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ディオバン論文でデータ不一致の千葉大、「不正なし」と謎の見解


 論文が間違っていて状況が極めて怪しい、なおかつ対応が不誠実だった…というのですから報いを受けて当然なのですが、ノバルティス社のディオバンの売上が下がっているようです。
高血圧薬ディオバン売り上げ15%減 データ不正が影響 - ニュース - アピタル(医療・健康)
2013年11月20日

 製薬大手ノバルティスの高血圧治療薬ディオバンの売上高が大幅減になっていることが、調査会社IMSジャパンのまとめでわかった。7~9月の国内売上高が前年同期比で15・7%減。(中略)

 IMSによると、7~9月のディオバンの売上高(薬価ベース)は220億円で、医療用医薬品の中で7位。昨年1年間の売上高は1083億円で2位を占め、ノバルティスの看板商品だった。他社の高血圧治療薬には、7~9月に前年同期比14・1%増になった薬もあった。
http://apital.asahi.com/article/news/2013112000008.html

 ただ、まだ"医療用医薬品の中で7位"。昨年は2位とありましたが、1位だった時期もある売れっ子医薬品ですので、まだまだよく売れていると言っていいです。

 ああ、でも、同じARB内での順位は既に変わっているみたいですね。
ARBディオバンの13年7~9月売上 前年同期比15.7%減 IMSジャパンまとめ | ミクスOnline
公開日時 2013/11/20 03:51

ARB関係の売上を見てみると、売上トップからブロプレス(全製品では第2位)、オルメテック(同第4位)、ディオバン(同第7位)の順となった。ブロプレスは売上266億8100万円で前年同期比7.3%減だった。IMSによると、ブロプレスとCa拮抗薬アムロジピン(一般名)との配合剤ユニシアが17.4%増だったことに加え、ブロプレス後継品のアジルバが「大きく売り上げを伸ばした」という。これらからブロプレス単剤の減収は配合剤や後継品への切り替えが主な要因と類推される。

オルメテックは売上234億5200万円で14.1%増だった。オルメテックの第2四半期(4~6月)の伸び率は2.2%増であり、第3四半期に大きく売り上げを伸ばしている。一方、ディオバンは第2四半期が5.0%減で、第3四半期に2ケタ減収となった。ディオバンとアムロジピンとの配合剤であるエックスフォージは第3四半期に12.9%増ではあったものの、前述のユニシアより伸び率は若干低く、ディオバン単剤の減収の大きさが見て取れる。
https://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/45177/Default.aspx

 ただ、売上減ではなく、きちんとした処罰もくだされる方が今後の再発防止のためには良いです。

 また、ディオバンにどういう問題があったかという部分も明らかにすることは、再発防止のためにも必要だと思います。

 ところが、国は今後どうするかという点だけ問題にして、ディオバンの方は何かこのままうやむやにしてしまおうという感じがあるんですよね。

 以下のような記事もありました。
「真相究明なくして、再発防止なし」、ディオバン問題|医療維新 - m3.comの医療コラム
「現場からの医療改革推進協議会」で論文ねつ造がテーマに
2013年11月13日 池田宏之(m3.com編集部)

「現場からの医療改革推進協議会」の第8回シンポジウムが11月9、10日に開催され、降圧剤「ディオバン」の論文問題を始めとする論文不正や対策が、テーマの一つとして取り上げられた。厚生労働省の検討委員会の取りまとめでは、真相を明らかにできないまま、再発防止策等が提言されていたが、演者からは「真相を究明しないと再発防止はできない」との指摘が出た。
http://www.m3.com/open/iryoIshin/article/184983/

 
 あと、最初にちょっと書いたノバルティス社の不誠実さに関する記事も追加。
神戸新聞NEXT|医療ニュース|降圧剤「ディオバン」問題 使用中止の動き広がる 2013/11/13 15:05

 ノ社は「社としては把握していなかった」「元社員がデータ操作に関与した証拠はない」とし、当初は元社員への大学側の事情聴取にも応じなかった。

 これに対し、ベリタス病院(川西市)の片岡伸一副院長は「現場の混乱や患者の不利益に対し、誠意ある態度を示しているとは言い難い」と指摘。患者に説明の上、月平均約3千錠を使っていたディオバンを原則、別の降圧剤に切り替えた。

 東神戸病院(神戸市東灘区)も患者に別の降圧剤を勧め、ノ社の営業活動を禁じた。遠山治彦副院長は「反省が見られない。抗議の意思表示」と話す。(中略)

 ただ、いずれの医療機関も「ディオバンの降圧剤としての有効性、安全性に問題はない」とし、神戸大の平田健一教授(循環器内科学)も「決して悪い薬ではない。既に飲んでいて血圧が安定しているなら、不安がらず続けて大丈夫。自己判断でやめないように」と呼び掛ける。
http://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201311/0006493695.shtml

 以下は、初めて読んだ意見です。
 神戸出身の上(かみ)昌広・東京大医科学研究所特任教授(医療ガバナンス論)は「製薬会社は国の薬価統制で値下げ競争ができない。そのため、顧客である医師への営業合戦に走る。奨学寄付金は接待費になっている」と説明。「医師との不適切な関係を是正するには、製薬会社が価格で公正に競争できるよう統制を緩和し、国は上限だけを規定する制度に変える必要がある」と訴える。

