鬼ごっこの話をまとめ。<Wikipediaに記載ない鬼ごっこの起源 由来は鬼払いの儀式か?>、<本当は怖い鬼ごっこ 昔は「子捕ろ」「子買お」という名前だった?>、<低鬼、バナナ鬼、電子レンジ鬼、魔法鬼など…鬼ごっこの種類>などをまとめています。
2023/08/28追記:
●低鬼、バナナ鬼、電子レンジ鬼、魔法鬼など…鬼ごっこの種類 【NEW】
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●Wikipediaに記載ない鬼ごっこの起源 由来は鬼払いの儀式か?
2010/5/1:唐突に鬼ごっこの起源が気になりました。まず、お馴染み
ウィキペディアを見たのですが、予想外なことに起源についての情報がなく、今回は頼りになりませんでした。ただ、「古くは鬼事(おにごと)とも呼ばれた」ということだけは判明しています。
他を探すと、
鬼ごっこ とは-コトバンクに「人間生活をおびやかす存在としての〈鬼〉を追い払う追儺(ついな)などの祭事が,子どもの遊戯として伝承されたものと考えられる」とありました。取っ掛かりとなりそうな情報がありましたね。この追儺は別名を「鬼やらい」(鬼遣らい、鬼儺などとも表記)とも言う鬼払いの儀式。もとは中国の行事で日本では平安時代の初期頃から行われているそうです。
「鬼」が絡んできますので、なるほど確かに関係ありそうだと一見して感じますが、追儺(ついな)は儀式の内容もまた鬼ごっこを思わせるものがあるんですよ。儀式では初め、鬼を払う役目を負った方相氏(ほうそうし)という役人が、大内裏の中を掛け声をかけつつ回るというものでした。しかし、九世紀中頃に入ると変化。鬼を追う側であった方相氏が逆に鬼として追われるようになったというのです。
これについて、古代史家の三宅和朗さんは、平安初期における触穢(しょくえ、死・出産などにかかわってけがれること)信仰の高まりが、葬送儀礼にも関わっていた方相氏に対する忌避感を強め、穢(けが)れとして追われる側に変化させたのではないかと想像しているそうです。(以上、
追儺-Wikipediaより)
ここに来て追う役と追われる役の二つの役が出てきました。これはまさしく鬼ごっこの形です。ただ、追う方と追われる方が逆で、この儀式では鬼の方が逃げるというのは、現在の鬼ごっことは違っていますね。理由を勝手に推測してみると、子供にとっては鬼を追うよりも、恐ろしい鬼に追われるという方が、感覚にぴったりなんじゃないかと思いました。子供の遊戯として広まるうちに、逆になったとしても不思議ではない感じ。鬼ごっこ自体にたか鬼、いろ鬼、かべ鬼などの様々な派生系があるように、子供の遊びというものは実に様々な変化をするものです。
●鬼だけではなく昔は仏もいた?鬼ごっこの起源には異説も存在する
私はこの説にかなり納得がいきました。ただ、これ以外にも様々な説があるようです。信頼性の低い質問サイト情報ではありますが、
鬼ごっこについて。-OKWaveには、「鬼ごっこ」の始まりは平安時代の「子とろ子とろ」(ことろことろ)という遊びだったという説が載っています。これによると、仏様が後ろに子供たちを連れて鬼から逃げて幸せにしてくれる、という思想を持った遊びで、仏様役(年長者)のものが子供たちを後ろに連れて鬼役のものから逃げ回るというものだそうです。
これを書かれた方は愛知の方で、今90歳ぐらいの人は(鬼ごっこを)「ことろことろ」の名前で遊んだそうですと書かれていました。しかし、これは一般的な鬼ごっことルールが違いますし、子とろ子とろが鬼ごっこの起源であると考えるより、子とろ子とろは鬼ごっこの派生系の一つであると考えた方が自然な気もします。
あと、どうでも良いことですが、この「ことろことろ」の遊んでいる様を想像してみると、仏様は子供たちを連れて逃げてくれているというよりは、何となく仏様が子供たちを盾にして逃げているように見えてしまうのではないかと、余計な心配をしてしまいます。
…と書いてからよく読むと、この方は先の説を書いた後に、わざわざ訂正していました。それによると、先の回答の説明はちょっと違っていて、鬼ごっこの起源には2説で、中国の「鬼やらい」に起源があるという説と、もうひとつは平安時代に恵心僧都(源信)が作った遊びとされる「比比丘女(ひふくめ)」が起源というものだそうです。
先の「子とろ子とろ」はこの「比比丘女」が現代に伝わったもので、遊び方はほとんど一緒だとのこと。「比比丘女(ひふくめ)」説と言った方が良さそうです。なお、「ある民俗学者の調査では、日本全国の鬼ごっこの種類は250種以上ある」という話も書かれていて、これが事実ならその派生系の多さには驚かされてしまいますね。
●本当は怖い鬼ごっこ 昔は「子捕ろ」「子買お」という名前だった?
