Appendix

広告

Entries

菅首相・自民党政権が新型コロナウイルス問題でやったこと


<菅首相・自民党政権が新型コロナウイルス問題でやったことリスト>
●感染力が強いデルタ株で水際対策強化の提言、政府が無視して感染拡大
●自民党幹部「菅首相がダメとされた一番の原因がワクチンの迷走」
●五輪は開催しつつ「かつてない感染拡大」と若者に帰省自粛を求める 【NEW】2021/09/29追記
●科学軽視と精神論で五輪開催を強行し矛盾…国民の自粛離れに繋がる 【NEW】2021/09/29追記
●野党の新型コロナウイルスで特措法改正提案拒否で、国会閉会を強行
●拒否してた特措法改正を、緊急事態宣言しない理由として持ち出す
●「自民党だから抜け道知ってる」複数の関係者、給付金不正受給や詐欺
●機能しない接触確認アプリCOCOAを放置 中抜き再委託で開発費ほぼなし?
●ワクチン接種回数水増しで混乱、注射器確保遅れ…右派新聞が指摘
●「供給されるめどが立った」とアピールの菅首相、根拠は一切示さず
●「恐れとったら何もできない」と精神論でGo Toを正当化、再開する県も 
●ワクチン摂取が公約より遅延で菅首相、「私もショック」と完全に他人事
●Go Toトラベル、Go Toイートともに菅首相のお友達企業に利益
●これが新型コロナ対策?4兆5,000億円バラマキで巨大イカのモニュメントも
●専門家の五輪見解を「自主的な研究」「別の地平」「言葉が過ぎる」と否定
●五輪開催強硬派・親自民の竹中平蔵氏が会長のパソナ、五輪事業を独占
●日本中の人が苦しみ同業他社苦戦の中、パソナだけ利益が10倍以上!
●自民党総務会長「議員のワクチン優先は当然。困るのはお前ら国民だぞ」
●国のワクチン用注射器に不良品続出で大量廃棄、各市が独自調達する事態に
●ワクチン不足で大混乱!国のワクチンシステムが悪すぎて遅延か?
●休業しない店に圧力や取引停止…政府が銀行や酒屋に自粛警察を依頼
●河野太郎大臣が大幅なワクチン不足知りながら長く隠蔽して混乱
●国民見殺しの原則自宅療養…唐突に方針転換し与党からも批判され撤回
●五輪でラムダ株を隠蔽疑惑に自民党幹部「もっと早く聞かれれば答えた」
●政府のワクチン方針転換で混乱 劣るワクチンは氷河期世代に分配
●右派批判の陰性証明、五輪での使用を政府検討 医師からは別の問題指摘
●逆効果だと指摘あった鉄道の減便を要請し混雑発生、逆に感染拡大政策に
●国民に自粛求めた5人以上の会食を菅首相自ら違反、自民党は正当化
●菅首相は「国民が誤解した」として責任転嫁し、謝罪にならない謝罪
●国民にリモートワーク求めながら首相は会食、しかも相手は芸能人ら
●批判の後でも80人会食パーティー 過去には自民党感染クラスター複数
●警報無視して会食で飲酒 転倒し救急搬送、新型コロナで疲弊の病院に負担
●右派市長、市民に初詣は分散参拝で自粛要請し「自分は元日に行く」
●石原伸晃議員が特別待遇入院?擁護者はなぜか「コネだからOK」と暴露
●銀座クラブ問題の説明がウソだらけ「3軒とも1人で行って相手も店主1人」


●感染力が強いデルタ株で水際対策強化の提言、政府が無視して感染拡大

2021/09/11追記:新型コロナウイルス問題では、過去の感染症よりも徹底した水際対策を取る国が増えました。以前は、経済的な打撃などが大きく現実的に難しいと思われていたものの、今回は感染症のリスクの方がより大きいと考えられたのかもしれません。ロックダウン政策なんかも、一時的な経済悪化を伴うかなり思い切った対策ですよね。

 なので、ここらへんの対策は議論があるところなのですが、東京五輪開催時期に感染力が極めて強いデルタ株により、感染拡大したことについて、「水際対策の失敗」だという話がありました。私が興味を感じたのは、単なる「失敗」という指摘ではなく、水際対策を強化する提言があったのに無視された…という具体的な話があったことでした。

<分科会の小林慶一郎氏が「文藝春秋」8月号で書いているが、小林氏は、ゴールデンウィークの前に、早急に水際対策を強化すべきだと分科会の場で強く主張したということだ。オーストラリアやニュージーランドなどは、入国者に対し14日間の宿泊施設での待機という厳しい水際対策を取って、新型コロナのシャットアウトに成功している。だから、日本も同様の水際対策を取るべきだと、小林氏は何度も主張したのだが、厚生労働省やそれに同調する自民党の国会議員たちの反対で、「幻の提言」となってしまったのだという>
(田原総一朗「“五輪感染”で揺れるポスト菅。河野氏も野党もなければ…」 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)より)

 小林慶一郎さんで検索して見つけた該当する記事っぽいものは、「インド株『水際対策』不徹底が第5波を招く」コロナ第4波「菅官邸の陥穽」|小林慶一郎|文藝春秋digital(021年7月6日 08:00)。有料記事で具体的にどのような反対があったのかはわからなかったのですが、とりあえず、比較的人口が多いオーストラリアでも実施されていたという話や日本の専門家でも外出禁止令検討という話がありました。

<あまり注目されませんが、このインド株(引用者注:デルタ株のこと)の水際対策に失敗したことは、この数カ月のコロナ対策の中で最大の失敗のひとつだと私は考えています。水際作戦などそもそも無理だと捉えている人も多いですが、オーストラリアやニュージーランドなど従前から厳しい水際対策(14日間の宿泊施設での待機)を取っている国はシャットアウトに成功しています>
<日本でインド株の脅威が認識されたのは、GWの頃、インド各地で医療崩壊が起きていることがニュースで盛んに報道されたことがきっかけでした。当初は、ヒンズー教のお祭りが原因だと指摘される一方、感染症の専門家たちは危機感を強め、アドバイザリーボードのあるメンバーは、日本でも外出禁止令が出せるように法律を変えるべきだと真剣に論じていました>


●自民党幹部「菅首相がダメとされた一番の原因がワクチンの迷走」

2021/09/20追記:自民党や自民党を応援する右派は総裁選モードに入った途端に、醜く仲間割れして批判合戦。その余波で、今まで認めてこなかった新型コロナウイルス対策失敗を指摘する声まで出て、墓穴を掘っています。右派が特に叩いているのが河野太郎大臣で、彼が担当するワクチンの迷走を自民党幹部が指摘していました。

<自民党の甘利明税調会長は6日、国会内で行った講演で、党総裁選に立候補する意向を固めた河野太郎行政改革相について「菅(義偉)総理がダメだと、たたかれた一番の原因がワクチンの迷走といわれているのに、ワクチン担当大臣の評価が上がるとは、よくわからない」と皮肉った>
(自民・甘利税調会長が河野氏に皮肉 「迷走したのに評価上がった」 2021年9月6日 15時53分 朝日新聞より)

 甘利明議員は、河野太郎議員が所属する麻生派の幹部。ただ、河野さんは、所属する麻生派の幹部らに立候補の意向を伝えたが、同派内にはすでに立候補を表明した岸田文雄前政調会長を推す声も多かったとのこと。私は甘利明議員と言うと、安倍元首相のお友達(実際、安倍首相時代に重職を歴任)というイメージでしたが、岸田さんとも近く、岸田さんが立ち上げた議員連盟の幹部にも就任しているそうです。

 この話は朝日新聞だけでなく、自民党、特に安倍元首相一派を熱烈に支援する産経新聞も<甘利氏「ワクチン迷走といわれた担当相の評価が上がるとは」 総裁選で河野氏に皮肉>(9/6(月) 13:58配信 産経新聞)という記事で報道。ただ、この時点でのヤフーニュースのコメント欄は、後に増えたような河野太郎批判はまだなく、甘利明批判が多くなっていました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/8ab602ef96a7fea1fbe2b2569cf13ee5edfeb83c

(ヤフーニュースの人気コメント)
<河野さんは、貴方と違い最終的に自身で判断します。安倍さんがトランプさんに買わされそうになった迎撃システム役に立たない事わかり、防衛大臣としてやめました。とこで、甘利さん、説明責任果たすと約束した印西での公共事業補償費アップ斡旋に伴う裏金500万円の件、いつ説明するのですか!>
<皮肉を言っている場合じゃないよ。そんな暇があるなら、自分に関連したまだ説明していないことを、皆が理解できるように説明してください>
<甘利君、7割の得票で総裁になった菅首相を大して助けるでもなく支持率が落ちたからと言うだけで「見捨てた自民党」の政党支持率が35%もある事の方が「不思議」だよ>
(はてなブックマークの人気コメント)
< 河野太郎を擁護するつもりは全くないが、自民党という政党ではなぜ、大臣室で堂々と賄賂を受け取った輩が偉そうな口を利けるのか。まともな民主主義国家なら断じてありえないだろう?>
<河野氏もどうかと思うけど、そもそもそれとは比較にならないレベルで甘利氏はアウトなのに何故上から目線で話してるんだろう>
<目くそ鼻くそという言葉は自民党内の批判によく似合うな。で、甘利さんは収賄疑惑の説明はいつ行うのですか? 退院後に説明するといって何年も経ってますが>


●五輪は開催しつつ「かつてない感染拡大」と若者に帰省自粛を求める

2021/09/29追記:もう少しメモが残っているのですが、菅政権はもう終わるので今回で最後に。最後は使い損ねていたお盆の帰省自粛呼びかけのときの話を。オリンピックは開催しておきながら、「かつてない感染拡大」「極めて大事な時期」と帰省自粛を求めるというのは、菅政権の一貫性がない支離滅裂さや身勝手さ、無能さなどがよくわかる象徴的な話でした。

<首相、帰省自粛呼びかけ 「極めて大事な時期」(8/9(月) 16:07配信 産経新聞)>
<菅義偉(すが・よしひで)首相は9日、長崎市内での記者会見で、新型コロナウイルスの感染対策について「今週からお盆の時期を迎える。感染力の強い変異株により、かつてない感染拡大が進んでいる中で極めて大事な時期だ」と強調した。その上で「帰省、旅行も極力避けていただき、やむを得ないときは検査をしながら身近な人と小人数で行くなど若い人たちにも協力していただければ」と語った。
 首相は新規感染者に占める30歳以下の割合が7割を超えているとして「若い人の対策が極めて大事だ」と指摘し、ツイッターや動画投稿サイト「ユーチューブ」でワクチン接種を呼びかけているとした。また、「若者から家庭への感染が広がっているという指摘がある。若者でも重症化のリスクが高まっているし、後遺症がある方も出てきている。若いから影響がないということではないということも認識いただきたい」と述べた>
https://news.yahoo.co.jp/articles/567bc102da020452706f08b80aa82b84cebeb8b9

 当然、コメントではダブルスタンダードと矛盾を指摘する反応であふれていました。私としてはある程度の行動自粛はしてもらいたく、「自粛なんかクソくらえ」という行動は支持し難かったのですが、自民党政権のダブルスタンダードのせいで「自粛なんかクソくらえ」という気持ちの人を増やしてしまうことに…。。日本を悪くしてしまいました。

<国をまたぐオリンピックは強行開催しておいて、お盆の帰省は控えろとは、言っていることに説得力が皆無に感じるのは自分だけでしょうか>
<「極めて大事な時期」にオリンピックやパラリンピックをやってもいいのでしょうか。国民に規制自粛を呼びかける前にするべきことがあるはずです>
<言葉悪くてすいませんがアホか。
会社にも居るけど、口だけで矛盾してる奴には説得力もなければ誰も付いてかない。
あれだけのオリンピック反対世論押し切って開催して、いざ感染爆発しそうなので国民の皆様は我慢を〜>


●科学軽視と精神論で五輪開催を強行し矛盾…国民の自粛離れに繋がる

 私はお盆の後、テイクアウトのために行ったお店で驚いたんですよね。以前はガラガラだったお店が夕食には早い時間帯なのに食事客でびっしりで、テイクアウト対応を後回しにされてかなり待たされたほど。感染拡大などでリスクは以前よりむしろ高まっていたのですが、反対に人出は激増。完全に政府の自粛呼びかけに応える気持ちが切れてしまったようです。

 安倍政権から続けて言える自民党政権の悪さは、科学軽視・学者軽視で自分たちの都合優先や精神論だらけであったこと。菅政権の学術会議潰しもそういうものでしたが、これらがそのまま新型コロナウイルス対応でも出ました。コメントでは菅政権周辺の精神論による五輪開催正当化発言を応用した皮肉コメントも、以下のように多数見られていました。

<コロナに打ち勝った証として、安心安全の帰省に向け全力で取り組む。
帰省は希望の光。家族に感動を与え、絆を取り戻す。
帰省することで、緊急事態宣言下でも帰省できることを世界に示したい>
<実家を訪問するという認識。帰省するという認識ではない。
バブル方式で帰省する。感染拡大の恐れはないと認識している。
中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨み、安心安全な帰省に向けて全力で取り組む>
<安全・安心の帰省を目指していますし帰省がコロナの拡大に?そのような事はないと思います>