 競争をやめさせようとすると、いろいろと弊害が出るものですね。


 で、ここでやっと表題の件。予想できていたことですが、千葉大学でもやはりデータがおかしかったようです。

 ただ、タイトルを見てわかるように、千葉大は「不正なし」としているとのこと。
降圧剤臨床疑惑:千葉大調査「不正なし」…中間報告
毎日新聞 2013年12月12日 07時00分(最終更新 12月12日 07時00分)

 降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験疑惑で、千葉大の調査委員会が同大チームによる臨床試験について、「故意のデータ操作はなかった」とする中間報告をまとめたことが、大学関係者への取材で分かった。17日に公表する。(中略)

 関係者によると、第三者機関の照合は続いているため、中間報告は大学の調査を基にする。それによると、データの不一致が複数あったが、大学幹部は取材に「故意のデータ操作ではなかったと考えている」と説明した。

 試験には、製薬会社ノバルティスファーマの社員(退職)が関わっていた。ノ社の調査では、社員は研究体制などで助言したが、千葉大の研究者との人間関係に亀裂が生じ、試験自体にはほとんど関与しなかったとされ、試験用のデータベースにアクセスした証拠も見つからなかった。【田中裕之】
http://mainichi.jp/select/news/m20131212k0000m040100000c.html

 「故意のデータ操作があった」と結論付けるのは難しいと以前から書いてきましたけど、「故意のデータ操作ではなかった」と言うことも同様に難しいはずです。

 何でこんな根拠の無いことを……と思って読んでいたら、千葉大は元社員の関与が極めて薄く、不正を行うとすれば千葉大側の研究者の可能性が高いということのようです。こりゃあ、千葉大の主張を額面通り受け取るわけにはいきませんね。


 他のところの記事も見てみます。
【千葉大「データ操作」】誰が何の目的で? 臨床研究、揺らぐ信頼性 - MSN産経ニュース 2013.12.10 16:00

販売元のノバルティスファーマの元社員と研究員が蜜月の関係だった京都府立医大など他の大学と異なり、千葉大は元社員の関与が薄かったとされる“異質”なケース。データ操作は千葉大の関係者が行ったとみられるが、その目的や経緯には不明な点が多い。(中略)

 千葉大のケースでは、ノ社の元社員と大学側の一部研究員との間に亀裂が生じたため、元社員は研究にほとんど関与せず、千葉大も「(元社員に)データを触らせていない」としている。こうした説明が事実であれば、データ操作は千葉大の関係者が行った可能性が出てくる。

 だが、千葉大の一部の関係者は産経新聞の取材に対し、論文が研究の主目的だった「他の降圧剤に比べ脳卒中などを予防する効果が高い」とする仮説を証明できていないことから、「研究目的にかなうために意図的にデータを操作したとは考えられない」と説明。月内にも公表予定の調査結果で、多数のデータの相違を「ミス」と結論づける可能性もある。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131210/crm13121016000006-n1.htm

 論文の主目的が証明できなかったので意図した不正があるわけがない…という論理のようですね。

 しかし、主目的が達成できていなくても、ノバルティス社にとっては有利な内容であり、実際に宣伝に利用されていました。

 同じ産経新聞でこの記事の少し前に書かれた記事にはこうあります。
千葉大でもデータ操作か 大学側、関与の可能性 2013.12.10 07:05 (1/2ページ)

 ノ社は千葉大の論文を自社の資料や広告に100回以上使用していた。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131210/crm13121007060001-n1.htm

 こちらを見ると論文は、最初の目的の脳卒中はダメだったものの、他にこんな良いところがあるとしていたようです。
 臨床研究は、ディオバンに脳卒中予防など降圧作用以外の効果もあるかを確かめるため、当時、千葉大にいた小室一成東大大学院教授を責任者として、平成14~21年に実施された。研究チームは、当初の目的だった脳卒中や心筋梗塞などの予防効果については他の降圧剤に比べディオバンの有意性はないとする一方、「心臓や腎臓などを保護する効果が高い」とする結果が論文にまとめられた。

 脳卒中はダメだったけど、他で何か研究費をくれている企業("千葉大は研究が行われた期間に、ノ社から約2億4600万円の寄付金を受けた")に恩返ししよう…という思いが働くストーリーは、不自然なものではありません。

 結果に脳卒中での優位性を入れていないから不正していないなどという言い訳は、到底成り立ちません。


 なお、毎日新聞で書いていた第三者機関の方は、産経新聞を読むと千葉大とは温度差がありそうです。
 複数の関係者によると、解析調査は7月から、大学の依頼を受けた公益財団法人「先端医療振興財団臨床研究情報センター」(神戸市)で行われた。研究対象となった高血圧患者のカルテに記載されたデータと、実際の論文に使われたデータを照合。その結果、多数のデータに食い違いがあった。人為的な操作が行われた可能性があるという。

 本当、製薬会社も大学などの研究者も国もどこを切っても腐っている…という印象を改めて受ける一連の報道でした。


 追加
  ■ディオバンでノバルティスを刑事告発へ 名大はデータ操作なしの中間報告

 関連
  ■滋賀医大でもディオバン(バルサルタン)のデータ操作・不正の指摘
  ■ディオバンで柏木厚典「結論に誤りなし」、ノバルティス刑事告発など
  ■ノバルティス、元社員のディオバンデータ不正報道を批判していた
  ■その他の社会・時事問題について書いた記事

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