本屋さんは経営がかなりたいへんで、もともと難しいお店のようです。アルバイトが暴言を吐いていたのですけど、そもそもなぜ店員の質が低いか?と言うと、経営が苦しいためでしょう。また、アルバイトなのにも関わらず、やらされている仕事がそれだけたいへんだというのもありそうです。
昔ならこれでも良かったものの、今はAmazonのようなライバルがいます。しかも、ネット書店の方がずっと普通の書店より努力していて、サービスは以前より向上。書店が次々と倒産するのは当然のように思えます。(2013/12/7)
2018/02/23追記:書店の数、20年で4割減 書店ゼロの市町村、既に420も
●書店の倒産は必然か?店員「この本どこ?と聞くな。Amazonで買え」
2013/12/7:テーマ的には
書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞといっしょにやれれば一番良かったのですが、後から出てきたものなので仕方ありません。
なお、発言した方はたぶんツイッターのアカウントごと削除しちゃったんじゃないかと。今はアクセスできません。前述の通り元のURLは消えており、捏造の可能性も捨て切れませんが、それ以前にもたくさん暴言を吐いていたアカウントなので、たぶんマジなんじゃないかと…。
【悲報】 本屋の店員ブチ切れ 「この本どこ?とか聞く客。ほしい本くらいてめえで探せや」 | ログ速
1 : スリーパーホールド(岡山県)[] 投稿日:2013/11/27(水) 12:09:21.26 ID:eexDaVDp0 BE:3139009294-PLT(12030) ポイント特典 [1/1回(PC)]
書店員に「この本どこ?」って聞くとその書店員はやっていた仕事を保留しその対応におわれます。
そうなると他の書店員の仕事が増え店全体の作業効率が落ちます。なので書店員に「この本どこ?」
という質問はしないでください。つかすんな。ほしい本くらいてめえで探せや。ないならAmazonで買え。
http://www.logsoku.com/r/news/1385521761/
何か本当、この前の
書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞと似た流れで、「はい、わかりました。アマゾンで買いますね」という話です。書店が倒産するのも無理からぬことでしょう。
●質の高い店員を揃えられない書店に問題がある
ただ、前回の件は書店店長、今回の方は学生なのでアルバイトの店員のようですので、発言者の責任度合いは異なります。
ディズニーの怖い話 過剰要求でバイト使い捨てのブラック企業?の話では、作者が「アルバイトに対して過度にハイレベルな要求を課すのは酷ではないか?社員とは違うのだから」といったことを書いていて、そういう考え方もあるのかとちょっと思いました。
ではこの場合、上記のような暴言が許されるか?となると、やはり難しいでしょう。また、いろいろ考えてみてはっきり言えるなと思ったのは、アルバイトを雇うことを決めた書店の責任も免れないということです。
仮に今回のケースもアルバイトに課すには高すぎる要求であったとしても、その代償を顧客に押し付けることはできないでしょう。通常の製品での欠陥やサービスでの不備があって、「アルバイトだから仕方ないよね。何も言わずに許してね」というわけには行きません。
かわいそうだなと思わなくもないですが、やはり書店にはこのようなアルバイトを雇った責任があります。品質の高い正社員を雇えなかったというのは、書店側の問題なのです。基本的に書店というのは、商売が成り立ちづらいお店なのかもしれません。
●「この本どこ?」に対応できる余裕がない本屋
書店が基本的に難しいと感じたのは、以下のような記述があったことです。
レジに店員が2人いてだいたい一人で5人さばいています。
そこに「この本どこ?」というお客様がくると一人レジからいなくなり、残った店員が10人近くをさばくことになります。
そうなると残った店員も大変で、レジ待ちしてるお客様も待ち時間が増えます。
もちろん、それもこちらの仕事です。しかし、あなただけがお客様なわけではありません。
とくにレジにいる店員に「この本どこ?」と聞くとレジにいる店員が一人減り、
残った店員とレジ待ちしてるお客様にも迷惑がかかります。
