猪瀬直樹都知事の徳洲会からの現金受け取り問題で、一水会が突然出てきました。
この一水会は新右翼団体なのですけど、なかなか個性のある変わった団体で、マスコミで名前が出ることも多いです。
一水会(いっすいかい)とは、日本の右翼民族派団体。右翼民族派団体の中でも知名度は高く、新右翼の代表格と言われている。(中略)現在の活動会員数は全国で約100名と言われるが、36年間続いて発行されている「月刊レコンキスタ」は約3000部の読者を数え、しばしば一般マスメディアでも取り上げられている。またマスメディアからコメント、執筆の依頼も多く、多数の記事がある。「朝まで生テレビ」にパネラーとして出演することも多い。草創期のメンバーは、鈴木邦男、阿部勉、犬塚博英、四宮正貴ら。
Wikipedia 現在の代表は木村三浩さんで、猪瀬直樹さんの仲介を努めたのも彼です。
Wikipediaを読むと私の知らなかった話が多いですが、創設は1972年と結構前です。
1970年(昭和45年)11月25日陸上自衛隊東部方面総監部(市ヶ谷駐屯地)で楯の会会員5人が起した「楯の会事件」で、自衛隊員に蹶起を促し、痛烈に戦後日本を批判して自決した三島由紀夫・森田必勝両者の行動を"戦後体制打破"へ向けた果敢な行動と位置付け、「両烈士らの魂魄を継承する」為、1972年(昭和47年)5月30日「保守の拠点か、変革の原基か」という思想的提起を掲げ、創設された。
一水会がユニークなのは以下の3点です。
・左翼との議論も展開する。
・右派はほとんどが親米なのに、非親米路線をとる。
多くの右派民族派団体が反共の立場から「親米路線」を取っていたことに対し、戦後日本を米国の従属体制に成り下がってしまったと規定し、戦前からの思想指導者の影響を受け、日本の完全なる独立を勝ち取る、として「対米自立」「日米安保破棄」「戦後体制打破」を掲げている。
・レイシズムには批判的。
「日本人の品位を貶める」ものとしてレイシズムには批判的な立場をとり、排外主義・レイシズム反対集会に鈴木邦男、木村三浩が参加。2013年4月号のレコンキスタ内でも在特会等のヘイトスピーチを批判した。
よく親米ポチと言われますが、日本の保守系政党や団体は大抵かなりの親米です。ですから非親米はたいへん珍しく、保守だけど反米という人は事実上支持できる政党や読める新聞がない状態です。
また、これ以外の二つについては、自称右派の人からは左派並に嫌われそうな主張ですね。
Wikipediaを見ると、なぜか"一水会フォーラム講師とテーマ一覧"がズラーっと並んでいました。
そんなものいらんだろうという項目でそのうち消されてしまうかもしれませんが、講師の名前を眺めるとなかなかおもしろいです。
●第118回 これからの日本、これからの東京 〜エネルギーを考える〜 猪瀬直樹 東京都副知事 2011年8月17日
まずは、何と言っても猪瀬直樹さん。こういうところで繋がりができたのか、以前から仲良くしていて講演することなったのか?
私は猪瀬直樹さんの普段の主張をほとんど知らないので、思想的に合うかどうかはわかりません。この後挙げる方は呼ばれた理由がわかる場合が多いです。
●第122回 TPP亡国論 中野剛志 京大大学院准教授 2012年1月17日
TPPで話題になった中野剛志さん。反米志向に合いますね。バリバリ親米なのにTPP反対なわけないと思っていた自民党が案の定寝返ったんですけど、どう思っているんでしょうね?
