財布と思ってる
困ったら会社員に負担増を強いればいい、それが自民党(中略)
よくこんな政権支持できるもんだ>
<そもそもの始まりはバブル以降のデフレと小泉改革が事の発端だが、賃金は上げずに内部留保溜め込みに血道を上げた大企業と、それを許してきた政府に一義的な責任がある。平成以降物価も賃金も一部を除きほとんど上がっていない。まさに「失われた30年」。
アジア各国や欧米はその間にどんどん力を伸ばし、物価も賃金も上がっている、つまり成長している。
日本は置いてきぼりを食った事に政府は今頃気付いて、賃上げ要請だの「新しい資本主義」とか言ってるが時既に遅し>
<普通に考えて、30年から40年、経済成長が停滞して、給料は上がらないのに、税金は増えていく……この状況で(途中で政権交代はしたものの)まだ自民党を支持し続ける国民はもう異常だ>
<10年くらい前、アメリカで『最低賃金15ドル』運動をやってた時、当時の安倍元首相は「3年で最低賃金1000円まで上げる」と言ってたけど、10年経っても全国平均800円程度>
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