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日本のスティーブ・ジョブズはチームラボ猪子寿之か久夛良木健か?


 元ソニーの久夛良木健さんが「日本のスティーブ・ジョブズ」とかつて呼ばれていたという話を聞き検索したものの、過去に記事などで呼ばれていたという例を今回は発見できませんでした。一方、当初の目的ではなかったものの、チームラボの猪子寿之さんという方が、実際にそう言われているのを確認できましたので、セットで紹介します。(2018/01/05)

2018/01/05:
●日本のスティーブ・ジョブズはチームラボ猪子寿之氏か久夛良木健氏か?
●スティーブ・ジョブズ氏と久夛良木健氏の共通点
●久夛良木健氏とスティーブ・ジョブズ氏との共通点
●久夛良木氏の部下も「スティーブ・ジョブズに似ていた」と証言
●日本のスティーブ・ジョブズ、チームラボ猪子寿之氏とは?
2019/04/24:
●遅刻癖があり普通の会社には入れなかった猪子寿之氏
●常識を捨て自分が感じたことを全肯定することが大事


●日本のスティーブ・ジョブズはチームラボ猪子寿之氏か久夛良木健氏か?

2018/01/05:鈴木貴博・百年コンサルティング代表が、"ソニーには、この半導体の研究者出身で、かつて「日本のスティーブ・ジョブズ」とも呼ばれた男がいたことをご存じだろうか"として、"プレイステーションの生みの親と呼ばれた久夛良木健"さんの名前を挙げていました。
(ソニー復活で思い起こす、消えた「日本のスティーブ・ジョブズ」 | 今週もナナメに考えた 鈴木貴博 | ダイヤモンド・オンライン(2017.11.3)より)

 最近ダイヤモンド・オンラインはネトウヨみたいなひどい記事が多くて読んでいないのですが、鈴木さんの記事はネトウヨっぽくないはないものの、デタラメなのが多くてこれはこれで困ったもの。実はAIの発展で最初になくなる仕事は、能力がある上司の仕事?がそういう話でした。

 なので、怪しいと思って検索してみたところ、そういった例は見つからず。まあ、検索が甘いだけかもしれませんので、今回の場合嘘とは全然断定できないのですが、心配になりますね。

 なお、チームラボの猪子寿之さんという方については、証拠を発見できたので後述します。この人はテレビでもそう言われていたみたいですね。


●久夛良木健氏とスティーブ・ジョブズ氏との共通点

 前述の通り、信頼できない鈴木さんの記事ですが、一応彼の主張も紹介しておきます。「久夛良木氏は色々な面でスティーブ・ジョブズによく似ている」として、以下のようなことを書いていました。

(1)人間的な魅力、中でも技術に立脚した未来ビジョンの魅力が大きい。
(2)スティーブ・ジョブズは近しい人たちから「あんな嫌なやつはいない」と言われていた。性格はエキセントリックで、社内に敵が多く、嫌われる人にはとことん嫌われていた。
(3)ジョブズ同様に、久夛良木氏も技術者出身の経営者。大学の卒論の研究テーマは画像処理で、ソニーでは情報処理研究所の研究員として頭角を現す。
(4)プレステで成功した久夛良木氏は、ソニー全体の経営を任されるポジションにまで上ったものの、その経営手腕は社内からは疑問視され、最終的に取締役会によって会社を追われた。スティーブ・ジョブズも一度会社を追われている。

 (3)の技術者的なところですが、むしろスティーブ・ジョブズさんは技術者としては異質なところが強調されることが多いです。スティーブ・ジョブズを例にしたイノベーションの生み出し方などで書いているように、ジョブズさんは欧文の文字を美しく書く技術(カリグラフィー)を学ぶなど、一見コンピュータと関係なさそうなことに夢中になっていました。

 そもそも大学は中退しているのですが、大学時代のジョブズさんはユダヤ・キリスト教・イスラム教・アニミズム・太陽神・思想・坐禅・食事・ヒッピー文化に心酔していたこと。興味のない必修科目を履修することを嫌がり、哲学やカリグラフィー(西洋書道)など、興味のあるクラスだけを聴講していたと言われています。
(スティーブ・ジョブズ - Wikipediaより)

 細かく見るともっとおかしなところがあるかもしれませんが、以上のように(3)に関してはスティーブ・ジョブズさんと久夛良木健さんは、だいぶタイプが違うように見えます。


●久夛良木氏の部下も「スティーブ・ジョブズに似ていた」と証言

 "かつて「日本のスティーブ・ジョブズ」とも呼ばれた"証拠にはなりませんが、2016年のインタビューで、元ソニー・コンピュータエンタテインメント アメリカ(SCEA、現SIEA)のCEOであるジャック・トレットンさんが、上司だった久夛良木さんについて、スティーブ・ジョブズに似ていたと話していたという記事を見つけました。こちらも紹介しておきます。

 直接的に関係する部分としては、"久夛良木氏が「企業のビジョンとは正反対のビジョンを持っていた」として、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏に似ていたと話した"というところ。他に以下のようなことを言っていました。

「企業における礼儀作法といったものを全て窓から投げ捨てることができるという意味で他にはいないような人物でした」
「(ソニーグループ全体のCEOになっていたら)組織を大改革していたことでしょうね。しかし残念ながら彼のようなパーソナリティは通常、ソニーのような日本の大企業を経営する立場につけるタイプではありません」
(ソニーの元重役、PlayStationの生みの親・久夛良木健氏は「日本のスティーブ・ジョブス」 2016年9月30日より)

 あと、久夛良木さんは過去にうちでもやっていますので、そちらもリンクしておきます。スマートフォンの時代は終わる 久夛良木健元ソニー副社長という投稿でした。


●日本のスティーブ・ジョブズ、チームラボ猪子寿之氏とは?

