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本場のカフェーは男性が店員 日本は女性の接待サービスで人気に


 カフェの話をまとめ。<女性の接待が普通の日本は変?本場のカフェーは男性が店員だった>、<カフェーは女給の接待が売りになってバーやクラブのように>、<本場パリの典型的なカフェは日本のカフェとはどう違うのか?>などをまとめています。

冒頭に追記
2022/09/20追記:
●世界最古のカフェはフランスではなくイタリア?1720年創業で現存


●世界最古のカフェはフランスではなくイタリア?1720年創業で現存

2022/09/20追記:この投稿では日本最古のカフェの話をしていましたが、今回は海外の話を。イタリア・ヴェネツィアのサン・マルコ広場にあるカッフェ・フローリアン (Caffè Florian) は、世界最古のカフェだと言われます。ただ、ウィキペディアは慎重で、「ヴェネツィアに現存する最も古いカフェ」という書き方です。

 また、ウィキペディアでは「カフェ・ラッテの発祥店として有名」と書かれているものの、こちらもまた[要出典]となっており慎重。とりあえず、1720年12月29日サン・マルコ広場南側の新行政館の回廊に創業し、現在も同じ場所で営業しているため、めちゃくちゃ古いカフェなことは確かなようです。

 ただし、当初の名前は今の名前「カッフェ・フローリアン」と違っていて、アッラ・ヴェネツィア・トリオンファンテ (Alla Venezia Trionfante) だったようです。現在では創業者であるフロリアーノ・フランチェスコーニ (Floriano Fracesconi) の名をとって、フローリアンと呼ばれると説明されています。

 最初の店名「Alla Venezia Trionfante」(アッラ・ヴェネツィア・トリオンファンテ)は、「勝利(成功)したベネチアへ」といった感じですかね。「Trionfante」は、勝利を収めた、成功した、凱旋したといった意味で使われるようです。そして、「Alla」は英語で言う「in the , at the, to the」だと言われています。

 今の名前の元になった「フロリアーノ」の方はかわいい名前だと思ったのですが、検索してみるとイタリアの男性名だとの説明。一方で「花」などの意味があると説明するサイトもありましたので、かわいい名前というイメージはあながち間違いでもない模様。また、女性名で使われる、「成功する」という意味もあるという説明も見かけました。

 検索してみると、「フロリアーノ」は名字でも使われています。名字「フランチェスコーニ」も、イタリアの男性名「フランチェスコ」を思わせるもの。こちらは確かキリスト教の聖人由来だと思って検索してみるとそうだったのですが、本来は「フランスの」という意味だったそうです。これは知りませんでした。

<ほとんどのフランチェスコは聖人である(引用者注:キリスト教の聖人である)アッシジのフランチェスコの名前に因む。元々の意味は「フランスの」あるいは「フランク人の」。フランチェスコの父親はフランスとの商取引を主とする商人でフランス贔屓だったため、本来ジョヴァンニという名前だった息子が「フランス人」という変わった名で呼ばれるようになったとされる。
 イタリアでは人気のある名前で、2004年の新生児に付けた名前で一番多い。
 アッシジの聖フランチェスコへの崇敬とともに、フランチェスコから派生した男性名がヨーロッパ各地に広がっており、フランシスコ(スペイン語、ポルトガル語)、フランソワ(フランス語)、フランシス(英語)、フランツ(ドイツ語)などがある>
(フランチェスコ - Wikipediaより)

 店名の方は「フローリアン」と語尾変化しているのですが、こちらは車の名前でも使われています。これを説明する大車林によると、車の場合、安全の神、聖フローリアンに由来し、またオーストリア皇帝の愛馬として名高い純白の名馬の名前でもあったとのことでした。


●女性の接待が普通の日本は変?本場のカフェーは男性が店員だった

2018/05/15:わざと誤解を誘うようなタイトルにしたのですけど、普通のカフェではなく、古くは特殊喫茶、社交喫茶といわれていたカフェーという日本で20世紀前半に流行した風俗営業の話。「純喫茶」って言うけど何だろう?と思って検索して出てきたカフェー (風俗営業) - Wikipediaがおもしろかったんですよ。

 日本においてコーヒーを飲ませる店として最初に開業したのは、1888年の東京下谷区上野黒門町(現在の上野)の可否茶館(かつひーさかん)とされています。カフェーの名を冠した最初の店は、さらに後の1911年にできた銀座のカフェー・プランタンだとのこと。これはパリのCafeをモデルに美術家や文学者の交際の場とすべく始まったもので、インテリ向けの店で一般大衆は入りにくかったと言われているそうです。この時点のカフェーも今のカフェとは違いますね。

 ただし、パリを真似たものとしつつも、こちらもまた違うものでした。これがタイトルにした「本場のCafeとは異なり女給を置いていた。パリのカフェの店員は男性であった」という話です。また、この頃の日本のカフェーは「料理を出すバー」といった趣きで、料理(洋食)、コーヒー、酒が主体のお店だったとのこと。本場がどうだったかははっきり書いていないのですけど、これもたぶん本場とは異なったんじゃないですかね。