●野党の新型コロナウイルスで特措法改正提案拒否で、国会閉会を強行

2021/01/07:臨時国会は政府・与党の方針で、2020年12月4日で閉会しています。ただ、新型コロナウイルス問題がある中であり、立憲民主党など野党4党は、新型コロナウイルスの重症患者が増えるなか、対策の議論を続ける必要があることなどを理由に、会期の延長を求めていました。政府・与党は、この延長要請には応じなかったのです。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20201204/k10012745131000.html

 延長には応じなかった理由として、菅政権は、「来年度の予算編成などに万全を期したい」としていうものを挙げていました。この言い分は国民が理解できるものではないでしょう。ただ、医療提供体制の確保などに万全を期すといった新型コロナウイルス対応も、閉会の理由として挙げていたんですよ。これならまだわかります。

 ところが、皆さんご存知のように、実際には、医療提供体制の確保されておらずその後医療体制は逼迫。後に菅首相は自身がしつこく否定し続けていた緊急事態宣言を出すところまで追い込まれます。また、医療体制の逼迫では、地方自治体が悪いと攻撃して責任転嫁。つまり、国会延長拒否の理由である、新型コロナウイルス問題での医療提供体制の確保は嘘であったと考えられます。

 なお、最初の話は<臨時国会 きょうで事実上閉会へ 今後は閉会中審査めぐり協議か>(NHK 2020年12月4日 4時41分)からでしたが、NHKのニュースでは重要な話が抜けていました。野党は新型コロナウイルス問題に対応するために、新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)の改正という極めて重要な提案をしていたのです。

 あとでもう少し追記しますが、菅政権は感染が拡大して死者が多数出てからやっとこの特措法改正の必要性を言い出したんですよね。つまり、法改正は必要だったのです。このため、感染拡大前にせっかく野党が特措法改正を提案していたのに、それをわざわざ拒否して国会閉会を強行していたというのも重要なポイントになってきます。

<先の臨時国会では、野党が一足先に(引用者注:新型コロナウイルス対策の特別措置法の)改正案を出した。国会を延長してでも、論議すべきだった。しかし政府は「感染が収束した後に課題を検証する」との従来の姿勢を変えなかった>
<時間はあったはずなのに、冬に向けた備えは進まなかった。法改正に加え、PCR検査や、医療現場、保健所などの態勢強化は不十分だった>
(コロナ特措法 実効性高める改正急げ | 中国新聞デジタル 2020/12/30より)

2021/01/27追記:地方自治体が悪いと攻撃して責任転嫁していた医療体制の逼迫ですが、やっと一部の責任を認める発言が出きました。自宅療養中などの感染者が搬送される際に死亡する事例が相次いでいることについて、「体制ができていないことは、責任者として大変申し訳なく思う」と菅首相が答えていたそうです。(菅首相、医療体制の不備「大変申し訳ない」 GoTo組み替えは否定 毎日新聞2021年1月26日 11時38分より)


●拒否してた特措法改正を、緊急事態宣言しない理由として持ち出す

2021/01/10:上記で見たように、菅政権は2020年12月初めの時点だと、野党の特措法改正の提案を蹴って、国会閉会を強行していました。ところが、すでに少し書いたように、いい加減新型コロナウイルスの感染が拡大した年明けになってから、急に特措法改正を言い出します。これは「緊急事態宣言より特措法改正が優先」という主張でした。

<首都圏で新型コロナウイルス感染拡大が続く中、東京都の小池百合子知事らが緊急事態宣言の発令要請に踏み切った。しかし、政府は宣言の効果を疑問視。新型コロナ対策の実効性を高めるための特別措置法の改正を優先させたい考えだ>
<日本経済を一段と冷え込ませる恐れがあるためだ。菅義偉首相は先月(引用者注:2020年12月)25日の記者会見で、宣言がなくても国民の行動変容は「可能だ」と述べ、消極姿勢をにじませた>
<政府は18日召集予定の通常国会に向け、特措法改正案の取りまとめを急ぐ。休業や時短の要請に応じない事業者への罰則規定の創設を検討。月内の成立を目指す。首相周辺は「発令するとしても特措法改正で対策の実効性を担保してからだ」と指摘した>
(緊急宣言、効果を疑問視 特措法改正を優先―政府:時事ドットコム 2021年01月03日より)

 緊急事態宣言が抜本的な解決策となるわけではないため、緊急事態宣言より先に特措法改正だというのは、私もわかります。しかし、それは事前にやっておくべきという意味での優先順位の話。特措法改正はこのときの発言より2週間以上後である1月18日から検討し、1月末までの成立を目指すという遅さです。

 そして、何よりも、前述の通り、前年に野党からの特措法改正の提案を完全に否定して、国会閉会を強行したという事実がありますからね。緊急事態宣言を出したくないために、慌てて否定し続けていた特措法改正が優先だと言い出したようにしか見えません。何から何まで菅政権の対応はおかしいです。

ta-yajis <去年はのらりくらりと特措法改正しなかった癖に、今更緊急事態宣言をしないための言い訳に使い出すとか酷すぎて言葉を失う。国民のことなど一切見ていないんだなと改めて感じる>
emuaeda <だったら野党が国会延期して特措法改正を提案したのに早々に閉めて冬休みをエンジョイしたのはどこの誰かと問いたい。本当に国民を侮辱し過ぎでしょ!!好悪や派閥で政治するな!新年早々めちゃくちゃ腹が立った>
([B! COVID-19] 緊急宣言、効果を疑問視 特措法改正を優先―政府:時事ドットコムより)


●「自民党だから抜け道知ってる」複数の関係者、給付金不正受給や詐欺

2021/04/19:これぞ自民党だな!と思ったのが、自民党関係者による持続化給付金の不正受給や詐欺の疑いが相次いで出ていること。1件じゃなくて複数あるってのがすごいですわ。他のものでも見えている「国民より自分たちの利益が大事」というのがよりわかりやすいものでした。ただ、民主党系の人がやったらなら大炎上であるこのような行為も、自民党だとあまり叩かれないというのが不思議です。

<国の持続化給付金をだまし取った疑いで、自民党衆院議員の元事務所スタッフが逮捕された。(中略)ほかの男らと共謀し、国の持続化給付金100万円をだまし取った疑いが持たれている。加藤容疑者は、2020年10月までの1年間、総務副大臣の自民党・熊田裕通衆院議員の事務所スタッフだった。FNNは、まだ加藤容疑者が事務所スタッフだった、2020年5月に開いたセミナーの音声を入手。
加藤容疑者(音声)「コロナで給付金って、すごくはやってますけど、わたしは自民党という立場を使って、抜け道を知っているので。基本的には、もちろん僕らが成功報酬からもらうのに十分含まれていますので。これ確定申告の説明から全部やります」>
https://web.archive.org/web/20210321105340/https://this.kiji.is/746300875843829760?c=108760159718934010

 2件目の件は、新型コロナウイルス対策の持続化給付金を詐取したとする詐欺容疑や、無登録で貸金業を営んだとする貸金業法違反容疑で和歌山県警が和歌山市のリフォーム業の人を逮捕したら、県選挙管理委員会に自民党の支部として届けられている政治団体の代表者だったと後から判明したというものです。

 こちらは関係先として、暴力団事務所も家宅捜索しています。つまり、自民党支部代表でありながら、暴力団とも関係していたということみたいですね。ただ、安倍元首相は桜を見る会に反社会的勢力を招待していたし意外じゃないといった反応も。安倍元首相の事務所は暴力団を使って選挙応援したことも報道されていますしね。

<県警は関係先として和歌山市内の特定抗争指定暴力団山口組系組事務所を家宅捜索。北橋容疑者に手口などを指南していた可能性も視野に捜査している。政治団体は自由民主党自由同和会和歌山県支部。関係者によると、北橋容疑者は少なくとも2017、19、20年に同支部の代表者だった>
(自民支部代表が詐欺容疑、和歌山 コロナ持続化給付金で | 共同通信 2021/4/7 16:57 より)


●機能しない接触確認アプリCOCOAを放置 中抜き再委託で開発費ほぼなし?

2021/02/24:新型コロナウイルス対策のスマートフォン向けの接触確認アプリ「COCOA」。安倍政権時代から問題や開発の遅れ・混乱が指摘され続けていたのですが、問題点が多すぎてついていけず、うちでは紹介していませんでした。ところが、菅政権になって最もわかりやすい致命的な問題が判明してしまいました。

 「COCOA」は感染者と濃厚接触した可能性がある場合に通知するというアプリです。ところが、その肝心要である濃厚接触の通知機能が「Android」版の「COCOA」では作動していなかったことが判明。しかも、4か月余りもの長い間であり、感染拡大時期に全く動作していなかったことがわかっています。

 政府はこのアプリの開発を、そもそも開発ができる能力がない門外漢の人材派遣会社になぜか委託していたため、当然、再委託されています。それだけでなく再再委託、再再再委託と繰り返し、マスコミではそこまで書いていないものの、実際の開発費用・運用保守費用はほとんどなかったのではないか?と想像されてています。

 政府は「バグがあるのは仕方ない」「スピードを重視した」と論点のすり替えをしているものの、問題はアプリとして使えない致命的なミスがあるままリリースされて、なおかつ長期間放置されたことです。不具合があるから仕方ないというレベルではなく、スピード重視の問題でもありません。そもそも使えないまま長期間放置されていたわけですからね。

 さらに、2020年11月という早い時点から、厚労省が公開していた技術情報サイトで指摘されていた不具合でもあるというのも見過ごせません。SNS上でも、「COCOA」が機能していないという投稿が相次いでいました。さらに野党からの質問もありましたが、このときでも「通知がと届かない原因は利用者側にある」といった回答をして、改善が遅れたようです。
(ここだけ、COCOA沈黙の4か月 アプリ不具合はなぜ見過ごされたか | NHK政治マガジン より)
https://www.nhk.or.jp/politics/articles/feature/53380.html

 また、こうした問題が生じたのは、丸投げ再委託が行われたためだと思われますが、現実に丸投げ再委託が行われているにも関わらず、平井卓也デジタル相は中抜きとか丸投げとかいうが、そういうのが許されるような状況はITの世界にはないと思っている」という現実と異なる呆れた回答をしています。
(ちなみに平井卓也デジタル相は、ネトサポの工作、自民党の平井卓也議員が告白 自身も「あべぴょん、がんばれ」「黙れ、ばばあ!」と自演コメントの人)

 政府は「自分たちは悪くない。開発した企業が悪い」といった態度も示していますが、そもそも開発能力がない企業を選んだことが問題。一般の企業で言えば、下請けに丸投げした失敗プロジェクトで丸投げした当人が逆ギレするようなものでしょう。しかも、下記にあるように、厚生労働省規定を破った再委託なのに、問題視するどころか正当化していることから、元請け企業の選定はかなり怪しく、利益誘導案件でもあるかもしれません。

<「COCOA(ココア)」の開発で、厚生労働省の委託先の企業が別の3社に、契約金額の94%で事業を再委託していたことが分かった。同省は再委託比率を「原則2分の1未満」とする規定を設けているが、それを大きく超える比率で認めていた。ココアは不具合が続発。同省の調査や監督が及ぶ元請け企業の役割が小さく、原因把握が難航している>
<厚労省の資料によると、同省はココアの開発業務を3億9000万円でパーソルプロセス&テクノロジー(東京)に随意契約で委託している。同社は日本マイクロソフト(同)など3社に計3億6800万円で再委託し、さらに2社に再々委託もされている>(引用者注:パーソルは感染者情報を共有するシステム「HER―SYS(ハーシス)」の委託先で同様に93%で再委託。まともに活用されず、失敗と指摘されているシステム)
<ココアで94%の再委託を認めた理由について、田村憲久厚労相は19日の衆院予算委員会で「それぞれの得意分野があり、チームで対応していただくため」と説明した。一方、パーソルは本紙の取材に「厚労省に再委託先や再委託金額の承認を得ながら進めている」と回答した>
(COCOA開発受注企業が事業費94%を3社に再委託、さらに2社に…不具合の原因企業「分からない」:東京新聞 TOKYO Webより)


●ワクチン接種回数水増しで混乱、注射器確保遅れ…右派新聞が指摘

2021/04/10:日本のワクチン摂取の遅れや注射器不足は、政府としては致し方ない面があったのではないかと思うのですけど、意外なことに自民党を支持する産経新聞がむしろこれらは菅政権に問題があった…とするワクチン、接種回数で混乱 供給確保を優先、注射器の見通し甘く - 産経ニュース(2021.2.17 22:29)という記事を出していました。

 記事では、医療従事者への先行接種が始まったものの、予定していたワクチン1瓶当たり6回分の接種には特殊な注射器が必要で、今後の接種では回数が5回に変更されるなど混乱と指摘。河野太郎ワクチン担当相の確保アピールを紹介しつつも、注射器の確保の目処も立っていないとして、これを否定するようなことを書いていました。

 産経新聞によると、当初は「5回接種」を想定。しかし、6回接種できることが判明し、ファイザーも日本にそう伝えたため、日本政府も6回で7200万人分(1億4400万回分)確保という理解に。ただ、現実には、厚労省が用意していた注射器の大半は1瓶から5回分しか取れないことは認識しており、政府の確保数を水増ししてアピールしていた形ですね。

 このため、記事では実際のワクチンの接種人数が減る可能性を指摘。嘘をついてアピールしていたので、これは明らかに政府の問題でしょう。また、自治体への説明会で1瓶6回に変更した接種回数を再び5回に戻して混乱しており、これも政府の責任。一方でやむを得ない可能性があるのは注射器確保の遅れですが、これが産経新聞では批判的だったのです。

