夜型人間の方が、IQが高い、クリエイティブ、所得が高いなど、朝型人間より夜型人間の方が良い理由についての話。ただ、正直言うとかなり怪しい話が混じっており、注意が必要そうでした。(2018/01/01)
●朝型人間より夜型人間の方が良い理由はたくさんある
2018/01/01:朝型人間がもてはやされているという認識はなかったのですが、
朝型人間が良い? いえいえ、夜型でも良いんです - 夜型を勧める6つの理由 | マイナビニュース(2014/05/11 13:50:01 末岡洋子)では、「朝型の人間になることが良いと盲目的に信じられている」と書かれていました。
記事はそうではないよというもので、OpenForumというところのコラム「夜更かしタイプが早起きよりも優れている理由(Why Night Owls Are Better Than Early Birds)」において出ていた、朝型人間より夜型人間の方が良い理由を列記していました。
(1)IQが高い
(2)クリエイティブ
(3)リスクを取ることをいとわない
(4)稼いでいる
(5)朝型にはない"脳力"
(6)真のソーシャルネットワークを作ることができる
●朝型人間や夜型人間は努力してなれるものなのか?
この記事では、「IQが高い」という"特徴だけで、夜型を目指す価値はありそうだ"と書いていたものの、これはおかしな考え方でしょう。
早寝早起きが健康に良いに科学的根拠なし むしろデメリットだらけでやったように、朝早く起きることの身体的なメリットはほとんどなく、デメリットだらけなのは事実。ただし、これは別に夜型人間になるべきという話ではありませんでした。
現在の生活スタイルは、朝型人間ですら身体的な問題が起きるほどずれたもの。なので、夜型人間にとっては拷問のようになっています。そして、なぜそうなるのか?というと、夜型人間の人が努力しても朝型人間になれないがためです。
なので、「朝型人間になろう」も「夜型人間になろう」も両方非科学的な話でしょう。
●朝型人間より夜型人間の方がIQが高い
実を言うと、今回の記事は「朝型人間より夜型人間の方がIQが高い」という話を見かけて、研究の裏付けがあるのか?と探した中で出てきました。上記のように怪しい記事ではあるものの、研究を証拠としている部分は信頼できそうです。そして、IQについて言えば、これが存在していました。
記事によると、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究グループが若い米国人を調べたところ、子どもの頃にIQが高かった人ほど、成長した後に就寝時間が遅いことが分かったとのこと。この書き方を見ても、夜型人間に変わろうって内容じゃないのがわかりますよね。順番が逆であり、夜型人間を目指してIQが上がるという話ではないと思われます。
この研究では一方で、朝型の方が学校の成績が良かったこともわかっているとのこと。研究者らは、IQが夜型ほど高くないのに成績が良い理由として、朝スタートして午後に終わるという学校の時制が朝型人間に適しているからではないかと分析していたそうな。
でも、IQと学業成績で違うというのは珍しいですね。IQと学業成績は同一の結果にはならないのは事実ですが、正反対の方向性になるほどまで違うというのはびっくり。ひょっとしたら微妙な差であり、あまり確実性の高いものではないのかもしれないと感じました。
●根拠不明のものが多いが夜型の方が高所得は信頼できそう
私が知りたかったのは以上ですが、他でも研究の話がないかと読んでみました。すると、「(2)クリエイティブ」については、「夜型は"側面的な思考"ができるため、推論に長けている」としているだけで、証拠はなし。
「(3)リスクを取ることをいとわない」についても、「リスクをとることに抵抗が少ない人は朝型より夜型に多い」とされているものの、根拠が不明でした。ここらへんはさらに怪しそうですね。
一方、「(4)稼いでいる」は、データがありそうな話。実際、スペインのマドリード大学の研究で、所得は概して夜型の方が高いことがわかっているとされていました。過去に
適材適所は夢か幻想か?IQの高い人は大体何でもできるという研究の残酷性というのをやっていますし、これはIQと関係しているかもしれません。
●朝型生活が非効率なことには理由がある
「(5)朝型にはない"脳力"」はタイトルがひどいなと思ったもの。「脳力」なんて非科学的すぎる言い方です。
これについては、"朝型が生産性が高いのは午後3~4時頃まで"なのに対し、"夜型は9時頃に運動皮質が活発のピークを迎え、その状態が翌日未明まで続いている"とされていました。裏付けがありそうなものですが、研究などの記載はありません。
とりあえず、一般的に言われいるのは、人間の体温と生産性は相関しているということ。そして、このピークは夕方の4時頃とされています。なぜ現在の生活スタイルが良くないのかというのもこれが理由の一つ。頭や体の働きが悪い午前中にかなりの時間仕事や勉強をやり、やっと最高潮を迎えたと思ったら、定時になってしまうという効率が悪いことをやっています。
(関連:
早寝早起きが健康に良いに科学的根拠なし むしろデメリットだらけ)
●朝型生活に関する迷信をまず撲滅すべき
で、最後の「(6)真のソーシャルネットワークを作ることができる」は、またなんかめちゃくちゃなもの。"イベントといえば朝よりも夜に開催されるし、人がリラックスして集まるのも夜"なので、"イベントで積極的に活動できる夜型の方が有利"とされていました。
全体としてはひどい記事ですね。朝型人間と夜型人間どっちが良いとかじゃないですし、なろうと思ったってなれるわけではないでしょう。なので、提案するとすれば、それぞれのスタイルに最適な働き方をするべきといったものだと思われます。
なお、他の睡眠関連の投稿でやっているように、夜型人間はそもそも早く起きるのが健康に害悪なため、両者同じスタイルで働かせるといった場合は、夜型人間に合わせる方が理にかなっています。
ただ、途中でも書いたように、現在の働き方は朝型人間にとってすら健康に悪影響を及ぼすものなので、まずそこから変えていきいたいです。早寝早起きが良いとか、午前中に頭が働くとかいった迷信が、早くなくなってくれると良いですね。
【本文中でリンクした投稿】
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