●カフェーは女給の接待が売りになってバーやクラブのように

 「この頃の」としたように、カフェーはさらに変化します。関東大震災後、カフェーがもっぱら女給のサービスを売り物にするようになったのです。震災の翌年(1924年)、銀座に開業したカフェー・タイガーは女給の化粧、着物が派手で、客に体をすり付けて話をする、といったサービスで人気を博しました。

 さらに昭和に入り、大阪の大型カフェ(ユニオン、赤玉など)の進出により「銀座は今や(…)大阪エロの洪水」という状態に。女給は単なる給仕(ウエイトレス)というより、現在で言えば(バー・クラブの)ホステスの役割を果たすことになったといいます。

 ところが、第二次世界大戦終戦後、いわゆる赤線地帯が発生し、かつての遊郭などがカフェー名目で営業を続けるようになりました。すると、今度はそれまでのカフェが、バー、クラブなどと称するようになったそうです。

 しかし、驚くことに、法律用語としての「カフェー」は今も残っています。風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項第2号には「待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」という規定があるんだそうな。

 また、私がもともと調べていたという「純喫茶」というのは、このカフェー=特殊喫茶に対応するもの。酒類の提供、女給の接待を売りにするカフェーに対して、純粋にコーヒーを売りにする店、という意味でできたっぽいですね。


●ヨーロッパを真似た日本最初のコーヒーの店はすぐ閉店していた

2019/03/08:日本で最初のコーヒーを飲ませる店とされていた、1888年の東京上野の可否茶館(かつひーさかん)についての情報が見つかったので追記。時期が早すぎて客の入りが少なく、残念ながらすぐに閉店してしまったとのことです。最初の投稿部分で、「料理を出すバー」風なのも本場と違うのではないかと書いたのですが、これも確かめられました。「パリのコーヒーを飲ませる店のカフェをまねた」とあるので、やはり本場はコーヒーがメインであったようです。

 また、ここでは、可否茶館はカフェーだけでなく、ヨーロッパの清涼飲料を飲ませる店であるソーダファウンテン(ソーダ水を出す装置の他、店を指すことがある)をも真似たものだっという説明もありました。前述の通り、後の「料理を出すバー」風なカフェーでは、料理(洋食)、コーヒー、酒が主体とのことで似ていないため、これは可否茶館だけの特徴かもしれません。

 カフェーが受け入れらるようになったのは、1911年東京銀座南鍋町に開店したカフェー・パウリスタのあたりから。明治の末に東京や大阪の盛場にコーヒー等を飲ませる店としてカフェができたといいます。カフェー・パウリスタがとくにブラジルコーヒーの宣伝につとめたことで、だんだん一般に広まるようになったという説明。このお店の功績が大きかったようです。
(可否茶館(かつひーさかん)とは - コトバンクより)


●本場パリの典型的なカフェは日本のカフェとはどう違うのか?

2021/07/15:<この節には独自研究が含まれているおそれがあります>というタグが取り付けられており、事実かどうかには注意が必要ですが、Wikipediaでは、「パリの典型的なカフェ」という項目がありました。日本と違いが気になった私には興味があった部分。前述の通り、信頼性には問題があるんですけど、とりあえず見ていきましょう。

 こちらによると、街路に面し、歩道にせり出してテーブルや椅子が置かれているのが普通。店内にもカウンターやテーブル席もあるとのこと。春、初夏、秋など 気候が比較的穏やかな時期には、一般に屋外の席のほうが好まれるとさるそうです。日本ではそもそも屋外席がないお店が多く、違いを感じました。

 人気の違いのせいか、店内と屋外では価格も違うというので驚き。<料金は立ち飲みとカウンター席が最も安く、次に店内テーブル席となり、テラス席が一番高い(1物3価方式)。店のある場所やメニューによって違いがあるが、テラス席はカウンター席のおよそ2-3倍くらいと考えてよい>とされていました。

 芸術家・文学者・哲学者・学者・政治家などは、芸術的・文学的・哲学的・学問的・政治的な対話や議論を行い、思索を深めたり展開する場としても活用してきたという歴史も特徴。芸術史、文学史、政治史などでも、しばしば特定のカフェの店名が、キーパーソンらによって議論が行われた場として登場しているそうです。

 私が気になっていた店員については、給仕は原則としてウェイターで、何か用を頼みたい時は「ムッシュ」と呼びかけるとのこと。この「ムッシュ」は、英語の「ミスター」に相当。また、「ギャルソン」は「坊主」に相当し、現在ではたとえ悪意がなくても侮蔑語になるので使ってはいけないとされていました。

 飲み物としては、コーヒー以外にも、紅茶、ミネラルウォーター、炭酸入りミネラルウォーター、コーラなどもそれなりに提供している店は多いとのこと。その他、アルコール類ではビール、ワインなどを提供している場合も。さらには、店によってはパティスリーやサンドイッチなどの軽食類も提供することがあるそうで、こういう店なら、日本と似た感じがしますね。


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