<厚労省は昨年末の段階で特殊な注射器の必要性に気付きながら対策を講じるのが遅れたことになる。厚労省幹部は遅れの理由について「企業との交渉にかかわることなので詳しいことは話せない」と口を閉ざす。ある厚労省関係者は「注射器に関する詰めが甘かったのでは」と指摘する>


●「供給されるめどが立った」とアピールの菅首相、根拠は一切示さず

2021/04/28:ひとつ上の「ワクチン接種回数水増し」と似た話。菅義偉首相は2021年4月19日、新型コロナウイルスワクチンに関し、米製薬大手ファイザー社のブーラ最高経営責任者(CEO)と行った電話会談を踏まえ、「(国内の全対象者分が)9月までに供給されるめどが立った」と明言したものの、これはアピールだけの嘘ではないかという話です。

 そもそも首相は「9月までにわが国の対象者に対して確実にワクチンを供給できるよう追加供給を要請した。CEOからは協議を迅速に進めたいという話があった」とも説明。この説明ではファイザー側は協議を進めたいとしか言っていないため、右派的なコメントで占められることがある時事通信コメント欄ですら、全く信頼されていませんでした。

<菅はファイザーCEOに「要請」し、CEOは「協議を進めたい」と言った。 どうしてこれで「9月までに供給される目処がたった」と「明言」できることになるのですか?>
<「供給されるめどが立った」は菅首相の解釈。ファイザーは「協議を迅速に進めたい」と言っている。菅首相はそこまでして手柄をアピールしたいのか?>
<当時、総理大臣だった安倍晋三は海外の製薬会社数社とワクチン供給の約束はできている…と何回か発表したよね?それは全くのウソだったのですね>
(ワクチン、9月までに全員分めど ファイザー製追加供給―菅首相:時事ドットコム(2021年04月19日10時32分)より)

 また、ファイザーと供給合意は? 首相「詳細差し控える」連発 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタルによると、合意内容を問われた菅義偉首相が国会審議で「会談の詳細は相手方との関係もあり差し控える」と繰り返したそうです。合意内容を発表できないというのは通常であれば理解できるものの、今回はそもそも「9月までの供給にめどが立った」と主張しており、めどが立った根拠を説明できないというのは変な話。また、国民を安心させる目的があるなら、らむしろ積極的に開示すべきことでもあります。

 では、なぜ会談の内容を国民に隠すのか?と言うと、実際にはめどが立っていないにも関わらず、「9月までの供給にめどが立った」と根拠なく菅首相が手柄アピールしたため…と考えざるを得ません。小池都知事や吉村大阪府知事もそうなのですけど、「やってる感」をアピールすることばかり熱心で、国民の本当にやってほしいことについては軽視されている感じです。

 ただ、GW明けに状況急変? ワクチン接種の「知らないと不都合な真実」:日経ビジネス電子版(2021.4.28)で出ていた、米国在住のウイルス免疫学者、峰宗太郎先生は、アメリカなどでワクチン接種急速に進んだ結果余裕ができて、日本にも思ったより早くワクチンが回ってくるのではないか?と予想しており、本当に早まる可能性はありそう。とはいえ、これは菅首相のおかげではなく、棚からぼたもち。菅首相がやっていることと言えば、前述の通りです。

 峰宗太郎先生は、政権交代時で約1600万回とトランプ大統領のときはなかなか接種が進まなかったのに、バイデン政権になって「就任後100日以内に1億回接種」と宣言して、あっという間に達成したので「2億回」に繰り上げて、そして、92日目に2億回達成したことを指摘しており、政権によって大きな違いが出るようでした。


●「恐れとったら何もできない」と精神論でGo Toを正当化、再開する県も

2021/05/07:自民党の二階俊博幹事長は2021年4月4日に放送されたBSテレ東の番組で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて停止中の政府の観光支援策「Go To トラベル」について「経済効果がある」として必要性を強調していました。ただ、より問題になったのは、この発言に伴う別の発言でしょう。

 まず、感染拡大の危険性を「多少そういうことはありますけどね」と矮小化。さらに「それを恐れとったら何もできない」と精神論で反論していたというのが一番ひどいところでしょう。トンデモです。これを伝えた記事も二階氏、GoTo必要強調「恐れとったら何もできない」 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタルというタイトルでした。

 二階俊博幹事長のGo To正当化の論拠としては一応他にもあるものの、漏れなくひどいものです。例えば、「みんな常識があるんだから、大丈夫」というのは、結局、国民の協力頼みというもの。しかも、最近はむしろ国民が自粛に協力してくれなくなっており、駄目だろうというものでした。自粛は菅首相を筆頭に自民党議員らが破っているのですから、これだけでは対策としては不十分だとわかるものです。

 また、「日本の医療は進んでいる」「隣近所に信頼できるお医者さんが、みんないてくれる」と日本の医療提供体制を根拠に挙げていたものの、発言当時すでに日本の医療体制の逼迫が問題になっていたために、全く現実を見ていません。感染者数からすると日本の医療はむしろ脆弱な状態。医療体制を整えるのは政治家の仕事でもありますから、それをやってこなかった…ということでもあります。

 なお、二階俊博幹事長は「全国旅行業協会の会長もやっているから、Go To トラベルばっかり『やれ、やれ』って言うわけにはいかない」と最初に断っていました。これは二階幹事長による業界への利益供与が疑われることを意識した発言。利益供与に関しては、楽天トラベルの楽天三木谷浩史会長と親密な菅首相についても疑われています。

 あと、Go To関連では、奈良県の荒井正吾知事がよりによって感染拡大のタイミングで「GoToイート」のプレミアム付き食事券を追加発売し、批判されて停止に追い込まれていました。右派なんだろうなと検索すると、やっぱり右派。元自民党国会議員であり、奈良県知事選でも自民・公明両党を支援で受かってきているという方。右派はこんなんばっかりですね…。


●ワクチン摂取が公約より遅延で菅首相、「私もショック」と完全に他人事

2021/05/17:ワクチン摂取の遅れについて私は「致し方ない面もあるだろう」とむしろ擁護なところもあったのですが、菅政権はマジでまともに仕事していないみたいです。菅首相「私もショック」 高齢者接種完了の遅れ―新型コロナ:時事ドットコム(2021年05月13日)という記事が出ていました。

 新型コロナウイルスワクチンの高齢者向け接種をめぐり、7月末完了の目標達成が一部自治体で困難な見通しとなっていることについて菅首相は、「報告を受けた時、私も実はショックだった」と、責任者なのに街頭インタビューで街の人に聞いてみたときのような他人事の感想。ひどすぎでしょう。

 あのATM障害のみずほ銀行の頭取ですらこんなこと言いませんでしたよ。頭取が他人語のように「私もショック」などと言っていると、ATM障害で数時間待たされた客が知ればさらにブチ切れたでしょうし、マスコミも袋叩きだったはず。時事ドットコムのコメント欄は批判だらけでしたがこれが当然で、マスコミは自民党政権に甘すぎます。

<何でこんなボンクラが日本の首相なんだ? 頼む! いい加減に明日辞任しろ! 安倍も道連れに。誰だこんなのを支持してるのは? カネもらってるだけとしか思えん>

<一国の責任者、しかも自分が言い出したこと。この当事者意識の無さ。
これが我が国のリーダー?!
コロナ禍は、我が国では天災ではなく、果てることのない人災に成り果てました>


●Go Toトラベル、Go Toイートともに菅首相のお友達企業に利益

 ワクチン接種で安倍政権・菅政権が後手を踏み、なおかつ遅れを取り戻すような懸命な対応をしていません。その一方で、対処が早く、安倍政権・菅政権が最も力を入れていたように見えたのが、Go Toトラベル、Go ToイートといったGo Toキャンペーンのような経済振興策でした。

 これらは新型コロナウイルス対策というよりは、新型コロナウイルス解決後の事業支援策です。これはなんと2020年4月初めという早い時期からすでに方向性が決まっていた政策。当時すでに名称も決まっていました。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ対策そっちのけで、最優先で進められていた感じがあります。

 このGo Toトラベル、Go Toイートともに菅首相のお友達企業に利益が大きかったと指摘されているものでもあります。菅首相を操る面々 ぐるなび・楽天との関係と「Go To」|NEWSポストセブンによると、飲食店紹介サイト「ぐるなび」の創業者である滝久雄・会長は、菅首相と仲良しで、Go Toイートはそもそもぐるなびのためのものと見られていました。Go Toイートで一時ひどかったぐるなびが華麗に復活しています。

<滝久雄の文化功労者選出が、斯界の文化人や芸能関係者より、むしろ政界で評判になっている。(中略、文化功労者選出に)「お手盛り」の声があがる理由は、滝が菅義偉首相の古くからの後援者であり、首相就任からひと月半というタイミングのよさからだ>
<Go Toイートのおかげで、ぐるなびの売上げは急増。14日までのネット予約の利用件数が前年同期比2.5倍となり、9月から3.6倍に伸びている>

 Go Toイートはそもそもぐるなびにヒアリングして作られたため、設計からして絡んでいるとのこと。また、開始時期もぐるなびのために遅らせたとの説明です。トラベルは東京都だけ除外されたのですが、ぐるなびのシステム的に東京都だけ除外が不可能なために、イートは開始時期そのものをぐるなびのために遅らせたといいます。全国の飲食店救済という大義名分なのに、実際にはぐるなび救済だった…といった感じ。事実ならひどすぎです。

 また、Go Toトラベルで利益を受けた楽天も菅首相と近い企業。さらに楽天はぐるなびとも関係。2社の会長を引き合わせたのは、首相最大の後援者である大手私鉄の会長だそうです。2社は資本提携を進め、今では楽天がぐるなびの筆頭株主に。つまり、ぐるなびの利益は楽天の利益でもあるのです。

<言うまでもなく、三木谷もまた菅の有力なブレーンの一人だ。ぐるなびがGo Toイートで息を吹き返せば、楽天はGo Toトラベルのメインプレイヤーとなっている。自民党総裁選以降、菅が提唱している携帯電話料金の引き下げ政策は三木谷直伝とされるが、それよりずっと以前から二人はタッグを組んできた>


●これが新型コロナ対策?4兆5,000億円バラマキで巨大イカのモニュメントも

2021/05/26:コロナ対策の臨時交付金2500万円使い巨大イカのモニュメント設置 問われるお金の使い方【石川発】(2021/5/2)によると、新型コロナウイルスに対応するため国が地方に配るお金「地方創生臨時交付金」で、石川県能登町が、総工費は2,700万円をかけて、長さ13メートルのイカのモニュメントを設置したそうです。

 モニュメント設置について「観光で効果があるからいい」「いや意味ない」といった議論になっていたのですが、問題はそこじゃないと思うんですよ。そもそもこれが新型コロナウイルス対策なのか?というところ。報道当時、新型コロナウイルスの感染は拡大中で、医療逼迫も問題となっていました。もっと他に税金を使うべきところがあるんじゃないの?という話です。

 実を言うと、この交付金、新型コロナウイルスに直接関係していなくても将来的な経済対策につながることになら活用できるとのこと。つまり、政府的にはイカのモニュメントも全く問題ない使い方でした。能登町が悪いというよりは政府が悪いのです。前述のGo Toキャンペーンと同じで、政府はお金がないと言いつつ、一方では大量にお金をバラまいていることもわかります。

 この「地方創生臨時交付金」は、新型コロナウイルスに対応するたとされていました。その総額はなんと4兆5,000億円です。感染対策費用や休業要請の協力金に使っているという自治体もあり、これらなら新型コロナウイルス対策と言えるでしょう。ただ、巨大イカのモニュメントのような感染対策というよりは経済振興策と言った方が良いものも多いです。

 これは、新型コロナウイルスで落ち込んだ経済を立て直すため…ということで、広い意味では新型コロナウイルス対策というロジックなのでしょう。Go Toキャンペーンも同じ図式で、地方創生臨時交付金で各地の自治体がやっているプレミアム商品券もそういうものです。ただその一方で、対策をとらずに感染拡大や医療逼迫を起こしていては本末転倒でしょう。

 Go ToイートやGo ToトラベルなどのGo Toキャンペーン、またプレミアム商品券もそうなのですが、これらは飲食の機会を増やしたり、人の移動を増やしたりして、感染リスクを上げる方向にインセンティブを与えるものですから、むしろ新型コロナウイルスの感染拡大推進策といえるものなのでなお悪いですね。

 エビデンスがない!と、こういうときだけ科学を都合よく重視する人がいますが、理屈としては単純。というのも、感染を抑えるためのインセンティブとして、政府などが自粛の呼びかけや飲食店などの休業を促しているのですから、その逆は単純に感染拡大のインセンティブになるため。十分な感染対策を講じれないままここまで来てしまったことは、優先したつもりの経済にも悪影響を及ぼしてそうな感じでした。


●専門家の五輪見解を「自主的な研究」「別の地平」「言葉が過ぎる」と否定

2021/06/05:新型コロナ対策分科会の尾身茂会長が東京五輪に関して、「本来はパンデミック(世界的大流行)でやることが普通ではない」「(ウイルスが)医療制度や検査体制が非常に脆弱(ぜいじゃく)な発展途上国にわたる可能性がある」「一生懸命、自粛しているところにお祭りという雰囲気が出た瞬間をテレビで見て人々がどう思うか」と否定的な見解を明らかにしました。

