2010/4/22:
●脳の萎縮は飲酒の有無に関係ない!お酒で老化は嘘だった?
●お酒で老化は嘘で逆に老化を防止?脳は萎縮せずむしろ活性化
●痴呆症防止の成分があり、実際に痴呆症の発生率が低下
●飽くまで「適量」ではあるが、脳への影響は良いとの研究が複数
2019/12/07:
●お酒が嫌いな人でも無理して飲むべき?実は研究には欠陥があった!
●脳の萎縮は飲酒の有無に関係ない!お酒で老化は嘘だった?
2010/4/22:前回の
お酒で老化って本当?病院長「アルコール常用者の脳に異変」は飲酒による老化促進について見ましたが、今日は全く反対のお酒で老化を防ぐという話です。逆の話があるって不思議ですね。
「酒 老化」で検索してみると、主に出てくるのは前回やった「老化を早める」という話。なので、そちらが主流の見方という可能性を感じるのですが、少数ながら「老化防止効果」についても語られているのです。
最も詳しかったのは、日本酒メーカーの菊正宗のページ
日本酒が老化・痴呆を防ぐ?!です。お酒のメーカーであり、中立性については大いに問題があるものの、どうやら内容は秋田大学名誉教授・滝澤行雄博士の
1日2合 日本酒いきいき健康法
からの抜粋のようでした。
お酒と老化で語られていた脳の萎縮に関して、ズバリ「脳の萎縮は飲酒の有無に関係ない」と否定しています。脳ドック受診者を対象にした千葉大学脳神経外科グループの調査によると、飲酒の有無に関係なく、年齢を重ねると脳の萎縮が進むとされていました。
また、カーレン博士等(1978)の報告によると、飲酒と脳萎縮の関係は、以下の通りだとのこと。
飲酒者群(609人)の脳萎縮は30% > 非飲酒者群(827人)は27%
大量飲酒する群(246人)の脳萎縮は36% > 非飲酒者群の27%(827人) > 軽度の飲酒者群(363人)の脳萎縮は24%
実を言うと、これはそれほど「脳の萎縮は飲酒の有無に関係ない」に有利に働いていません。前半の時点で飲酒している人の方が普通に脳が萎縮しています。ただ、大きな差ではなくて誤差範囲ってことみたいですね。また、後半は、軽度の飲酒者群がむしろ低いってことみたいですが、大量飲酒する群は普通に高くなっています。
●お酒で老化は嘘で逆に老化を防止?脳は萎縮せずむしろ活性化
また、もっと積極的に適度な飲酒なら良い効果があるという有利なデータも紹介されています。これらがお酒で老化を防止系の主張だと言えるでしょう。
<適量の飲酒は高齢者の学習機能や推理力を向上させる>
米国インディアナ大学のクリスチャン博士等(1997)の報告によると、研究は40~50歳の健康な双生児男性4000人を対象に、一日1~2杯の飲酒を続けた人とそれ以下の飲酒者に分け、20年後60~70歳に達した時に比較。その結果、一日1~2杯の飲酒者は学習機能と推理力が勝った上、脳機能がわずかに上回った。(注:具体的な数値は不明)
<酒によって脳機能の活性化する>
宝酒造生活文化研究所と脳機能研究所の共同研究によると、調査は20~30代の酒好きな男女22人を対象に日本酒などを、20分毎に純アルコール換算で10ml(日本酒なら67mlに相当)ずつ5回飲んで、その間の脳波の変化を測定、大脳皮質にある神経細胞の機能の活性度を検討。その結果、全体の70%の人に脳の活性化が見られ、脳が最も活性化する「適量」は日本酒で200~300ml(約2合)。ストレスが緩和されリラックスできるのは、「適量」より少な目で日本酒では170~200ml。
●痴呆症防止の成分があり、実際に痴呆症の発生率が低下
「お酒はいいぞ」って主張はもう少しありました。アルツハイマー病を含めた各種の痴呆症の発生率が低下した、痴呆症防止の成分が含まれているといった主張です。
<飲酒によってアルツハイマー病の発症を40%低める>
