2013/12/31:
●インチキ霊能者シルビア・ブラウン氏、自らの予言より11年早く死去
●「人の死」で名声を高めてきたブラウン氏に「殺人」を疑う人も
●インチキだけでなく、行方不明者の家族の心理を利用し金儲け!
●彼女こそ真の霊能者だ!予言を外してますます熱狂する信者も
●アメリカだけじゃない!日本でもシルビア・ブラウン氏の信者
●間違えることもあって正解率は9割と説明、検証してみると…
●インチキ霊能者シルビア・ブラウン氏、自らの予言より11年早く死去
2013/12/31:亡くなった人の話…ということで語りづらいものではあるのですが、インチキ霊能者と言われていたシルビア・ブラウンさんという方が先日他界したそうです。
オハイオ女性3人監禁事件、世界貿易センター爆破事件… 米で最も有名な霊能者シルビア・ブラウンの栄光と挫折の霊視人生とは?(1/3)|TOCANA 2013.12.28によると、アメリカで最も有名な女性霊能者。
シルビアさんは自分の死を予言していました。そう言うと当たっのかと思うかもしれませんが、実際に亡くなった「2013年11月20日」とは全然異なります。2003年5月に出演した『CNN』のトーク番組『ラリー・キング』で、「私は88歳で死ぬ」と明言。実際には11年早く亡くなり、予言は外れていました。
また、「アメリカで最も有名な女性霊能者」ということで、これで驚かれたか?と言うとそうでもないんだそうです。世間は驚くことなく「やっぱり」と冷ややかに彼女の死を受け止めているとのこと。シルビアさんは行方不明になっている人たちへの霊視で知名度を上げたのですが、実はかなりの確率で外しており、インチキ霊能者とも呼ばれていたためです。
●「人の死」で名声を高めてきたブラウン氏に「殺人」を疑う人も
「人の死」という話ですので軽々しく「ほら、外れた。やっぱりインチキだ!」と声高に言うものではないでしょう。しかし、どうも彼女自身はこのような「人の死」をネタにして名声を得てきたようです。
Skeptic's Wikiにあった「失踪女性3人を約10年ぶり無事発見、米オハイオ州の住宅で」(2013年 05月 7日 12:11 JST, ロイター)では、以下のような痛ましい話がありました。
<シルビア・ブラウンは2004年にアマンダ・ベリーの母親に、アマンダは既に死んでいると告げていた。ジェイムズ・ランディの記事によると、アマンダさんの母親は2006年3月に失意のまま亡くなっており、ブラウンの透視が彼女の死期を早めたのではないか?と友人らは疑っているらしい>
本当に母親の死期を早めたかはわからないわけですが、先にも書いた通り痛ましい話です。
●インチキだけでなく、行方不明者の家族の心理を利用し金儲け!
サイトではこれ以外にも"デタラメを言って人々を傷つけいている例"として、実際には"行方不明になった直後に殺され"ていた"少女の祖母に対して「彼女は奴隷制度のようなものに巻き込まれて、日本に連れて行かれた」と"説明したという話も載っていました。日本に対する差別感も見えますね。問題でしょう。
また、最初のサイトでは、お金儲けと絡んだ話もありました。シルビアさんは、2002年から行方がわからなくなっていたショーン・ホーンベック少年の両親に対して、「すでに死んでいる」「死体は西南20マイル(32キロ)以内の森林の巨大な岩のそばにある」「犯人は肌の色の濃いドレッドヘアの男」だと霊視していました。
しかし、少年は拉致された4年後の2006年に自宅から20キロ西にある郊外都市で、短髪の白人男性に監禁されているのを無事保護されています。これ自体は例によってインチキだったという話です。もちろんそれも問題なんですけどね。この後、さらにひどい話になります。
少年の両親は、発見された年に出演した『CNN』の報道番組『Anderson Cooper 360』で、「収録後、シルビアからもっと詳しい情報が知りたければ1時間700ドル(約7万円)で霊視してあげると言われた」と明かし、シルビアはとんでもない詐欺師だとバッシングされたそうです。
●彼女こそ真の霊能者だ!予言を外してますます熱狂する信者も
他にも"「行方不明者や殺人事件に関する霊視は、警察やFBIのためだけに行う。もちろん謝礼も受け取らない」と主張していたシルビアだが、警察署は、「30分で400ドル(約4万円)をチャージされた」と証言"したというのもあります。
こうなるとさすがに名声を保っていられません。最近では名前を聞くと「懐かしい」と思うほど落ちぶれていたようです。ただ、一方でこういう人には信者がつくんですよね。そして、信者は世間が冷遇するほどに、教祖の正しさを革新していきます。
"「常に正しいのは神だけ。私は人間なのよ。いつも正しいわけじゃないのよ」と堂々としている彼女のことを、「自分の間違いを正直に認めている。彼女こそ真の霊能者だ」という声も少なくなかった"そうです。こういう「外れたからこそ本物」って主張、他でも見ましたね。なぜかよくあるパターンなのかもしれません。
●アメリカだけじゃない!日本でもシルビア・ブラウン氏の信者
アメリカで出した本の多くはベストセラーだったそうですが、日本で出版された本のレビューでもやはり好意的な人が多かったです。
<イギリスの偉大なヒーラー、ベティ・シャインさんとは何度か手紙をやり取りしました。本書を読んで、ベティさんとはタイプは違いますが、「ここにも本物の教師がいた」と思いました。霊媒とは、「死はたんに肉体の崩壊にすぎない」ということをはじめとして、たくさんの、見えない世界の真実について、事実をもとに、わたしたちに伝えてくれる教師だと思うからです。本書では、TVに出演したシルビアさんのことを信用できないと手をあげた男性がこう言われたと書かれています。「あなたが、これから帰る所は、酪農場ですね。あなたは二人の息子さんがいますが、その他にも二人の男の子の面倒をみておられますね。あなたは車のギアをチェックして、左の膝は医者にみてもらったほうがいいですよ」
男性はぼう然と立ちすくんだそうです>
(
シルビア・ブラウン―サイキックとして 半生とその足跡
より)
●間違えることもあって正解率は9割と説明、検証してみると…
ただ、批判的なレビューもあるにはあります。最初のサイトによると、"彼女自身は「人間なので間違えることもある」と公言して"いたそうです。そして、霊視が当たる確率については"87~90%だと主張していた"みたいです。ところが…。
<Skeptical Inquirerの以下の記事にブラウンの間違った透視事例が列挙されている。
「Psychic Defective: Sylvia Browne’s History of Failure」
Ryan Shaffer and Agatha Jadwiszczok, Skeptical Inquirer, Volume 34.2, March / April 2010
この記事では115件の事例について検証し、うち25件はハズレ、残り90件については真偽が不明としている。
つまり、確実に当たりといえるものはない>
シルビア・ブラウンさんは亡くなりましたが、実は子どもさんも同じような商売をされているそうです。被害者がいないのであれば信じるも信じないも個人の自由ということでいいのかもしれませんけど、前述のような被害の例を知ってしまうと、もうそういったことは言えませんね。
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