 尾身茂会長は絶対開催すべきではないとしているわけではなく、「やるのであれば」という条件をつけていて、一部ポジティブな発言もしています。ネトウヨの人たちはそこを強調して、「五輪を潰したいマスコミが隠蔽!」と盛り上がっていたものの、そもそも自民党の人たちも否定的な主張だと捉えているようで、以下のように発言を打ち消そうとしたり、激怒したりしていました。

田村憲久厚生労働相「自主的な研究の成果の発表だと受け止める」
丸川珠代五輪相「我々はスポーツの持つ力を信じてやってきた。全く別の地平から見てきた言葉を言っても、なかなか通じにくいのは実感するが」
自民党幹部「言葉が過ぎる。やるって言ってるんだから、それ以上でもそれ以下でもない」
(尾身発言「言葉が過ぎる」 五輪警鐘に自民不快感|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイトより)

 政府は、オリンピックの新型コロナウイルス対策は別の専門家に委託しているので、新型コロナ対策分科会は管轄外というロジックも使用。完全に縦割り行政的な発想で、菅政権の縦割り行政打破の看板は偽物だとわかるのですが、五輪関連の対策を抜いて日本全体の対策を提言しろというのはそもそも不可能な注文でしょう。自民党のひどさが伝わる話です。


●五輪開催強硬派・親自民の竹中平蔵氏が会長のパソナ、五輪事業を独占

2021/06/14:別のところでも書いたのですが、自民党で閣僚をやり、その後も自民党に近く、特に菅首相と近いと言われている竹中平蔵さんの話を。今も続いている勉強会かは知りませんが、自民党の河野太郎議員や安倍前首相に近い山本一太議員、世耕弘成議員らが結成した勉強会「プロジェクト日本復活」でも顧問をやっていたらしいですね。

 この竹中平蔵さんが五輪開催を強硬に主張。開催に反対する人をバカにする発言もしていました。ただ、竹中平蔵さんは、人材派遣会社・パソナグループ取締役会長で、東京オリンピックで大きく稼ぐところであり、思いっきり利益相反があります。そりゃ開催しろ!と言うだろうだろうと思われます。

 【竹中平蔵】パソナ1000%の衝撃!コロナと五輪でボロ儲けのカラクリ|日刊ゲンダイDIGITALによると、大会組織委員会と「オフィシャルサポーター」契約を締結しているとのこと。「人材派遣サービスはパソナしか許されていない。(中略)パソナに(仕事を)出さなくてはいけない契約になっている」(立憲民主党・斉木武志議員)と指摘されていました。

 パソナの五輪有償スタッフの募集要項によると、時給は1650円(深夜時間帯は125%の割増賃金)、日給にすれば約1万2000円程度なのに、組織委と委託先の広告代理店との契約書や内訳書には人件費の1日単価は35万円、管理費・経費を含めると日当45万円だとのことで、これが大きく話題になっています。ただ、私はこれらが直接対応する数字ではない可能性も考えました。要するに誤解による批判ですね。

 ところが、見えない予算:「守秘義務で…」五輪担当相、人件費詳細把握できず | 毎日新聞によると、人件費単価について、丸川珠代五輪担当相は衆院決算行政監視委員会で、「守秘義務で見せてもらえない資料がある」と述べており、五輪担当大臣にすら秘密にされたために批判に対して反論できませんでした。となると、マジでヤバイので隠蔽されている可能性がありそうです。


●日本中の人が苦しみ同業他社苦戦の中、パソナだけ利益が10倍以上!

 このパソナはこの新型コロナウイルス不況の中ボロ儲けしているという事実もあります。竹中平蔵「パソナ」の純利益が前年の10倍以上、営業利益も過去最高に! 東京五輪と政府のコロナ対策事業を大量受注、巨額中抜きの結果か|LITERA/リテラ(2021.06.01 10:22)などといった記事が出ていました。

 業界自体が好況という可能性はあったのですが、この記事のはてなブックマークコメントによると、<同業のリクルートは21年度31%減益、エン・ジャパンは45%減益。人材派遣業はコロナ下で苦しいはずで、パソナの940%増益は異常だ>とのこと。リクルートだけ私も数字を確認してみましたが、確かに減益。パソナは何か特殊要因があったと考えられます。

 パソナ一人勝ちは前述の東京オリンピックもあるでしょうが、先のゲンダイの記事を見ると、新型コロナウイルス全般の関連事業が大きい感じ。以下の記載が全部事実かは不明ですが、前述の通り、パソナだけ急激に伸びているのは、ボロ儲けできる非常に特殊な何かがあるとしか考えられませんので、可能性としては高そうでした。

<コロナ禍に前年比1000%増――。パソナグループの最終利益が波紋を広げている。今年5月期の通期連結業績予想を上方修正。純利益は62億円と、前年の5億9400万円から実に942.3%アップ、約10倍増となる見込みだ。
 大幅に利益を伸ばした事業は、官公庁や企業から業務プロセスの全てを請け負う「BPOサービス」。この中には政府から巨額で請け負ったコロナ対策関連事業も含まれるとみられる。
 例えば昨年の「持続化給付金」事業だ。パソナが設立時から電通などと共に関与した一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が、まず769億円で受託。749億円で再委託された電通が子会社5社に流し、さらにパソナやトランスコスモスなどに計417億円で外注――と、血税“中抜き”は猛批判を浴びたが、とりわけパソナの受注費は約170億円と際立って多かった>

2021/07/02追記:なお、竹中平蔵さんは「菅首相のブレーンではない」と否定していたのですが、この否定発言の後の2021年6月27日午後、総理大臣公邸で菅首相と面会。特別な関係であることを証明してしまいました。竹中平蔵さんの五輪強行発言の後で会ったというのは、菅首相も発言を問題視していないってことでしょうね。


●自民党総務会長「議員のワクチン優先は当然。困るのはお前ら国民だぞ」

2021/06/23:結局、野党と合意できず実現しなかったのですが、当時はまだワクチン接種がほとんど進んでいなかった2021年5月25日の記者会見で自民党の佐藤総務会長が、新型コロナウイルスのワクチン接種について「大事な議論をしている国会議員が打っていないということ自体が危機管理上、おかしい。世論が怖くて国会議員が打てないということは非常におかしい」と主張していました。

 一般論としては、国会議員が優先というのはあり得る話。ただ、その場合には、国会議員よりも閣僚がさらに先でしょうね。また、上記の発言だけではなく以下のような発言もしており、「議員のワクチン優先は当然。議員が新型コロナウイルスにかかって困るのはお前ら国民だぞ」という上から目線すぎる発言内容に驚きました。

「国会でクラスターが発生しないのが不思議なくらいの状況で頑張っていることをわかってもらい、国会論議がストップすれば何が起きるかという原点にかえって考えるべきだ。与党も野党もない」
( 自民 佐藤総務会長 “国会議員へのワクチン接種 早期実施を” 2021年5月25日 17時40分 NHK)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210525/k10013050141000.html

 最初の方で書いたように、そもそも新型コロナウイルス問題で大事なときに自民党は野党が求める国会開催を拒否して仕事しなかった…という経緯があります。これにより、新型コロナウイルス関連の法改正が遅れ感染拡大を招きました。「大事な議員の仕事を拒否してサボっていた自民党が偉そうに言うな!」という話。本当、自分たちの利益しか考えていませんね。


●国のワクチン用注射器に不良品続出で大量廃棄、各市が独自調達する事態に

2021/07/02:新型コロナウイルスのワクチン接種用に国が自治体に支給した注射器に不良品があったというニュースがありました。記事タイトルを見た時点では大げさな可能性を感じたのですが、マジで不良品だらけだった模様。また、急いだために仕方なかった可能性も考えましたが、より急いで調達する必要があった代用品で対応できたようなので、その可能性も低そうでした。

 こうした話があったのは、ワクチン注射器、目盛りかすれ・形が変形 国の支給品 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル(永沼仁、三ツ木勝巳2021年6月30日 18時05分)という記事。国が自治体に支給した注射器に、目盛りがかすれたり、形がゆがんだりしたものが含まれていたことが分かったというものです。

 山梨県韮崎市では、支給品の中から目盛りの数字がかすれたり、筒(シリンジ)が変形したりした注射器が複数見つかりました。ちょっとした問題では済まなかったというのは、市では、他にも不良品が交じっている可能性があるとして、支給品の使用を中止したということでわかります。当面は予備の製品で対応したそうです。

 さらに、同じ山梨県内では、都留市(つるし)においても、接種にあたった医師から「(筒内の)滑りが悪いものがある」と報告が出ていました。これも実は深刻な不良品。国から届いた注射器は、通常使用するものより太く、目盛りの刻みも大きかったため、接種するワクチンの量を適切に計れなかったという問題が起きていたそうです。

 山梨県によると、国から支給された注射器の不具合の指摘は、医師や市町村の担当者が参加する県ワクチン接種検討会でも報告されていたといいます。また、厚生労働省健康課予防接種室によると、山梨県以外からも同様の報告がある認めていました。厚生労働省は「国からメーカーや販売元に連絡をして、再配送してもらっている」」とも説明していましたが、これすら実際には違うようです。

 都留市のケースでは、国に連絡すると「メーカーに問い合わせてほしい」との返答。国は菅首相が掲げた目標に間に合わせるように命令するだけで、手伝う気はないようです。国に突き放された都留市では、接種を計画通り進めるため、急きょ、1万2500本を独自に調達したとのこと。一方で、国から支給された約7千本は廃棄する予定です。都留市の担当者は「国民の税金で購入したもの。責任をもって納品してほしい」と話していました。

 急いだために仕方なかったわけじゃなさそうというのは、上記の経緯からすると、国以上に急いで調達する必要があった都留市の独自調達品の方がずっと品質が高かったと考えられるため。その前の韮崎市でも国の支給品が使えないために、県内で製造された6千本を追加調達していました。アベノマスクと似たような問題が起きていたようですね。


●ワクチン不足で大混乱!国のワクチンシステムが悪すぎて遅延か?

2021/07/08:ワクチンが不足して大混乱しているワクチン接種。それだけワクチン接種が進んでいる証拠とむしろ評価する声も出ていますが、この評価の声にはいろいろと疑問があります。現時点で接種率が高く、ワクチンが大きな効果を出しているのであればそれもわかりますが、接種率はまだ低い状態。集団免疫獲得ははるか先の話です。

 また、そもそも大混乱しているのですから、普通に悪い状態。一般人も振り回されて不満が爆発していますが、特にすでに疲弊している自治体や医療機関の負担は半端ないでしょう。受付中止どころかすでに予約したもののキャンセルすら大量に発生。さらに悪いのは、予約済みのキャンセルが感染の危険性が高い都市部で起きていることです。

 国は「自治体が在庫を抱えている」と責任転嫁するようなことも言っているのですが、これも疑問。というのも、今回のワクチンは2回接種が前提であり、必ず2回目を送ると国が確約するなどの工夫をしないと、自治体は在庫を抱えておかざるを得ません。在庫管理を自治体任せにすること自体が、自治体の負担になるとも考えられるかもしれません。

 これら以外に、接種回数や自治体の在庫量を把握する国のワクチン接種記録システム(VRS)の入力が遅れている自治体が供給を減らされているという話があり、やはり自治体が悪いとの声があります。これは一見もっともらしいのですが、事情を複雑しているのが、この国が作ったVRSの仕様が手間すぎてワクチン接種を遅らせかねない代物だということです。

 VRSの入力遅れは、多くの自治体で発生しており、この時点で政府の失敗と言えそうな感じ。<機能しない接触確認アプリCOCOAを放置 中抜き再委託で開発費ほぼなし?>で書いたCOCOAやHER-SYSも役立たずでしたし、政府が開発したこれ以外のシステムもことごとく失敗しているようで、以下のような記事が出ていました。

<「バーコード読み取れず」「役立たずのタブレット」…ワクチンシステムに自治体職員の怒り>(5/10(月) 6:01配信 デイリー新潮)
「いま、地方自治体の現場では通常業務に加えて、各種の給付業務、ワクチンの予約、接種、本当にたくさんの問い合わせでパンク状態です。何日の何時にワクチンが届くか分からない。厚労省のHER-SYS(感染者等情報・管理支援システム)やら、V-SYS(ワクチン接種円滑化システム)、内閣官房のVRS(ワクチン接種記録システム)など、現場では使い勝手の悪いシステムを使うことを強いられています。『政府によるシステムハラスメントだ』という怒りの声も聞こえてくるほどです」(国民民主党の伊藤孝恵議員による特別委員会での発言)
「VRSは、国民に配布されたワクチン接種券に記載されているOCRラインを読み取ることで、誰がいつ接種したのかを記録する仕組みです。ところが内閣官房のIT総合戦略室は、当初、『(VRSは)バーコードも読み取り可能』だからと、各自治体に『ワクチン接種券にはOCRに加え、バーコードも印字する』よう指示を出していました。
 そのため我が自治体では、印刷会社と再契約してバーコードを印字してもらったのですが、実際に使ってみると、バーコードを読み取ることができなかったのです」(同)
https://news.yahoo.co.jp/articles/9fdc675799177d2e75108ee9b737ae0148d0a8de

 V-SYS(ワクチン接種円滑化システム)は「誰にいつワクチンを接種したかを集計するには2ヵ月かかる」という全然ワクチン接種を円滑化しないクソシステムだったそうです。この改善のために急遽作ったのが、ワクチン接種記録システム(VRS)だったのですが、結局、こちらもポンコツだったという経緯。これでは入力が遅れるのも当然でしょう。