オランダのエラスムス大学のリアテネンベルグ博士等(2002)によると、55歳以上の約8千人を対象に6年間にわたって追跡調査し、アルツハイマー病に限ってみると、中等量の飲酒者は非飲酒者よりも発症のリスクが40%も低く、アルツハイマー病を含めた各種の痴呆症の発生率が、適量飲酒によって最大70%まで低下していたことがわかった。
<日本酒に痴呆症防止の成分が含まれている>
ある酒造メーカーの研究所が、日本酒の中から三種類のペプチド(蛋白質の酵素)を発見。マウスを使った実験(学習テスト)で、そのペプチドを与えたマウスの方が、与えないマウスよりも電気ショックによる罠を避ける行動が長く保たれるという結果が出たため、学習や記憶に有効と分かる。
また京都大学の吉川正明教授等は、コメアルブミン(米に由来する蛋白質)から派生するオリゴペプチドを使った動物実験で、ラットの健忘症改善と血圧降下作用を確認。
その他日本酒と酒粕に含まれるフェルラ酸が、ヒフの老化を防ぐ作用のあることが分かっている。
●飽くまで「適量」ではあるが、脳への影響は良いとの研究が複数
…ということで飲みすぎはダメなようですが、適量であれば脳への影響は良いとの研究が複数あります。研究には具体的な数値の出てこないものもありますが、調査人数も充分多いので、数字の出ているものについては意外にも信頼できそうな印象を受けました。
その他、
酒-Wikipediaには、ワインなどに含まれるポリフェノールに、動脈硬化や脳梗塞を防ぐ抗酸化作用、ホルモン促進作用などがあり、特にウィスキーは樽ポリフェノールという従来のポリフェノールの約7倍の抗酸化力を持ち、細胞内ソルビトールの蓄積を抑制するため糖尿病なども抑制する効果を持つことが書かれています。また、ウィスキーにはメラニンの生成を抑制するチロシナーゼが含まれているため、美白効果をもたらす可能性も期待されているそうです。
昨日までの話と全く正反対になってしまいましたが、飽くまで「適量」であるならなのでしょう。お酒好きの方の「適量」はついつい多くなってしまいがちと思います。上記の研究では、具体的な飲酒量が出てくるものもありますので、参考になさって下さい。
●お酒が嫌いな人でも無理して飲むべき?実は研究には欠陥があった!
2019/12/07:以上のような話を紹介していたのですけど、これらの研究をほとんどまとめて否定しそうな研究が出てきました。そもそも統計に問題があるのではないか?という指摘です。
どこの投稿で紹介したか忘れたのでうろ覚えになっちゃうんですけど、その研究では「お酒を飲まない人」というカテゴリには、すでにお酒の飲みすぎなどによってお酒を飲めなくなった人など、不健康な人が含まれているのでは?と指摘されていました。
要するに、不健康な人が混じったグループと健康な人を比較しているんですね。これでは比較として不適切です。そして、こうなると、実際にはお酒でマイナスの影響が出ているのにも関わらず、お酒を一切飲まない人より、少し飲む人の方がよく見えてしまう…ということが起こり得るのです。
で、そこらへんを考慮して同じ条件で比べた場合、結局、お酒を一切飲まない人の方が普通に健康だという結果に。つまり、たとえ適量の飲酒であっても、お酒を少しでも飲んでしまった時点でマイナスの影響があるということです。これはかなり説得力ある研究でした。
ただ、飲みすぎでなければ、そこまで大きな影響ではないために、リスクを理解しながら少なく飲んで楽しむという生き方はあって良いと思います。飲みすぎな人は控え気味にする…くらいで個人の自由で良いんじゃないかと。また、体に良いわけではないので、好きじゃない人の場合は無理して飲む必要もなさげ。安心して飲まないことを続けてください。
【本文中でリンクした投稿】
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