もちろん本を探さない本屋があっても良いです。それは本屋の自由です。ただ、それを明記するなどして周知せずに、聞かれて不愉快な態度を見せたり、今回みたいにネットで悪口を書いたりすれば、本屋にとって悪い結果にしかなりません。
もちろん本を探さないことを周知したとしても、そういう本屋が支持されるか?となるとまた別問題ですけどね。
●ネット書店の方がずっと普通の書店より努力している
競争のない時代なら今回の人みたいないい加減なバイト程度でも良かったんでしょう。ただ、今はこの人が言っているようにアマゾンのようなライバルがいますからね。
そのライバルの出現でたぶんそもそも人件費がかけられないのでバイトで済ましているというのもあると思われますが、最初に書いたようにアルバイトに高度なサービスを求めるのは酷です。もしレベルの高いサービスを目指すのであれば、アルバイトでなくきちんとした人を雇った方がいいでしょう。しかし、そうなると人件費がかさみますので今度は無理になります。
しかも、アマゾンなどの新たなライバルたちはさらに増えていっています。楽天ブックスなど送料無料くらいなら珍しくもありません。さらに、彼らは着実にサービスも向上させていっています。悪いんですけど、多くの書店がそれ以上の努力をしているようには見えません。
悪循環に陥っているというか、もう既にいわゆる「詰み」の状態になっているところが多いのかも…。これからもどんどん書店は潰れていきそうです。
●書店の数、20年で4割減 書店ゼロの市町村、既に420も
2018/02/23追記:この投稿で、「本屋が生き残るにはどうすべきか?」というリクエストのようなものをもらいました。で、
本屋における立ち読みは邪魔者か?など 書店倒産ラッシュへの抵抗といったものを投稿しました。ただ、上記の通り、かなり苦しい状況ですので、良いアイデアが浮かびませんでした。
これがずっと心残りだったのですけど、やっとヒントになる良さそうな話があったので、
書店倒産続く中、ベストセラーが売れない恵文社一乗寺店が好調な理由というものなど、いくつか書店復活策に関する話も書いています。
恵文社一乗寺店の投稿には、最近さらにヒントとなりそうな事例を追記しました。そのとき使ったNHKの記事では、成功事例の他に書店閉店の多さがわかる話がありましたので、それについてはこちらで追記。
民間の調査会社アルメディアによると、全国の書店の数は、去年5月の時点で、1万2000店余り。2万店以上があった2000年に比べ、9000店余り、割合にして43%も減っていたといいます。また、出版取り次ぎ大手のトーハンの調べによると、2017年7月の時点で全国のすべての自治体のうち2割にあたる420の自治体には書店が1店もないとのこと。ガンガン減っているようです。
(あの老舗書店も閉店 本屋さんどうしたら残せる? 2月19日 17時25分 NHKより)
https://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2018_0219.html
このNHKの記事では、前述の通り、成功事例も紹介していたのですけど、なぜか「街に出て、本を買おう」という情緒的な終わらせ方。そうじゃなくて、本屋さんで買う理由がないからみんな買わないのです。変わるべきなのは、お客ではなく本屋。衰退産業や凋落企業の話ではこういう結論が多いのですけど、お客のせいにしちゃいけませんよ。もっと現実を見ましょう。
【本文中でリンクした投稿】
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書店店長「本を買って。町の本屋がなくなります」→どうぞどうぞ ■
本屋における立ち読みは邪魔者か?など 書店倒産ラッシュへの抵抗 ■
書店倒産続く中、ベストセラーが売れない恵文社一乗寺店が好調な理由【関連投稿】
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ディズニーの怖い話 過剰要求でバイト使い捨てのブラック企業? ■
本屋でトイレに行きたくなる現象 インク説などWikipediaが詳しすぎ ■
本来の役割を忘れた図書館は泥棒と同じ 電子書籍の敵は図書館だ ■
アマゾンの電子書籍、小説・漫画のセルフ出版(KDP)のインパクト ■
商品・サービス・技術についての投稿まとめ
Appendix
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