●休業しない店に圧力や取引停止…政府が銀行や酒屋に自粛警察を依頼

2021/07/17:自粛は新型コロナウイルス対策としてある程度有効なところがあるようです。ただ、限界があります。自粛に従うかどうかは自由であるためです。また、自由であるがために、自粛していない人を晒し上げるなどの行為には問題があるのですが、実際、そういう風に過激に自粛を求める人たちがいて、「自粛警察」とも揶揄されることがあります。

 極端な「新型コロナウイルス対策より経済優先」は右派に多く、自粛反対の人も多いかと思われますが、まさに「自粛警察」的なことを右派政権の方がやらせようとしていたことが判明して問題になり、次々と撤回に。経済重視ならむしろお店を支援すべきなのに、お店にお金を貸す銀行に自粛に従わないお店を潰すように依頼するような要請をしていました。

<新型コロナ対策の休業要請などに応じない飲食店に金融機関から働きかけてもらう考えを西村康稔経済再生相が示したことに対し、金融機関の間で戸惑いが広がっている。法的根拠があいまいなうえ、お金を貸す強い立場を背景にした「優越的地位の乱用」とも受け止められかねないためだ>
「我々に『自粛警察』をしろというのか。取り下げてほしい」。ある地方銀行幹部は発言にこう憤る。
 大手金融機関の首脳も9日、朝日新聞などの取材に対し、西村氏の発言への違和感をこう語った。
 「我々に監視役をやれというのか。それが我々の本来の仕事なのだろうか」
 「資金繰りをどう支援するかが我々の任務だ。自粛要請が徹底されない現実への問題意識は理解するが、筋が違うんじゃないか」>
(「自粛警察をやれというのか」 西村大臣発言に銀行困惑:朝日新聞デジタルより)

 自民党政権では新型コロナウイルス問題以前でもあったのですけど、法的根拠がなく圧力でやらせようとしているというのも大きな問題点。国民同士での監視は「戦時中のようだ」という反応も出ていました。また、「次々と撤回」というのは、銀行より先に酒の販売事業者に対して、停止要請に応じず酒提供を続ける飲食店との取引を停止するよう要請していたためです。

<酒類の小売業者でつくる「全国小売酒販組合中央会」の吉田精孝会長(70)は12日、自民党本部で下村博文政調会長と面会した。政府が新型コロナウイルス対策として、酒類提供の停止に協力しない飲食店との取引をやめるよう求めていることについて見直すよう訴えた>
<酒類提供を続ける飲食店と取引しないよう求めた西村康稔経済再生担当相の発言後、加盟酒店から「お得意さんの飲食店に自粛警察をしろというのか」などと反発が相次いだ
<吉田氏は「飲食店の注文を断れば、もう取引してくれなくなるだろう。その場合の補償まで考えてくれないと、とてもお願いはできない」と頭を抱える>
(「お得意さんに自粛警察しろと?」 西村氏の取引停止要請に酒店悲鳴…全国組合会長、自民党に見直し要望:東京新聞 TOKYO Webより)

<12日から4度目となる東京都の緊急事態宣言にあわせ、国は酒の販売事業者に対して、停止要請に応じず酒提供を続ける飲食店との取引を停止するよう要請した。要請は法的根拠が不明だが、国から免許を与えられる事業者にとっては無視しづらい>
<要請は、内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室と国税庁酒税課の連名で、業界団体への「事務連絡」という文書で8日に示された。酒を提供する飲食店を巡っては、政府は取引金融機関から順守を働き掛けてもらう方針を撤回したが、販売業者に対する要請は撤回されていない(引用者注:その後撤回)。
 政府は文書に「飲食店が要請等に応じていないことを把握した場合には、当該飲食店と酒類の取引を停止するようお願いします」と明記した。憲法が専門の横大道聡慶応大教授は「コロナ対策の特別措置法はこうした要請を想定しておらず、事実上のお願いでしかない」と指摘する。
 国税庁は酒類の販売免許を出す権限を持っており、「今回の要請に応じないと報復されかねない」と懸念する千葉県の酒販売店のように、業者にとってはたんなる要請では済まされない。販売業者の経営を制約する恐れがあるため、横大道氏は「憲法(22条)が保障する『営業の自由』の観点から問題だ」と説明。その上で「取引を停止しても業者が自主的にやったことだという言い訳の余地が残り、巧妙かつ悪質なやり方だ」と批判する>
(酒提供をやめない飲食店と取引停止「国の要請は憲法上問題」「巧妙かつ悪質」 専門家が指摘:東京新聞 TOKYO Webより)


●河野太郎大臣が大幅なワクチン不足知りながら長く隠蔽して混乱

2021/08/04追記:河野太郎行政改革担当相は2021年7月6日、新型コロナウイルスのモデルナ社製ワクチンについて、日本への6月末まで(第2四半期)の供給量が当初計画の4000万回分から1370万回分へ約6割も減っていたと明らかにして、批判を浴びていました。大幅な減少です。

 しかも、モデルナワクチン、6月末までの供給6割減 減少分は9月末までに | 毎日新聞(2021/7/6 14:24)によると、「モデルナに対する世界的需要が非常に厳しい中で、モデルナ社と協議の上で決めた」としていたのですが、なんとその計画が変更された時期は「正確には覚えていないが、ゴールデンウイーク前くらいじゃないか」と言っていたそうですからひどすぎです。

 これについて、以前から河野太郎大臣は「上半期に4,000万回分の供給」について否定していたという話があり、批判は的外れとする擁護がありましたが、実はこれでも問題。というのも、きちんと説明していないために伝わっておらず、自民党が好きな産経新聞ですら「上半期に4,000万回分の供給」と理解していたんですよ。これでは意味がありません。

 とりあえず、6月1日記者会見要では確かにそうしたやり取りがあったことが確認できたのですが、産経新聞も下記のように書いており、全く伝わっていなかったことがわかります。政治にとって国民に伝えることは大事なのに、それができていなかったんですね。悪い情報こそ特にきちんと伝えるのが大事というのは、企業などでも言われています。

<河野太郎行政改革担当相は14日の衆院内閣委員会で、新型コロナウイルスワクチンの職場接種をめぐり、申請受け付け停止が続いていることを陳謝した。(中略)
 職場接種に使う米モデルナ製の供給は、6月末までに予定していた4000万回分のうち、1370万回分にとどまっている。早期に示していれば、企業の要望を減らせたのではないかとの今井氏(引用者注:立憲民主党の今井雅人議員)の問いには「言い掛かりでしかない」と反論した。>
(河野担当相、ワクチン職場接種停止を陳謝「要望、見誤った」 - 産経ニュース 2021/7/14 12:30より)

 情報をきちんと伝えていない最悪さに関しては、【河野太郎】河野大臣の見苦しい変節ぶり 「情報公開を」と吠えていた男がワクチン調達“隠蔽”指摘に逆ギレ!|日刊ゲンダイDIGITALという記事も出ていました。他人を責めるときには「違法でも情報公開を」と言っていたのに、自分に都合の悪い情報は隠したせいで、日本のワクチン接種で大混乱をもたらした…ということになっています。

<河野大臣はゴールデンウイーク前に供給減を知っていたにもかかわらず、6割減の1370万回しか調達できなかった事実を今月6日の会見まで隠していた。
  シレッと公表した直後、テレビ番組や自身のブログで「ワクチンに関する情報を公開する時は必ず製薬会社と事前の合意を取る」などと釈明したが、モデルナ製の供給減によって「EUにファイザーのワクチンの確実な供給を迫ることができた」「交渉カードに使った」――と居直り。14日の衆院内閣委員会では「早く公表すべきだった」との野党議員の追及に「言いがかり」とまで言い放った。
 そもそも、モデルナは4月半ば、欧米向けの6月までの供給を減らすと発表していた。河野大臣が日本向けの供給減を把握した時期だ。そのモデルナが欧米向けの供給減を明かしていたのだから、河野大臣が「公表したい」と掛け合えば日本向けの供給減も公にできたはずだ。
 (中略)自民党が下野した2012年2月の予算委では、財務省の事務次官が住む官舎の家賃を質問し「個人情報の保護を超えて、やはり明らかにすべきものだと思いませんか」と民主党政権(当時)に噛みついていた。
 個人情報保護をぶっ壊してでも政府に「情報公開せよ」と迫っていたのに、さすがは原発再稼働や米国の小型核兵器開発などを巡り立場をコロコロ変えてきただけある>


●国民見殺しの原則自宅療養…唐突に方針転換し与党からも批判され撤回

2021/08/11追記:軽症ですら非常に苦しいことがある新型コロナウイルス、中等症では人生最大レベルの苦しさで、重症化にも繋がりやすく危険だといいます。ところが、この中等症を含めて「原則自宅療養」という実質国民見殺しな方針を菅政権が突然言い出して、野党だけでなく与党からも批判。菅首相は撤回しないと言い張っていましたが、結局、撤回に追い込まれていました。

 記事はまず、【解説】中等症では入院できない? 医療現場の前線からは憤りの声も|TBS NEWS(2021年8月3日 17時07分)というものから。中等症の深刻さの他、安倍政権時代から含めて自民党政権の対策が全く進んでこなかった…という話も出ています。一方で、五輪を大した対策なく強行開催しており、優先順位は明らかに国民の命より五輪でしたね。

インターパーク倉持呼吸器内科・倉持仁院長
「中等症の2とかで治療に介入してたのではもう間に合わないんです。重症化を防げないってことはわかってますから、より早い段階で治療に介入しなきゃいけないんで、抗体カクテル療法を承認したはずなんですね。しかし、その治療っていうのは軽症者のうちに治療しなければいけないのに、入院しなければ薬が全然使えないんですね。ですからもう言ってることがめちゃくちゃですし、このお二人(引用者注:菅首相と小池都知事)がおっしゃっていることっていうのは、私が医療現場から聞いたこととして聞こえたのはですね、国民に真っ当な医療体制は供給しませんよというメッセージだと思うんですね。ですから、こういう人たちに国を任せていてはですね、国民の命は守れませんから、2人とも至急ですね、お辞めになった方がいいと思います」
「1年半も経っているのにこんなことを言っているっていうのが我々医療現場からすると信じられないですし、本当に真っ当ではないし、こんなことじゃ国民の命が守れませんね」
「治療薬を早く渡していただきたい。それから、先ほども言いましたけど、13%の人しか入院して医療が受けられていないんです。残りの87%は待たされてるんです。それも、医療も薬もないんですね。こういう状況は1年半続いてるわけですからそこにテコ入れをしてですね、ぜひ自宅でも、あるいは外来でも治療できるような体制を至急構築することで、検査してすぐ治療が受けられて重症化せずに「普通の軽い病気だったね」っていうふうになることが初めてできるんですね。それをこの病気だけ自宅で見ていいなんてことをしたら、他の病気も同じようなことになりかねませんので、皆保険制度の崩壊の始まりということになってしまいますから、やめていただきたいですね」

 なお、超過死亡数はすでに日本でも多くなっており、隠れた新型コロナウイルス感染死亡者か、新型コロナウイルス対応に負荷がかかったせいで治療が遅れて別の病気で亡くなった方が増えている可能性が高そうです。経済優先派は無視していますが、新型コロナウイルス感染拡大は、他の病気の人も殺すんですよね。本当、政府は人殺しばかりやっています。

 この方針には当然、野党は命を切り捨てる方針だとして見直しを求めました。ただ、「原則自宅療養」与野党から“撤回”求める声|テレ朝news-テレビ朝日のニュースサイト(2021/08/04)によると、それだけでなく、公明党が新方針の撤回を突き付けました。後述するように自民党からも要望が出ました。

 ちょうどこの時期、私もテレビでニュースを見ていたのですが、田村厚生労働大臣がめちゃくちゃ偉そうに高圧的な発言を繰り返していたんですよね。自分たちが人殺ししているくせに、野党が人殺しだと言わんばかり。安倍政権時代から「とりあえず反論すれば支持者が勝手に擁護してくれる」を繰り返してきた結果でしょう。

 菅首相も当初「撤回しない」と強気でした。読売新聞によると、自民党すらも「原則自宅療養」の見直しを申し入れがあったものの、菅首相は、政府の療養方針について「丁寧に説明して理解を頂いていきたい」「必要な医療を受けられるようにするための対策だ」と述べ、撤回しない考えを示していたんですよ。悪行ばかりする政権を国民が支持してきた結果がこれです。
(自民が「原則自宅療養」の見直しを申し入れ…首相は撤回しない考え : 2021/08/04 読売新聞オンラインより)
https://www.yomiuri.co.jp/politics/20210804-OYT1T50370/

 撤回しないとしたこの方針は結局撤回に。厚労相「中等症も原則入院」 コロナ自宅療養、与党に修正文書提示 毎日新聞 2021/8/5 21:58(最終更新 8/5 22:43)によると、もともとリスクの高い中等症患者も入院であり、マスコミが誤解させたと主張しているみたいですが、前述の通り、自民党からすら見直し要請が出ており、最初はそんな説明はしていませんでした。

 また、結局、「入院させる必要がある患者以外は自宅療養を基本とする」とした方針は変えてないと主張しているんですよ。政府はこれで「マスコミが誤解させただけで当初方針通り」とメンツを保てなのかもしれませんが、現場の医師が指摘していた国民の命を軽視する日本の状態は何一つ変わっていないということに注意してください。


