日本の風習は中国由来のものが多いですが、どうやらてるてる坊主の起源もそのようです。
てるてる坊主-Wikipediaによると、その起源は中国の雲掃人形の掃晴娘(そうちんにゃん)にあるのではないかと書かれています。ただし、「要出典」とありますので、やや不確かなようです。
また、この雲掃人形、掃晴娘についての説明は漢文そのままなのでよくわかりませんので、後で他を当たってみます。ただ、「てるてる法師」、「てれてれ坊主」、「日和坊主(ひよりぼうず)」など地域によってさまざまな呼称があることや、江戸中期には既に飾られていたらしいということはわかりました。
『嬉遊笑覧』という本には、晴天になった後は、瞳を書き入れて神酒を供え、川に流すと記されているそうです。同ページには、てるてる坊主に「顔を描くと」雨になるとする地域があるとも書かれており、「瞳」と「顔」の違いはあるものの、似たような行為で違う意味になっており、おもしろいものです。
ついでに雨を降らせる場合をもう少し引用すると、一部地域などで逆に倒立させた状態で飾ると、明日の天気が雨になると言われ、「ふれふれ坊主」「あめあめ坊主」「るてるて坊主」などと言われるとのことです。私は「るてるて坊主」に聞き覚えがあります。
さて、Wikipediaを離れて、先程後回しにした雲掃人形の掃晴娘についてです。
お天気質問箱 - てるてる坊主の由来が知りたい - 日本気象協会 tenki.jpには、「てるてる坊主の原型は中国の伝説上の人物『晴娘』だと言われています」とあります。Wikipediaと違い「掃」の字がありませんが、内容を見ると同じもののようです。
日本のてるてる坊主との違いは、紙でできていること、女の子の姿をしていること、ほうきを持っていることだそうで、ほうきを持っているのは、晴娘が雨雲を掃き、晴れの気を寄せてくれるようにという意味だそうで、なかなかおもしろい話です。しかし、今の中国ではこの風習はほとんど行われていないとのことです。
これに関して、同ページの参考リンク先にあった
気象神社物語(9) 気象神社のマスコットキャラクター「てるてるくん」を読むと、中国では「掃晴娘」(そうせいじょう)と呼ばれるほうきを持った女の子の紙製人形を吊るし、晴天を祈ったと言われ、ほうきは福を引き寄せる力があるとされ、女性は男性より霊力が強いと信じられていたとあります。
しかし、日本では女の子ではなく、その名の通り僧侶を模しています。これはかつての天気祭りをつかさどったのが、修験者や修行僧を意味する「聖」(日和り:ひじり)だったためと考えられているようです。
また、このページでは、先に掲載のWikipediaよりも古い、平安時代に中国から伝わった風習(岩井宏美、帝塚山大学名誉教授/民俗学)との説が書かれています。
「晴娘」、「掃晴娘」と表記振れのあったのですが、他に「掛掃晴娘(ぐあさおちんにゃん)」という表記も見つかりました。これを検索していると、晴娘さんについて詳しく書かれたサイトを発見しました。
寄暢園というサイトの晴娘と題したページですが、晴娘さんは北京に住んでいて、美人さんで利口な上に、手先が器用で切り紙が得意だったそうです。
ある年の六月、北京に大雨が見舞い、一向にやむ気配を見せないことがありました。晴娘さんは夜おそく水を避けて登った崩れ落ちそうな屋根の上で、天に向かって祈願しました。すると突然、大音声が響き、
「晴娘よ、東海龍王が汝を太子の妃にとご所望じゃ。もしも、従わなければ、北京を水没させようぞ」(東海龍王とは、四神の青竜を道教で人格神化した名前)
と滅茶苦茶を言います。
それでも、晴娘さんは北京の人々を救うため、
「命に従って天に上ります。どうか雨を止めてください」
と言い、連れていかれたそうです。
本当、わがままな神様ですが、そのお陰で雨は上がり、北京の空は久しぶりに晴れたとのことです。
そして、以来、人々は晴娘をしのんで、六月に雨が降り続くと娘達に命じて人の切り紙を作らせて、門に掛けるようになり、これを『掛掃晴娘(グアサオチンニャン)』と言ったそうです。(出典は『北京伝統文化便覧』とのこと)
なんかちょっと切ない話だなと思いつつ、今日はここで終わりにします。(この話の後に何ですが、関連して
てるてる坊主は首吊りしている?というのもあります)
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