 もう最後なのですけど、やっともう一人の「日本のスティーブ・ジョブズ」であるチームラボ猪子寿之(いのこ としゆき)さんの話を。猪子寿之さん-プロ論。-/リクナビNEXT[転職サイト](2014年6月18日)というインタビューであった記述。インタビュー内で言われているのではなく、人物紹介のところで出ていました。

 これによると、猪子さんは東京大学大学院在学中に、仲間5人とチームラボを創業。"東京スカイツリーの壁画など、テクノロジーとアートを融合した作品や、斬新なWebサイト制作で注目を集め、代表の猪子氏は「日本のスティーブ・ジョブズ」と言われるまでになった"としています。

 このページのメインであるインタビューは正直全然おもしろくないものの、「最大限の価値を出す」というこだわり部分は破天荒でした。猪子さんは、価値を出すとは、「お客さんが抱える本質的な問題を解決する」と理解。一方で、「価値を出す」以外のことは削り落としたって構わないとも理解しています。

 なので、「おなかが空いてどうしようもないときは、お客さんとの打ち合わせ中に突然お弁当を食べ始めたりすることもありますよ(笑)」とのこと。「だって腹が減った状態では、最大限の価値を出すことはできないでしょう? それは逆にお客さんに失礼だと思うんですよ」という説明でした。

 「いや、それは打ち合わせの前に腹を満たしておく方が効率的で失礼がないだろ?」と思うのですが、こういう逸話が大好きだって人も多いでしょう。全然方向性が違うのですが、一流営業マン甲州賢が天ぷらの衣を剥がして食べる理由に総ツッコミも思い出しました。


●遅刻癖があり普通の会社には入れなかった猪子寿之氏

2019/04/24:猪子寿之さんの話が少なかったので追記。新しい記事を探そうと思ったものの、個人的にはおもしろくないとして引用しなかったリクナビのインタビューの話を少し紹介しておくことに。

 インタビューでは、起業した理由はいくつかあるものの、一番大きいのは、自分の住んでいる社会が未来も豊かであってほしいと思ったから、としていました。チームラボの創業は2001年であり、当時の日本は豊かでした。ただ、このまま行くと衰退してしまう危機感があったとのこと。

 「じゃあ、日本が国際的競争力を身につけるためには、どうしたらいいか」と考えました。そして、たどり着いたこと会えが、テクノロジーと文化を育てることが必要なんじゃないかということ。この2つを日本の産業に高付加価値をつけることができると考えたそうです。チームラボというのが、この2つをまさに体現した会社なんでしょうね。

 ただ、「現実問題として、僕を入れてくれる会社もなかった」ともおっしゃっていました。昔から時間が守れなくて採用面接なんてとてもとても…という方なんだそうです。今でも苦手みたいで、この日のインタビューも30分押しでスタートしていたとのこと。遅刻ネタではないものの、そういえば、スティーブ・ジョブズさんも若い頃は嫌われて、社会に適合できなかったタイプです。


●常識を捨て自分が感じたことを全肯定することが大事

 あと、クリエイティビティを向上させる方法として、「常識を捨てる」ということを挙げていました。多くの人は常識におかされていまて、その常識が自由な発想を妨げてしまっているとのこと。

 その常識の代わりに肯定すべきことというのが、「自分が感じたこと」。感じたことは全面的に肯定する、それがクリエイティビティを育てるとしていました。少年ジャンプを愛読していても、趣味欄に趣味らしい趣味を書いてしまい、趣味の欄に「ジャンプ」とは書かない…好きなことすら、嘘をつくようになっているといった話です。

 これ自体はクリエイティビティうんぬんではなく、自己肯定感を育てるためとして必要だとは思います。この前テレビ番組で「結婚制度はいらない」って言ったら、むちゃくちゃ叩かれたともおっしゃっていましたが、こういう趣味じゃなきゃいけない、こういう考え方じゃないってのは、単なる差別と偏見だ…という話でもあります。

 ただ、常識を捨てて自分を全肯定…で寿命を縮めてしまったのではないか?というのが、スティーブ・ジョブズさんでもありますので注意。これは、スティーブ・ジョブズ、すい臓がん、スピリチュアル、マクロバイオティックで書いた話です。

 私は個人の好き嫌いの自由は認めるべきだと思いますし、常識を疑うことは大事だと思いますが、それと事実じゃないものを事実だと主張するのは全く別の話。常識を疑ったり、自分がこうだと思う考えを持ったりするのは良いのですけど、実際に実験して証明したり信頼できる研究結果などを集めて分析したりすることは、やはり大切なのです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■スマートフォンの時代は終わる 久夛良木健元ソニー副社長
  ■一流営業マン甲州賢が天ぷらの衣を剥がして食べる理由に総ツッコミ
  ■実はAIの発展で最初になくなる仕事は、能力がある上司の仕事?
  ■スティーブ・ジョブズを例にしたイノベーションの生み出し方
  ■スティーブ・ジョブズ、すい臓がん、スピリチュアル、マクロバイオティック

【関連投稿】
  ■スティーブ・ジョブズの名言から五つを選り抜き ~スタンフォード大のスピーチなど~
  ■スティーブ・ジョブズの性格1 社内編 ~偉大なる独裁者~
  ■スティーブ・ジョブズと「Stay foolish」とヒッピー文化
  ■スティーブ・ジョブズの名言、成功、優れた点
  ■スティーブ・ジョブズと日本と禅
  ■ネット・コンピュータ・ハイテクについての投稿まとめ

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