●五輪でラムダ株を隠蔽疑惑に自民党幹部「もっと早く聞かれれば答えた」

2021/08/22追記:長くなってきて下まで見るのがたいへんなので、しばらく前の方に追記します。

 2021年7月20日のペルーから羽田空港に到着した30代の女性が、検疫所の検査で新型コロナウイルスに感染していたことが確認されていたと、8月6日になってから< 国内初 ペルーで確認「ラムダ株」羽田空港検疫 感染確認の女性>(2021年8月6日 18時40分 NHK)などで報じられました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210806/k10013186021000.html

 この感染者は最初から五輪関係者ではないか?と疑われていたものの、当初は発表なし。1週間経った8月13日になってから五輪関係者だったと判明します。これもマスコミが政府関係者に取材したからやっと答えた…というもの。自らすすんで発表したわけではなく、隠蔽している感じはありますね。聞かれなかった場合、答えなかったと思われます。

 また、この判明前から、東京五輪が終わるまで隠蔽されていたのでは?といった批判も出ていました。一方、政府はこれに反論。加藤勝信官房長官は18日、公表が約2週間以上遅れた(国際機関(GISAID)には7月26日に報告とも)ことについて、記者会見で「公表は厚労省の決めた手順で行われた」と語り、ラムダ株が公表する変異株の基準ではなかったと説明したそうです。

 ラムダ株『懸念すべき変異株』位置付けられず公表遅れに…官房長官説明にSNSでは疑問の声も:中日スポーツ・東京中日スポーツ(2021年8月18日)によると、ラムダ株については国立感染症研究所が懸念すべき変異株、注目すべき変異株の両方に位置付けておらず、公表する仕組みがなかったという説明でした。

 ただ、仮に五輪が判断に影響しておらず、隠蔽する気がなかったとしても、こうした対応そのものが国民の生命を守るための対応として問題が感じられるもの。先のNHK記事によると、WHO=世界保健機関は「懸念される変異株=VOC」まではしていないものの、と「注目すべき変異株=VOI」には分類していました。日本の危機意識が弱すぎるように見えます。

 また、この話の反応では、検疫・隔離の問題についても懸念する声が上がっていました。たとえラムダ株のような「注目すべき変異株」であっても、個人に任せたゆるい隔離に頼るといったザルな対応しか日本はしていないためです。このザル対応には、厳格管理はコスト的にムリという擁護もあったのですが、そもそもなぜそんなゆるい対応をしてまでガンガン海外から入国させるのか?という再反論を呼び込んでおり、納得できる説明は難しそうでした。

 なお、隠蔽していない!に関しては、8月12日のBS―TBS「報道1930」に自民党外交部会長を務める佐藤正久参院議員が五輪があるから発表しなかったのではと問われて、「(検疫は)もっと早く問い合わせがあれば答えたという感覚。ラムダ株に対する意識の高さがなかった」と発言しています。

 これ以外にも「早く発表すべきだったが、政府の中でも情報が共有されていなかった。(8月6日に厚労省が明らかにしたのは)報道機関から問い合わせがあったから答えた」とも発言。マスコミが仕事しなければ隠蔽し続けていたという発言であり、問い合わせないマスコミが悪いと逆ギレしているようにも見えてひどい発言でした。


●政府のワクチン方針転換で混乱 劣るワクチンは氷河期世代に分配

2021/09/01追記:その後、モデルナワクチンで異物問題が出ているのですが、進行中の話ですので、その前のアストラゼネカワクチンの話を。反ワクチンになってほしくはないのですが、アストラゼネカワクチンは血栓リスクや効果などの問題があり、一部の国において相対的に劣るワクチンとして扱われていたのは事実です。

 日本でも、政府が当初アストラゼネカワクチンを使う気がなく、ファイザーとモデルナのみを使っていたことからもわかります。台湾など海外にアストラゼネカ製を回したのもそうした理由です。ただ、この劣る扱いをしてきたアストラゼネカ製を突如40代以上のいわゆる氷河期世代に使うと発表して、氷河期世代から怒りの声が出ていました。

<英アストラゼネカ製の新型コロナウイルスワクチンについて、厚生労働省が、40歳以上を予防接種法上の「臨時接種」の対象として位置付ける方向で検討している――。
共同通信が2021年7月29日未明、このニュースを流したところ、ヤフーではたちどころに4000以上のコメントが付いた。大半は「氷河期世代をバカにするのか」という反発の声だった>
< 3社のワクチンにはかなりの違いがある。NHKのまとめによると、一つは予防効果。ファイザーは95%、モデルナは94%とされるが、アストラゼネカは70%にとどまる。
特に顕著なのが副反応。アストラゼネカについては、「ごくまれに血栓ができるケースが確認され、死亡例も報告。原因は特定されていないもののワクチンとの関連性が指摘される」という。
  福井新聞は7月22日、「新型コロナウイルスのワクチン接種 ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ...対象年齢、副反応など違いは?」という記事を掲載している。アストラゼネカ製は、「当初は血栓症などの懸念から使用を見送っていたが、海外で多くの接種実績があり、効果も確認されていることから厚労省は公費接種の対象とする方向で調整に入った」「血栓症は、若い世代で比較的多く報告されているため、60歳以上への接種を認める方針」と説明している。
この記事では「60歳以上」だった対象者が、共同通信の報道では「40歳以上に」になっている>
(アストラゼネカワクチン40歳以上に接種か 「氷河期世代」また割を食うと激おこ: J-CAST トレンド 2021年07月29日20時10分より)

 政府は認めませんが、こうした方針転換を行ったのは、ワクチン不足でワクチンの接種が遅れているためでしょう。政府のワクチン接種計画がいい加減だったためとも言えます。接種を早めるためアストラゼネカを希望する人に使うというのはアリですが、それなら早い段階から行うべきでした。リスクが少ない高齢者に使わなかったというのも矛盾です。

 今回のように、当初劣るワクチン扱いしていたものを突如…となると、不信感を抱かれるのは当然。前述の通り、反ワクチンになってほしくないものの、政府のやり方は不信を増してしまうやり方でまずいものでした。氷河期世代はネトウヨが多い世代として知られており彼らにとっては自業自得ですが、ネトウヨじゃない大半の普通の人にとっては無関係な話です。

 また、ワクチン接種に関わる方針転換による混乱は、上記の記事の後の2021/08/07に出た読売新聞の<ワクチン配分大幅減、知事反発「政府の方針通りにしたのにおかしい」…ペース速い自治体不利>という記事からもわかります。こうした記事がリベラル系ではなく右派である読売新聞から出ているということは重要でしょう。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20210807-OYT1T50365/

 この記事によると、これまで政府は、接種のペースが速い自治体に手厚く配分してきたとのこと。ところが、河野行政・規制改革相が突如、接種が遅れている自治体への配分量が増え、逆に速い自治体は少なくなるように変更。佐賀県の山口知事は「政府の方針通りに取り組んだのに、急にストップをかけられた。おかしい」と批判していたそうです。

 また、山口知事は「先に頑張ったところは追加供給が来ると言うから、市町とともにやってきたのに方針がころころ変わる」とも批判していました。アストラゼネカの方針転換と同じで、政府は突然方針転換するという話である他、ワクチン不足やワクチンの接種計画がいい加減すぎた…という点でも共通点がある話でした。


●右派批判の陰性証明、五輪での使用を政府検討 医師からは別の問題指摘

2021/06/14:<【独自】東京五輪観客に「陰性証明」求める、1週間以内の取得条件…政府原案 :: 読売新聞オンライン>(2021/05/31 06:53)というものが出ていました。「複数の政府関係者が明らかにした」とあり、なおかつ自民党に近い読売新聞の独自情報記事ですから信頼性が高く、マジで検討しているのだと思われます。
https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210530-OYT1T50102/

<原案によると、観客全員に事前にPCR検査などを求め、入り口で観戦日の前1週間以内の陰性証明書を提示することを条件に入場を認める。ワクチンを接種した人は接種証明書があれば陰性証明書は求めない。検査費は自己負担で、政府は検査数は1日最大約40万件と試算しており、今後、検査態勢の拡充も図る>

 ただ、仮に陰性証明に効果があったとしても、「1週間以内」という期間の設定は理解しづらいものです。山田 悠史・マウントサイナイ大学病院 米国内科専門医は、以下のように問題が大きいことを過去の報告を参考にしながら指摘。政府は未だに新型コロナウイルスの特徴を全く把握しようとせず、雰囲気だけで仕事しているんでしょうね。国民にとっては最悪ですわ…。

<まず、新型コロナの感染者は、症状が出る48時間前から感染している可能性があり、全く症状が出ない場合もあるため、体温や症状のスクリーニングを日常的に行っても、あまり効果的ではないことがわかっています。
 PCR検査による確認は、米国NFLの経験から、少なくとも1日1回行うのがベストであることが示唆されています。それでもなお偽陰性が出てしまうのが現実ですが、リスクを低減することには役立つことが報告されています。1週間前の1回のPCRでは、抜け穴が大きくなるのは明白です>
引用文献:https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp2108567?query=featured_home
(五輪観戦に陰性証明、1週間以内の取得条件…政府原案より)

 また、そもそもPCR検査やそれによる陰性証明書は、以前、右派(政府自身も?)がさんざん批判してきたもの。それを掌返しで五輪のために活用する…というのもいい加減すぎます。このため、はてなブックマークでは批判が人気していていた他、政権擁護も多い右派の橋下徹さんからも批判が出ていました。

<「検査拡大?は!陰性証明なんて何の役に立つんです?」みたいな煽り方をしていた検査抑制論者の皆さん、今どうしていらっしゃいますか>(はてなブックマークより)

<この案に橋下氏は「1週間以内の陰性証明書?意味がないってことを今まで政府もさんざん言っていたんですよ」とした上で「1週間以内に陰性になったってその後、感染する可能性もあるわけで。もし1週間以内の陰性証明書でいいんだったら、水際対策もそれでいいわけじゃないですか」と述べた。
 その上で「いきなり、入れるためにこんな緩い今まで否定していたことを持ち出したら国民は大混乱ですよ」と指摘していた>
(橋下徹氏、東京五輪の観戦条件で「陰性証明書提示」案に疑問…「国民は大混乱ですよ」(スポーツ報知) - Yahoo!ニュース より)
https://news.yahoo.co.jp/articles/4e13587a28d9d8aaed1ae81bc06282745741d829


●逆効果だと指摘あった鉄道の減便を要請し混雑発生、逆に感染拡大政策に

2021/07/26:新型コロナウイルス感染者が予想通り爆発する中、東京オリンピックが開幕。それでいいの?と思うのですが、ニュースは五輪だらけに。NHKではニュースが大幅削減の上に、そのニュースも直前に放映した五輪の話という中身のなさです。ということで、この隙にストックしていた使えていなかった過去の話をやっておこうと思います。

 以前、えっ!?と以前驚いたのが、2021年5月11日の<「通勤時間に減便で混雑 次は適切に対応」赤羽国土交通相>(NHK)というニュース。安倍政権時代にも減便が検討されて逆効果だと批判されてやめていたのですが、菅政権では減便を実際にやってしまった模様。事前の指摘通り、逆効果になり、新型コロナウイルス感染拡大政策のようになってしまいました。

<都圏の鉄道各社は、緊急事態宣言に伴う東京都と国の要請を受けて、大型連休の合間の平日などに運行本数を減らしましたが、混雑が発生したためJR東日本や一部の私鉄が一転して減便を取りやめました。
 これについて赤羽国土交通大臣は11日の閣議のあとの記者会見で「5月6日の朝に通勤のピーク時間帯の利用者が連休前の水準に戻ってしまったことなどから、大変残念ながら大きな混雑が発生した。こうした経過を踏まえながら、次なる時には適切に対応できるようにしていかなければならない」と述べました。
 そのうえで、「減便があったことで、特に大阪の夜の人の流れが相当抑えられたという数字も出ている。最終便の繰り上げはプラスの効果もあるのではないか」などと述べ、減便や終電の繰り上げの効果を検証し、今後の対応を検討する考えを示しました>
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210511/k10013023161000.html

 あと、下の方でたくさん書いている会食関係の話ということで、使っていなかった<菅首相側近ら「官邸で弁当」問題で坂井官房副長官が四面楚歌 自民からも「身内に甘い」の声>(東スポWeb 2021年4月2日 19:19)を。役所内での会合そのものにも、与党内から「菅首相側近らによる官邸の私物化」と批判されていたそうです。

<坂井学官房副長官(55)は2日の衆院内閣委員会で、菅義偉首相(72)に近い自民党の無派閥議員グループ「ガネーシャの会」メンバー約10人と首相官邸で食事を伴う会合を開いた問題について「配慮が足りなかった」と釈明した。(中略)
坂井氏は1日に首相官邸で会合を開いたことが発覚した際、報道陣に「分かれて弁当を食べた。逆に何が問題なのか」と話し、物議を醸した>
https://www.excite.co.jp/news/article/TokyoSports_2978571/


●国民に自粛求めた5人以上の会食を菅首相自ら違反、自民党は正当化

2020/12/19:安倍政権では、自粛が求められていた新型コロナウイルス感染を拡大する行動を、安倍昭恵首相夫人がやって問題になりました。これは安倍首相が謝罪し、「我々も注意するから皆さんもどうか協力を」と言えば問題はまだ小さく収まったはずなのですが、なんと夫人の行動を擁護したことで、国民の協力を得られない状況にしてしまいました。新型コロナウイルス感染を拡大する行動です。