上記では、比比丘女(ひふくめ)というのが今度は出てきてしまいましたので、こっちも調べる必要がありますね。検索すると、
比比丘女とは-コトバンクが登場。「子を捕(と)ろ子捕ろ」の昔の呼び名とありました。
うわぁ!「ことろことろ」ってかわいい響きだと思いましたが、「子を捕ろう」って意味だったんですが。今、背筋がぞっとしましたわ。鬼ごっこ自体元々そういうコンセプトなんですけど、「子捕ろ」という字面を見ると急にえぐくなりました。さらに「子買お」というまた恐ろしい別名も持っているようです。
気を取り直して、今度はその子を捕ろ子捕ろの説明を見ますが、「一人ずつ鬼と親になり、ほかの子供が親の後ろに列を作り、鬼が最後(どうやら最後尾の意)の子をつかまえようとするのを親は両手を広げて防ぐ」とあります。これを読むと一応親(仏様)は子を守ろうとはするようですね。子供を盾にするんじゃないんだ、良かった、良かった。
鬼の起源は実は他にも説があったのですが、ちょうどめでたく終われそうでしたので、今日はここで終わりに。
鬼ごっこの起源由来の異説 遊廓での遊び・口減らし・自然発生説に続きます。
●低鬼、バナナ鬼、電子レンジ鬼、魔法鬼など…鬼ごっこの種類
2023/08/28追記:以前引用した「ある民俗学者の調査では、日本全国の鬼ごっこの種類は250種以上ある」に絡んで、少し具体例を追記しておこうということで検索。
鬼ごっこ図鑑~定番からアレンジまで34選|保育士・幼稚園教諭のための情報メディア【ほいくis/ほいくいず】では、34種類の鬼ごっこが紹介されていました。気になるタイトルの鬼ごっこの名前がたくさんあります。うちで出てきた「ことろことろ」の名前も見えますね。
①鬼ごっこ/おにごっこ ②氷鬼/こおりおに ③色鬼/いろおに ④高鬼/たかおに ⑤低鬼/ひくおに ⑥増え鬼/ふえおに ⑦手つなぎ鬼/てつなぎおに ⑧隠れ鬼/かくれおに ⑨どろけい/けいどろ ⑩影踏み/影踏み鬼/影鬼 ⑪線鬼/せんおに ⑫バナナ鬼/バナナおに ⑬島おに/しまおに ⑭ひょうたん鬼/ひょうたんおに ⑮助け鬼/たすけおに ⑯しっぽ取り ⑰宿おに/宿かえおに ⑱物鬼/ものおに ⑲電子レンジ鬼/でんしれんじおに ⑳魔法鬼/まほうおに ㉑ハイハイ鬼/はいはいおに ㉒傷鬼/きずおに ㉓地蔵鬼/じぞうおに ㉔ゾンビ鬼/ぞんびおに ㉕クモ鬼/くもおに ㉖くすぐり鬼/くすぐりおに ㉗ボール鬼/ぼーるおに ㉘3色鬼/さんしょくおに ㉙十字鬼/じゅうじおに ㉚ことろことろ(いもむし鬼) ㉛引っ越し鬼(ひっこし鬼) ㉜ねことねずみ ㉝おしり鬼ごっこ ㉞ドキドキ鬼ごっこ
高鬼/たかおには、高いところには鬼がタッチできないという鬼ごっこ。とはいえ、最初に逃げ切れると永遠にタッチできないために、「同じ場所は~秒まで」といった制限があることがあります。この高鬼/たかおには私も子供の頃はやっていました。しかし、逆の低鬼/ひくおにというのは、今回初めて知りましたわ。
<オニは、子どもたちが木の下や遊具の下など何かの下にいる間はタッチすることができません。低い場所から出てくるのを待ち伏せしてしまうと面白くないので、「オニは待ち伏せをしてはいけない」というルールにしたり、避難できる秒数を減らしたりして調整するといいですよ>
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