●第124回 日本はアメリカから独立せよ! 〜憲法・沖縄・アメリカ文化〜 ビル・トッテン 株式会社アシスト代表取締役 2012年3月13日
アメリカ人だったのにアメリカ批判に全力で、日本国籍取得までしちゃったビル・トッテンさん。こちらも非常に合うタイプです。
●第113回 有事到来。米国は日本をどこまで守ってくれるのか? 孫崎享 元外務省国際情報局長・元駐イラン大使 2011年3月14日
孫崎享(まごさき うける)さんはちょっとびっくり。反米路線では合致しますが、この方は尖閣諸島・竹島に関して日本の主張に正当性がないと言っている方です。
この件は気になったので補足しますが、その前にもう一人。
●第101回 中村武彦とワールドメイト そして人生の本義 深見東州 ワールドメイトリーダー 2010年1月14日
ワールドメイトリーダーとしか書いていませんが、ワールドメイトとは神道系の宗教法人で、そこの代表の方。深見東州代表は政党に関わらず、広範に政治家と繋がりがあります。最近、話題になったのは小沢一郎さんへの接近ですが、ご存知の通り選挙では惨敗してしまいました。
●第99回 わが国体の本義 竹田恒泰 作家・慶応大学大学院講師 2009年10月13日
投稿直後に「入れておけば良かった」と追加。明治天皇の女系の玄孫で有名な方。右派であることは間違いのですが、私の印象は主に韓国や在日嫌いというところ。最近は在特会評価発言で物議を醸しており、一水会からはむしろ下品と言われそうなタイプです。
ただ、これは最近の話であり、「ブッシュ政権のイラク攻撃を止めさせる緊急アピール」の発起人に名を連ねたことがあるというのを見つけましたので、ここらへんは一水会向きだったのかもしれません。
さて、私が気になった尖閣諸島に関する話。木村三浩代表に少し尖閣諸島の話が出てきます。
1978年(昭和53年)、当時所属していた「日本青年社」の「尖閣列島領有決死隊」の一員として、尖閣諸島に上陸。灯台を建設する。以後、同島へは2回上陸し、領有権を主張する行動に務めた。
Wikipedia 古い話ですけど、その後も……という書き方ですから、この点では孫崎享さんと反目しそうです。
なお、「日本青年社」は以前
最福寺池口恵観法主 自民党・暴力団傘下右翼団体日本青年社との関係でちょっと書きました。自民党に近そうな団体です。
ああ、その後の話もありましたね。
2013年(平成25年)7月10日、鳩山由紀夫元首相の「尖閣不適切発言」に対し、直談判すべく鳩山事務所を訪れ、同氏と討論に及ぶ。その議論をレコンキスタ411号一面に掲載。
やはり尖閣諸島は領有権を主張ということで良さそうです。
ついでにWikipediaから木村三浩代表の主張がわかりそうなところを適当に抜粋します。(断りなく省略しています)
1972年(昭和47年)、群馬県前橋市で開催された日本教職員組合定期大会抗議活動に高校の先輩と共に参加。本格的に右翼活動に目覚める。
1981年(昭和56年)、「反米愛国・抗ソ救国・民族自決・反権力」を掲げた新右翼「統一戦線義勇軍」の結成に参画し、議長に。日本のアメリカからの独立を求める「ヤルタ・ポツダム体制打破」へ向けた活動を展開。とくに、右翼民族派では画期的な池子米軍住宅建設反対運動などの闘いを実践。
1992年(平成4年)、一水会書記長となる。
2000年(平成12年)2月、一水会代表に就任。
2003年(平成15年)3月、アメリカのイラク侵略攻撃に断固抗議。侵略直前、バグダードでの国際会議でアメリカの侵略戦争に抗議する。イラク攻撃の理由とされた「大量破壊兵器」保有疑惑については、一貫して「イラクは大量破壊兵器を保有していない」と攻撃前から主張。
2010年(平成22年)1月18日、フォーラム神保町と現代深層研究会主催の緊急シンポジウム「『新撰組』化する警察&検察&官僚がニッポンを滅ぼす!」に、青木理、魚住昭、大谷昭宏、岡田基志、郷原信郎、佐藤優、鈴木宗男、田原総一朗、平野貞夫、宮崎学らとともに参加した(引用者注:このフォーラムは"右翼・左翼の論客を交えて"と当時宣伝されていました)。フォーラムの中で木村は、ネット右翼について論評し、差別用語や蔑視する言葉、相手に対してえげつない言葉を使っているとして、「右翼の品格にあらず」と批判した。
2010年(平成22年)8月12、13日、東京にて「世界平和をもたらす愛国者の集い」を開き、国民戦線のジャン=マリー・ル・ペン党首ら欧州の愛国政党党員を招いた。翌日、彼らを率いて靖国神社を参拝する。
2011年(平成23年)3月、『朝日ジャーナル』の緊急増刊号が刊行され、日本再生のために「日本に存在する全ての米軍基地を撤去せよ」と対米従属からの脱却を訴える。
以上。やはり最初に書いた一水会の特徴(左翼との議論も展開する。右派はほとんどが親米なのに、非親米路線をとる。レイシズムには批判的)ほぼそのままといった印象です。
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