 ところが、驚いたことに、菅政権では、菅首相自ら自粛破りを行って、なおかつ自民党議員らがこぞって擁護という、よりひどいことになっています。まさか安倍首相よりひどいことをするとは思いませんでした。菅首相は安倍首相と違ってバカではないと思っていたので、完全に予想外でしたわ…。

 とりあえず、まず、自粛が求められる行動の確認について。西村康稔・新型コロナ対策担当大臣は11月16日、5人以上の会食には感染リスクが高いとの指摘があったと報告。菅義偉首相自身も、同日の新型コロナウイルス感染症対策本部で、飲食店支援策「Go To イート」で5人以上の会食を対象外とすることを感染拡大している地域の知事らに検討するよう求めました。その後、一部の都道府県で実際に5人以上を対象外としています。
(GoToイート「5人以上は対象外に」 首相が検討要請:朝日新聞デジタルなど、より)

 また、年末年始「静かに過ごして」 少人数、密集回避で―コロナ分科会提言:時事ドットコム(2020年12月11日20時59分)によると、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は12月11日の会合で、忘年会・新年会などは「普段から一緒にいる人と少人数で開催する」ことを要請していました。

 しかし、菅首相は「GoToトラベル」を一時停止すると発表した直後の14日夜、銀座のステーキ店で自民党の二階俊博幹事長や芸能人ら8人が参加して会食。政府が打ち出した新型コロナウイルス対策を集中にやるという「勝負の3週間」の間、菅首相はこれ以外にも会食を重ねていたそうです。
(「勝負の3週間」に会食重ねた首相 「大人数」会合はしごも 野党から批判続出より)

 そして、安倍首相のケースと同じで、より問題だったのは、自粛破りを正当化する声が身内から続出したこと。西村康稔担当相は「一律に5人以上は駄目だと申し上げているわけではない」と強調して、従来の自分の説明を修正、首相を擁護しました。これでは国民が協力する気持ちになるはずがなく、国民をバカにしています。
(菅首相「誤解招き、真摯に反省」 二階氏ら7人との会食で―新型コロナ:時事ドットコムより)

 また、安倍さんの盟友でもある自民党の下村博文政調会長も「(会食をやめることで)営業できなくなるという経済的なマイナス面も考えながら、感染拡大に注意して会食することを批判するのは、少し過剰反応かなと思う」「5人がよくて7人はいけないということではない」と同様に擁護していました。
(自民・下村政調会長、首相の会食への批判に「過剰反応」(産経新聞) - Yahoo!ニュースより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ab83750e6a07a341f45eebc86fa270ccbc167b2

 これには、今でもヘイトスピーチに寛容であるなど、右派ユーザーが多いと思われるヤフーニュースですら批判だらけに。「自分たちである一定の基準を公表している。その基準を自らが超えておいて、批判されれば過剰反応って意味が分からない」「日本の政治家は国民に一方的なお願いをたくさんするけれど、自分たちはそのお願いを守らず、それを指摘されたら『誤解』っていうんだよね」などが上位コメントです。

 また、右派ジャーナリストの安積明子さんも記事にコメント。そもそも経済との両立という下村政調会長の言い分通りなら、菅首相のGo To トラベルの停止の判断は矛盾だと指摘しています。さらに、会見で質問されるのは事前に予想できたはずで、なぜ「国民に対して説得力のある発言がなぜできないのでしょうか」と一刀両断していました。


●菅首相は「国民が誤解した」として責任転嫁し、謝罪にならない謝罪

2020/12/21:別の話題もやりたいのですが、菅首相の会食はまだまだひどい話があったのでもう一回だけ。まず、前回部分でも少し出ているように、菅首相は国民が誤解しており、その誤解を招いたことだけは謝罪するという、謝罪ではないような謝罪の仕方をしたことも反発を受けていました。要するに自分が悪いのではなく、誤解した国民が悪いということですね。

<首相は16日、会食問題をめぐり「国民の誤解を招くという意味では、真摯(しんし)に反省している」と記者団に述べた。SNS上では「『誤解』ではない。『事実』だ」「どこが『誤解』だったのか教えてくれ」などの書き込みが相次いでいる>
<記者が「大人数で食事していた事実はあるが、『国民が誤解』とはどういう意味か」とただすと、加藤氏(引用者注:加藤勝信官房長官)は「そこに留意するよりも、(中略)首相が大いに反省しているとおっしゃっている。まさに、その気持ちが全てではないかと思う」。結局、「誤解」が意味するところを説明することはなかった>
(首相の「誤解」の意味は 官房長官、繰り返し問われ反論:朝日新聞デジタルより)

 未だに右派色の強いヤフーニュースでも「国民が誤解?と思っているのは、総理本人だけだと思います。国民は正しく理解して、総理の行動についてダメ出しをしているのだと思いますよ」「この国難の時に国のリーダーがこんなことをするとは更に『国民が誤解』とは、国民を舐めるのもいい加減にせよ」といった声が出ています。
(コロナ下 緩む首相 懲りずに会食はしご/「国民が誤解」と釈明 説明不足に与党も苦言(北海道新聞) - Yahoo!ニュースより)

 なお、今官房長官である加藤勝信さんは新型コロナウイルス問題を担当していた厚労相時代に、相談の目安として示した「三七・五度以上の発熱が四日以上」という基準により、治療が遅れて重症化や死亡に至るケースが出ていたことについても、「国民の誤解」として責任転嫁していました。自民党はこんな人ばかりです。
(厚労相「誤解」発言に批判相次ぐ 混乱は国民や保健所のせい?:東京新聞 TOKYO Webより)


●国民にリモートワーク求めながら首相は会食、しかも相手は芸能人ら

 さらに舐めているのが、この謝罪にならない謝罪の直後、相次いで会食を続けたこと。今度は2回とも5人以上じゃないからいいだろうということなのでしょうが、意地になっている感じですかね。私の身近にもそういう人がいます。なお、政府新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長は、首相に直接言及しなかったものの「はしご酒は感染リスクが高まる。なるべく控えてほしい」と語っており、4人以下なら問題なしということでもありません。
(コロナ下 緩む首相 懲りずに会食はしご/「国民が誤解」と釈明 説明不足に与党も苦言(北海道新聞) - Yahoo!ニュースより)

 そして、これでまた悪いのが問題行動を身内が正当化したこと。加藤勝信官房長官は記者会見で、「感染対策と同時に、いろいろな皆さんから話を聞くのは首相にとって大切だ。批判も考慮しながら進められるだろう」と述べました。これについては、右派色のヤフーニュースで的確すぎる反論が出ています。

<リモートワーク、リモートワーク言ってるのは政府だろ?リモート会議でいいじゃん。なぜやらない>
<「話を聞くのは大事」と会食は別。飲食の必要は全く無い>
<専門家から話を聞くのは大事だと思うが、芸能人の話は今この時期に必要なのですか?>
(加藤氏、首相の夜会食は継続 「話を聞くのは大事」(共同通信) - Yahoo!ニュースより)

 最初のステーキは二階さんらと言われていたので、私は最初てっきり自民党関連の会食なのだと思ったら、プロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長、俳優の杉良太郎さん、政治評論家の森田実さん、タレントみのもんたさんらが参加した会食だったとのこと。芸能人らが中心で、全然話を聞く必要がないものでしょう。
(忘年会の自粛呼び掛けているのに…菅首相「国民に誤解招き反省」その夜また、はしご会食:東京新聞 TOKYO Webより)

 ただ、政治評論家の場合はテレビなどで政治関係の発言があり得るわけで、新型コロナウイルス問題でバッシングされないために懐柔している危険性もあります。謝罪後の会食の方では、自民党擁護が多い政治ジャーナリスト田崎史郎さんらとフランス料理店で会っており、必要な新型コロナウイルス対策はそっちのけで批判封じだけは一生懸命な感じですね。
(首相ステーキ批判に「反省」も その足ではしご会食 - 社会 : 日刊スポーツ[2020年12月16日22時45分]より)

 なお、ステーキ会食については、政府がこれまで呼びかけてきたような「マスク会食」の対策も取られていないずさんなものであった模様。もともとマスク会食を国民が全員やるのは無理があるだろうとは思っていたのですけど、首相すらやる気なし。「対策すれば会食も大丈夫」というのは、机上の空論的なところがありますね。

<鉄板を囲む半円形のカウンター席で横に並んで座り、自ら国民に呼び掛けた会食時のマスク着用はしていなかった。会食に出席した政治評論家の森田実氏が17日、共同通信の取材に明らかにした。首相は料理が提供されるとマスクを外し、店が用意したケースに収納。会食中にマスクを着けたり外したりすることはなかったという>
(首相、会食時にマスクせず 14日夜、8人でステーキ | 共同通信より)

<首相はこれまで、食事でも会話中はマスクを着用する「マスク会食」を国民に呼び掛けている。関係者によると、首相は会食中、トイレに向かう際をのぞき、マスクをつけていなかったという。二階氏も会見で「マスクを取らないと食事できない。十分注意しているでしょ」と答えている>
(首相ステーキ批判に「反省」も その足ではしご会食 - 社会 : 日刊スポーツ[2020年12月16日22時45分]より)


●批判の後でも80人会食パーティー 過去には自民党感染クラスター複数

2020/12/24:会食以外の話もやりたいのですが、とりあえず、宴会系の話をなるべく短くまとめて。人数的にすごかったのが、自民党の竹本直一前IT・科学技術担当相の後援会が、菅首相の会食問題が繰り返し指摘された後である18日夜、大阪市内のホテルで政治資金パーティーを開いたことが判明した件です。

<竹本氏の秘書によると、勉強会(引用者注:竹本直一議員本人は勉強会のみの参加)と飲酒を伴う会食の2部構成で約80人が参加した>
<会食はホテル内の円卓が並ぶ宴会場に移って開かれ、約80人の参加者に料理やアルコールが振る舞われた>
(竹本直一前IT相の後援会が80人参加パーティー 飲酒伴い、礼状に「忘年会」 毎日新聞2020年12月20日 05時00分(最終更新 12月20日 11時02分)より)

 なお、過去の自民党の宴会で有名なのが、死者200人に達するほど甚大な被害を出した西日本豪雨(平成30年7月豪雨)のときのもの。対策本部設置が遅れる、野党の災害に関する話し合い提案を無視してカジノ法案採決強行など、安倍政権の対応の問題も指摘されているのですけど、自民党議員が国会議員宿舎で開かれた「赤坂自民亭」という懇親会を開いていたことが問題になりました。安倍首相や新型コロナウイルス問題を現在担当している西村康稔官房副長官も参加しています。

<気象庁が緊急会見を行った後の7月5日夜に、自民党議員が国会議員宿舎で開かれた「赤坂自民亭」という懇親会を開催し、安倍首相や小野寺防衛大臣も参加。そのどんちゃん騒ぎしている様子を参加した議員たちがSNSにアップし、大きな非難を浴びています>
(豪雨災害中に自民党宴会、謝罪文の酷さを可視化してみた - エキサイトニュース 勝部元気 2018年7月13日 14:15 より)

 また、このときの会合の写真をTwitterに載せた西村康稔官房副長官の謝罪は、「災害発生時に会合していたかのような誤解を与えて多くの方が不愉快な思いをされた。反省をしており、おわびを申し上げたい」というもので、今回の菅首相と同じで自分は悪くなく国民が誤解していて、その誤解させたことのみを謝罪…という形になっていました。

 あと、ついでに自民党議員クラスターの件もまとめて紹介。私は注意していても感染することはあるので、感染は責めるべきではないと考えているものの、新型コロナウイルス対策をする側の政治家、野党提案はほぼ全部否決されるので特に多数派である与党議員が模範となる行動を取っていないのは問題だと言わざるを得ません。

 加えて現在の多数派である右派に、新型コロナウイルス対策を軽視する傾向があるというのも気がかり。アメリカではこれが顕著で、新型コロナウイルス対策の方を露骨に批判し、議員らが対策をせず、支持者も対策しない上に対策を批判する…という悪循環を引き起こしています。

 この関係で、日本でも自民党議員がいくつかクラスターを作っているのが気になるところ。対策をきちんと講じた上で…なら、致し方ない面があるのですが、そうではなく、そもそも軽視しているのではないか?という懸念があるんですよ。実際、菅首相や竹本直一前IT相の後援会が前述の通りですから、そう考える方が自然だと思われます。

<沖縄県議会の沖縄・自民会派(島袋大代表)は9日、県議会棟で会見し、宮古、八重山地域の視察で12人が新型コロナウイルスに感染し、クラスター(感染者集団)となったことを謝罪した。(中略)島袋氏は宮古、八重山地域で新型コロナの感染が拡大する中、18人の大人数で視察した点に触れ「非常に反省している」と謝罪。大人数で食事会を開いたことも反省点として挙げ、「視察の人数を減らして2班に分ける方法もあった。結果的にクラスター化し、離島行政や県の出先機関、多くの県民に迷惑をかけた」と述べた>
(「非常に反省している」沖縄のクラスター県議が謝罪 大人数で視察や食事会 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス 2020年11月9日 14:43より)

<宮城県議会は23日、自由民主党・県民会議の県議8人と同会派の事務職員2人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。いずれも21日に感染が確認された男性県議の接触者。県議の感染者はこれで計10人になった。残りの県議47人は陰性で、4人は自宅待機中>
(自民会派の宮城県議8人が感染 事務職員2人も [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル 2020年11月23日 17時51分より)


