●管理職の割合、大企業では僅か11% 課長以上はエリートのみ?
2013/12/17:
管理職が多すぎる! 国家公務員の管理職の割合、何と半数を超えるを書く前に一応軽く下調べていたのですが、国家公務員の話より先に、今回の民間企業の管理職の割合を先に紹介した方が話がスムーズでしたね。国家公務員の管理職の割合の50%以上という数字が大きいということを示すには、民間企業の数字を出しておいた方がわかりやすかったです。
で、その民間企業の数字ですが、ズバッと数字が出ていたのは、<実はけっこう狭き門…「管理職」比率11%の現実 | web R25>(上阪 徹)という記事でした。昔は「管理職になれないなんて…」といった感じで、管理職になるのが当たり前だったものの、今は管理職になるのはごく一握り…ということになっています。
<厚生労働省『賃金構造基本統計調査(09年)』によれば、従業員規模が1000人以上の大企業の場合、全社員(役員を除く)の82.2%が平社員。6.8%が係長、8.0%が課長、3.0%が部長となっている。組合から外れたり、残業手当が出なくなったりするような、平社員との違いが出るのは、課長以上が一般的なので、管理職比率はわずか11%ということになる>
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/rxr_detail/?id=20110804-00020970-r25
●飽くまで大企業の場合は…という話 学歴によってもかなり違う
管理職の割合を比較するとは言っても、企業の形態によっては比較が不適切になる場合があります。先の数字は大企業の場合でした。国家公務員と中小企業を比較するとそれはそれで問題なのですが、従業員の多い大企業の場合には平社員が多い形態の企業が多く含まれると考えられます。
たとえば、全国に工場を持つ企業の場合は(学歴に言及するのは申し訳ないですが)本社採用の大卒以上の人が管理職になる場合が多く、現地採用で数の多い高卒・高専卒の人は多くが係長(組織によっては管理職)以下の非管理職で、良くても課長までといった差があります。
私の少ない経験からすると大卒以上なら11%は低すぎると思いますね。まあ、私の勤めていた会社は官僚系の臭いがするところでしたので、あまり民間企業の代表としては良くなさそうでしたが…。とりあえず、上記の条件の場合は11%ですよという話でした。
●時代は変わった…今は昔と違って「管理職になって当たり前」ではない!
もう一つ事前に見ていた記事がありました。<「半分以上は“マンネンヒラ”?!」 管理職厳選時代で得られるモノ>(日経ビジネスオンライン 河合 薫 2013年9月24日)という記事です。タイトルで分かるように、こちらはもっと衝撃的ですね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20130919/253653/
<厚生労働省の調査によると、50歳を過ぎても、課長や部長といった管理職に就いていない人の割合が55%と半数を超え、この20年間で8.9ポイント増えた>とのこと。NHKがニュース番組で報道した内容だそうです。また、この記事では、私がちょっと書いた「管理職になれないなんてかわいそう」の意識が以前あったことに触れていました。
<ちょっと前には「昇進させないのは気の毒」とばかりに、部下のいない管理職という、摩訶不思議なポジションを設ける会社が少なくなかった。そのポジションでさえなくなったということなのか?
確かに、私がこれまでインタビューさせていただいた方の中にも、「以前は、ある年齢になれば試験を受ければ、誰もが管理職になれた。でも、最近は厳選されているから厳しい・マンネンヒラはきついですよね」とこぼす人たちもいた。
大学時代の友人は「絶対落ちない」とされていた管理職試験の最終面接で落とされ、「出世したいとかあまり思ったことなかったけど、落とされるとそれはそれでショックなんだよなぁ」とへこんでいたこともあった>
●別調査によると、大卒で平社員なのは36% 以前は20%だった
同じ記事では別調査の話もあります。連合が2011年に行った調査によると、大卒の男子50~54歳で、係長・課長・部長などの役職についていない人の割合は、1985年では19.9%だったのだが、2002年には32.0%になり、2010年には36.0%まで増加(対象は従業員100人以上の企業)。 こちらは大卒かつ、やや大きめの企業のデータでした。
一方で、管理職の賃金は上昇しているとのこと。賃金は、2000年頃からまず部長級の賃金が上昇し始め、2004年頃からは課長賃金が上昇。非管理職との格差は2008年までに広がり、その後は横ばいで推移していることも示されているとのことでした。
ただ、もうちょっと良いものがないかな?と最初に出てきた厚生労働省『賃金構造基本統計調査』の平成24年版を確認してみました。検索すると、ちゃんと見つかります。
平成24年賃金構造基本統計調査(全国)結果の概況|厚生労働省というものです。
で、学歴別 、企業規模別 、雇用形態別、製造業における労働者の種類 、役職別といったところを確認。しかし、ここでは、割合を示したようなものは見つけられませんでした。元記事での引用元が2009年のものと古かったのはなぜかな?と思ったのですが、最近だと出ていなかったせいかもしれません。
ならばと2009年(平成21年)の
厚生労働省:平成21年賃金構造基本統計調査結果(全国)も確認したのですが、11%というのがどこの値を取ったのかわからず。うーん、この感じだと平成24年の方も私が見逃しているだけで、どこかに載っているのかもしれません。
●「出世したい」という人は減っているのか?増えているのか?
なお、最初の記事<実はけっこう狭き門…「管理職」比率11%の現実 | web R25>(上阪 徹)では、以下のような話もありました。
<産業能率大学の調査によると、この春就職の新入社員に将来の進路を尋ねたところ、「管理職として部下を動かし、部門の業績向上の指揮を執る」が、過去最高だった昨年から3.9ポイント上昇、48.1%になったことがわかった。つまり、就職した会社で「出世したい」という人が増えている(略)>
これは意外でした。というのも、過去に
出世したくない?管理職が不人気 管理するより管理されたい理由は?というのをやっていた他、
日本の高校生「偉くなりたい」最少9% 出世欲が低く、保守的というのも書いていたためです。
2つ目の「半分以上は“マンネンヒラ”?!」の記事にも「(引用者注:むしろ)管理職になった方が、やる気失せる」というのがあり、管理職嫌いなの系統。NHKの報道が懸念していた「50歳を過ぎて管理職になれないと、意欲が失せる?」との視点には、ネットで懐疑的だったそうで、ここらへんは出世欲と逆の方向性の反応でした。
・「若い世代からしたら、『で、何か?』って感じ」
・「50歳以上、全員管理職になったらどうなるんだよ?」
・「管理職って、そんなに偉いのか?」
・「1.3倍って。そんなに大きな差なのか?」
・「管理職になった方が、やる気失せる」
といった具合だ。
中には、「賃金格差はひどい。どうにかした方がいい」とか、「社員のやる気を失わせるようなやり方を、どこまで企業はやるんだ」とか、「もはや人扱いされていない」といった意見もあったが、それらはごく少数のように見受けられたそうです。
国家公務員の話のところで、民間企業ですら管理職が多すぎると思っていると書いたように、私も管理職が少ないことそのものは問題ないと思っています。むしろ役割を果たしていないのに無理やり昇進させて高給を与える方がよほど問題ですし、「管理職にならなければ人にあらず」みたいな風潮が未だにあるのも問題でしょう。時代錯誤です。
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