書店・本屋さんに関する話をまとめ。<書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞ>、<本でも読んで勉強しろ!本屋さんの商才の無さが異常>、<本屋の店長よりネット書店の方がよっぽど努力して工夫している>などをまとめています。
2023/04/27追記:
●潰れないお店の謎 小さな本屋やお店でも成功例は結構ある 【NEW】
●遅い・安くないリアル書店で「本を買って」はそもそも無理
2013/11/23:
消える書店:ネットに負け相次ぎ閉店 地域中核店も(毎日新聞 2013年10月23日 17時13分(最終更新 10月23日 18時27分)【田畑知之】)という記事、大部分は普通の記事です。出版不況がいわれる中、書店の廃業・閉店の波が街の小規模書店だけでなく、地域の中核書店にも押し寄せているといった話でした。
神戸市の元町商店街にあった老舗、海文堂書店が閉店。55歳の店長55は「雑誌が売れなくなったことや全国チェーンの大型書店の影響もあるが、大きいのはネット書店の影響だ」としています。
また、「お客さんが待ってくれなくなった」ともいいます。書店が卸業者に注文しても、本が店に届くには1週間前後かかります。それに対し、独自の物流基地を整備したアマゾンや楽天は翌日配達も可能で、地域によっては当日に本が届きます。「『1週間もかかるのだったらいらんわ』となる。かなわない」(店長)とのこと。そりゃそうですね。
さらに、ネットオークションには、出版して日の浅い中古本が安く出回るということで、価格面で負けること。安くもないし、届くのが遅い…そんな本屋で買ってくれという方が、虫が良すぎる話です。
一方で、書店の本棚で思わぬ拾い物を見つけるという読書家の楽しみがある…といった主張もあるのですけど、ネット通販の「お薦め」機能が提供するようになってリアル本屋に対抗。購入履歴や同じ本を買った人たちの傾向を分析してるため、店長も「『お薦め』の精度が上がったせいで我々の優位性が脅かされた」と見ていました。
こうした中、大型書店も生き残りに必死。ジュンク堂書店は2009年、大日本印刷の子会社になっています。ここの岡充孝副社長は「ネットに対抗するには、専門書の豊富な在庫を持つという大型書店の特徴を強調するしかない」と話していたのですけど、これはどうなんでしょう? 専門書の在庫でもネット書店に負けそうなイメージですが、違うんですかね。
●書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞ
記事は以上のように普通だったのですけど、海文堂書店店長が店の前に集まった約300人を前にした最後のあいさつというのが、すごかったんです。「皆さん、本屋さんで本を買ってください。そうしないと町から本屋がなくなります」と強迫型だったのです。
これに対する
2ちゃんねらーの反応は「残念だけど仕方ないよね」というのもあるものの、全体に極めて冷たいものが多くなっていました。
アマゾンとコンビニで間に合ってます
自然淘汰だ
残念だが諦めろ
そりゃわざわざ書店まで行って
注文するハメになるならネットが便利だわな
つーか、なんで潰れそうな本屋を我々が応援しなくてはならないのか
競争ってものを全く理解してないのか
懇願されても困るわ
行きや帰りに立ち寄って新刊を買うのは別にいいけど、「1週間待ち」とか言われるとな
それは普通に「要らん」となるわ
仕方がない面が大きすぎる
星界の戦旗の新刊見つからなくて店員に聞いたら
星界のこと知らなくて政界ですかー?とかwww
しかもamazonで検索してコードとか調べてた・・・
なくなっても困らないんだよな
参考書とかの立ち読みで見比べできないのが痛いくらいだろ
肉屋や八百屋も同じ事を言ってたよ
本屋の人はスーパーで買い物しなかったのか?