●警報無視して会食で飲酒 転倒し救急搬送、新型コロナで疲弊の病院に負担

2021/01/04:会食の話はもうやらない…と思っていたのですが、自民党の宮腰光寛元沖縄北方担当相が30人と飲酒 転倒して救急搬送「深く反省」:東京新聞 TOKYO Webが象徴的な話でしたので軽く取り上げることに。富山2区の自民党の宮腰光寛元沖縄北方担当相が、富山市内で2020年12月25日夜に開かれた漁業関係者との懇親会に参加した件です。

 前述の通り、自民党の大親分・菅首相がまず守っていないのですが、政府は5人以上での飲食は「新型コロナウイルスの感染リスクが高まる」として注意を促していました。また、地元の富山県は25日、感染拡大警報を出したところでした。これらを破っているので本来なら大問題ですが、もはや自民党ではこの程度なら大きな話題にはなりません。

 宮腰光寛元沖縄北方担当相の件がひどかったのが、タイトルの通り、ただ参加しただけでは済まず、飲酒して転倒し、救急搬送されたということ。ただでさえ新型コロナウイルス問題でたいへんな医療従事者らにさらに負担をかけています。救急搬送は多くの場合、救急車を使用することをさすので、その点でも迷惑をかけた可能性が高いでしょう。また、転倒するほど…なので、相当多くお酒を飲んだことも疑われます。

 それから、最初に象徴的だと言ったのは、この会食が漁業関係者と行ったという点。これは要するに、自身が選挙で受かるための選挙活動を、国民には自粛養成している中で強行したということです。なぜ政治家・族議員に献金・賄賂?業界に利益誘導、支援しないと冷遇で書いているように、自民党議員は新型コロナウイルスでたいへんなときでも自分たちの利益しか考えていません。


●右派市長、市民に初詣は分散参拝で自粛要請し「自分は元日に行く」

 今回はもう一つ。自民党じゃないので本来ならこちらのページのテーマからは外れるのすが、右派繋がりということで、名古屋市の河村たかし市長の話を。河村たかし市長は、新型コロナウイルス対策そっちのけで、対立する愛知県知事へのリコール活動に一生懸命だったのですが、初詣に関しての行動も自分勝手すぎて驚きました。

<名古屋市の河村たかし市長は21日の記者会見で、初詣は密を避け「日時に配慮して分散参拝を」と呼びかけた。一方で自らの対応を問われると、普段通り年始に熱田神宮(同市)などに初詣をすると表明。(中略)市民への呼びかけと矛盾する姿勢を指摘され、「初詣がだめとは言っていない(中略)」などと弁明した>
(名古屋市長、分散初詣呼びかけ 自身は普段通り年始に「行かせて」 毎日新聞2020年12月21日 17時46分(最終更新 12月21日 19時46分)より)
 
<「初詣は3密を回避するため、分散参拝となるよう参拝日時にご配慮ください。(初詣と街頭活動は)ぜひ行かせてほしいと思ってますけど」 河村市長は21日の会見でこのように述べ、初詣は「分散参拝」とするよう市民に呼びかけました。その一方で、毎年元日に行っている初詣と熱田神宮の東門の外で行う街頭活動については、時期をずらすべきではとの質問に対し「そういうもんじゃないですよ」と答え、来年も元日に実施する考えを示しました>
(初詣は日時ずらす分散参拝を…と呼びかけの名古屋市長 自身の初詣と街頭活動は「元日行かせてほしい」2020/12/21(月) 16:44配信 東海テレビより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bb326f26e2e6a67fb196327f24a44364b9e41f93

 河村たかし市長はある意味わかりやすいですね。自分は特別だから自粛はしないけど、一般人は自粛をしなさい…というもの。国民には自粛を呼びかける中、菅首相が会食を続けたり、宮腰光寛元沖縄北方担当相が飲酒会食をしたり…といったものも、そういった「自分たちと一般人は違う」という意識ゆえかもしれません。ここらへんは、上級国民は実在した?不逮捕・不起訴にスピード違反見逃しの特別待遇の話とも繋がってきますね。また、河村市長は街頭活動を行うとのことで、先程と同じで選挙活動優先でもありそうでした。


●石原伸晃議員が特別待遇入院?擁護者はなぜか「コネだからOK」と暴露

2021/01/27:自民党の石原伸晃元幹事長、新型コロナウイルスに感染したことが判明し、即日入院したことが問題になりました。入院できずに亡くなっている人が多い中で、発熱やせきなどの症状はなく、いわゆる〝無症状感染〟にも関わらず優先しての入院に見えてしまったためです。

 SNSではこれに「特別待遇」「上級国民」と怒りの声が上がっているとのこと。また、実際は一律ではなくケースによって異なるのですが、野党議員よりも優先されているように見えるというのもあるみたいですね。ただ、一応今回は「不整脈などの持病があるため」と説明されており、私はこの部分は問題視しません。(持病があっても入院できていない例は報告されており、やはり特別待遇感はありますが)

 一方で、問題視せざるを得ないのは、同じ自民党の野田毅元国家公安委員長、坂本哲志一億総活躍担当相らと昼食をとっていたという話。対策をしていたと主張さているものの、自民党関係者からも「昼食時に弁当を配るのもやめて、夜だけでなく昼の会食も控えるよう申し合わせしていたのに派閥の会長がやってどういうことなのか」との声が出ていたそうです。
(コロナ感染・石原伸晃氏に「上級国民」批判 〝禁〟破り会食、即入院 1/22(金) 20:01配信 東スポWebより)
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc66e2308e4e279d39f43258431e987b133e2c9a

 前述の通り、私は石原伸晃議員の入院は一応「特別待遇」ではないという考え方でした。ところが、以前書いた菅首相との会食でも出てきた、自民党をよく擁護する政治評論家の田崎史郎さんが、ブーメランで逆効果となる擁護をしていたため、「これが事実なら問題視せざるを得ない」ということになってきました。
 
 石原伸晃氏の“特権入院”、田崎史郎氏の「コネがあるから」に視聴者憮然 – アサジョ(2021/01/26 )によると、「ひるおび!」(TBS系)で、「(入院した)大学病院に知り合いがいたらしいんです」と、特別な計らいではないというニュアンスで説明したとのこと。田崎史郎さんはコネによる優先入院を問題だと思わなかったんでしょう。右派のずれた感覚がよくわかります。

 大学病院にコネがある人が、入院の必要性が高い人を押しのけて優先して入院できるというのは間違いなくアウトで問題あり。一律のルールで優先度を判断すべきでしょう。そもそも医療体制が逼迫して入院する人を選ばなくてはいけなくなっているのは、政府の医療体制整備が失敗したためであり、自民党の責任なんですけどね…。


●銀座クラブ問題の説明がウソだらけ「3軒とも1人で行って相手も店主1人」

2021/02/02:会食の話ばかりになっているので、もうこの話は書かない…と思っていて、今回の銀座クラブの話も最初書くつもりはありませんでした。ところが、自民党議員が虚偽の説明をしまくっていた…ということが判明してやはりまた書くことに。自民党議員はいろいろなパターンのひどいことをやっており、引き出しが多いですね。

 緊急事態宣言下で深夜まで銀座のクラブをはしごしたことを、陳謝していた自民党の松本純・国会対策委員長代理。一方、複数人での会食については、「ありません。全部、要望、陳情を承る立場で1人で行っております」と断言。当初は、1軒目のイタリア料理店、そして2軒目、3軒目の銀座のクラブで1人で店から陳情を受けていたと説明していました。

 また、各店舗は「お店が閉まったあとです。お客さんもいないし誰もいません。店主たる人と」と言っていたんですよ。ところが、これらの説明がほとんど全部ウソでした。なんですぐバレるウソを言っちゃうんでしょうね。安倍前首相がそうであったように、息をするように嘘をつきます。これぞ自民党といった感じ。このウソのせいで、私も書かざるを得ないと方針転換しました。

 実際には、大塚高司国会対策副委員長と田野瀬太道文科副大臣も会食に参加。全員役職持ち、つまり、自民党を代表する議員の問題行為とウソだというのがやばいですね。1軒目と3軒目はこの議員3人と女性2人、2軒目だけが松本純議員単独でした。それから、この女性2人というのが記事を読んでいてもわかりづらかったのですが、どうも最後の銀座のクラブの女性2人であった模様です。

 なので、クラブホステスの同伴では?といったことも言われていました。「同伴」もしくは「同伴出勤」とは「ホステスがお客様と一緒にお店に入ること」であり、今回の場合も十二分に定義に当てはまる形。クラブ側、ホステス側のサービスの一種で、デートみたいな感じですね。顧客満足度を上げてクラブの来店頻度を増やす戦略で、ホステスには同伴手当も出るらしいです。(ここだけ2021/02/02 21時追記)

 一方、田野瀬太道文科副大臣は「もともと私の知り合いの女性でコロナで時短要請で苦しんでいる中、よかったら食事でもして、お店にお金を落として元気出していこうと、一緒に食事をしないかという話になりました」と否定。そもそも参加を隠蔽していた人の発言でこれも本当なんだかわかりませんし、要望だけのはずなのになぜ食事をする必要があるのか?とたいへん疑問でした。前述の同伴と考える方がスムーズです。
(自民議員2人が同席、宣言下のクラブ訪問で“うそ”|TBS NEWS銀座クラブ3議員 お店の同伴出勤か質問に…結果、同伴?会食女性から「顔出して」/芸能/デイリースポーツ online【追記あり】「銀座高級クラブひとりで行った」自民・松本純議員の大嘘でした、同行した議員2人が役職辞任→3人とも離党 | Buzzap!より)

 なお、3人は離党のみで、議員辞職はなし。党側も自民党に復帰できなくなる除名処分にはしていません。私としてはどれくらいの処分が妥当なのかはなんとも言いづらいのですが、公明党で同様に問題になった議員は議員辞職、過去の野党の例では最大限に厳しい除名処分だったので温度差を指摘する声や、ほとぼりが冷めたら復帰するためだろうとの声が出ていました。

 あと、問題となった議員が記者に話をしていたのが、「国民のために働く」というスローガンが目立つ自民党のポスターの前だった…というのが偶然なのでしょうが、頭に来ましたわ。お前ら全然国民のために働いてねーだろう!という話。自民党議員は国民のためではなく、「自民(党)のために働く」とか「自分のために働く」とかいった感じです。


【本文中でリンクした投稿】
  ■ネトサポの工作、自民党の平井卓也議員が告白 自身も「あべぴょん、がんばれ」「黙れ、ばばあ!」と自演コメント
  ■上級国民は実在した?不逮捕・不起訴にスピード違反見逃しの特別待遇
  ■なぜ政治家・族議員に献金・賄賂?業界に利益誘導、支援しないと冷遇

【関連投稿】
  ■安倍政権の新型コロナウイルス対策→テレビCM・お肉券・お魚券
  ■不良品で自治体圧迫アベノマスクは逆効果?不足解消・価格低下の理由
  ■まさかの新型コロナウイルス対策予算否定!野党は仕事をしていない?
  ■子供の学校休校は新型コロナウイルス死亡者をむしろ増加し逆効果だと研究で判明
  ■インフル特措法ではなく新法…で新型コロナウイルス対応遅れる
  ■政治・政策・政党・政治家についての投稿まとめ

Appendix

広告

ブログ内 ウェブ全体
【過去の人気投稿】厳選300投稿からランダム表示









Appendix

最新投稿

広告

定番記事

世界一スポーツ選手の平均年収が高いのはサッカーでも野球でもない
チャッカマンは商標・商品名 じゃあ正式名称・一般名称は何?
ジャムおじさんの本名は?若い頃の名前は?バタコさんとの関係は?
ワタミの宅食はブラックじゃなくて超ホワイト?週5月収10万円
朝日あげの播磨屋、右翼疑惑を否定 むしろ右翼に睨まれている?
レーシック難民は嘘くさいしデマ?アメリカの調査では驚きの結果に
赤ピーマンと赤黄色オレンジのパプリカの緑黄色野菜・淡色野菜の分類
アマゾンロッカーってそんなにすごい?日本のコンビニ受け取りは?
就職率100%国際教養大(AIU)の悪い評判 企業は「使いにくい」
ミント・ハッカでゴキブリ対策のはずがシバンムシ大発生 名前の由来はかっこいい「死番虫」
移動スーパーの何がすごいのかわからない 「とくし丸」は全国で約100台
ビジネスの棲み分け・差別化の具体例 異業種対策には棲み分けがおすすめ
主な緑黄色野菜一覧 と 実は緑黄色野菜じゃない淡色野菜の種類
タコイカはタコ?イカ?イカの足の数10本・タコの足8本は本当か?
トンネルのシールドマシンは使い捨て…自らの墓穴を掘っている?
ユリゲラーのポケモンユンゲラー裁判、任天堂が勝てた意外な理由
好待遇・高待遇・厚待遇…正しいのはどれ?間違っているのはどれ?
コメダ珈琲は外資系(韓国系)ファンドが買収したって本当? MBKパートナーズとは?
大塚家具がやばい 転職社員を通報、「匠大塚はすぐ倒産」とネガキャン
不人気予想を覆したアメリカのドラえもん、人気の意外な理由は?

ランダムリンク
厳選200記事からランダムで









アーカイブ

説明

書いた人:千柿キロ(管理人)
サイト説明
ハンドルネームの由来

FC2カウンター

2010年3月から
それ以前が不明の理由