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日本企業の強みはサービス ものづくり・製造業に匹敵する価値がある


2013/12/26:
●外国人が日本に驚き…サービスがすごいのに無償だなんて!
●海外ではアフターサービスが有料どころかメインの状態に
●日本企業はサービスの良さが魅力なのになぜ活用しない?
●強すぎる日本企業の製造部門がサービス活用を邪魔してる?
2020/11/30:
●アメリカ人の反応「日本は給料が安い人でも良い接客をしている」
●海外は違う日本企業の魅力「安くても良いサービス」逆に考えると…?


●外国人が日本に驚き…サービスがすごいのに無償だなんて!

2013/12/26:私は日本のサービス業は世界に通用する、製造業よりもっとこっちを進めるべきだと以前書きました。ただ、今回紹介する「なぜ日本企業は“おもてなし”を収益源にしないのか?」(日経ビジネスオンライン 一橋大学大学院のエドマン専任講師が呈する疑問 中野目 純一 2013年10月9)はちょっと違う視点。製造業よりサービス業というのではなく、製造業のアフターサービス的なところも含めた話でした。

 一橋大学大学院国際企業戦略研究科(ICS)のジェスパー・エドマン専任講師は、日本企業の経営を研究する中で、疑問に感じることがありました。その疑問とは、多くの企業が製品の製造にフォーカスする一方で、サービスに付加価値をつけることに注力していない点です。

 多くの日本企業はサービスの点でも秀でています。ところが、そうしたサービスは多くの場合無償です。日本のいわゆるサービス業に関して、チップをあげたいほど素晴らしいのに無償だという話はよく外国人から言われており、海外の反応 日本はチップがなくても大丈夫なの?と信じられないという話も過去に書いています。日本はそうではないアフターサービスに関しても、優れているのに無償ということのようです。


●海外ではアフターサービスが有料どころかメインの状態に

 前述のように製造業においてアフターサービスが無料で受けられるというのは、私たち日本人にとってそう驚くような話ではありません。よくあることです。ただ、エドマンさんのような外国人にとっては普通じゃないんですね。

 例えば、欧米の乗用車やトラックのメーカーの場合、アフターサービスが無料ではなく有料というレベルですらありません。なんとその収入の大部分は製品の売り上げではなく、アフターサービスによるものだといいます。

 なので、アフターサービスで稼ぐのが当たり前の国の人から見ると、日本のメーカーの場合、アフターサービスを収益機会としてもっと活用する余地があるのではないか?と感じるみたいですね。


●日本企業はサービスの良さが魅力なのになぜ活用しない?

 <日本企業のサービスがたぐいまれであることは海外でも知られていますが、なぜそれを海外でも展開しないのかと首を傾げている人は多い>ともありました。ビジネスチャンスがありそうです。

 ただ、これは逆に言えば、アフターサービスが有料の海外でも、日本企業だけ無償のままというのは大きな損をしている可能性があるということでしょう。

 これは無償で高品質なアフターサービスという差別化することで、製品を選択してもらう機会を増やしているとも取れますが、アフターサービスの良さというのはなかなか見えづらいもの。ほとんどプラスにならずに損しているだけになっている心配があります。


●強すぎる日本企業の製造部門がサービス活用を邪魔してる?

 なお、エドマン専任講師は、「日本のメーカーでは製造部門が強い力を持っていると言われますが、彼らが障壁になっていることはないでしょう」としていました。製造部門がサービスの活用を邪魔しているということはないという見方です。

 また、メーカーにおいて良質のアフターサービスを提供するためには、製造についての深い知識を持っていることが欠かせないと指摘。そのうえで、サービスで収益を上げることが、製造部門の力を弱めることにはつながらないだろうとしていました。

 エドマンさんは、おもてなしという言葉に値する良質のサービスがすでにあるのだから、それを海外にも展開し、収益源とすると良い、と日本企業の潜在的な能力について高く評価しています。うまいこと日本の強みを売り上げに繋げていけるといいですね。


●アメリカ人の反応「日本は給料が安い人でも良い接客をしている」

2020/11/30:最初に書いたように、私が思っていた「日本のサービス業は世界に通用する、製造業よりもっとこっちを進めるべき」は、アフターサービス限定ではなく、サービス業全体に強みがあるといったものでした。それで何か良い記事はないか?と探すと、逆にネガティブな記事がヒットしてしまいました。

 それは、「座って接客」はアリ? ナシ? 日本式接客について訪日外国人に聞いてみた | ハーバー・ビジネス・オンライン(2019.06.20)という記事。タイトルになっているのは、ポーランド人・女性・29歳のポーランドでは座って接客が当たり前だし、無愛想なのも普通だというものです。日本は過剰サービスではないかという視点です。

 ポーランド人が無愛想な接客にも怒らない理由としてポイントなのは給料。「給料が低ければそういうものだって共通認識があるから、接客態度に怒る人はほとんどいません」とのこと。ちょうど日本のコンビニに関する本を読んでいるという、アメリカ人・男性・38歳も、以下のような言っていました。

「海外ではチップの文化があるので、当たり前ですがチップがもらえるレストランなどと、そうではないスーパーなどでは接客内容に差があります。ものすごく接客にこだわるなら、それだけ給料も上げるべきなんじゃないでしょうか」

 正直言うと、アメリカでもサービス業はブラックなところがあるのでは?と私は思っています。チップ制度もサービス業の安い賃金を正当化する側面を感じるものです。ただし、良いサービスを提供するべき人に対し消費者が高い料金を支払うべき、安い料金なら悪いサービスでも仕方ない…というのは、正論なんですよね。


●海外は違う日本企業の魅力「安くても良いサービス」逆に考えると…?

 日本企業は「安くても良いサービス」というのが魅力なのですが、逆に言うと、ブラック労働で搾取している面があるということです。日本では安い賃金を含めたすべての労働者にも高いサービスを求めていて、企業も非正規雇用者やアルバイトにも同等の働きを期待しています。ただ、それは間違った考えなのです。

 製造業の話なのですが、中国の日系企業の社員は優秀に鍛えられてすごい…という話がある一方、日系企業ではない現地の企業に引き抜かれてしまう…という話がありました。日本人は「育てた恩を忘れやがって」と思うでしょうが、安い賃金で働かせてるから奪われるのです。

 日本国内でも、外資系企業が「日本は優秀な人が安い給料で働いているので、安価に引き抜ける」という話をしていました。これも同じで「育てた恩を忘れやがって」ではなく、「優秀な社員を安い年収で働かせているから転職してしまう」という話。日本人の素晴らしい仕事ぶりは、このように誇りきれない面もあるのです。日本の良さを強調したかったのに、すっかりネガティブな話になっちゃいました…。


【本文中でリンクした投稿】
  ■海外の反応 日本はチップがなくても大丈夫なの?と信じられない

【関連投稿】
  ■労働時間が長いことを評価する日本人の残業精神論が生産性を落とす
  ■世界に真のグローバル企業は9社しかない 日本はそのうち2社のみ
  ■GEジャック・ウェルチは嫌われ者だった 徹底した選択と集中に非難
  ■M&Aは買う方が負けで、売る方が勝ち 日本人は企業買収に向かない
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