2013/11/12:
●モンドセレクションをありがたがるのは日本だけ?国別の割合は?
●日本企業はぼったくられている?審査にかかる費用は…
●現在の日本からの出品はさらに増加している可能性あり!
●日本企業が支払っている金額を推定するとすごい金額に…
●連続受賞にはさらに「ボーナス」…モンドセレクションの商売のうまさ
●モンドセレクションをありがたがるのは日本だけ?国別の割合は?
2013/11/12:
モンドセレクションは審査費用さえ払えば誰でも金賞はデマだったの続きで、モンドセレクション商法の話。こういった賞の受賞というのはとても日本人の心をくすぐるようです。
Wikipediaでは、マーケティング上の意義として、以下のような点を指摘していました。
・認証を得た商品のパッケージには認証メダルを受賞マークとして表示することができる。これにより一定の技術水準に達していることを消費者にアピールし、売り上げを大幅に伸ばした例もある。日本では審査用書類作成やサンプル商品の輸送など、出品をサポートするコンサルタント業も存在する。
・2008年現在、認証を受けた日本の商品のうち地方の中小企業によるものが増えてきていて、自社商品のPRとして活用している面もある。受賞マークの使用期限は3年間であるが、インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィーは授賞年度が記載されている事が条件のうえ、使用期限はない。
・日本では1966年から日清製菓のバターココナツがトロフィーを受賞し、パッケージにメダルのデザインを表示、またCMで「最高金賞受賞、おいしさが世界に認められた」と宣伝したことから一躍有名になった。2007年にはサントリーがザ・プレミアム・モルツのテレビCMにて特別金賞を3年連続受賞を宣伝したことでモンドセレクションの名前が広く認知されるようになった。
なんと"審査対象品の5割が日本からの出品"というすさまじさ。半分以上日本向けの商売になっています。「モンドセレクションをありがたがるのは日本だけ」と言われるのも大げさではありませんね。海外では日本ほど有名ではないようなのです。
●日本企業はぼったくられている?審査にかかる費用は…
15万円ですからそう大した金額じゃなくて、日本企業がぼったくられている…とまでは言えません。でも、ちょっと悔しいですね。
Monde Selection : Statistics 2013によいると、年々参加が増え続けたことにより、2013年には出品数は3234品まで増えたとのこと。この最新の数値で計算していくと、以下の通りになります。
出品数 3234品
最高金賞 396品(12%)
金賞 1366品(42%) 金賞以上 1762品(55%)
銀賞 838品(26%) 銀賞以上 2600品(80%)
銅賞 224品(7%) 銅賞以上 2824品(87%)
多っ!特に金賞が多いです。 2008年が「最高金賞19%、入賞81%」ですから、最高金賞は減っているものの入賞確率の方はさらに上がってますよ。
なお、入賞が増えたのは日本の出品数増加のせいかもしれません。日本単独の数字はなかったものの、「受賞した商品でアジアの商品が占める割合 2213品(78%)」ということで、8割近くがアジアからの出品でした。
●現在の日本からの出品はさらに増加している可能性あり!
出品数のグラフを見ると、1981年から2001年までは増えたり減ったりで500~600品程度でした。そして、2013年のアジアを除いた受賞数は611品目です。入賞確率をそのまま当てはめると出品数は700程度といった計算になります。
過去の内訳は見えないので飽くまで推測ですが、増加分のかなりの割合が日本ってこともあり得るんじゃないですかね?
2002年に一気に増えてそれ以降ぐんぐん増えているというのは、先の"2007年にはサントリーがザ・プレミアム・モルツのテレビCMにて特別金賞を3年連続受賞を宣伝したことでモンドセレクションの名前が広く認知"の記述と時期が合わないのですが、これまでの話とアジアの数字からすると何となくそんな気がします…。
ああ、そういえば、2008年に"審査対象品の5割が日本からの出品"という話があったんでした。2008年の出品数は1753品ですから、日本とそれ以外の国がそれぞれ880品程度ということです。そして、2013年のアジアを除いた受賞数は611品目で、審査対象品は700程度と先ほど想定しました。
日本以外のアジアの数字が不明なので全然確かなことは言えないのですけど、増えているのはほとんど日本なんじゃないか?とやはり疑いたくなるデータです。
●日本企業が支払っている金額を推定するとすごい金額に…
日本ばかり増えているのであれば、"審査対象品の5割が日本からの出品"より今はずっと日本の商品の占有している割合が上がっているということになりますが、仮にこの5割という控えめな数字で2013年の審査費用を計算したとしても、以下のような計算になります。
3234品 × 0.5 = 1617品、1617品 × 15万円/品 = 約2億4000万円
うわぁ、やっぱりいい商売ですし、日本はすごいむしり取られている感じがしますね。
日本企業が参加費用15万円プラス諸経費をかけてまでヨーロッパの賞を取ろうとするのは、もちろん売上を伸ばすためですので2億だろうが3億だろうが大した金じゃないのかもしれません。
ただ、モンドセレクションはほとんど日本でしか通用しないらしいので、受賞によって国外での売上を伸ばしているわけではなさげです。
モンドセレクションを得ることでその商品の国内市場全体を底上げできているのであればOKなのですが、そうじゃなかったらヨーロッパの団体に費用を献上しながら、国内の限られたパイを奪い合っているだけとなります。何か嫌だなぁ……。
●連続受賞にはさらに「ボーナス」…モンドセレクションの商売のうまさ
なお、モンドセレクションは普通の最高金賞、金賞などの他にこんなものを用意して、毎年審査を受けなきゃ!と思わせる工夫をしています。
<モンドセレクションによる以下のトロフィーの授与:
・25周年記念トロフィー:優秀品質賞を25年間連続達成した企業に与えられる。
・クリスタル・プレステージ・トロフィー:優秀品質賞を10年間連続達成した企業に与えられる。
・インターナショナル・ハイクオリティー・トロフィー:高水準の優秀品質賞(金賞または最高金賞)を3年連続達成した商品に与えられる>
本当に商売がうまくて脱帽。顧客の心理をよく考えています。日本企業が手玉に取られている可能性があるのであれですが、勉強になりますね。
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