例の書道の不正について書かれた日展の記事をブックマークしていたものの、旬が過ぎた気がしたのでお蔵入りさせようかと考えていました。
過去のもの
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審査不正疑惑で日展、賞の選考中止 渦中の人古谷蒼韻顧問は辞任へ ■
日展(日本美術展覧会)の篆刻で不正審査、派閥で配分 お金の問題も多数 ところが、ここに来て、
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書道で不正の日展、洋画でも問題?審査員が会派に事前指導で謝礼 ■
日展審査不正、洋画でも現金の賄賂・事後の謝礼 問題ないと説明 といった新しいネタも出てきて続行という感じですので、読んでみることに。
日本最大の公募展「日展」で出来レース芸術がマルチ商法まがいの“派閥”の食い物に|ダイヤモンド・オンライン
2013年11月16日 降旗 学 [ノンフィクションライター]
http://diamond.jp/articles/-/44506 篆刻部門で有力八会派に割り振った日展顧問の古谷蒼韻さんについて、記事では以下のように書いていました。
彼は、日展顧問の他に、日本書芸院最高顧問、読売書法会最高顧問、京都書道作家協会の会長などを兼任されています。二〇〇六年には日本芸術院の会員となり、二〇一〇年には文化功労者に定められてもいます。偉い方なんですよ。習字がお上手なのだとか。
日本芸術院の会員は“終身”の非常勤国家公務員とみなされ、毎年二五〇万円の年金が国から支給されます。さらに、文化功労者に定められると、こちらは文部科学大臣が定めるもので、(中略)毎年三五〇万円の年金が支給されます。
しかし待てよ。
古谷さんが文化功労者に定められたのが二〇一〇年。
日展で入賞者の指示を出したのが二〇〇九年……。
ってことは、いんちきをした翌年に古谷蒼韻ってやつは文化功労者になってるってことじゃないか。で、以来、毎年のように文化功労者年金をもらっていたと。日本芸術院の年金もダブルでもらっていたのか、もしかして。
非常勤国家公務員か……。日展は一応今は国の機関ではないのですけど、日本芸術院はモロに国の機関であるようです。
日本芸術院(にほんげいじゅついん、旧字体:日本藝術院、英語: The Japan Art Academy)は、美術・文芸・音楽・演劇など芸術のさまざまな分野において優れた功績のある芸術家を優遇し顕彰するために置かれた
国の栄誉機関で、文化庁の特別の機関である。
Wikipedia しつこく書いているように、私はこういったものに国が関わることを良いことだと思いません。今回の問題の場合は直接因果関係があるわけじゃないですけどね。
この年金の話に続いて、この後もカネの問題です。お金の話ばかりになるのは嫌らしいのですが、実際その嫌らしいことをやっているのだから仕方ありません。篆刻にしても洋画にしても賄賂の話は頻繁に出てきています。
以前書いたかな?と思うところがあらかた飛ばしてしまいますが、以下は知らないなと思った話。
"朝日新聞がこの問題を報じたところ、書家や画家からの内部告発が相次いだ"そうです。
もっとも多かった内容が、日展で入選するには“お金がかかる”というものだったらしい。
「日展で入選するには、会派代表の作品を買うという暗黙の慣わしがあります。わたしも、書の屏風を一〇〇万円で買いました」
広島県の女性はこう言い、日展以外でも、別のコンクールに応募するときは会派代表に指導料として二万円、入選したら七万~一〇万円の謝礼、さらには審査員に五万円の謝礼を支払ったこともあるとのことだ。審査員にまでお礼しなきゃいけないんだね、書の世界ってのは。
結局、金まみれの体質に嫌気がさして、この女性は会派を辞めたそうだ。
会派を辞めたかどうか知りませんが、
日展審査不正、洋画でも現金の賄賂・事後の謝礼 問題ないと説明でも賄賂を送るように指示されて、日展への出典を取りやめた話が出てきました。
やはり書道も洋画も大差ない感じがしますね。
内部告発はもうひとつあります。
千葉県の男性は、書道界で出世の階段を上るには、蟻地獄のように金がかかると言っている。
「入選するために師匠にお金を払う、特選なら、入選時の一〇倍近い謝礼……、そして、自分が弟子を持てるようになったら、自分がかけた金を回収するため、弟子にも同じことをさせ、悪しき習慣が繰り返されることになる」
記事で「マルチ商法まがい」と書いていたのは、少しずつ上がっていくピラミッド型のシステムと上の「自分がかけた金を回収するため、弟子にも同じことをさせ、悪しき習慣が繰り返されることになる」についてです。
うーん、確かにマルチ商法に似ていると言って良さそうですね。
階級が上がるにつれお弟子さんたちも集まり、月謝等による収入も増えるらしい。その階級を上げるには受賞と審査員経験が必要なのだが、まか不思議なことに、審査員を選ぶのは顧問と理事。内閣大臣賞を選ぶのも顧問や理事。古谷蒼韻さんのようなお立場の方々です。
とどのつまり、日展では、有力会派に所属し、お偉いさんに気に入られなければ入選もステップアップもできないということだ。いつから、誰が、芸術をこんなマルチ商法まがいの組織構成にしたのか――?
作者は以下のように書いていましたけど、これはもう芸術ではないのかもしれません。
おそらくは、入選者の大半は、審査のからくりを知っていたはずだ。であれば、彼らは入選を金で買ったにも等しく、そんなものが真の芸術家であるわけがない。(中略)
日展の幹部は、芸術を、会派の面子と金にすり替えた。
彼らを芸術家と呼ぶことを、私たちはもうやめなければならない。彼らは、権威というものを失墜させた恥知らずなのである。
以下の発言のスタンスも告発というよりは、何が問題なの?といった調子です。
日展「入選1回100万円で特選1回1000万円」と書道関係者
ある書道関係者が声を潜めていう。
「我々にとっては、今回のニュースは“何を今さら”という話。この業界では当たり前のように“日展の入選を1回とるのに100万円かかり、さらに上の特選をとるには、1回1000万円、2回なら2000万~3000万円かかる”といわれているほどですからね。賞を取るには有力会派に所属するのが大前提だし、会派のお偉いさんや審査員に付け届け(引用者注:謝礼、金銭や物品を贈ること)をするのも当然のこと。もちろん書の実力は必要ですが、それ以外の要素も大きく左右するんです」
※週刊ポスト2013年11月29日号
http://www.news-postseven.com/archives/20131119_227403.html 本当芯まで腐っていますね。
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