CDが壊滅なのと同じ。次は本の番
アマゾンで買う→二日後には届く
人気漫画の新刊→コンビニに売ってます
だいたいの雑誌新刊→コンビニに売ってます
本屋で注文→二週間くらいかかります
どうしようもねえよw
●本でも読んで勉強しろ!本屋さんの商才の無さが異常
「皆さん、本屋さんで本を買ってください。そうしないと町から本屋がなくなります」というのは、よく考えると変な話なんですよね。町から本屋がなくなると困るでしょ?ってことを言いたいのだとは思います。しかし、今まで困る人がほとんどいなかったからこそ潰れるのです。
そりゃ街の書店の方が便利という機会もあるでしょうが、それが週1回なのか、年1回なのか、10年に1回なのかで全然違います。優位性を発揮する機会が少ないのであれば、やはり結局本屋には行きません。慈善事業じゃないんですから。
「皆さん、本屋さんで本を買ってください。そうしないと町から本屋がなくなります」発言には、何かそういう慈善行為を期待するような媚びや決定的な商売への向いてなさを感じるんですよね。
ここらへんの勘違いした感じは
クレジットカードなどの手数料はお店に重い負担 ポイント会社は悪徳企業?で出てきたお店の人のことを思い出しました。
さっきあった「競争ってものを全く理解してないのか 懇願されても困るわ」や他にあった「未だに店舗の本屋やってる奴の商才の無さは異常 本でも読んで勉強しろ 」なんかも言い方はきっついですけど、残念なことに正論でしょう。
●本屋の店長よりネット書店の方がよっぽど努力して工夫している
小売店って小売店自体が商品を作るわけじゃないので、付加価値をなかなか作れないんですよね。「書店の本棚で思わぬ拾い物を見つける」というのはその数少ない付加価値だったのかもしれませんが、それも結局大した魅力ではなかったのか、すぐにネットに追いつかれるようなものだったのか…。
と言うか、アマゾンのオススメ機能は、工夫して付加価値をつけたという結果ですからね。よっぽどアマゾンの方が頑張っています。品揃えや便利さだけじゃなくて、努力でも負けたらどうしようもありません。
残念なことですが、「本屋はいらん」という消極的な意志の元に、現在街の書店は次々と潰れていってるわけです。絶対的に不利な縮小産業なのですから、何かよほどのことをしない限り苦戦して当然。そのやらなければいけないことというのは、強迫まがいのことを言ったり情に訴えたりして消費者に懇願することでないでしょう。
●潰れないお店の謎 小さな本屋やお店でも成功例は結構ある
2023/04/27追記:その後「それでも、本屋は好きなんです。どうにかならないでしょうか?」といったコメントをいただいたので、本屋の成功事例など、前向きな話もかなり書いています。
書店倒産続く中、ベストセラーが売れない恵文社一乗寺店が好調な理由がそういった投稿のひとつです。
それこそ本屋さんはそういうビジネス書知らないの?と言いたくなりますが、ビジネスにおいては、同業ではなく異業種に学んだ方が良い場合も多いと言われます。
必要ないから潰れる…酒商山田に学ぶ酒屋が生き残る方法とは?なんかは考え方が参考になると思う投稿です。
また、手元のメモでは、
一日客3人の川崎の辻野帽子店が潰れない理由 超ニッチ・超高付加価値店のすごさという投稿も紹介する…と書いていました。タイトルの辻野帽子店以外にもいくつか、潰れそうで潰れないお店を紹介。これは今読み直すと本屋さん向きではない気もしますが、とりあえず、おもしろかった話です。
【本文中でリンクした投稿】
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書店倒産続く中、ベストセラーが売れない恵文社一乗寺店が好調な理由 ■
必要ないから潰れる…酒商山田に学ぶ酒屋が生き残る方法とは? ■
クレジットカードなどの手数料はお店に重い負担 ポイント会社は悪徳企業? ■
一日客3人の川崎の辻野帽子店が潰れない理由 超ニッチ・超高付加価値店のすごさ【関連投稿】
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本屋にとって立ち読みは邪魔者か?など 書店倒産ラッシュへの抵抗 ■
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